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大日本帝国

だいにっぽんていこくまたはだいにほんていこく

日本国の旧称。昭和10年以降の日本の正式な国号であったが、昭和22年(1947年)の日本国憲法の発布により、正式に終焉を迎えた。
目次 [非表示]

概要

昭和22年(1947年)に「大日本帝国憲法」が廃されて「日本国憲法」が施行されるまで存続した日本国の旧称(ただし、国号としては「日本国」の方が古い)。

皇室を推戴する日本という名の国家ということで、「大」を美称として接頭に付したもの。


特に近代に用いられたが、当時における意味・用法は現在の「日本国」と全く同様であり、神武天皇建国以来の日本のことを指した。より正確には神武天皇以前の神代から始まって、建国以来の大和時代奈良時代平安時代鎌倉時代吉野朝時代室町時代安土桃山時代江戸時代幕末時代明治大正昭和までに至る日本という君主制国家を指したのである。


一方、現在では俗に、近代の日本やその旧体制のことを指す限定的な用い方もされる。この場合、明治維新から第2次世界大戦(太平洋戦争)までの日本を指すという認識が多い。中には明治23年に大日本帝国憲法が施行されて正式な国号として称されたとする見方もあるが、後述の通り、正式な国号が「大日本帝国」に統一されたのは、昭和11年になってからのことである。外交文書にも「日本国」「大日本国」「日本帝国」などのざまざまな表記が用いられ、それ以降も憲法によって名称が統一されていたなどとは考えられていなかった

英語表示では"Empire of Japan""Great Japan""Empire of Great Japan""Great Japanese Empire"など。


公的な使用期間

幕末、安政6年に江戸幕府によって使用されはじめ、昭和22年の日本国憲法施行まで続いた。


大宝元年の大宝律令で国号を「日本」と定めて以来、対外的な国号は一貫して「日本」または「日本國」であった。


しかし、開国に際して、江戸幕府は新たに「帝国」を使い始める。嘉永7年、アメリカ合衆国との間に結ばれた日米和親条約で、日本の国号を「帝國日本」(英文"Empire of Japan")とした(ただし「日本國」「日本」も引き続き使われた)。


そして安政6年、日米修好通商条約の批准に際し、脇坂安宅は肩書きを「大日本帝國外國事務担当老中」とした。また、万延元年遣米使節は万延元年、安政五年条約批准条約交換証書上で、日本側を「大日本帝國 大君の全権」と記した(「江戸幕府」は水戸学が使い始めた俗称で、対外的には日本政府の代表として振る舞っていた)。なお、開国時点で欧米側も天皇の存在は認識していたが、ヨーロッパの諸王に対するローマ教皇のような存在と認識されていた。


江戸幕府が「帝国」を使い始めた背景には、オランダ語"Keizerdom"、英語"Empire"の訳語として「帝国」が普及し始めていたこと。欧米側に、日本を帝国とする認識があったこと。中国歴代王朝の冊封体制下で、「王国」と認識されていた日本が、より上位の国号である「帝国」を名乗ろうとしたことなどがあったという(前野みち子「国号に見る「日本」の自己意識」)。しかし、尊王論の高まりと幕府の威信の低下もあり、将軍が皇帝を称することはできなかった。対外的には、日米和親条約で1度だけ「君主」を称した他は、従来の「大君」として振る舞った。また、国号も一定せず、他に「帝國大日本」「日本帝國」も使われた。


慶応3年12月9日、明治天皇は江戸幕府の廃絶と王政復古を宣言した。つまり、この時点では天皇は王と認識されていたが、程なくして、名実ともに皇帝として振る舞うようになる。明治維新後、明治6年6月30日に在日本オランダ公使からの来翰文邦訳で「大日本帝國天皇陛下ニ祝辞ヲ陳述ス」と記述された。


明治22年2月11日には大日本帝國憲法が発布され、明治23年11月29日、この憲法が施行されるにあたり大日本帝國という国名を称した。ただし、その後も「日本国」「日本帝国」「大日本国」表記も使われた。


昭和10年、衆議院に対して、英語表記の"Japan"は「我ガ帝国ノ威信ヲ損スル」ものであり、世界各国に対して国号表記を「大日本帝国」に統一するよう求める建議が提出された。外務省はこれを受け、昭和12年7月、外交文書の日本語表記を「大日本帝国」に統一することを決めた。ただし、英語表記の統一見解は出されなかった。


昭和20年、日本が第二次世界大戦に敗北すると、連合国軍最高司令官総司令部(GHQ/SCAP)によって占領された。日本はポツダム宣言の受諾により、事実上改憲の義務を負っていたので、憲法問題調査委員会(松本烝治委員長)を組織して改憲試案を作成したが、「大日本帝國」の国号はそのままだった。しかし、この試案はGHQ/SCAP側に却下され、かえってGHQ/SCAPによる草案を呈示された。英文で国号は"Japan"と表記され、日本側はこれを「日本國」と訳した。


昭和22年5月3日、GHQ/SCAPとの折衝や帝國議会審議による修正を経て成立した日本国憲法が施行され、「大日本帝国」は公用されなくなった。


実はこれ以降、現在に至るまで、日本の国号を定める法律は作られていない。法令においては「日本」「日本国」「本邦」「わが国」などが混用されている。

とはいえ、憲法においては「日本国(原文では日本國)」が用いられていることもあり、一般的には「日本国」が正式ではないかという認識が国民レベルで浸透している。


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