概要
第36巻収録の「きこりの泉」で登場した、きれいなジャイアンのこと。
この泉にものを投げ入れると女神ロボットが出てきて、彼女の質問に正直に答えると、投げ入れた物の代わりにもっといい物がもらえるというもの。
出番
この道具の存在を知ったジャイアンは、欲張って家にある大量の古くなったおもちゃを新品同様にするために泉に入れようとする。が、誤って自分が泉に転落してしまう。
その結果、女神ロボットが持ってきたのがきれいなジャイアンである。
「これですか。」と尋ねる女神ロボットに対し、慌てたドラえもんとのび太が「いえ、もっときたないの。」と正直に答えてしまったため、
「しょうじきのごほうびに、きれいなジャイアンをあげましょう。」
と、きれいなジャイアンを譲与された。
きれいなジャイアンにドラえもんとのび太が困惑する一方、本来のジャイアンは泉(投げ入れたものは二度と戻ってこない)からの脱出を図るが女神ロボットに阻止されてしまい、もがきながら「助けてくれ〜〜。」と叫ぶ結末になっている。
原作ではきれいなジャイアンは一言も喋らないが、アニメでは台詞がある。一人称は「僕」で、非常に丁寧な言葉遣い。ドラえもんとのび太を「くん」付けし、一緒に勉強をしようと誘うなど、中身まで綺麗だった。
さらにアニメでは、のび太たちが「汚い方で結構です」と女神ロボットに言ったり、あるいは泉から這い上がろうとした本来のジャイアンが「汚い俺はどうなるんだ~!?」とボヤくオチも挿入されている(細部は制作年代ごとに異なる)。ちなみにきれいなジャイアンは助けようとしない。
欲の皮を突っぱねた結果な為、自業自得と言えるが…。
このジャイアン、なんと水田版アニメの「顔か力かIQか」で再登場。
「知能・体力・かっこよさ」の3要素を、例えばかっこよさを上げたらその分知能と体力を下げるといったようにプラスマイナス0になる範囲で自由にいじれる「いいとこ選択しボード」を使ったのび太が「顔のレベルを目一杯上げれば、ジャイアンのパワーも弱くなるに違いない」と思い、いつもの汚いジャイアンの顔のレベルを上げた結果この顔になった(心なしかイケボになっている)。
しかし、体力を最低にしたジャイアンものび太より強かったため、のび太は仕方なしに自分自身の体力を最高レベルに引き上げる。代償としてのび太は外見も知能も北京原人なみになってしまったが、きれいなジャイアンをボコボコにできた。
ちなみに、原作にもこの話はあるが、ジャイアンの顔をいじる下りは存在せず、顔とIQが最低になったのび太が素のジャイアンを倒している。
また『幼稚園』での掲載話では、のび太&ドラえもんとジャイアン&スネ夫が泉の取り合いになった末、4人が泉に転落してしまい、静香がそれに正直に答えたため、「きれいなドラえもん」「きれいなのび太」「きれいなスネ夫」「きれいなジャイアン」を譲与されてしまう。
ラストでは4人が「しずかちゃん、何して遊ぼうか?」と話しかけ、静香が「それより、元の四人を返して〜!」と嘆き、後ろでは4人が泉の女神に抑えつけられながら静香に助けを求めるというオチになっている。
余談
「ジャイアンの体型はそのままに、顔だけきれい」という衝撃的な容姿から、原作ではこの話(しかも3コマ)だけの登場にもかかわらずインターネットを中心にとても高い人気があり、フィギュア化されたり藤子・F・不二雄ミュージアムに泉から出てくるきれいなジャイアンの像が作られたりするほどである。またロマンスカーミュージアムには小田急沿線を再現したジオラマもあり、その中に藤子・F・不二雄ミュージアムの模型も存在しているが、ご丁寧なことににきれいなジャイアン像も再現されている。
そしてついに小学館刊行の「小学一年生」にて貯金箱の付録になることに……
輪るピングドラムでは高倉冠葉の声優が同じことであって皆から「リアルきれいなジャイアン」と呼ばれており、以後、同氏が演じた美形キャラに対する中の人ネタとして使われることもある。
また、同じ作者の作品、エスパー魔美の高畑さんも顔が偶然ジャイアンに似てた事からきれいなジャイアンと呼ばれる事が少なくない。
関連イラスト
パロディ
関連動画
藤子・F・不二雄ミュージアムにあるきれいなジャイアン像
関連タグ
綺麗なジャイアン:表記揺れ。
きれいな鉄平:こちらはある意味正反対である。