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「何人であろうと、俺とお前の、今の生活を壊させはしない」



プロフィール

身長175cm(入学時)→178cm(「九校戦」時)→182cm(24巻)
体重70kg(入学時)→73kg(「九校戦」時)
誕生日2079年4月24日
年齢『旧』シリーズ・15~18歳 /『続』シリーズ・21歳
得意科目魔法の改良・開発、筆記科目は完璧
好きなもの魔法工学機械の改造、読書(技術書)
苦手なもの小さな子供
役職『旧』シリーズ・学生(風紀委員→生徒会副会長→生徒会書記長)、軍人(退役)、会社員(研究員)、四葉のガーディアン→現当主の息子(最上位)、次期当主婚約者 /『続』シリーズ・大学生、社長、専務理事、副代表、四葉No.2
異名『摩醯首羅』『悪魔の右手』『神の左手』『トーラス・シルバー』『ハロウィンの魔王』
CV中村悠一


概要

元は無料のWeb小説であった為、長い間公式ビジュアルのない状態のまま、想像によるイラストが投稿されていた。

しかし2011年4月9日発売の『電撃文庫マガジン』誌上において、妹の司波深雪と共に公式ビジュアルが付けられた。

深雪に「お兄様」と呼ばれている事から、作品のファンの間でもほぼ「お兄様」で通じる(半ば揶揄する意味も含む…かもしれない)。

下記でも説明されるが、途轍もない能力の持ち主で、タイトルの『劣等生』に当てはまらない位に極めて優秀な人物(作中の魔法の評価基準対象だけはその通りだが。しかしこれも『続』シリーズで克服し、基準の1つである魔法発動速度は作中最速で、それ以外の基準も一流に近いレベルに昇華している)。

そもそもタイトルの『劣等生』とは達也に対してではなく、その各編に登場するキーパーソンとなる人物の事を指している(評価上「劣等生」にされた達也との対比を表している)。

『旧』『続』シリーズでは主人公、スピンオフ『優等生』シリーズでは準主人公、『暗殺計画』シリーズではキーパーソン、その第1巻ではラスボスを務めており、『新』シリーズでは名前だけが出ている。

その所持する大半の能力は主人公と言うよりは“ラスボス”に相応しい力と言え、作者や読者も主人公よりも「ラスボス(寄り)」と認めている。

また主人公でありながら、何気に外伝作品で実際にラスボスも担当している珍しいキャラクターでもある。

『旧』シリーズのラスボスからも「一次元も上に行かれている(意訳)」と実感させる程の力量差を見せ付けている。

ただ、大半の能力を封じられる状況(主に競技等の戦闘)では本来の魔法は秘密にしなければならないので、それ抜きの魔法力自体は弱く、その基礎魔法能力の低さを、様々なテクニックと頭脳、身体能力、特殊な魔法技術、経験で補い、格上(本来の能力を発揮すれば遥か格下)相手に挑む構図、即ち一般的な作品の主人公らしさが“第4巻だけ”(第1巻の服部戦もだが、瞬殺だったので省く)にはあり、一応それを1巻のみだが体現はしていた。

近年の(Web)小説の主人公が最初から最強クラスの力を持ち合わせている傾向が強い作品の先駆者とも言える存在で、電撃文庫のキャラクターの中でもキリト等と並ぶ有名な主人公の代表にして、その中の1人でもある(特にキリトとは、電撃関連でよくセットにされている事が多く、劇場版も同じ年に公開されている)。



人物

お兄様がやばいっ

史上屈指のトンデモ能力を複数に渡って保有する規格外(イレギュラー)の主人公

あらゆる分野で「鬼才」と言える力を発揮し、様々な人物達から注目されている。

その立ち振舞いと隙の無い態度、様々な能力は十師族・「四葉」の直系と明かされる前でも「数字付き(十師族)」の一員と疑われたり、ある時は十師族の直系以上に油断ならない存在として警戒されたりと、その規格外の優秀な才能を良くも悪くも評価されていた。

後述でも説明するが、10代と言う年齢で多岐に渡る活躍により、世界を震撼させる程の歴史的な様々な影響、実績、偉業を成し遂げている。1つの分野で名を轟かせる魔法師は数多く存在するが、あらゆる分野で世界最高峰の偉業・実力・実績で名声を得たのは達也のみ(1つの分野でも達也に匹敵する者はいない)。


国立魔法大学附属第一高等学校の生徒で、同じく第一高校に通う司波深雪の兄にして彼女のガーディアン(主の為に命を犠牲にしても守り抜く存在)。

日本最強の魔法師の組織・十師族のひとつにして世界中に「アンタッチャブル(触れてはならないもの)」と認知され、十師族の中でも別格にして一線を画す、世界最強の魔法師一族・四葉家直系の司波深夜の息子。

入学時には15歳の二科生(2年生に進級した際、彼の活躍により魔工科が設立され、そちらに転科・移動)で、クラスはE組(3年間同じ)。

入学当初は二科生(劣等生)だった為に一科生の大半に見下されていたが、理論系一位の成績(入学以降も含む)、生徒会の推薦により、二科生からの前代未聞の風紀員の抜擢とその活躍(委員長と同等以上、と実質一番の活躍)、テロリストが起こした事件を中心となって解決(教員達のみ認知)、九校戦では同じく前代未聞な1年生にして二科生からのエンジニア選出に、二科生でありながら選手として出場して、十師族の直系を破り優勝、エンジニアとしては実質無敗の活躍から徐々に能力の高さを知られ、それにより2年時には達也の活躍(Aランク魔法師を凌駕する数々の実績)に対応する為、魔工科を設立する事となった(それでも対応が追い付いてないと言われる)。

そして2年時には生徒会メンバーになり、『常駐型重力制御魔法式熱核融合炉』の公開実験の中心メンバー、昨年と同じく九校戦ではエンジニアとして活躍し、翌年に四葉直系にして現当主の息子と判明。3年時には『トーラス・シルバー』としても正体が明かされ、恒星炉を用いた海水資源化プラント開発計画「ESCAPES計画」の実行(ある視点から見れば魔法師による独立国家をも可能にするプロジェクト。『飛行魔法』や恒星炉の開発などはこれのパーツに過ぎなかった)、同年の「巳焼島事変」で遂には世界を相手に単独で渡り合える実力を示し、「世界最強の魔法師」「伝説の魔法師」「超戦略級魔法師」としての称号を手にして、“世界の抑止力”そのものになる(USNA政府はその達也個人の軍事力を恐れ、達也個人と取引している)。

そして第一高の卒業式では校長から前代未聞の生徒個人に対して感謝の言葉(歴代初)を掛けられ、学内外問わず各界に数々の実績で多大な貢献をした事を評価し、「優劣を超えた規格外の生徒」として卒業する(その影響は卒業後に第一高の二科生制度を廃止させている程で、数々の実績を残した達也が入学当時は二科生=補欠扱いだった事を疑問視され、それにより元々の制度の間違い、問題点が浮き彫りになり、最終的に廃止となった)。


『新』シリーズでは6巻から登場(ただし、電話越し)。本シリーズでは『旧』シリーズでの活躍に加え、『旧』から『続』の間であるこのシリーズでも数々の成果を挙げ、世界でもその名を轟かせ連ねるVIPクラスの超有名人になっており、全国の魔法を扱う少年少女の憧れの的になっている(その為、第一高は只でさえ、魔法科高校の中でも一番のエリート校だった事に達也の偉業も合わさって、日本全国から入学者が以前よりも多く、倍率もそれに伴って大きく上がっている)。様々な活躍、数々の信じられないエピソードが豊富で、それにより政治家や軍人に学者と言った各分野の専門家などに批判がいかないよう意図的に報道やネットなどに規制が掛けられている。規制を掛けないと批判されるのは、達也個人であらゆる分野に精通してる上に各分野の専門家達を大きく上回る活躍・結果を出しているので、それが全て明るみに出ればその専門家達が「司波達也は様々な分野で活動をしながらそれぞれで凄い結果を出してるのに、各分野の専門家達はその間何をしていたのか?(要約)」と、責められる為(職務怠慢・放棄、無能という風に言われる可能性が高く、最悪その分野での信頼を失くす恐れがある)。

また達也世代の第一高生徒は2学年上の七草真由美、十文字克人、渡辺摩利の3名を、「最強世代」「三巨頭」と称されていた時を遥かに超えた、傑出揃いの「黄金期」と称えられている(その中でも達也と深雪は別格扱い)。

このシリーズの主人公である十文字アリサの同級生で五十里啓の妹・五十里明は達也を崇拝している熱烈なファンの1人。また余りにも個人のテリトリーで達也の名前を聞く事が多い為、アリサは達也の存在を懐疑的に思うのと同時に自身の人生に「(悪い意味で)『司波達也』という名の大きな運命が干渉及び何らかの影響を与え、それに知らず知らずのうちに引き寄せられるのではないか(意訳)」と、一抹の不安を抱く事になる。


『続』シリーズでは国立魔法大学3年生(卒業資格は確定している)で、同時に社会人としても活動(中学時代からだが)し、魔法資質を持っていても軍事的に有用ではないレベル、軍事に不向きな特性を持つ者の人権を守る為に活動する国際互助組織(一種の独立国)『メイジアン・ソサエティ』をチャンドラセカールと共に設立し、そしてその目的を実現する為に活動を行う一般社団法人『メイジアン・カンパニー』を創設する(メイジアンとしての実践的な知識が学べる魔法師の非軍事的職業訓練事業に、学んだことを実際に使う職を紹介する非軍事的職業紹介事業を展開する予定で、それを学ぶ魔工院の開校も準備中)。他にも恒星炉プラントを更なる発展のために統一された経営意思の下で恒星炉を建設・運営する事業体『ステラジェネレーター』を設立する。

『ソサエティ』では副代表を務め、『カンパニー』では専務理事(達也の多忙さと深雪の役職と地位を確立させる為か、彼女に理事長の立場を譲っている。今の所は深雪は御飾り状態ではある)、『ステラジェネレーター』では社長に就任している。

『旧』シリーズの行動によって現在は世界中の注目、警戒の的になっており、余り表だって大きな動きが取れなくなっている。

また『カンパニー』に関する事件を対処する中で、古代の高度な魔法文明にまつわる遺跡『シャンバラ』の情報を入手した事で、そちらの探索も開始する。


『暗殺計画』シリーズでは中学時代に、このシリーズの主人公・榛有希の暗殺現場を目撃した事(これに関しては四葉の任務の所為)から、彼女(と所属する亜貿社)に狙われるハメになり、最終的に彼女を徹底的に叩き潰して恐怖心を植え付けた(ただ手加減はしており、また彼女の名前を聞いて、条件付きで見逃している)。

また『劣等生』本編の学内外での達也の表での活躍に裏の活動と暗躍から、様々な組織から暗殺対象として狙われている事が判明した。

こちらの物語に登場する若宮は達也と同じく『術式解体』の遣い手で、達也の『解体』の力量・性能を聞いて驚愕し、文弥が自身の事を達也に相談した事で、八雲及び九重寺で修行する事を認められ、前述の『解体』の件と相まって「会ってみたい」と尊敬のようなものを向けられている(しかし、『夜の帳に闇は閃く』でようやく初対面した際には本能的な直感から達也の“人すらも超越した”圧倒的な戦闘力を察し、恐怖を抱いてしまった)。


『暗殺計画』の続編である『夜の帳に闇は閃く』シリーズでは、「巳焼島事変」での事を『シバ・ショック』とも呼ばれるようになり、四葉の者でありながら「表舞台」に進出しだした為、その危険度から、世界各国の「裏」に通じる者達(社会の「陰」に隠れた者達)で構成された組織『ギルド』から秘密裏に暗殺対象として狙われるようになる。

『ギルド』からは世界をひっくり返すジョーカーとして恐れられている。


容姿・性格

切れ長の鋭い眼元が特徴。自己評価で「標準以上、中の上くらい」という程度の平凡さ。真由美からの評価も「まあまあ」止まりだが、複数の者達からはイケメンの評価を受けている事もあり(前述通りルックスは悪くはない)、雰囲気と佇まいの影響でその存在感は深雪にも匹敵する(沢木曰く「武人」)。

九校戦では大勢の一科生女子からその実力で信頼を手に入れて、恋愛的ではない意味で達也に好意を抱いている(そのせいで同学年の一科生男子から余計に反感を買う事になる)。

恋愛感情を抱いている者もおり、達也に恋愛感情を抱いているのは、亜夜子、深雪、ほのか、真由美の4名。

中学時代にはそのクールな一面と大人びた雰囲気からかなりモテていたが、逆にそれが強すぎて、告白する者は僅かしかおらず、それを行った者も達也が穏やかに対応してるのにもかかわらず気後れしたり、想いを告げられた者も達也の断りの一言で走り去ってしまっていた(因みに原作では「モテた事がない」と言う設定だったが、後に変更された)。


身長は182cmで、長身かつ筋肉質で肩幅もあり、体格も大きいが極端に着やせするタイプで、大柄なのに服を着てる時はどちらかというと細身の印象を与える。

その肉体は「鋼」と評され、重く硬く引き締まり「ルネサンス彫刻」と形容されているが、四葉の訓練により無数の刺し傷や切り傷、火傷の痕などがある。

その声は美声とまで言わないが、鍛えられた喉と肺活量のお陰で徹りが良く深みのある声をしている。


周囲からのイメージとしてあるのは「クール(冷静、達観)」「いつも真面目な顔をしている」「大人」「老成している」といったもの。学生ではあるが、その雰囲気により社会人のように見られている(実際に達也の性格と振る舞い、そこに既に軍人や会社員として働いてるので、そういった社会経験が豊富だった事も相まって、他の十師族の直系達と比べても大人びている。中学生になったばかりの時も既に高校生並かそれ以上に大人びた雰囲気だった)。

本人自身は、感情を荒立てない(荒立てられない)だけで「最低限の情緒」はあるつもりでいる(ただし、「最低限」であることも自覚している)。

そのイメージ通り常に達観した考えを持つ冷静沈着な性格。どんな状況だろうが、どんな境遇に晒されようが、落ち着いた対応と判断、冷静な発言と行動を取れる程に精神力が完成されているが、彼の場合は度を超えており(例えばラッキースケベな場面に遭遇しても何故かリアクションがないというものである。この理由は下記に述べる)、「枯れている」と評する人もいる。

その達観した考えは物事の本質、核心を的確に捉え、心理を、より深く理解している。

一方、その本性(?)を知る者達からは「魔王」「ラスボス」と評され、主人公とは思えない言われようである。因みに対となる勇者は存在しないし、存在しても魔王(達也)は倒せない。後にRPGに出てくる“勇者に倒される前提の魔王”ではなく、“災いが降りかかる禍神のような超越者”の役割を与えられる。そして『続』シリーズでは“黒幕”、“世界の支配者”のような立場となる。

web版ではリーナに対するドSな振る舞いに対して、作者自ら「極悪主人公」と呼ぶ始末である。

他者を言葉巧みに誘導・追い込み、また時折乗せたり、利用する事から「性格が悪い」とも言われている。

しまいには、七草真由美から「トラブルに愛されていて、いるだけで仕事が増える」とまで言われてしまっており、このあたりの自覚は薄い。『ブランシュ』を除いた、学内外の様々な裏の事件に関与・解決したり等(『無頭竜』、パラサイドール、周公瑾の事件など)、人知れず裏で暗躍して対処しているのであながち間違ってもない(とはいえ、達也は巻き込まれる側ではある)。そして裏(社会)での活動及び暗躍方面の経験が豊富な為、裏社会に関与してる人物を見分ける(嗅ぎ分ける)嗅覚も鋭い。

また他者にどう思われようが気にせず、自身の事に関しては余り試みてない。深雪や他の人物達もそれを心配している。


上で言ったように本人曰く「最低限の情緒」しか持つことができず、唯一まともに残されているのは、“家族愛としての深雪への愛情”だけとされている。これは深夜による後述の『仮想魔法演算領域』を植え付ける「人造魔法師実験」の影響によるもので、深雪に対する事以外の情動を喪った為。これにより深雪に関する事以外では常に冷静な状態であり、感情が多少高ぶってもすぐに落ち着き(そもそも最大値が極端に低い)、他の事には無関心になり(それ以前に大半の事が無関心)、上述で言ったように正確な判断と冷静な分析、行動が取れ、挑発などの揺さぶりが一切効かず、また恐怖も感じないので決断力、胆力も極まっており、精神面は隙がない。同時に達也の日常は集中力を途切らせない状態が当たり前であり、集中力を切らせる事は不可能である。

この事から情にも流されず、相手に事情があっても「甘さ」を一切見せず、容赦がない。これはその情けによって自分以外にも害が及ぶ事も視野にいれた考えから来ているので、情が全く無いわけではない。

逆に深雪に脅威や危険が迫れば怒りを見せ、報復や排除などの行動を起こす事もある(と言っても安易な行動や無鉄砲になる訳ではなく、理性は保たれている為、より容赦がなく冷酷になると見た方が適切。過去の「沖縄海戦」の時は深雪が死の危機に瀕した為に激情に駆られていたが、その時の状況で達也が取った行動の選択は正しかった)。ただ深雪が命を失った場合暴走し、即座に世界を滅ぼす行動を取るとされる。

また魔法師が兵器・道具扱いされる現状を解決し、将来的には魔法師がそれ以外の選択・生き方を取れるよう、目標を持っている(深雪がそうならない為でもある)ので、魔法師を使い捨てにしたり、その命を軽視する相手にも怒りを見せる。実際にその事で珍しく冷静さを失っただけでなく、深雪を危険に晒す行動を一度取っているが、八雲が阻止した事で未遂で済む。


感情は抑えられてるが全く機能しない訳ではなく、ジョークを言ったり、多少の冷やかしなどもしている。また容赦のない発言・毒づきと鋭い発言・指摘(いい意味でも悪い意味でも)などが多々ある。

偽善すぎる者や怠慢かつ傲慢な相手には敢えて挑発したり、皮肉で煽るなど深雪の事以外でも怒りを感じたり、冷酷になる事もある(達也が話の主導権を握る為でもある)。

他には魔法の研究者として自身が知らない魔法や知識に技術、使用法を初めて知った時はかなり興味を持ったり、自身では思い付かなかった技術や表向きは失敗した技術を作り出した人物には素直に称賛、尊敬の念を抱いている(とは言え大体は直ぐに思考が冷静になる)。


ストイックな性格でもあり、深雪を守る為とはいえ、自身の鍛練(魔法と肉体)を怠らず、魔法の才能は偏ってるが、それを新たな魔法開発、道具、それ以外の別の手段で補おうと思考し、努力もしている。

基本は毎朝早くに八雲の寺で修行(寺に向かうまでも魔法を使ったランニングで肉体にかなりの負荷を掛ける)、夜は遅くまで魔法の研究をしており、ハードな日々を過ごしている。このような生活を送っている為か常人なら何時倒れてもおかしくない程疲れても表面上は一切その素振りを見せない位に体力があり、仕事や業務も完璧にこなしている。無論疲労が全くない訳ではないので、その影響も出てはいる(作中では深雪と沢木がそれに気付いている)。前述の日常の鍛練と研究は日課となっているので苦にはなってない。また複数の免許を持っており、四輪と二輪の免許に水上バイクと小型船舶の免許を所持している。ドライビングテクニックはカースタントばりの一流レベルを誇る。


上記で言ったように魔法師を兵器としての役目から解放する事を目標にしており、長年計画を建て、後にそれを実行した「ESCAPES計画」によって、魔法師の「兵器」からの脱却に成功し、新たな役目「生産者」として変わり、その目標を達成する。現在は実戦=実践レベルに満たない魔法師を保護、または人権自衛を確立させる為、メイジアンの活動に力を入れる。



魔法師タイプ

戦闘(実戦、諜報など様々)タイプ、戦略級(兵器)タイプ、研究者タイプ、技術者タイプの4つの側面を併せ持っている唯一の人間。下記でも言うように魔法師としてはかなりのアンバランスさであり、通常の魔法力の才能は低い(後で克服)が、魔法戦闘力と理論と技術は魔法力の低さが、霞む程に突出し、通常の魔法の素質はともかく“魔法師としての資質”は非常に優れており、魔法師が直面する諸状況への対応能力と判断・決断力、非常時の戦闘適応力は才能と経験などにより、年代が近い十師族の直系達と比較しても上回り、経験を重ねた優秀な魔法師と比べても「超一流」と言える位に優れている。

学校の評価基準では「劣等生」だが、本来魔法師が必要とされる魔法の活用評価では超が付く位「優等生」そのものと言え、それ以外でも圧倒的な結果を叩き出している。

そして本来の魔法力は「奇跡」と言わしめる程の類稀な才能を誇り、その力は「魔王」と「神」の魔法と形容される程に規格外。

また作中でも後天的に魔法師になった稀な存在。本来ならBS魔法師(魔法として技術化が困難な異能に特化した超能力者)だったが、母親によって通常魔法を扱えるようになる。

一般的な魔法師が様々な魔法が使え、幅広い活躍ができる万能型タイプ(※1)なのに対し、BS魔法師が1つの超能力しか持たないが、その1つを極め特定の分野で魔法師以上の力を発揮できる特化型タイプ(※2)。達也は通常魔法が使えるようになっても、後者の特性が強く出ており、それを特殊な魔法、知力と知識、身体能力と身体技能、魔法技術、経験でカバーしている。後に万能型タイプとしての力も手に入れ、達也の場合は特化してるが、その魔法は全ての魔法の中でも最高峰の性能でその範疇でなら大抵の事に対応と応用が効き、後から手に入れた万能性も、他の万能型タイプと比較しても使える魔法が多く、その豊富な手数によって、より幅広い活躍が可能など、実際は超特化・万能型タイプと言っても差し支えない能力を誇る。達也は謂わば異能と魔法の『ハイブリッド』タイプ(※3)。

パラメーター的なタイプとしても超特化・万能型であり、パワー(『分解』『再成』『術式解体』『徹甲想子弾』)、スピード(全ての異能・魔法)、テクニック(全ての異能・魔法・CAD操作術)は他者を凌駕している。

その他の特徴として達也は魔法師でありながらCADを必要としない、特殊な存在でもある。

達也は現代魔法師ではあるが、『徹甲想子弾』等の古式魔法が使える上(後述の使用魔法には記載されてないが、『続』シリーズの達也ならば『仮想魔法演算領域』の出力の範囲内で発動できるものなら幻術や結界等の多彩な古式魔法を使用はできる為、古式魔法師とも一応言える)、古式に精通する技術や知識も持ち合わせている。寧ろ適性的には現代魔法よりも古式魔法寄りで、古い秘術に対する適性が高い。


(※1)万能型と言っても系統や習得する魔法に得意・不得意があり、どちらかと言えば一通りはできるバランス型(器用貧乏)と言った方が正しく、多くの人間がこれに該当する。

真の意味での万能型と言えるのは主な一例が深雪、不得意とする系統がない七草家、同じく苦手がない上に遠近両方の戦闘技術を持ち合わせている服部などが該当する(似たタイプの真由美と服部を比較すると魔法自体の性能と射撃能力は真由美に分があり、高いレベルの白兵戦能力を持ち、距離を問わない戦闘は服部に分がある)。

『続』シリーズの達也も、まともに通常魔法が使えない欠点を克服した事で、真由美達と同様の万能型となる。達也は使える魔法の数と種類、魔法発動スピードは他の万能型タイプを凌駕する。

(※2)BSと言う枠抜きでも通常の魔法師の中にも得意魔法以外が(極端に)苦手な人間もおり(BSと違い他の魔法は使える)、その場合もこちらのタイプに該当する。作中の二科生が主にこの傾向が強く、一科生にも特定分野に偏ってる者もいるが、二科生と違い、評価基準は一定以上に備わっているので※1のタイプもしくはそれに近いタイプと言える。例えば二科生のレオは硬化魔法が得意で、作中でもそれに関してはトップクラスの実力だが、他の魔法はかなり苦手とし、元一科生の十三束は遠隔魔法を苦手(ほんの少し位は使える)としているが、評価基準には達してる上に遠隔以外なら普通に他の魔法が使える。一科生の摩利は魔法のバリエーションが豊富だが、対人寄りで機械兵器相手には相性が悪いなどがある。

古式魔法師もこれに近い部分があり、特定の分野を極めた者を評価している傾向が強い(幹比古は万能かつ特定の分野も得意としている)。

(※3)後に『新』シリーズでは異能と魔法の両方を兼ね備える魔法師もとい複合能力者の事を『ハイブリッド』と呼び、魔法師とBS魔法師に続き、新たに分類・認知されている。達也の場合、『ハイブリッド』の中でも超が付く程に特殊かつ規格外の存在であり、後述でも説明するが、異能面は人智を超える程に究極に特化された力を複数所持し、魔法面は万能性のコンセプトを突き詰めた力を発揮し、両方共に他の複合能力者とは一線を画す能力を誇る。一般的な複合能力者の特徴としては、知覚系の異能持ちが多く、魔法面も自由に扱え、知覚系以外の複合能力者の場合は魔法面が苦手(満足に使えない)な傾向がある(例えば矢車は念動力の異能を所持し、その影響で魔法が余り満足に使いこなせない)。



人間関係

基本及び最終的な優先事項は深雪だが、親しい者や友人達(レオ、エリカ、美月、幹比古、ほのか、雫)の事も大切にしており、時には助言を言ったり、相手の事情には深入りせず傍観したり、敢えて厳しく突き放す行動を取って考えを改めさせたりするなど、面倒見が良く優しさもある。達也本人も「自身には勿体無い友人達(意訳)」と考える程で、八雲にも何らかの事件が起きた時は友人達を安全に護衛するように頼み込む事がある(葉山経由で四葉に頼む事もある)。また余程の事情以外では巻き込む事には否定的(逆に言えばそれ以外なら巻き込む事も厭わない)で、その人物達に危害が及んだらそれを行った相手に怒りも抱き、防げなかった事には後悔もする。

それ以外の人物達からも誠実な対応をされたら、それを無下にせずきちんと対応している。また困っている者がいたら手助けもしている(状況による)。敵対する者も多いが、それに勝る人望も獲得している。


司波兄妹にとって家族同然と言える桜井穂波の死は達也も後悔し、同じ『桜シリーズ』の桜井水波にも深雪を理由に色々と理屈を付け、四葉の中でも信用していたが、達也本人も知らず知らずの内にそれらを抜きに大切な存在として認識している。

ピクシーに対してもその優秀な能力を高く信頼してるが、段々人間らしくなっていき、達也への従属感情(他者が達也に奉仕する事に不満を抱くなど)が強まっていく事に達也も頭痛を覚える程に困惑する。

友人達以外には黒羽亜夜子・文弥の双子の姉弟は達也を尊敬し、頼りにしており、達也も四葉の事情抜きで味方として信用している。特に亜夜子は達也のお陰で自身の存在と四葉の魔法師としても確立し、文弥もその事があった為に作中では深雪よりも先に2人は達也に尊敬の念を抱き、亜夜子は初恋を抱く事になる。


同じくFLTの第三課の牛山を始めとしたメンバーからも一緒に仕事ができる事を誇りに思われ、達也も味方として認識し、良好な関係を築いている。特に牛山は達也のパートナーでもある為、より光栄に思い、達也のちょっとした頼み事を直ぐに実行して頼み事を叶える程に達也に入れ込んでいる。また彼らからは「御曹司」(社長の息子の為)と呼ばれている。


体術の師匠である八雲や風間を始めとした独立魔装大隊のメンバー(前述の風間、真田、柳、山中、藤林)とも付き合いが長く親しい協力関係であるが、将来的に敵対する可能性があるので、他よりも一歩退いている(実際にそれぞれの事情により、後に一時的に八雲や大隊とは敵対関係となった。ただ当人達との仲は悪くなく、友情の側面もしっかりある)。

大隊とは有事においては達也の立場と裏の事情により、友人達よりもこちらの方との連携を優先している。特に大隊の方は利害が一致したりなどで手を借りる体裁で、互いを利用する関係でもある。大隊の中では藤林とは付き合いが多く、後に彼女が大隊を退役し、四葉に身を置いて以降は達也と様々な仕事でコンビを組んでいる。風間は外界的に達也の兄弟子に当たる(八雲の弟子である為。ただし達也と違い、風間は正式な弟子である。また達也は風間に恩義も感じている)。

八雲とも互いに良き体術相手としての関係だが、時には達也の手助けや知識(自身の都合もある)を授けたり、本来なら正式な弟子以外には秘密にしなければならない術式の伝授に近い助言(八雲の気分次第だが)を伝えたりと、達也に協力的な面も多い。


リーナに対しては、彼にしては珍しく比較的に気にかけており、自身と似たような境遇だったので、ある種の共感を覚えていた。

彼女が四葉に保護された後は深雪の護衛を頼んでいる。達也がUSNA政府と個人的な取引した後も引き続き正式に護衛を務めている。

光宣に対しては、その優れた魔法力と技量や八雲達とは違った古式魔法の知識や優れた頭脳から高く評価しており、光宣の方も達也のその規格外な能力に尊敬を抱き、のちに水波の問題で敵対しても互いに殺す事を躊躇う程(元々初めからなかったが)で、達也は前々から光宣を自身の個人的な協力者として陣営に引き込もうと考えていた。決戦後は達也個人の強力な戦力として陣営に加わる。


総じて大隊、八雲(と弟子達)、四葉、FLT、USNA(国)、光宣、そして国家の黒幕の一人である東道と言った表裏共に強力な人脈がある事によって社会での強大な権力や情報もかなり融通が利き、深く関われるようになっている。



深雪との関係

深雪とは11ヶ月違う年子。兄妹仲は非常に良好で達也はシスコンである。普段のクールな雰囲気とは裏腹に妹を人目もはばからず溺愛しており、彼女に脅威、危機が迫ると普段の冷静さが容赦のない冷徹へと変わる。これらは精神改造の影響で他の感情が消えたので、その分人一倍に深雪へ感情が回る為。とはいえ深雪の機嫌を取る時や宥める時などに敢えてそう振る舞ったり、また深雪の過剰な対応や行動には内心頭を抱えたりしている時が多い。

深雪本人はそれを遥かに上回る程のブラコンである。達也を軽んじたり、侮辱した相手には激しい怒りを相手に向ける。達也の事を評価、認めるような事があったり、達也が成果を挙げれば誰よりも喜んでいる。また達也が少しでも女性と関わると嫉妬したり、達也本人がその関係で被害や巻添えにあって非がないにもかかわらず、理不尽な怒りを見せている。

昔はこのような関係ではなく深雪は達也本人の事を苦手としていた(深夜により極力達也に関わらないようにされ、無関心を刻み込もうとした。これは一応ある程度は成功していたが、内心は今ほど余り知らない達也の事を意識はしていた。結果的に中途半端に終わる)が、深雪が12歳の時、沖縄での様々な出来事を経て今のような関係となる(それまではミストレスとガーディアンとしての関係性が強かった)。そして、その時に深雪は重傷を負って死にかけており、達也に命を救われてから「お兄様」と呼ぶようになる。

次第にそれは兄妹で有りながらも深雪は恋愛感情らしき物(表面上は「敬愛」と認識し、誤魔化していた)に変わり、97年の正月で真夜を通じて達也が深雪のその存在と真実を明かした際に深雪本人が達也に対して恋愛感情を抱いている事を伝える(そして呼び方も「達也様」と改める)。

達也本人はあくまでも妹としてしか見ておらず、深雪に対する気持ちを図りかねていたが、第一高の卒業式の時に一条とのやり取りから殴り合いを経て、1人の女性として愛する事を決める。



『トーラス・シルバー』

達也の複数ある顔のひとつ。日本のCADメーカーであるFLTのCAD開発第三課に所属している(因みに会社の設立は四葉家が出資し、設立した)天才技術者。世間的には魔工技師の枠に入るが、それすらも遥かに超えた存在としても認識されている。四葉によりその正体が徹底的に隠されている。

その実績は「魔法界全体を進歩させた」と言わしめる程で魔法師の中では有名人にして歴史に名を残す位の偉人。

僅か1年の間に特化型CADのソフトウェアを10年は進歩させ、『ループ・キャスト』を世界で初めて実現し、特化型CADの起動式展開速度を20%向上させ、非接触型スイッチの誤認識率を1%未満に低下、更には「加重系魔法の技術的三大難問」のひとつ、『飛行魔法』の実現を成し遂げてたりと幾つもの偉業を達成している。

他には『シルバー・モデル』シリーズのひとつである拳銃形態特化型CAD『シルバー・ホーン』は高い評価を受け、現行の市販モデルでありながらプレミア付きで取引され、特に警察関係者の間では絶大な人気を誇っている。更には完全思考操作型CADも最初にこのCADを開発したローゼン・マギクラフト製の物より優秀で、中でもペアリング機能に優れており、過去5年間で商品化されたCADの8割をカバーしている。

魔法の学問的な分野では『カーディナル・ジョージ』よりも高い評価を得ており、「技術分野ではトーラス・シルバー」とアメリカでは一般的に見られている。

この活躍で四葉やFLTに多大な貢献をしている(達也がCADの開発に力を入れるのは深雪との生活を安定させる為である)。


実際は『トーラス・シルバー』は共同開発者としての通名であり、トーラスは第三課の主任である牛山欣治(ハードウェア担当)、シルバーは司波達也(ソフトウェア担当)。この関係になったのは達也が未成年という事もあり、それを理由に父親達に功績を奪われるのを防ぐ為(権利管理は牛山が所持)。ただそれだけでなく、ハードウェア開発の技術力が高く、FLTでも冷遇されていた人材を探っていた達也が条件に一致したのが牛山だった為(シルバーとなる前の達也はハードウェアの知識がなかったので、会社の管理システムにハッキングし、協力者となる人材を探っていた)。

正体は達也の裏の事情を知る人間以外には伏せられていたが、独自に正体を掴んだりした者もおり、最終的にはレイモンド・S・クラークにより全世界に正体を公開されてしまう。

その後に達也を狙う陰謀に対抗する為、達也の「ESCAPES計画」も兼ねて解散をする。

作中では正体発覚前後問わず『トーラス・シルバー』=達也と見られている(最も重要なソフトウェアを担当してる及び魔法の術式自体を開発している為)。

チームとして活動していたのは少なくとも約4年間程。

因みにシルバーとしての月収は平均500万円、年収は6000万程。



大黒竜也

達也の軍人としての顔であり、偽名。

国防陸軍第一〇一旅団・独立魔装大隊に所属する軍人。階級は特尉で軍籍を持つ非正規の士官として扱われ、戦略級魔法師(一撃で都市や艦隊を壊滅させる魔法が扱え、世界情勢へ多大な影響を与える力を持った魔法師)・大黒竜也特尉として軍務に就いている。非公認戦略級魔法師であり、他の非公認や公認された存在である『十三使徒』も含め、最強の戦略級魔法師である(戦略級魔法の性能と通常戦闘力の実力、両方の面で戦略級魔法師の中で最強の位置に君臨する)。

この経緯は過去の「沖縄海戦」をきっかけに国防軍と関わりを持ち、それにより軍に所属する事になる(「海戦」時期には『トーラス・シルバー』の誕生に関わるCADへの関心や軍属後には風間経由で正式な師弟関係ではないが、体術の師匠である八雲との出会いに一役買う出来事でもある)。前述の「海戦」での一方的かつ圧倒的な活躍から、破壊神シヴァ神からなぞらえた『摩醯首羅(マへーシュヴァラ/まけいしゅら)』の異名を持つ。他にも異名が付き、


その右手を向けられた物は全て、塵になって消える(『分解』)事を


―――Demon Right―――( デーモン・ライト=“悪魔の右手”)


その左手を差し伸べられた兵士は死の縁から蘇る(『再成』)事を


―――Divine Left―――( ディバイン・レフト=“神の左手”)


と評される。

その実力は「単身で戦略誘導ミサイルに匹敵する」と評価されている。また戦略級魔法抜きでも一晩で一都市を壊滅させる力を所有している。ただ後述にある通り、これらの評価も、まだかなりの過小評価と言える。

なお、この地位の扱いについては「国家機密保護法」に基づく措置で保護されており、機密扱いとなっている(超法規的なもの)。正体を知る者はシルバー同様に裏の事情を知る者だけだったが、「横浜事変」で複数の学生達に正体を知られ、それ以降も達也が巻き込む形で正体を少数の人間に明かしたりしている(因みに数年後に『マテリアル・バースト』で引き起こした「灼熱のハロウィン」が明るみに出てからは『ハロウィンの魔王』と世界に認知される)。


軍人として日本及び軍に多大な貢献(軍事的功績は世界大戦後随一)をしてきたが、四葉の人間と世間に発表されてからは軍が次第に達也との距離感を計り損ね(今までなら四葉での地位が低かった為、協力を取りやすかったが、この発表で達也自身の地位が向上した影響と大隊が達也を知らない上層部に対して安易に「戦略級魔法が何時でも使える」と思わせないように立ち回った為)、中でも佐伯の独断的な行動や個人的な思惑などの暴走も相まって関係が拗れ、最後は東道青波からの許可も得た上で軍を退役した。それと同時に東道から特務士官の地位を返上しても(自身の)軍事力を合法的に行使できる権限を手に入れる(正確にはその事後処理を東道が内密に手配する形で達也は遠慮なく力を行使する事ができるようになる)。後にそれが達也を世界の抑止力に発展させる事の第一歩となる。

軍には約5年間在籍していた。軍人として活動していたので事故や怪我などの対応も手馴れている。年収は不明。


抑止力となって以降は戦略級魔法師を超える存在「超戦略級魔法師」として認識されるようになる。



“四葉の超越者”『四葉達也』

幼い頃、BS魔法師だった達也は普通の魔法師でなければ四葉の人間として認められない為、母親である深夜から「人造魔法師実験」で精神改造され、通常の魔法も使えるようになった。しかしこの人工魔法演算領域は先天的な魔法演算領域を持つ魔法師の物よりも性能が低い為、一応四葉でも居場所ができたが、その魔法力の弱さから深雪のガーディアンとなる。この為、深夜達の誘導などもあって一族の重大な事実を知るまたは達也の真の力を知る人間達以外にはその存在を軽視され、「欠陥品」として低く見られている。

だが実際には達也は四葉一族の歪んだ願望の“結晶”もとい“超越者”と言える存在であり、「四葉の罪の象徴」と評される。四葉のスポンサーにして国家の黒幕である元老院の一人にして、その中でも強い影響力を持つ四大老の一人である東道青波からは「一つの究極」と揶揄されている(同時にその強大な力も認めている)。魔法師社会の頂点に君臨し、「(かつては)世界最強」「“最高”にして“最巧”」と謳われた『トリック・スター』の異名を持つ十師族・九島家の元当主である九島烈も作中で達也に非常に強い関心を持ち(他者の能力は評価してるが、深く強い関心を持ったのは達也に対してのみ)、達也が全力を出せない状況下を観戦し、その状態でも達也の能力と完成度には驚愕しており、達也を「逸材」と称賛する程評価し、同時にその才能と将来性に危機感を抱いている(烈本人は達也の魔法を真夜達により把握している)。

達也がこうなった原因は精神構造干渉魔法を持つ深夜の理論(簡易的に言うとこの魔法で生まれてくる子供の魔法能力を思い通りにする)とそれを聞かされた四葉一族の妄執が深夜の胎児に及ぼす影響に、ある種の希望を抱いて、その願望が実現するのを祈った為である。

その願いは「(四葉に)いかなる悲劇をも近づけさせない絶対的な守護者」「個人で世界を滅ぼせる最強の魔法師」という超越者を一族が望んでいた(この頃はまだ四葉を「アンタッチャブル」と言わしめた事件の記憶が一族に強く根付いていた)。

そして生まれた達也は特殊な魔法分析能力を備える当時の四葉家当主・四葉英作により『分解』と『再成』を解析され、「この子は、世界を破壊する力を秘めている」と告げられる。そしてその事を知った一族は妄執から正気を取り戻し、感情からくるその力の暴走を恐れ、達也が生まれて暫くして当時の分家の当主と後継者達は話し合いの末に「達也を殺すべき」と結論を出したが、英作は却下した。これは赤子の達也に同情したわけでなく、一族全体が罪の意識に溺れず、現実的な対応を取るべきと判断し、更にせっかく手に入った力を切り札として残さず捨てるのが惜しいと考えたからである。

達也は『分解』と『再成』もとい「魔王」と「神」の力と評される超越した魔法が常駐している為に他の魔法が使えないので英作から「最高の戦闘魔法師」として育てるべく方針を決められ、魔法を使わずとも己を守り、如何なる危機からも血路を見出だす為に徹底的に戦闘技術を叩き込まれる(それに纏わる知識も教えられたと思われる)。同様に喜怒哀楽も抑え込む訓練も受けさせられる。

その内容は赤子時代から戦士とする為の教育を施される。


  • (食事などは)最適な栄養を与えられる。
  • 立ち上がれるようになった直後から身体操作の訓練で、歩けるようになったら戦闘訓練に移る。
  • 過酷の訓練で泣け叫び、嫌がっても無視され、母親とも隔離される(これらの出来事から僅かな期間で達也は反抗心を閉じ込めた。それ以降訓練は常軌を逸したペースで進んだ)。
  • 飛び道具を使わず野生動物を仕留める訓練から始まり、次第に軍用犬→軍用強化動物→生きた兵士と替わっていく(魔法を使った訓練は6歳の時に『仮想魔法演算領域』と『フラッシュ・キャスト』を手に入れて、その直後の戦闘で『分解』と『再成』を使わずに脂の乗った熟練の戦闘魔法師を正面の戦闘で殺している。更に前述の与えられた2つの力は今よりも使いこなせず、魔法のストックが少ない状態というハンデもあった)。

これらを成長期が来るまで続けた(その後も訓練自体は続いている)。

また上述の「人造魔法師実験」の真の意味は達也の感情による魔法の暴発を防ぐ為の計画だった。そして達也の感情がひとつだけ残ったのは偶然ではなく、母親である深夜が己の命を削った、母の息子への愛情から来る行動による結果(深夜本人は達也を完全に「愛せなかった」と自他共に認識)である事が後に明かされる。本来ならこの実験自体、深夜は否定的で抵抗していたが、最終的に達也を守る為に実験を行い、またその気なら達也は本来感情の全てを消されていたが、上述の深夜の決死の行動で残される。この行為で深夜自身も達也同様に感情を消失する。感情を失っても達也を守る為に上記で説明した、深雪の達也に対する意識を極力無関心にする為に誘導し、自身も冷たく接するようになる(感情がなくなった影響もある。下記でもあるが達也の暴走を止める為の存在である深雪が逆に意識し、達也を嫌ったり、癇癪を起こしたりなどで、感情の爆発で誤って達也を殺すのを防ぐ為に達也に関わらないよう誘導した)。


深夜の双子の妹である真夜は達也が超越者として生まれたのは自身の幸せを奪った、世界への復讐心(※)という願望、祈りが深夜を通じて達也に影響を与えたからと考えており、双子だから姉の魔法を自身の意思で動かしたと認識している(実際に深夜もそのような考えをしており、真夜に身体と魔法を乗っ取られたと認識している)。この事から真夜は達也を「精神的な息子」「魔法師としての母親は自分」と評している。


(※)この2人以外の認識は深夜が自分達、姉妹を傷付けた世界への復讐心から来る願いで達也が生まれたと思っている。が、実際は上記の通り逆である。


そして深雪は上記で説明した達也の暴走を止める為(深雪は唯一達也を殺せる系統外魔法『コキュートス』が使える)の存在『完全調整体』として四葉の技術を結集して造られた人間であり、血の繋がりはあるが、遺伝子操作の影響で遺伝的には遠くなっている(これにより達也との間に子供を作る事も可能になっている)。


四葉に対して達也は、力を借りる事があっても信用はしておらず苦々しく思っており、いずれその影響下を抜ける為に計画を建てていたが(上述の「ESCAPES計画」など)、真夜の策略によって四葉次期当主の深雪の婚約者に仕立て上げられ、更に真夜の息子として発表されてしまう。

これ以降達也と深雪は従兄妹、達也は「真夜の冷凍卵子から人工授精で産まれた」という風に扱われる。同時に真夜の事を表では「母上」と呼ぶようになる。

それに伴い四葉での地位も遥かに向上し、「四葉の現当主の息子」「次期当主の婚約者」として実質最上位の位置となった(『続』シリーズでは四葉でも当主に次ぐ地位に就く)。


四葉の魔法師の系統として達也は極めて強力でユニークな魔法を得意とするタイプだったが、『アストラル・ディスパージョン』を修得した事で、間接的な系統外魔法も使えるタイプにもなり、深雪同様に両方のタイプを兼ね備えるタイプとなった(『続』シリーズでは純粋な系統外魔法も使えるようになる)。



  • 『誓約』(オース)

「沖縄海戦」以後に深夜が達也の力を封じる為に編み出した精神干渉系の系統外魔法。この魔法は本来、特定の能動的意思決定を禁止するものであり、魔法力の制限は副次的な効果である。

深夜はまず、達也の魔法演算領域に深雪の魔法制御力を受け入れる一種のバックドアを作り、そして今度は深雪の魔法を制御する能力を使って達也の魔法に制限を掛けた。この所為で達也は『マテリアル・バースト』を自由に使えず、深雪は自分の魔法を制御しきれずに暴走させてしまうようになった。更に達也は本来の魔法力と想子保有量も半分に抑えられてしまう。

深夜の死後、このシステムは四葉の分家当主(津久葉)に引き継がれ、分家の魔法ではこの仕組みを継続的に維持することはできず、深雪が自分で自分に魔法を掛けるような形式に変更し、その魔法の性質上、深雪に解除の鍵を持たせる必要になり、その鍵が“達也の額に深雪が唇で触れる”という動作となる。

封印の解除は達也の魔法力の全解放であるのと同時に、深雪が本来の魔法制御力を取り戻すことを意味する(後に達也も不完全ながらこの力の解放を覚え、深雪と同じやり方で彼女の制御力を一時的に返した事がある)。解除時には「暴風を纏い雷光を従える」と評される位の膨大なサイオンが活性化して沸き立ち輝き、それらを総評して「嵐の覇王」と呼ばれる程にサイオンが達也に取り巻き吹き荒れている。活性化後もしばらくは静かにサイオンが達也に渦巻いている。

深雪は(自身の力の所為でもある)この魔法によって達也の力が封じられてる事に心を痛めており、23巻では世界から孤立し始める達也を四葉が支援しない事もあって、ついに耐えられず達也に「解呪」を進言し、達也もそれを受け入れ、達也の『ゲートキーパー』によって完全に消滅した。



異能

さすおに

達也が使える先天的な魔法は2つ『分解』と『再成』。どちらも最高難度の魔法で、それ故に魔法演算領域は全てこの2つの魔法に占有=特化されてしまっている。

その所為で他の魔法が満足に使えないが、逆に言えば、普通なら大型CADの助けやその他の機械のサポートが必要な2つの魔法を達也が個人で使えるよう魔法演算領域がそれに最適化されているとも言える。

その影響で『分解』と『再成』用のサブシステムが予め準備されている状態であり、そこに追加データを入力するだけで極めて複雑な魔法が発動可能になっている(一瞬でラグ無しに魔法を連続発動する事も可能)。

この2つは魔法の本領たる「情報体の改変」を行うことができず、その理由が『分解』が「情報体の分解」で、『再成』が「情報体の再構成」な為。

厳密にはこの2つは魔法ではなく「異能」であり(『精霊の眼』も知覚系魔法に分類されるが、こちらも厳密には「異能」として扱われる)、その為、発動速度は魔法を超える速さで発動できる(作中で異能は魔法よりも圧倒的な速度を誇ると描写されている)上に、一人を除けばパラサイトや超能力のスピードですら達也の速度に及ばない。他の能力面も他者が所持する魔法と異能以上に突出した威力と精度を誇る(威力=干渉力は物質の根幹に届く程)。

全ての面で魔法・異能を凌駕する、その力は「魔王」と「神」の領域にある「奇跡」の力であり、人間を超越した究極の力を発揮する。また究極に特化してる故に、異能でありながら魔法同様にその範疇内でなら様々な応用力と対応力を誇り、最高難度に見合う程の力を発揮し、他の魔法や超能力とは別格と言える力を秘めている。

下記でも説明するように超能力である為、CADがなくても発動可能であり、CADよりも速く発動できる。

なお、思考操作型CADの場合は超能力者との発動スピードの差を無視できる程縮められたと作中説明されているが、超能力は念じるだけで発動できる為、あくまで差が縮められただけでゼロではなく、その差が完全に無くなった訳ではないので依然超能力が上である。また発動工程を終えた後の効果を発揮するまでの処理速度も個人の力量差に左右されるので、そこでも最終的な発動スピードへの影響が関わり、その点でも能力が特化してる故に超能力側が有利である(例えば同じ異能を持つ超能力者同士が異能を使う場合、念じる速度が同タイミングだったとしても、その後の効果を発揮するまでの処理速度は術者の力量によってスピードに差が生まれる。これは魔法も同様に言える事である)。

事実、達也はパラサイト化した光宣との数回に及ぶ全ての戦闘においてCADでは光宣の魔法発動スピードに追い付けないと判断して自力の発動で対処している。

「沖縄海戦」以後、『誓約』により『分解』『再成』『精霊の眼』の全ての力は半分に抑えられてしまい、そこから約5年間はその状態を保つ事となる。また異能以外にも想子保有量も半分程抑えられている。

この2(3)つの異能は秘匿しなければならない魔法だが、達也の裏の関係者達には情報共有されており、四葉でも真実を知る者達以外には知られてなかったが、『再成』は「横浜事変」で一部の学生達に明かされ、『分解』も詳しい詳細までは特定されてないが、人前でも使っており、複数の人間に見られている。

因みに『分解』は右手、『再成』は左手で使用している(逆でもできるが、慣れにより今の状態で使っている)。ただ構えを取らずとも発動はできる(これは大半の魔法にも言える)。

また本来なら異能もとい超能力は1つしか所有できないが、達也は複数も所持している唯一にしてイレギュラーな存在である。

『続』シリーズでは干渉力だけを自分の中から取り出して鍛え、他の魔法式に上乗せする事から、『分解』『再成』の干渉力自体は以前よりも上昇している。



  • 『分解』

達也が自由に使える本来の魔法の1つでBS魔法。

収束・発散・吸収・放出の複合魔法で、最高難度に数え上げられる、構造情報への直接干渉の魔法。達也の「魔王」の力にして破壊の側面。

この魔法は物質の構造と構成要素を認識して、任意の構成段階に分解する魔法で、対象が物体であれば、その構造情報を物体が構成要素へ分解された状態に書き換え、対象が想子情報体であれば、その情報構造それ自体を分解する。例えば銃や機械類はパーツ別に分解したり、人体には部分的に穴を空ける(神経や内臓だけを狙う等)といった精密な芸当ができる(無論対象自体を丸ごと消す事も可能)。電子データも同様に分解が可能で、他には運動ベクトルを分解して弾丸を掴む事などもできる。

早い話が構成された、物体(物質)、魔法、サイオン、電子データ、ベクトル、妖魔、エネルギーなどを任意の段階に分解する事ができる、全ての物質と情報体を破壊する力を有している。

この魔法及び達也の生来の干渉力は、(達也を除けば)作中最強の干渉力を持つ深雪の魔法以上の力があるが、対象に直接干渉できるのは干渉力が強いからではなく、そういった技術を先天的に修得している為(一応、干渉力の力業による戦法も何度か披露している。また全く干渉力が必要ないと言う訳でなく、『雲散霧消』レベルからは極めて強い干渉力が要求される為、作中最強の干渉力を持つ達也以外では発動水準にも満たせない。更に幾ら技術を持ってようが対象に直接効果を発揮する為には干渉力が重要であるので、結局干渉力の強さも必要な要素である)。因みに深雪とのパワー差は約2倍以上であり、後述の『再成』もそれに準じる力を持つ。

他には同一の形状をしてる物や同じ性質、同じ魔法(式)などを1つの集合体として対象に分解する事ができ、人間の限界を超えた極めて優れた能力を誇る(例としてAが100あった場合、照準を100全部を個別に向けなくても、それらを一纏め=1つのAとして分解する事ができる。仮にA1000、B800、C600、D500とグループが複数あった場合は達也の対象の同時照準が32までなので、ABCDという対象を4つ照準する事で、それぞれが数多くあっても纏めて分解が可能)。

元々異能であるので、力を封印された状態かつCADがなくとも高速発動ができ、その速度も大半の魔法師よりも速いが、CADがあれば、より速く発動できる(パラサイトにも劣らない)。

『誓約』解呪後は本来の威力、精度、速さを取り戻した事により、解呪前のCAD使用時よりも高速で発動する事ができ、更に解呪状態でCADを使っても本来のスピードを発揮できない(解呪後のCAD使用時も、解呪かつCAD未使用時には及ばないが、スピードは上がってる)ので、一部の魔法を除けばCADは実質不要となる。ただし特化型CADには照準補助があるので、全く必要がない訳でなく(同時に特化型は術者の負担を軽減する機能が備わっている)、またCAD無しで発動するのは基本は周りに見せては不味いので(魔法の詳細を明かしてない為)、一人の例外の相手を除いてはこれまで通りCADを使っている(後述の『再成』も同様。解呪した達也の発動速度に匹敵するのはパラサイト化した九島光宣のみ)。

バリエーションも豊富で、どれもが必殺・即死級の威力を兼ね備え、他の追随を許さない、攻撃・防御・速度に優れた魔法。「巳焼島事変」以降では『分解』の詳細は明かされてないが「戦略級魔法(師)を超える魔法(師)」と世界に認識される(『マテリアル・バースト』は戦略級魔法なので、更にそれを、より超えた「戦略級を超越した最高峰の魔法」と評せる)。

その他に『分解』のバリエーションが別々でも同時発動(重複発動)は可能である(タイムラグ無しで『雲散霧消』と『術式解散』を放っている)。

四葉の人間である亜夜子が使う『極散』は、事象改変の方向性が『分解』に似ており、『分解』は『極散』の深度を増して規模を縮小したものという見方もできる(実際に達也は『分解』を基にした『極散』を実演している)。

この魔法の天敵は十文字家(正確には克人)の『ファランクス』と十三束の『接触型術式解体』。前者は多種多様の多重障壁を繰り出し、分解してもそれをトリガーに新たな障壁が構築されるので互いに決め手に欠ける為(克人の技量と『ファランクス』のシステムが合わさってこその結果であり、他の遣い手では達也への対処は厳しい)。ただ互いに同じタイミングで発動した場合は達也の方が速いので決着が直ぐ着くが、先に予め『ファランクス』を出されたら千日手となる(最終的には想子保有量の差で達也が勝つが。また解呪した上で達也がCADを使わなければ、スピード差で『ファランクス』を破る事はでき、後述の『バリオン・ランス』がなくとも突破は可能)。後者は特に天敵と言え、直接作用する魔法には無敵の防御力を誇るので、直接作用する通常の『分解』は前者と違い、一切効かない(本体ではなく『解体』自体を破壊しようにも構造がないので、『分解』が出来ない。構造が生まれたら分解可能)。また魔法で偽りの単一概念存在として定義された場合も『分解』は効かず(『術式解散』は別。偽りの単一でなければ物質の概念は『雲散霧消』等で分解可能)、精神情報体(プシオン)にも通じない(『アストラル・ディスパージョン』は別で、精神干渉系魔法はサイオンを通じて行う為、それを達也が視認して『分解』する)。


  • 『雲散霧消』(ミスト・ディスパージョン)

『分解』のバリエーションの1つで、殺傷性Aランク相当の魔法で軍事機密指定の魔法でもある。

物質の構造情報に干渉し、物質が元素レベルの分子またはイオンに分解された状態に構造情報を書き換える(後述の『ベータ・トライデント』を見るにその気になれば原子レベルにまで分解可能)。人体を対象とした場合、可燃性の高いガスが発生し、自然発火するが、分解のレベルを引き上げることで可燃性ガスが生じないようにもできる。

普段の分解よりも干渉力を深めた魔法である為、組成情報だけで処理可能。

情報体の一部分のみ(壁や肉体の一部分に穴を空けるなど)を変化させる事もでき、この技術は現代魔法において最高難度の魔法技能に属する。対象の大きさは関係なく、作中でも大型トラック、戦車、戦艦、飛行艦、高層ビルに匹敵する大型構造物なども分解して消滅させており、対人、対機械兵器関係なく、どちらの面でも対応が可能な極めて高い汎用性を誇り、固体や液体や気体なども分解できる。事象改変が済んだ魔法もとい持続操作・誘導してない現象(例として水の弾丸、電撃など)にも有効で、改変後に術者がその現象をコントロールしてなければ、『術式解散』ではなくこちらを使って無効化する(基本は『解散』だが、魔法で現象をコントロールしててもその現象自体をこの魔法で分解はできる。例えばナイフの軌道を操る魔法に対して、魔法の制御対象であるナイフを分解して無効化する等)。

ごく一部を除けば大抵はこの魔法でケリが着く程、強力な魔法だが、達也の魔法の中ではオーソドックスかつスタンダードな部類に入る。

後述の『トライデント(分解)』を使わずとも干渉力の力業で『領域干渉』『情報強化』を突破する事が可能(サイオンを直接使用した無系統の魔法防御は『術式解散』『トライデント(分解)』でないと突破できない)。

言及はされてないが、その効果から戦術級魔法のカテゴリーに入ると思われる(達也の能力と使い方次第では戦略級魔法以上の効果を発揮する。後述の『トライデント(分解)』と『ディープ』も同様。『ベータ』はある意味でそれ以上ではある。ただ、これらは流石に『マテリアル・バースト』には及ばない)。

  • 『大深度雲散霧消』(ディープ・ミスト・ディスパージョン)

『雲散霧消』の強化版。『雲散霧消』よりも分解の深度を深め、物質を電子、陽子、中性子に分解する魔法。

後述の『ベータ・トライデント』『バリオン・ランス』にも組み込まれており、この魔法は『ベータ』同様に『バリオン・ランス』の開発過程で生み出された試作品。『ベータ』と違って実戦でも有効(あちらは初使用した時点でまだ未完成だった為)だが、通常の『雲散霧消』で大抵は事足りるので使用回数は1度のみ。特化型CADのストレージの色はブラック。

劇場版ではリーナの切り札・戦略級魔法『ヘヴィ・メタル・バースト』を無効化(定義破綻)している。その後にストレージを取り出してそのまま捨てている。

劇中で『ヘヴィ・メタル・バースト』を『術式解散』で無効化しなかったのは、リーナ及び周囲への危険性を考え、魔法式ではなく魔法の対象自体(重金属プラズマ)を無効化した方が安全だった為、この魔法が使用された。

  • 『ゼロ距離分解魔法』

『雲散霧消』の派生と思われる魔法。手足や武器に『分解』の事象改変フィールドを纏って使用する近距離戦闘用分解魔法。

この分解魔法だけは情報を得ずとも接触すれば、対象の構造や素材の組成情報に関係なく無差別に分解が可能なようで(『精霊の眼』を使用したまま発動する場面もある。また本来の分解は情報を組み込んで発動するので、無差別とはいかない)、触れた部分を対象問わずに分解(手刀とナイフで切断、指突とナックルガードで穿つ)させており、光宣との最初の戦闘でも『仮装行列』に対して通常の『雲散霧消』では通用しない為、唯一の有効打となった。

この魔法を見た周公瑾曰く「(司波達也の手刀は)鋼をも断ち切る妖刀」。

接触した部分のみだが、何でも分解する強力な破壊力を秘めているが、あくまでも通常の分解魔法の応用なので、魔法で偽りの単一概念存在として定義された場合は触れても分解する事はできない(魔法式を分解できない)。

『分子ディバイダー』と似たような効果を発揮するが、原理が違う別物(実行はしてないが、その性質上、作中で描写された『分子ディバイダー』で行った事と同等以上の芸当は可能)。原理とは別に、能力を比較するとこちらが破壊力が上で、あちらは適性次第で誰でも使える点で異なる。

  • 『領域設置型分解魔法』

銃弾の雨や戦艦の艦砲射撃等を主に防ぐ魔法。『雲散霧消』の派生と思われ、原作では使用したのが1度だけなので詳しい詳細は不明。『分解』の中では唯一の領域魔法で、障壁魔法が使えない達也の防御手段の1つ(『続』シリーズでは通常魔法が使えるので、普通に障壁魔法も使える)。

達也が認識もしくは設置という名称通り対象を予め設定、または侵入した対象に自動で合わせ、その領域に侵入した物を分解する魔法だと考えられる(『ゼロ距離分解魔法』に似ている部分がある為、後者の可能性が高い。また通常分解魔法の派生であるので魔法式自体を分解はできない)。主な使用は物理兵器への防御手段として使っている。

設置型なので設定した場所から動かせないが、対物防御手段で使う場合は対物系防御魔法の中では最高峰の防御性能を誇ると見て良い。

  • 『術式解散』(グラム・ディスパージョン)

『分解』の一種で、起動式や魔法の本体である魔法式を意味のある構造から、形を持たない想子粒子群に分解する魔法で、『術式解体』と同様に魔法を破壊する最強の超高等対抗魔法にして、幻の対抗魔法。

「全ての魔法の天敵」「極めて高度なテクニック」とも述べられている。

魔法式は事象に付随する情報体に作用するという性質上、その情報構造が露出していなければならず、魔法式そのものに対する干渉を防ぐ手立てはない。

ただし、魔法式を分解するためにはその構造を認識できなければならず、したがってコンマ数秒で発動を完了する現代魔法で魔法の発動前に魔法式を解析する為には、「視る」だけで魔法式の構造を認識できる特殊な情報処理能力が必要となる。

それ故に分解対象の魔法が予め判明している実験とかならともかく、実戦などでは実用化は不可能と一般的に考えられているが、達也は『精霊の眼』で想子情報体の構造を認識できる為、この魔法を実行することができる。サイオンで構成された物なら分解ができ、『領域干渉』と『情報強化』も分解可能。

『術式解体』と効果は似ているが、全くの別物で、あちらは無系統魔法で、こちらは『分解』で魔法を無効化している。また魔法式の構造が判明すれば無効化ができる為、『術式解体』と違い、大きなパワーは必要ない。この魔法を発動する為の干渉力は必要だが、他の分解魔法と違って要求される干渉力は少なく済む。ただ深雪やリーナのような強力な魔法師が使う『領域干渉』の展開エリアの中に入ってる上で発動する場合は干渉力を強く注ぐ必要がある(『誓約』がない状態なら、本来の威力の大きさ故に、解呪前よりも少なく注ぐだけで発動できる)。

『解体』と違って消費する想子量はずっと少なく、超長距離の射程でも発動可能で、連射力も圧倒的に上回る。同時照準もこちらがかなり上で、同じ魔法式なら照準数関係なく纏めて破壊できるなど、『解体』よりも長所が多い。ただ1つの対象(または複数の対象)に個別事の魔法式が幾つも重なり、それが達也の同時照準を上回る場合(今の達也だと32種類まで)や『精霊の眼』にも有効な妨害効果を与えられる魔法の場合は『解体』の方が優れており、達也は状況によって使い分けている。

『解体』と同様に事象改変後に術者が随時コントロールしてない魔法には使えない(例えるなら、魔法で随時氷を固めていたら『解散』できるが、氷を魔法で既に固め終わって、物理現象として完成させたなら『解散』できず、『雲散霧消』などが有効になる)。

  • 『トライデント(分解)』

大型拳銃形態特化型CAD『トライデント』を使用した専用の三連分解魔法で、3つの魔法を1つの魔法の工程として放つ、『分解』の中でも極めて強力な魔法の1つ。

対象の『領域干渉』『情報強化』を分解して、最後に対象を元素レベルに分解して、消失させる。

この魔法は対魔法師用の魔法(上述の『雲散霧消』単体だけでも魔法師に通用するが、確実性故にこの魔法を基本は使用する)で、タイムラグ無しに対象に3つの『分解』を一纏めにして放ち、対象を消す技巧技。

上述通り、この魔法は主に魔法師に対して使用するが、変数次第でそれ以外にも対応・利用できる。

『雲散霧消』よりも威力・殺傷性が高く、より防御が困難な魔法で、上記の『分解』の天敵以外なら『雲散霧消』同様に決着が直ぐに着く(ただ十文字との戦闘では使ってないようなので、実際は不明。後述の疑似発動ならばスピード差で通用はする。十三束の場合、十三束が『セルフ・マリオネット』を発動しない限り通用しない)。

CAD『トライデント』専用の魔法だが、『誓約』解呪後はCAD『トライデント』を使わずに他のCADでも擬似的な再現(タイムラグは同様にゼロ)ができるようになった(異能本来の威力と精度と速度を取り戻した為。この事からCAD無しでも疑似再現が可能)。しかし、CAD『トライデント』はこの魔法の為にチューニングされた性能であるので、『トライデント』有りだと高い照準補助に加え、その専用に最適化された『ループ・キャスト』(本来の『ループ・キャスト』と効果は少し違うが、CADの改良で魔法を一纏めにしていると思われる)と同じく最適化された最小の魔法発動性能と専用の起動式で、より効率的に一纏めかつ、より最小の魔法力(負担及びサイオン消費量の軽減)で発動できるので、基本はCAD『トライデント』を使って発動する。これは解呪かつCAD無しで放つ疑似『トライデント(分解)』の事も含み、補足すると発動速度は解呪かつCAD無しの方が優れているが、威力はCADの有無関係なく同じであり、精度はCADを使えば上がる為、前述の複数のメリットと合わせて、スピード面以外は異能だけで疑似再現した『トライデント(分解)』よりCAD『トライデント』で放つ方が優れているので、利便性は上回っている。その他に上記の疑似再現の理由から、専用CADである『トライデント』での使用時の方も精度、速度が上がっている。

また同名の別種の魔法が『インデックス』に登録されている。

  • 『ベータ・トライデント』

『トライデント(分解)』の強化版で、『大深度雲散霧消』同様『バリオン・ランス』の開発過程で生み出された試作品の魔法で、この魔法は“究極の分解魔法”である『マテリアル・バースト』にも劣らない力を秘める“もうひとつの究極の分解魔法”

正式名称は『ベータ・ディケイ・ディスパージョン・トライデント』

物質を陽子と中性子にまで分解し、さらに中性子をベータ崩壊させる魔法。第一段階として物質を原子に分解、第二段階として原子核を陽子と中性子に分解、第三段階として中性子から電子と反電子ニュートリノを分離する。魔法の効果が持続している間、陽子は中性子から分離された電子を捕獲することができず、電子の大部分は陽子と共もにプラズマ状態で拡散する。劇場版では合計60トンの劣化ウラン弾を抱えた軍事衛星「セブンス・プレイグ」に使用し、その結果、劣化ウラン弾は安定的な元素に組み換わり、毒性が除去される。早い話が放射能を完全に無害化する魔法。

『雲散霧消』と『大深度雲散霧消』と最後に前述の2つが分解したものを更に分解する魔法を合わせた大規模な術式で、上述で言ったように『分解』の中でも最高峰の魔法だが、その分負担も強大になり、『トライデント(分解)』同様に特化型CAD『トライデント』が必ず必要で、その特化型CADのストレージ(『ベータ』専用タイプの色はホワイト)は本来なら魔法を最大数9種類までインストールできるが、それら全て占有する程の巨大な起動式が必要。更に『分解』に最適化された魔法演算領域を持つ達也でさえ読み込みに5秒掛かり、それとは別に魔法式構築も対象の規模に応じて、より読み込みに時間が掛かる。そして上述の負担の大きさから実戦では使えず、この魔法使用後はしばらく魔法が発動出来なくなる欠点がある。

ただ使用した時点ではまだ未完成だったので、後に『バリオン・ランス』が完成した事で実戦でも使用できるようになった可能性がある。

『新』シリーズの6巻ではこの魔法と思わしき物を使用している(対象物のエネルギーが低かったとはいえ、放射能は狭い範囲で発生している為、負担を大きく減らして多少の放射能を許容した簡易改良型または簡易発動した物と思われる)。

  • 『バリオン・ランス』

FAE理論を利用した近距離直接攻撃の術式で『分解』『再成』と移動系魔法の複合魔法。余りにも強力すぎる『マテリアル・バースト』に代わる物で、コンセプトはおおよそ『ブリオネイク』の再現であり、中性子砲を放つ致死性の魔法で、通常の『分解』が通用しない相手に対応する為、開発した近中距離物理攻撃の対人魔法。達也の本来の魔法である『分解』と『再成』の唯一の融合術式で、分解魔法の中で唯一貫通力を備えている。

上述の『大深度雲散霧消』と『ベータ・トライデント』の合わせ技でもある(厳密には『ベータ』自体に『ディープ』が組み込まれているので、『ベータ』を改良した上でFAE理論を取り入れた複合魔法と言える)。

リーナとの対決をきっかけに理論解明を始め(その過程で『ディープ』と『ベータ』を生み出す)、十三束との戦闘を経て本格的な開発を開始する。

発動するにはCAD『トライデント』とこの魔法の武装デバイスにして、専用アタッチメント兼CADの『ランス・ヘッド』を組み合わせて、『トライデント』を銃剣形態にして使用する。『分解』で『ランス・ヘッド』を陽子、電子、中性子まで分解し、陽子に電子を吸収させ、中性子をFAE理論を用いて拡散する前に薄い円盤状に収束・密集させ、対象に射出する。FAE理論に従い、射出されたバリオンの塊=中性子砲は魔法力の限界を超えたスピードで移動し、その速さは秒速一万キロに達する。これを受けた対象は物質内の水分が超高温に熱せられる。

本来なら中性子線により、放射能汚染が起こり、放射性残留物質も検出されるが、この魔法の最終段階に『再成』を組み込んだ事により、それらを全て回収し、中性子砲で“攻撃した”と言う結果だけが対象に残る。このように射出したバリオン等を回収する仕組みから、『バリオン・“ランス”(刺して引き抜く)』と名付けられた。中性子に対する『中性子バリア』が存在しているが、その対策も組み込んであり、『中性子バリア』の魔法は世界に1つしかなく、そして使用される術式が予め分かっていれば、達也は分解できるので、『バリオン・ランス』には『中性子バリア』を分解するプロセスが既に含まれている(『領域干渉』も無効化するプロセスが含まれている)。『マテリアル・バースト』はその破壊力から核兵器魔法と例えられるが、この魔法は上述の通り、中性子線を使っているので、文字通り核兵器魔法である(上で言ったように『再成』により放射線は回収してる)。この魔法に組み込まれた『ベータ』とは真逆の性質、コンセプトと言える。

対人魔法と言われているが、性質上故に分厚いコンクリートなどが使われてない物体にも通用はすると思われる。

この魔法を手に入れた事で『接触型術式解体』相手でも物理手段の魔法の為、通用し、『ファランクス』にも『中性子バリア』を分解する事で他の障壁を貫通し突破するので、『分解』が効かない相手に他の攻撃手段を持たない(『術式解体』『徹甲想子弾』等は除く。それ以外の魔法の威力が低すぎる為)という達也の弱点が克服された(のちに『接触型術式解体』の完成と『フラッシュ・キャスト』の出力不足克服により『バリオン・ランス』を使わずとも対応可能になる)。

この魔法のベースとなった『ブリオネイク』使用の『ヘヴィ・メタル・バースト』と比べると威力とエネルギーの自在な指向性で劣るが、スピードは圧倒的に上回り、『分解』のプロセスにより防御不能の性質を備えているので、対人戦闘においてはこちらが上で、対人限定なら戦略級魔法(師)を凌駕し、(『分解』以外なら)防御不能の最強の対人魔法である真夜の『流星群』(ミーティア・ライン)に並び、この魔法も防御不能の最強の対人魔法である。

『ベータ』程ではないが、この魔法も達也に多大な負荷が掛かり、躱されたら隙になる。とは言えバリオンの速さは上で言った速度を誇るので、回避は実質不可能に限りなく近い(この魔法を発動した際に魔法が使われた事は誰もが理解可能だが、この魔法を認識できた者はおらず、見て回避するのは不可能である為)。

  • 『ゲートキーパー』

達也の秘術で魔法師無力化魔法。

対象となる魔法師のゲートに仕掛け、そこを通過した直後の魔法式を破壊する。

無意識領域で構築された魔法式は、無意識領域の最上層にして意識領域の最下層たるルートに転送され、意識と無意識の狭間に存在するゲートから魔法の対象に投射される。ゲートは魔法師の精神とエイドスのプラットホームであるイデアの境界で、ゲートはイデアに露出している。その為、魔法師は魔法式を自分の外側に作用させる事ができ、そこをこの魔法でゲートに仕掛け、通過したあらゆる魔法を破壊する。

達也は『精霊の眼』でゲートを監視し続け、通過した魔法式を『術式解散』で破壊している。簡単に言うと『術式解散』の照準を『精霊の眼』で普段よりも深い場所・領域(対象のイデアのゲート)にまで、“眼”でマーキングして照準を狙えるようにした魔法技能(罠を仕掛け、引っ掛かった対象を狙い撃ちにしてるような状態)。

もっと砕いて言えば魔法の発動には、1・魔法の選択→2・選択した魔法式の情報を構築→3・構築した魔法式を送る→4・送られた魔法式を次元に構築展開→5・魔法の完成、と言った感じに手順があり、通常の『術式解散』は4段階目から介入できるが、『ゲートキーパー』は3段階目から介入できる魔法となる(発動自体を出来なくする)。

これを行うには通常時よりも“眼”に力または意識を向ける必要がある(最初のみ。眼のマーキングを仕掛け終えたら、通常の状態でも視れる)。

通常の『術式解散』なら、それを受けた魔法師は魔法を無効化された事が理解できるが(どんな魔法で無効化されたかは『精霊の眼』がない限り理解できない)、『ゲートキーパー』を受けた魔法師の場合は自身の魔法発動が失敗したのか、魔法技能そのものを失ったのか、外部から無効化されたのか、その原因すら理解できない(無意識領域で、この魔法を受けている為)。

実戦では一度しか使用してないが、この魔法の特性故にどんな魔法師も魔法を発動する事ができないが、例外として桁違いの想子保有量を持つ魔法師には通用しない。また言及されてないが、『仮装行列』の使い手にも通用しないと思われる(予め展開された場合)。四葉では精神干渉系魔法として汎用化される予定で、津久葉家に一任される。

  • 『アストラル・ディスパージョン』

達也が開発した『霊子情報体支持構造分解魔法』。

パラサイト及び精神(霊子)情報体を殺害する分解魔法。

『徹甲想子弾』が存在の不安定なパラサイトを滅ぼせ、それを応用して完成させた『封玉』があらゆるパラサイトに一時的に決定打になった事によって、パラサイトに対抗手段を持たなかった達也の弱点を解消するには至ったが、あくまでも一時的なものでしかなく、真の意味での決定力がなかった。だが特殊な幽体となったアークトゥルスとの戦闘で精神情報体がこの世界にアクセスし、存在を維持する為の専用の想子情報体が必要な事が判明。そして藤林長正との対決で彼が解き放った死霊に対してそのノウハウを活かし、達也は精神情報体が活動する事で変動する情報を観測し、そこから逆算的にアクセス媒体として機能している想子情報体を把握して、それを分解する事で精神情報体をこの世界から切り離す魔法として完成させた。

簡単に言えばパラサイトなどの存在は達也がいる世界に踏み留まる為のサイオンで構成された専用の土台=基盤があり、達也はそれを確認し、破壊する事でパラサイトを世界から追放している。

厳密にはパラサイトを直接分解して滅ぼしてる訳ではないが、世界に存在する為の基盤を破壊する事で、その存在を維持出来なくなるので、達也がいる世界の側から見れば“死んだも同然”になり、精神情報体を殺害する魔法と言っても過言ではない。

この魔法によりパラサイトへの完全な攻撃・殺害手段を確立し、この世界で数少ない精神体を消せる魔法の1つとなった。謂わば最強の対妖魔もとい対精神体魔法。

上記にある通りパラサイト以外の精神情報体にも対応可能だが、主な対応はパラサイトが中心である。そのパラサイトに対して使用した場合、「不可視の渦」が現れ、パラサイトはこの渦に吞み込まれるようにして消失する。達也はこの渦について、パラサイト側の世界に通じる、「次元の通路」と推測している。

またこの魔法は『分解』ではあるが、間接的な精神干渉系魔法でもある(本来なら達也は精神に関する適性がないので、系統外魔法を使えない。ただ後に純粋な系統外魔法も使えるようになる)。

これにより深雪と同様に四葉の魔法師の二つの系統タイプを所持する存在になった(精神干渉魔法を得意とし、極めて強力でユニークな魔法を得意とするタイプ。達也は後天的かつ疑似的と言える)。

  • 『マテリアル・バースト』(質量爆散)

達也の最強最大の魔法で、質量を全て直接エネルギーに分解する、“究極の分解魔法”にして、“最強の戦略級魔法”。

前述通り質量を直接エネルギーに分解する事で対消滅反応の際に生じるニュートリノ発生によるエネルギーの転換ロスも一切無い(これによって放射能も発生しない)。『分解』で質量を消し去って、そこに「質量相当の高エネルギーが存在する」空間を出現させ、この膨張する空間に触れた物質は激しく振動し、加速され、燃焼、融解、蒸発、崩壊、爆発などの変化をもたらす。

発生した膨大なエネルギーは、消滅した物質に隣接する物質へ伝わり、分子間結合が切れて分子が原子に、更に電子と原子核に分断され、生じたプラズマに巨大な運動エネルギーを与える。また部分的には原子核の分解や中性子の崩壊まで引き起こす。

その観測される破壊の力は、そのほとんどが隣接する物質が変化したプラズマの運動エネルギーであり、プラズマ同士の衝突によって外側の物質が高熱を帯び、さらに破壊を広げ、巨大な爆発が引き起こされる。

アインシュタイン公式の通りに質量を光速度の二乗の倍率でエネルギーに変換する( E = 質量 m × 光速定数 c の2乗)。

分解の対象物の質量制限はなく、構造や規模が重要で、ある程度均質な構造の物質であれば、無制限にエネルギーへ変換できる。逆に複雑な構造物は基本的な『分解』及び『雲散霧消』で分解してから、『マテリアル・バースト』を発動する。

この魔法の本来の使用法はディープインパクトやアルマゲドンのような巨大隕石迎撃用の魔法であり、原作ではこの用途では使われてないが、劇場版では本来の用途で使用された。『続』シリーズでは、今後は前述の本来の役目・目的の用途で使用する事を決め、劇場版同様に彗星に対し発動した。

核兵器に例えられるが、実際の威力はそれを遥かに凌駕し、分解する質量が大きい程に威力が桁違いに上昇していき、単純な物理威力は他の追随を許さず、文字通り世界を滅ぼせる、世界最強の戦略級魔法。

他の戦略級魔法と比較しても上述の圧倒的な威力に、他の戦略級魔法と比べても即座に発動できる速度(一秒未満。照準を度外視すれば、更に速く発動可能だと思われる。またじっくり一秒の時間を掛けただけでも光より速く、速度という概念を超越する程に速い)に影響範囲も随一で、『サード・アイ』により実質無限の射程距離とピンポイント狙撃が可能な精密さ等、あらゆる面で凌駕しており、威力・速度・範囲・射程・精密性、どれ1つをとっても他の戦略級魔法を遥かに超越した別格の力を誇る(特に威力に関しては上限はなく対象によって理論上、破壊力が無制限に上昇し、範囲もそれに伴い上昇する。達也曰く「世界そのもの(※)を無に帰す」)。その事から“超戦略級魔法”とも評されている。

専用CAD『サード・アイ』を使って発動するが、なくても発動自体はできる。しかし精密な制御及び照準がなければ予想外の破壊力の増大に繋がる可能性があり、下手をすれば最悪世界が滅びるので、結局最も安全に発動するには『サード・アイ』が必要。

唯一の欠点はその強大すぎる威力の為、近・中距離戦もとい通常戦闘では使用できない事。また『誓約』してる時は使えず、深雪に解放して貰う必要があったが、現在は解呪によって自分の意思で発動できるようになっている。

余談だが、作中の戦略級魔法の遣い手達は全員適性などから判断・判明してから、戦略級魔法を修得し戦略級魔法師になるのだが、達也の場合は上述で説明したように生まれた時点でこの魔法を修得しており、生まれながらの戦略級魔法師(超戦略級魔法師)という、ただ一人の例外にして規格外な存在である。


(※)達也の言う世界そのものと言うのは恐らく宇宙全体の事と思われる。この文章の前に、「惑星を破壊するだけでなく」、と言う説明が入ってる為、地球=世界を指してる訳でない事が読み取れる。他にも上記で述べたように威力の上限はなく、無制限に上昇するので、惑星規模やそれ以上の破壊規模を発揮する事も実際に可能ではある。



  • 『再成』

達也が自由に使えるもう1つの魔法でBS魔法。同じく最高難度に数えられ、エイドスの変更履歴を最大で24時間遡り、外的な要因により損傷を受ける(影響をうける)前のエイドスをフルコピーし、それを魔法式として現在のエイドスを上書きする魔法。達也の「神」の力にして創造の側面。

対象物の構造と素材の組成情報を入手して発動し、本来であればエイドスの復元力が作用して、魔法による改変から前の過去の状態に戻ろうとする力が働く為、魔法の効果が永続しないが、『再成』でフルコピーしたエイドス(構造情報)は過去の自身のエイドスであることに他ならず(上で言ったように発動する際に対象の24時間内の情報を遡り、そこから複写して反映してる為)、それを元に上書きされた対象は損傷を受けた状態に復元するのではなく、損傷を受ける事なく時間が経過した状態で世界に定着する=全て無かった事にする。簡易的に訳すと、この魔法を使えば生物、無生物問わずに24時間内に遡って、その中の過去の情報を引っ張り出して選択し、対象に実行する(例として大怪我を負った人間を対象に発動した場合、大怪我→無傷から、大怪我→途中経過の怪我という段階を選択するなど。後者は滅多にないが)。

その為、一般的な治癒魔法と違い、魔法の定着に継続的な施術を必要としない。魔法師の『情報強化』も突破する。魔法(術式)にも再成可能。

謂わば一種の時間遡行と言える魔法である。

この魔法を使う際、『精霊の眼』で対象のエイドスの変更履歴を遡り、読み取る際に0,2秒(状況によって変動する可能性有り)掛かる。また再成対象の構造情報と自身を起点とした相対座標情報を復元することにより、CAD『トライデント』を手の中に再成した事がある(任意の場所に修復することもできる模様。ただ、自分自身の移動=現在地から過去にいた場所・位置には達也自身を戻せないようで、あくまで自身が身に付けていた物に限り巻き戻して回収する事ができるようである)。

生物の死には『再成』で蘇らせることはできない(無生物はどんなに壊れようが復元する)。死体に再成をかけても傷の無い死体が出来上がるだけで、死した生物が生き返ったりはしない。

ただし、即死の致命傷であっても肉体を再建し、血液を循環させることで蘇生する可能性が完全にゼロで無い限り、死者を生に呼び戻すことが出来る。また負傷した生物に再成を発動した場合、その生物の負った苦痛を一瞬に凝縮して体感する事になる(例として作中では負傷した五十里に対して魔法を使うまで30秒経過しており、変更履歴を読み出すのに0,2秒掛け、その刹那の時間に150倍の痛みを体感している。達也が生きてきた中で最大に経験した苦痛は数千倍にも及ぶ)。

その影響で精神耐性も非常に高まっており、常人なら動けない程の苦痛でも行動ができる。

他にも過去の情報を全て読み取る必要があるという使用上、情報があまりにも多すぎると達也の脳が耐えきれなくなる(推測だが、魔法演算領域のオーバーヒートに何らかの関係がある可能性が高い)。アニメ第2期最終回では地下を含め二千数百メートルの高さがあるビルを修復したが、再成できる限界に近いらしく、使用を躊躇う素振りを見せ、使用後は達也にしては珍しいほどに消耗していた(ただし、この時の達也は本来の力の半分での出力による使用だったので、力を完全に取り戻した場合はこれよりも更に強力な『再成』が行使できる)。また精神に影響する魔法を受けた場合、『再成』は発動しない。

『分解』同様に異能なので、力が封印された状態かつCADがなくとも高速発動ができ、CADがあれば、より速く発動できる。『誓約』解呪後は本来の速さと精度に威力を取り戻し、『分解』と同じくCADを使うよりも自力での発動の方が速度は上回るようになる。そして『再成』の対応領域も広がり、『幽体』の構造情報を遡及し、複写ができるようになった。

『分解』と違い、系統に属さず、更に精神干渉系魔法とは違った意味で系統外魔法である(『分解』は4系統8種に入ってるが、『再成』はどれにも当てはまらず、知覚系統、無系統、精神干渉系にも属してない)。

また『分解』以上に秘匿が重要な異能である。

『新』シリーズではレオの『ジークフリート』の簡易・燃費改善版及び医療魔法としても分類される硬化魔法『バダリィフォージング』にも一部組み込まれている(レオの要望により開発。起動式内の魔法式に『再成』のプロセスはあるが、あくまでもほんのごく僅かの間にしか効果を発揮しないようになっており、硬化魔法による人体の生命活動の影響も視野に入れてる為でもあるが、一部しか組み込まれてないのと、巻き戻し自体は達也でないと充分に効果を出せないからだと思われる。なお、本来『再成』は達也以外使えない為、どんな仕組みで発動しているのか不明である)。


  • 『自己修復術式』

『再成』の応用で達也自身を再成する魔法で、達也を「不死身」と言わしめる魔法。自身の肉体情報を精神の領域で常時待機させており、それにより通常の『再成』と違って情報の読み取りは必要なく、達也の行動に支障が出る(有害なガスや薬物等で影響があった場合も含まれる)、または重傷や致命傷になれば自動で発動し(一瞬でそれ程の威力を出せるもの及び即死となるものでも発動)、精神の領域にあるフルバックアップで瞬時に復元される(状態やダメージを巻き戻す)。

致命的なダメージを負わなければ、達也の意思で強制停止もでき、部分的に復元する事も可能。

その発動スピードは人間の認識(達也自身とそれ以外の存在も含む)を超える程で、達也のサイオンが尽きない限り“死ぬ事がない”。

部分的な再成の場合、痛みが伴い一瞬のタイムラグがある。フルバックアップの場合は痛みがないが、魔法演算領域が全て『再成』に占有され、他の魔法が使えず一瞬以上の攻撃遅滞が発生する。とはいえ端から見れば一瞬で元通り、もしくは攻撃が効いてないと見られるので今の所は問題になってない。

この自己再生と達也の規格外の想子保有量と相まって無敵に近い能力だが、弱点もあり、上述にある通り精神に影響を与える魔法に対しては『再成』が及ばず、深雪の『コキュートス』などの致死性の系統外魔法を受ければ達也は死ぬ。しかし、苦痛を何百倍にもフィードバックする性質故に『再成』を使えば使うほど、精神が鍛えられ、自然と系統外への耐性が付く上にそれ自体が高まっていき、結果的に『再成』自体は効力を発揮せずとも、その副産物により系統外魔法に対する地力耐性の向上として還元されている。

他には致死性の威力を持った無限ループ攻撃または致死性の超速連続攻撃なら達也のサイオン切れか魔法演算領域のオーバーヒートでこの魔法を突破できる(少なくとも超速で絶え間なく何百回の攻撃が必要)。

それ以外ならたとえ達也が全身を消滅する魔法やそれに匹敵する魔法以外の攻撃手段を受けても即座に発動する(魔法の中でも最強の威力を持つ戦略級魔法や人体を吹き飛ばす『爆裂』などを受けても上述の連続攻撃という手段で行わないと復活する)。



  • 『精霊の眼』(エレメンタル・サイト)

イデア(情報次元)にアクセスし(同時に時間感覚が引き延ばされる)、イデア内の個々のエイドスを意識して見分ける、知覚系にして達也のBS魔法で『分解』と『再成』の副産物で先天的に宿している魔法。この眼で達也が対象の情報(想子情報体)を得る事で『分解』と『再成』を行使できる。

万象を因果律に基づいて意識的に取捨選択することで情報にたどり着ける異能(本来なら三次元的なビジョンを順番に辿っていく事しかできなかったが、後に顧傑が企てた計画の事件の捜査で情報流を数え切れない位に上り下りを繰り返した事で、限定的に因果の連なりを俯瞰して見る力を獲得した)で、達也の魔法の中で特に重要な技能である。

この眼は直接・隠密戦闘や索敵や情報収集、潜入、追跡に役立つ高い万能性を誇り、またこれにより達也は精密かつ超長距離(無制限)射程で魔法が使える。

現代魔法はイデアを経由してエイドスに魔法式を投射するものなので、現代魔法師は皆イデアにアクセスする能力を持っており、『精霊の眼』はその能力を拡張したものとも言える。ただし、その拡張がもたらす効果は絶大で、五感や物理次元の感覚の拡張に過ぎない『透視』や照準補助システムにより得られた情報によって魔法の照準を定めるのではなく、エイドスを認識して直接照準することができる為、待ち伏せや隠密、魔法で姿を消しても隠しても意味をなさず、位置を特定されるので『精霊の眼』に狙われて逃れられるものはごく一部を除いて存在しない(情報次元の座標を偽装する『仮装行列』などが該当する。情報次元に偽装が行えない幻術・認識阻害等の魔法や異能なら見破られる)。

逃れられるのは「存在しないもの」だけとされる(存在が確定してない時のパラサイトに対してはある程度は補足できたが、正確な位置までは把握出来なかった。現在はパラサイトが纏っている想子の外皮が視れ、存在も知覚できる)。

他にも声(言葉)も情報体としてイデアに記録されるので読み取る事ができ、盗聴や(魔法的な)遠隔会話にも活用できる(会話する時、達也側は『フラッシュ・キャスト』でコピーした、声を届ける魔法『音声伝達』を併用する)。

早い話がこの眼を使えば周囲に存在している、あらゆる物(あらゆる情報)を広大な範囲で透視、認識しているようなもの(言葉の例えで表すなら。またその中の照準対象が複数であっても同時に認識できる)。衛星などによる映像や座標など、とにかくデータがあれば地球上はおろか月軌道やそれを超える数億の距離でも認識、照準が可能で、その周囲の情報も視ることができる。方向や角度に制限はなく、あらゆる方向と角度から視れる。また『分解』の特性を強く反映している為、知覚したモノの構造情報と構成要素を知る事ができる(人間を対象にすれば、その個体情報や状態などが全て分かり、飲み物を対象にすれば、アルコールの有無や度数が判明するなど)。

またこの眼を使用する事で高速で移動する存在を始め、弾丸や電撃の速さなどにも対応でき、弾道なども読める(達也が“眼”で認識、感知してる範囲のみ。また照準を付けた場合も対応可能)。

魔法式と起動式も視れる為(『分解』の影響で魔法の構造も視れる)、相手の魔法を判断でき、適切な対処を実行できる。達也の魔法開発効率が異常に高いのは魔法式の動作状況をこの眼で直接観察している為。魔法発動の行使、兆候や座標に軌道なども読み取れる。どの程度までかは不明だが、魔法演算領域も解析して視る事が可能。

よく知った相手及び「縁」を結んだ相手ならば距離がどれだけ離れてようが、位置特定ができる。

フィルタリング能力も備わっており、視覚・聴覚情報を遮断する事もできる。

『再成』の特性を強く反映した“眼”でもあるので過去の情報から現在の情報へ時を遡って目標に辿り着ける(ある種の逆探知とも言える)。

この眼から逃れられる『仮装行列』などにも、上で述べた『再成』に適したこの眼の“エイドスの変更履歴を時の流れに逆らって縦覧する能力”(時間流を溯行する魔法能力)によって位置を補足する事ができる=過去の位置情報から現在の座標及び情報を割り出せる。

隠された魔法式もこのテクニックを応用して、魔法により改変された情報の痕跡を読み取る事で魔法式を遡って捉え、間接的に情報を入手して発見し、分解を発動できる(作中ではまだ不完全な技術で行ったので、間接的な情報から達也が推測して発動。一定の効果は発揮したが、一撃で魔法式を破壊する事は出来なかった。完全に入手できたなら一撃で破壊可能)。

最終的には「世界の法則そのもの」を知覚できるようになるようで、その域に到達したら時間を掛け過去から現在へ遡らずとも、『仮装行列』等のイデアを偽装する術者本人(の情報体)及びその魔法式を即座に捉える事ができるようになる模様。ただし、八雲やこの系統技術を扱うのに長けた一族(その中でも当主並かそれに近いレベルの人間)に対してであり、八雲との修行により、リーナの『仮装行列』に対しては、この域に到達してなくても現在は普通にリーナ本人や術式自体に照準を狙える。

また魔法を解読する事で相手の情報を手に入れる事もできる(達也を狙った場合。『誓約』解呪後は別)。

欠点は魔法を使わない長距離攻撃手段は達也でも発見が困難になり(達也に影響が出たなら、そこから遡る事で特定できる)、また達也を直接狙わず、他者を魔法発動の中継点にし、痕跡をほぼ消した上で隠密工作した遠隔魔法も術者の特定ができない(ただし、どちらも『誓約』状態だった所為でもあり、解呪後はこの点を克服。前者の場合は解呪前でも眼のリソースを割けば対応可能で、後者も同じく解呪前でも深雪に協力してもらえば可能)。

それ以外にこの眼は、精神の領域には届かず、対応出来ない。その為、『分解』と『再成』も精神体は分解出来ないし、精神の領域にある魔法演算領域も再成する事も出来ない(上述通り、魔法演算領域自体は一応視る事はできる)。ただプシオン波の明暗は知覚でき、事象干渉力の正体を解明した後は五感の及ばない遠隔魔法には無理でも、達也の視覚範囲内(五感で感知できる範囲)ならプシオンの流れを視れる(より感じれる)ようになった。

他にも意識を強めれば「視野」を更に強化し(周囲が落ち着いて「観測」ができる状況で行う)、達也と深雪の焦点を基に知覚を広大させる事で、因果律の連結強度で定義されるリレーション空間を視ることができる。達也のイメージは認識の焦点を当てた存在の背後に因果関係を持つ存在や事象が透けて見えるというもので、原理的には“未来予知”も可能になるが、現段階では不可能。ただ、この状態の索敵は普段の『精霊の眼』よりも範囲と精度が向上する。後に時間の流れにある無数の選択肢を形成する『時間樹』を観測するまでになり、その中に迷いこんだ結果、「実現しなかった可能性」までもが含まれていた事が判明し、(未来視に近い事は出来るだろうが)厳密な意味での未来予知は存在しないと達也は結論を出している。

一応この時の達也は『誓約』状態であったので、その可能性そのものを見分ける・区別する事ができなかった場合も考えられる上に、上述の「世界の法則」同様に達也も完全に『精霊の眼』を使いこなせてない及びその領域自体に達してない等の要因もある為、実際にそうなのかは不明。また深雪に迫る危機を一度だけ予感して対処した事があり、更に後の時代である『続』シリーズでは、達也が「それは予知ではないのか」と評してる能力持ちが登場しているので、一概にも完全な予知は存在しないとは言い切れなくなっている。

この他に対象を一度視認し、リソースを70パーセント割り当てれば、特殊な構造を持つ特定の個人を国内から見つけ出せる(解呪前)。

達也は無意識に深雪にリソースを半分割いており、それ以上の力を発揮するには深雪の安全を認識しなければ感情的な理由でリソースを別に割けない(100パーセント完全に発揮するには深雪の安全を物理・情報次元の両方で認識する必要がある)。逆にリソースが深雪に集中している為、彼女に向けた悪意や物質的な現象や魔法的な兆候を捉える事ができる(達也自身にもこのやり方による対応が可能。また結果的に自分達に影響が向かう場合も捉えられる)。空間を跳び越えて突如顕在化する魔法には直前まで察知できない事(達也が寝ている時。すぐに意識は覚醒するが、対処が僅かに遅れる)もあるが、上述のリレーション空間を視る状態なら感知する事もできる。前述の場合もあくまで状況によって対応が遅れるだけの話であり、実際に達也はリレーション状態で視ずとも戦略級魔法『トゥマーン・ボンバ』を感知し、完璧に対処した上で探知も過去の情報から割り出して直ぐに術者を発見している。

また深雪と身体的な接触をする事でサイオン信号化されたイメージを遣り取りできる。

『誓約』解呪後は能力が更に上昇し、リソースにも余裕が生まれる。100パーセント能力を全力発揮するには深雪が近くにいる必要がある事に変わりないが、以前よりも条件が緩和され、精度も上記通り上昇している。更に100パーセント全力発揮でなければ、リソースを幾分か他にも割けられるようになる。

光宣の『精霊の眼』と比較すると、受動的な感知能力で劣る(能力のリソース次第でこれに迫れる。リレーション状態なら達也と深雪に対してのみと言う条件が付くが、限定的に同等以上となる。また同じく達也と深雪が対象ならリソース・リレーション状態問わずに魔法以外の手段の受動的な感知に関しては達也の方が上。魔法で直接狙われた場合も同様)が、能動的な能力で大きく勝り、『分解』と『再成』の特性により総合力と使い勝手は達也の眼に軍配が上がる。

より明確な違いとしては、達也の眼は構造情報と因果を読み取るバージョンであり、光宣の眼は達也のように構造情報・構成要素や時間遡及・因果(現段階ではまだだが未来予知も可能)・法則を視る力は無いが、受動的な感知範囲は達也よりも上である。ただし、上述で言ったようにリレーション状態ならば同等以上、それ抜きでも魔法以外の手段に対しての感知は光宣は達也に劣っており、同じく魔法で直接狙われた場合の感知でも達也には敵わない。



人工魔法

達也を通常の魔法師にする為、6歳の時に行った「人造魔法師実験」によって『仮想魔法演算領域』と『フラッシュ・キャスト』を植え付けられ、達也は通常の魔法を使えるようになった。

達也が汎用型CADを使わないのはこの2つの特異性が合わさって、達也自身が汎用型CADの役目を担っている為。そして後述でも説明するようにこの相乗効果によって、汎用型CAD以上の性能と特化型CAD以上の性能を兼ね備える破格の能力を身に付けている(しかもCADを使わずに前述で説明した能力を、自由自在に行使できる)。

この2つの力は『精霊の眼』の解析能力も関わっている。


  • 『仮想魔法演算領域』

達也を魔法師として確立させる為、意識領域内に植え付けられた人工魔法演算領域。

これを植え付ける為に達也の「強い情動を司る部分」を白紙化する必要があり、それを実行した「人造魔法師実験」で達也は深雪以外への感情を無くしてしまう。達也はこの実験の唯一の成功例。

魔法師が持つ先天的な魔法演算領域には性能で劣るが、意識領域内にある為、丸暗記した起動式(魔法式)を意識的に読み解く事で、魔法式(起動式も可能)を組み立てて投射し、魔法を行使することができる(通常の魔法演算領域は処理のプロセスを意識する事ができない)。

魔法の出力は低いが、魔法式をそっくりコピーして運用する性質上、魔法式の構造が判明してればどんな魔法も発動寸前の状態に持っていく事ができる(そこからは処理能力次第で発動できる)。

前述の通り出力不足だが、精霊を操る系統(独立情報体を使役する魔法)の古式魔法以外なら、現代・古式関係なく全ての魔法に適性と模倣できる特性を持っており、それ故非常に強力な性能を誇る(精霊を操る魔法の場合はコピーは出来ても制御する手段まではないので、使役するなら修練が必要)。だが、その出力不足の所為で魔法として発動できない物が多く、発動する魔法も威力が低下、スピードは『フラッシュ・キャスト』を使わなければ遅いなど、問題がある。ただ意識領域内に存在する特異性は先天的な魔法演算領域にはない唯一の長所で、それによって汎用型CADを遥かに超える魔法をストックできるので(実質無制限にストックできる)、他の魔法師に対して圧倒的に優れたアドバンテージを得ている。コピーした魔法はアレンジする事も可能で、魔法の多様性を増やせる利点がある。

長らくその出力不足に悩まされたが、アークトゥルスとの戦闘で判明した事象干渉力の正体であるプシオン波、そしてその研究を続けた結果、『続』シリーズでは自分の中から干渉力だけを取り出して鍛える方法を発見し、更に事象干渉力を魔法式とは別々に作用させる技術も編み出し、発動した魔法に干渉力を追加、上乗せする事で出力不足をある程度克服するに至った(使用された干渉力は達也の『分解』『再成』から使われている。ただ、この干渉力は『分解』『再成』用に最適化されており、他の魔法式に使う際は効率が低下する)。これによって超一流の魔法師の魔法には及ばないが、実戦レベルの魔法を自由に使えるようになり、現代魔法師のコンセプトである「多彩な魔法を使った万能性」を獲得した。そして達也はこの演算領域の特異性故に作中でも随一の万能性となり、魔法のバリエーションの豊富さは他の魔法師を凌駕し、現代魔法師の「何でもできる」多種多様性のコンセプトを、より極めた存在になったと言える。出力は上で説明した時点が今の所は限界だが、「干渉力を鍛えられる」と言う事なので、まだ性能の底上げが見込める可能性があり、いずれは超一流の魔法にも迫れるまたはその魔法が使えるようになると考えられる。とは言え、現段階でも『遮音結界』で比較した際に一条が同じ魔法を使った場合と比較しても「それほど劣らない」とされ、少なくとも得意魔法の『爆裂』やそれの派生または同じ系統を持つ魔法を除けば一条にも劣らない、即ち得意魔法以外なら十師族並の魔法力にも引けを取らない効力を発揮してると見解できる(『万能』が取り柄の七草家などには威力で劣る可能性があるが。また得意・苦手は個人差にも寄るので、別の方面や系統次第では達也が十師族クラスを上回る部分もある)。

その他にも出力不足を解決した事で七草同様に苦手な系統がない万能型となり、苦手がないバランスの良さで他の十師族クラスを上回る(以前は出力不足により障壁魔法等が苦手であり、使えなかったが上で述べた通り、今は実戦レベルの魔法を自由に使える。そして苦手だった障壁及び結界魔法は一条にも迫る効果を発揮している)。

当初は深夜達が望んだ性能にはならなかったが、その約15年後に達也自身の才能によって、問題点を克服し、その目標が叶った結果となった。またその研究の成果により本来は適性がなかった系統外もとい精神干渉系魔法も使えるようになっている(正確には適性自体はあったが、それが低かったので魔法として完全に発動する事が出来なかった=他の系統魔法よりも出力が足りず、実戦レベルには満たしてなかった。その証拠に上記の技術の原本である理論に基づいたテクニックにより、得意魔法の副産物及び副次的な効果だったとはいえ、完全な技術確立の前でも『分解』を介した間接的な系統外魔法の発動には成功している)。


  • 『フラッシュ・キャスト』

達也が植え付けられたもう1つの技術。

四葉の秘匿技術で洗脳技術の応用(人道上の問題で正規の軍隊では採用できない)。

本来の『フラッシュ・キャスト』は記憶領域に起動式をイメージ記憶として刻みつけ、CADからではなく記憶領域から起動式を読み出すことで起動式の展開・読み込み時間を省略する物で、これによりCADを使わずともそれと同等のスピードで魔法を発動できる技術だが、達也の場合は意識内の演算領域という特異性(『仮想魔法演算領域』)から更にこの技術を発展させ、記憶領域に魔法式をイメージ記憶として蓄える事で魔法式構築の時間すらも省略しており、これによって『仮想魔法演算領域』のスピード不足を補って余りあるスピードを発揮する(威力不足も状況次第でお釣が出る位には無視できる)。

そのスピードは「四葉最速」と評されており、達也の本来の魔法にも劣らず、超能力やパラサイトに匹敵かそれ以上の速さを持ち(使う魔法の難度によっては解呪した『分解』のスピードより『フラッシュ・キャスト』の方が速く、その逆もある。総じて基本は、解呪かつ自力で発動する『分解』と『フラッシュ・キャスト』はほぼ同等のスピードであると見て良い。この理由から、解呪した『分解』のスピードに対抗できるのは光宣しかいないので、実質超能力以上の速さとなる)、作中最速の発動スピードを誇っている。一般的な魔法師で対抗できるのは柳だけで、所持してる一部の魔法だけがそのスピードに辛うじて匹敵する。とは言え、辛うじてであり、そのスピードも身体による型と連動しなければならないので、結果的に『フラッシュ・キャスト』には及ばない。

『仮想魔法演算領域』の影響で威力不足だが、同じ魔法を一瞬で何度も繰り返し発動することで威力の不足を補っている(描写的に一部の魔法のみの様子)。また『仮想魔法演算領域』で説明したように達也の処理能力次第で様々な魔法を発動できる。

発動スピードが強力な代わりに1つの事に特化した超能力などと違って多彩な魔法を超能力と同等以上の速さで発動できる強みがあるが、上で言ったように『仮想魔法演算領域』の出力不足により威力は低い。一瞬の連続使用なら補えるが、全ての魔法をこのやり方で補える訳ではないので、そこが唯一の欠点だった。

しかし、同じく上述で説明したように事象干渉力の研究によって、『続』シリーズでは出力不足をある程度克服した事で実戦レベルの魔法を自由に使え、威力も格段に上昇した事で使い勝手が非常に良くなり、総合的に発動する魔法は超能力以上のスピードに加え、得意魔法ではない(逆に苦手という訳でもない)とは言え、一条将輝(十師族レベル)にも迫る威力を兼ね備えた性能を発揮している。更に幾つかの魔法は瞬間連続発動で、より威力を高める事ができるので、戦闘での戦術・戦略性の幅が広がった。

『フラッシュ・キャスト』は達也の所持する『分解』『術式解体』『徹甲想子弾』と比べて決定打には程遠く(全くない訳ではない)、主に牽制・サポートメインだったが、威力不足を解消した事で決め手としても使えるようになり、手数も以前とは比べられない位に手段が増加した。

またコピーする性質故に一度視てしまえば、たとえ非公開の術式や秘術だろうが、魔法師個人及び一族が秘密にしてる切り札的な魔法も使える(発動できるかは上述で言うように達也の能力次第。少なくとも発動スピードに関してはオリジナルよりも遥かに強化され、威力も『続』シリーズで克服した事で場合によってはこちらもオリジナルと同等以上になる可能性がある)。



能力

言葉で表すなら規格外の超越者。

豊富かつ多彩な有り余る才能を発揮して、あらゆる分野に突出し、天才や鬼才などの評価を貰う程で、器用万能、完璧超人と評せる程の優れた存在、実力の持ち主。

その力は世界に途轍もない影響を与え、軍事力、学問、技術、政治など様々な分野でその名前を世界中に轟かせている。「巳焼島事変」以降は実質“世界の支配者”と言っても過言ではない立場になり、その影響力により世界から警戒の的となっている。

身体能力、武芸、頭脳、技術力、精神面、影響力、人脈、特殊な魔法力と全てが超高水準の領域にあり、どれもが世界最高峰レベル。

唯一の欠点は1つを除いた通常の魔法の才能が低い事だが、それすらも他の能力で十分に補える、どころか補って余りあると言って良い。そして『続』シリーズではその欠点も類稀な才能で克服し、突出した1つを除いた能力面も一流に近い力にまで昇華している。

よく達也はRPGに例えられるが、当て嵌めると大半の職業に高い適性と高い能力を誇る器用万能タイプであり、特定の分野でもオンリーワンな力を発揮できるタイプで、全ての面が突出しているオールラウンダーにしてスペシャリストのスペックを誇る。



身体能力・技能

四葉の死と隣り合わせの過酷な訓練により、作中でもトップクラスの身体能力と身体操作術を誇る。調整体のような肉体・身体強化措置はされてないが、肉体の構造情報を強く保持する事で筋骨の限界を超えた負荷を掛けても身体が損傷しないよう達也は作り上げられている。作中で説明は省かれてるが、内容的にこれは肉体と重なって連動している自身の想子情報体に、サイオンの制御で強化して、その想子情報体を強化した結果、肉体にもそれが反映される為である(他にもこれと同じ技術による説明として内臓機能の修正・強化の例が挙げられている)。後述の『サイオンブースト』と同じ体系の技法だが、ゲーム的に例えるならば、こちらは鍛え上げての基礎ステータス強化、あちらは一時的なバフによる大幅な補正強化という風な違いがある。また前者が四葉の訓練で身に付けた想子操作術を使った基礎肉体性能の鍛練及び向上の技法、後者が八雲との修行で会得した想子操作術で発動してる間は魔法並の補助を肉体に上乗せする技法となっている(要するに使う属性や大まかな分類は一緒だが、用途と効果などは細かい部分で違いがある)。

この為、筋肉や骨は肉体強化の措置をされた調整体やその遺伝子を持つ人間にも匹敵する、高い筋力と敏捷性、肉体強度を得ている。その素の身体能力は、魔法で身体を補助もとい強化した相手にも渡り合える程(一例として深雪に匹敵する魔法力を持つ光宣の連続発動した『跳躍』に対し、達也は身体能力だけで光宣のすぐ側にまで迫っている。しかも光宣は妨害として多彩な魔法も同時に放っており、それにもかかわらず側にまで近付いている)。

実際に作中では魔法を使わずとも病院の四階の高所から飛び降りも行える頑丈な肉体を持ち(脛は樫の木刀に打たれても耐えられる)、ビルの屋上から隣の屋上に跳び移る跳躍力や、樹の上に勢いよく連続で跳び移り、それを脚のバネで樹の揺れをほぼ完全に抑え込む事ができる機敏さと体幹の良さ、バランス感覚を身に付けている。銃弾のスピードにも方向さえ分かれば対応もできる(対魔法師用に改良された高速銃弾『ハイパワーライフル』に対し、手に『分解』を纏った上で至近距離で連射されたその弾丸に、手を高速で動かして対処している)。また魔法により高速飛翔したナイフ(の柄)を掴み取ったりもしている。

パワーも強く、過去には中学生になって数ヶ月位の時に対峙した、自身の倍以上の体重と身長を誇る軍人の全体重を乗せた一撃を両腕を使ったとはいえ、全く微動だにせず正面から受け止めている。現在は相手の隙を突いたとはいえ、水平で紐を持った状態の片手ずつで一度に2人の人間を同時に引きずり出せる程の力を持つ(隙を突かない場合は一度に片手1人が限界だと思われる)。また片手で体重40キロの人間を持ち上げる事も可能。他にも体重49キロの深雪を抱いて跳躍したり、100キロ近い握力を持つ沢木の握力にも対抗でき、腕力による打撃力も『身体強化』で肉体強度を上昇させた榛有希に「鋼の刃が食い込んだ」ような痛みを与える位の威力を持ち、蹴りの威力も相手によっては死なせる程の威力を誇る(作中でも敵対した相手の心臓を停止させている)。

20キロ未満の重さを持つ『フリードスーツ』を着用した状態でも普通の高校陸上選手が競技会で走る同程度の速度を余裕で出せる程にフィジカルとスピードが高い。

スタミナも肉体負荷大のランニングを毎日行っているので、かなりの持久力となっている。また身体にかなりのGが掛かっても支障なく行動できる。

これ程の肉体性能を持つので常人よりも魔法で強力な身体補助を行っても問題がない。寧ろ素の身体能力の時点で魔法で身体補助をした魔法師並の動き・性能を誇るので、後述の『サイオンブースト』や身体強化系の魔法で、そこから更に能力を高める事が可能。

身体強化の措置を受けた調整体の遺伝子を持つレオには純粋な腕力では劣るが、身体の末端の力である握力や手首の力はレオを凌ぎ(これらの力と達也の腕力が合わさってレオと同等かそれ以上の重量物を片手で扱う事も可能)、跳躍力や敏捷性、五感等を含めた総合的な身体能力は達也が上である(腕力もサイオンで筋肉をブーストすれば同等以上となる)。

またスポーツは何をやらせても超一流と言わしめる運動センスを誇っている。実際にテニスを少しだけ経験した事があるレオ相手に、達也は見様見真似の初心者にもかかわらず、余裕をもってラリーをミスなく長時間続けたり(内容を見るにレオは余裕が無くなる程にまで追い込まれている)、全く同じ場所と同じスピードで相手に打ち返す精確さ(機械でも無理な芸当)、挙句の果てにはフラットサーブは200キロ以上を叩き出している。レオ曰く「初心者とか!絶対(ぜってー)嘘だろ!」。

五感や反応速度、動体視力も同じく四葉の訓練により常人を遥かに上回る程に研ぎ澄まされている。その他に夜目も利く。また読唇術を会得している。

『再成』の副作用により痛覚に対する耐性も極めて高く、非魔法的洗脳手段に対してもほぼ完全とも言える抵抗力がある。

ただ身体能力が高く、それだけを頼りにしてるだけでなく、身体を操る高度な技もあり(音の無い踏み込み等)、八雲と出会う前でも元軍人から格闘技の指南を受け、四葉の訓練も相まって13歳の時点でも、ボクシングで国体にも出る程体術に秀でた軍人や、それ以上の力量を誇る軍人(体術・武器術を扱う沖縄空手の使い手)を圧倒する程の実力を持っていた。またこの時点で高度な技能である『裏当て』も既に修得している(『震脚』に似た技能も会得している)。独立魔装大隊では、(ボートの上で)姿勢を保ちながらも水面近くを泳ぐ魚を肉眼で捉える技術を身に付けている。

武器の扱いにも長けており、銃での狙撃・遠距離戦、接近戦や投擲にも利用できるナイフの技術に太刀と刀などを使った戦闘技術も叩き込まれている。他にも実戦を想定した色々な武器術・戦闘技術も仕込まれている模様。中でもナイフ捌きの技量は武器を使った白兵戦・接近戦を得意とする達人クラス相手にも互角以上に対抗できる程に優れている。剣術は本職のエリカに劣る(曰く「エリカの方が二枚も三枚も上手か」)が、(身体能力と)肉体的持久力は達也がエリカを凌駕し、達也の精神的な集中力は肉体の持久力以上であり、それらを加味した上で防御重視の剣術ならばエリカとも互角に渡り合える(最終的に肉体・精神の持久力勝負に持ち込めば達也が勝つ)。言うなれば達也は後述の『古流武術』と研鑽された格闘術・武器術を組み合わせ、独自のスタイルに最適・昇華したとも言える。

スナイパーライフルによる狙撃技術も『精霊の眼』を使えば、見通しが利かない夜間にもかかわらず、狙撃対象から千メートルも離れた場所からの精密かつ正確な狙撃を実行できる程の腕前を誇る。

  • 『古流武術』(体術・格闘・技術メイン)

八雲の体術の弟子になってから身に付けた古流の武術(忍術)。攻撃、防御、速度、正確さ、身体捌き及び身のこなしと言った基礎能力が極めて高く、素早く鋭い重い業から相手の攻撃をいなし利用する業など、優れた剛と柔の業を併せ持つ。達也の技量は幾つもの離れ業を修得している達人クラス。一例として挙げると、出会い頭のカウンターパンチ一発で相手を行動不能にし、しかもそれを7人相手に連続かつインターバル無しで実行したり(ちなみに達也はワザと気絶させずに倒している)、掌打の一撃は映画のように相手の身体を駆けてきた方向へ吹き飛ばせる威力を誇る。蹴り方面も、自分の頭よりも高い位置にいる相手の胴体を正確に蹴り上げたり、空中から落下した相手を弧を描くように蹴り飛ばし、しかもそれが「打つ」ではなく「押す」形でありながらも、高い威力を発揮し、戦闘不能に追い込んでいる。他には力を入れながら力を抜く技なども披露している。当然ながら忍術であるので特殊な歩行技術(足音を立てない等)や、木々(障碍物)の上を移動する手段や水溜まりがある湿った地面でも足に泥汚れが全くつかないよう動ける技術も修得している。また後述の『サイオンブースト』でも説明されてるように、想子を使った技もあり、例えば歩行技術ならば、想子による身体強化込みで5メートルの間合いを一歩で詰められる技がある(八雲の場合、想子込みで10メートルを一歩で詰められ、想子操作に頼らない身体技術も達也以上で、泥の地面に足跡を残さない程の技量を誇る。ただ達也の場合は、前述の技量評価は16歳時点でのものであり、それ以降も鍛練は続けてる上、後に18歳時点の達也は純粋な技は八雲に匹敵するレベルになっているので、同等の芸当が可能だと思われる。実際に後述の隠形も作中で向上してる事が確認されており、「ますます磨きが掛かっている」と評価され、『続』シリーズでは更に技術を高めている)。

その実力は八雲の中級クラスの弟子達が約20人同時に束になっても上回る程高く、八雲本人とは同等以上(八雲曰く「敵わない」)で、体力面も上回る。だが、駆け引きでは八雲には遠く及ばず(1年生時)、総合体術戦闘力では劣っている(3年生時には正面からの総合体術戦闘ならば勝率は五割)が純粋な体術のみの近接戦闘力なら作中でも一二を争う程に、最強の白兵戦能力を有してる。

更に暗殺者として凄腕の実力を持つ榛有希を、彼女が『身体強化』を使用した状態にもかかわらず手加減をした上でその場を一歩も動かずに圧倒して撃退している。

様々な武術と武器術の修行を積み、格闘能力に特化した遠上でさえ達也の隙のなさや武の底しれなさに驚愕しており、曰く「(自身の)デタラメな師匠どもより強いんじゃないか?」。

作中で達也に格闘能力で互角近くに渡り合ったのは身体を補助する魔法を使ってはいるが十三束のみ(序盤は易々と捌かれていたが、中盤以降は達也が反撃を行わなければいけない程まで追い詰めてみせた。ただし実戦より競技面が強い模擬戦だった事、CADの手持ちによって達也にハンデがあったなどの要因があり、更に達也は十三束と違って身体補助の魔法は一切使わず、魔法での間接的な攻撃や打撃に魔法を纏う事はしたが、身体そのものに補助はしておらず、一旦距離を取る時のみにしか身体補助系の魔法を使ってないのもある。またそんな状態でも描写的に身体性能・技量面は達也が上回っている)。風間や柳も達也とほぼ互角に渡り合える実力を有している。

また八雲からは、小さな鉛玉を指の力で投げる投擲暗器術の『弾き玉』を教えられている(ダガーや万力鎖などの武器術も会得している)。それ以外にも点穴術などの魔法以外の技術も多数修得している。

他にも八雲の指導により『精霊の眼』に頼らずとも、(人や魔法、それ以外も含む)多様な気配を捉える察知技術、同じく人や魔法や危機などを含む多様な感覚もとい感知能力による直感も非常に優れており(所謂、第六感的な能力)、場合によっては『精霊の眼』よりも有効な効力を発揮している時がある。

適性も(魔法を使った)専門家には及ばないが、隠密もとい隠形、潜入能力も一流と評せる程に高い能力を備えており、諜報能力も長けている(『精霊の眼』や『音声伝達』に、『続』シリーズでは隠形の技術向上と『疑似瞬間移動』と『アイドネウス』を修得し、それらを合わせれば、より高い真価を発揮する為、超一流クラスにも匹敵する)。特に隠形は、其方の方面に強い古式魔法師の風間が気付かないレベルで、本編開始の1年前の時点でも同じ技術を持つ榛有希よりも上で(隠形の技術は彼女の方が数年早く修得している)、達也の姿が見えている状態でも彼女が気を抜けば見失うレベルに達している。これは『忍術』による「空気と化す」状態を能動的に引き起こす技術と言われている(疎外され存在感を失って無視される状態及び意識から消える状態。他人から見えてる状態でも効果を発揮できる)。なお、この隠形の技術は八雲から習ったのではなく、八雲から盗んだ『忍術』らしく、風景の一部と化して視認する気も起こさせない効果を発揮する(機械すらも捉えられない)。

『続』シリーズの達也はこの『忍術』の技量を更に高め、ベクトルは違えど、光宣の『鬼門遁甲』にも劣らないレベルにまで隠形を鍛え上げていた。

本人の適性もとい得意分野は戦闘と暗殺。障碍物が多い場所(森林や山林など)、暗闇の中は『忍術』の得意分野であるので、自在に行動する事が可能であり、『精霊の眼』での行動慣れにより、電子機器での非映像情報だけでも問題ないレベルで行動できる。

総合すると、達也の身体性能に様々な古流の武術の業と身体技能、隠形、武器術、第六感に加え、古式とは違う四葉で磨かれた格闘術と武器術と身体操作も相まって、魔法抜きでの戦闘技術も作中最強クラスである。


頭脳・知識

「人造魔法師実験」の影響で見聞きしたことを忘れない、直感像記憶と同種の記憶力を手に入れ、魔法やそれ以外も含め分野問わず造詣が深く、膨大かつ多種多様な知識量を誇り(魔法の専門知識は大学レベルを遥かに超える程)、いつでも自由自在に記憶した物を引き出せる。八雲曰く「知恵者」。

言語能力も英語を始め主要国の言語はほぼマスターしている。

後述の魔法運用や魔法開発もその驚異的な頭脳から生み出されている(この為、演算能力も非常に高い)。

魔法理論と魔法工学に長けており、第一高入学試験ではペーパーテストは7教科平均96点と学年トップで、前述の2つに関してはどちらの試験も満点を取っている(これは前代未聞だったの事)。

入学以降の試験でも理論系(工学含む)の成績は学年1位のトップを常に維持している。

魔法とは関係ない学力も頭脳明晰で、中学時代でも飛び抜けて優秀と評され、作中の描写的にそちらの方面(一般的な学問)も分野問わず大学レベル以上だと思われる。

研究者でもあるので、魔法の技術・理論問わずに様々な魔法の研究や分析を行い、理論の分野は『トーラス・シルバー』の項目でも出た『カーディナル・ジョージ』のように魔法そのものに関する理論の発表はしてないが、実際はそれを上回る程の成果を幾つか発見してる。後に「事象干渉力霊子波理論」の提唱と証明を達成し、これを論文として出している。

ただ単に知識があるのではなく、手に入れた・相手が与えてくれた情報を冷静に具体的かつ即座に理解する頭の回転の早さも誇る。先を見据える聡明さや緻密な計画・計算をしっかり建てた考えから、咄嗟に切り替えられる機転と順応性に決断力など柔軟な思考も持ち合わせており、総合的に広い視野による対応力と正確な判断力を有している。いざと言う時の保険や先の展開を読んだかのような予測・用意周到さ、状況判断と複数の対策も持ち味で、それによって周りの人間は驚愕している。

観察力や洞察力の高さから導き出した的確な分析や勘の良さ、推測と推理力も非常に優れている(魔法だけに留まらず、それによって相手の体調や感情と考え・動きや弱点、裏の陰謀とその計画や、僅かな会話でも内容の結果を正確に把握し、見抜いている事が多い。時にはそれを有効利用している)。更に四葉のスポンサーにして十師族以上の権力を持つ黒幕の正体を顔までは知らなかったが、唯一独力で掴んでいる(黒幕とその組織はごく一部を除き十師族の当主達にしかその存在を教えてない)。この事をある人物は「物分かりが良すぎる(何でも見透かしている)」と語っている。それを活かしたアドバイス、指導能力も非常に優れている。

作戦参謀としても優秀で、その作戦立案能力は相手の能力と味方の能力を把握し、それを軸に予想して奇策(奇襲)、王道(正攻法)問わず最適な案と高度な戦術・戦略を編み出している(競技で採用されるルールの穴を突いた策や誰もが思いつかなかった魔法運用を利用するなど)。その予想は相手側の取る行動及び策すらも完璧に当てる程。

集団の将としても同様に仲間の長所や短所、得意・苦手分野をしっかり理解した上で役割を与えて、指示出しや分担を行っており、指揮統率力も優れている。

自身が新たに得た知識や発見、成果の実行やそれらの応用も思い付くなど、行動と発想力にも秀でている。

他にも現実に擦り合わせる経済的な考えと感覚、運営能力も持ち合わせており、自身が考案・実行した計画が及ぼす影響と利益を見据えて、それを活かすよう組み込んでいる。

事務・業務作業も達也だけで済んでしまう程の能力を誇り、その為、生徒会が達也個人に依存しないよう、あずさにより意図的に根回しをされている。

相手との弁論や話術に交渉、駆け引き、心理戦は相手よりも遥かに上をいく事が多く、やり込めたり、反論もさせない程に隙がなく、知略面も相手の策を上回っている。達也にマトモに弁論と駆け引きで対抗または上回れるのは作中でも八雲や葉山ぐらいである。

総じて、後述の戦闘力とは別に頭脳戦及び策略家としても“最強”と言え、様々な物事、問題に対しても数々の策を巡らせ、真っ向から挑む計画や搦め手を使った計画を使い分け、相手に遅れを取っても巧妙な打開策や反撃案などで修正したり、同時に裏で暗躍して、将来的なメリットを複数獲得する結果も出したりしている。


工学・技術力

魔法やCADの改良と調整に整備、そしてそれらの設計や開発、CADの運用、扱いは超一級品の実力を持つ(開発した魔法の中には魔法大全=『インデックス』に登録されてる物がある)。

『トーラス・シルバー』の項目でも説明した通り様々な技術を生み出している。

他にも軍の飛行スーツ『ムーバル・スーツ』の設計などにも関わっている。

達也は主にソフトウェア(プログラミング)を得意としている。ソフトウェアは全てマニュアルで行っており、その技術は魔法を1から作り上げて構築したり、魔法そのものを改良・改造できるレベルで、魔法発動の観測もなしにCAD調整を僅か1時間(調整する物で変化し、これよりも速く調整する事もできる)でその人物に適した状態に仕上げる程に優れている(本人の実力以上の力を発揮させる)。同様に短時間で起動式の構成を書き換えたり、既存の起動式からオリジナルの新魔法を開発する事もでき、挙句の果てには戦略級魔法すらも生み出せる、非常に卓越した実力を有している(元となった魔法よりも性能が上回るレベル)。

五十里明によれば「あの方の真価は魔法師の負担を最小化してパフォーマンスを最大化する起動式の最適化にあると思うの!」との事。実際に九校戦用に起動式を調整した『跳躍』の術式は警察や消防に使われている。しかもそれが作り上げられて3年以上(『新』の作中で4年目を迎え、『続』シリーズを含めば5年目となる)は採用され続ける程に改良の余地がない位に完成されている(『飛行魔法』も日本や他国問わず軍隊に実戦採用されている)。

反面ハードウェアはソフト程ではなく、鈴音の見立てでは高校生としては高水準のスキルを持っているが、そこまでかけ離れてはない模様。ただし汎用型に特化型と同等の照準補助システムを組み込んだり、(ダウングレード版の)自作の『サード・アイ』を製作・所持しているのでソフトに劣るにせよ、こちらも実際は高校生離れしていると言える(特に『サード・アイ』は軍の中でも最大級に厳重かつ機密の塊のようなCADである為、それを完全な性能ではないとはいえ、独自に製作して実用レベルで再現する時点で、レベルが違いすぎている)。

藤林から伝授されたハッキングスキルも彼女には及ばないが、高いレベルで保有している。

九校戦では自身が担当した選手達は選手一人一人に適したCADの調整や作戦、魔法の改良などで上位独走の成績を叩きだし、エンジニアとしては無敗を誇っている(デバイスの差は他校と比較して二、三世代分程上回る性能を実現させている)。

FAE理論を利用した技術も“表”には出してないが、再現に成功している。

またベゾブラゾフの『チェイン・キャスト』も再現している。

『トーラス・シルバー』解散後は新たに「加重系魔法の技術的三大難問」のひとつ、『重力制御型熱核融合炉』を実現させている。これによって達也は三大難問の2つを解決した、「鬼才」と呼ばれている(それ以外の事でも「鬼才」と評価はされている)。

更には魔法式保存効果を持つ、人造レリックの複製・量産技術も確立させている。

他にも潜水艦を改造し、作り上げた宇宙船『高千穂』と地球と宇宙を行き来する『仮想衛星エレベーター』の魔法も独自に開発している。


魔法力・魔法技能

元々達也は『分解』と『再成』の異能に特化した、超能力者もといBS魔法師であり、この2つの力が完全に魔法演算領域を占有していたので、他の魔法を使う適性とその余裕がなかったが、精神改造の影響で一応通常の魔法が使えるようになった。が、植え付けられた『仮想魔法演算領域』は先天的な魔法師が持つ演算領域と比べて性能が劣る為、評価対象の国際基準の3つの項目要素(干渉力・処理速度・キャパシティ)が平均以下となっている(特に干渉力と処理速度が挙げられている)。この為、同じ基準を採用し、それを実技の成績にしている魔法科高校では「劣等生」の扱いとなっている。これによって達也のランク(上述の本来の魔法や『フラッシュ・キャスト』抜きの場合)は高く見積もっても魔法師としての評価及びライセンスはCランクが限度らしく、達也自身とその他の人物達も認めている(『続』シリーズの達也ならばBランクまでにはなれると思われる)。ただ、特定分野に傑出した技能を持つ魔法師の方が社会的な需要だと引く手数多らしく、能力的に達也はこちらに相当し、真由美からも高い評価を得ている。

威力と速度の低さに高難度の魔法が使えない等の通常の魔法の才能はないが、その基準から外れている想子保有量と変数(多変数化)に関しては作中でも随一で、最高クラス。

特に想子保有量は作中1番で、常人と比べて桁違いに高く(深雪も達也には及ばないが常人以上)、後述の『術式解体』のパワーもそれに見合う程強力。外伝作品の『暗殺計画』に登場する『術式解体』の遣い手である若宮と比較してもその量は遥かに勝っており、彼が「化け物」と評するぐらいの想子保有量を持っている。これは父親譲りで、寧ろ父親よりも高い保有量があると思われ、しかも父親と違ってその潜在能力を余すことなく開花させた上で、更なる研鑽を積んで才能を昇華させている。実際に『誓約』の影響で想子保有量も半分程抑えられており、それから解放・解呪された時の想子保有量は「無尽蔵にも見える」と評される程の膨大な量を保有している。

変数も作中では4つ同時に処理実行している。それを利用した魔法の強化アレンジも優れている(複数ある効力をプラスや等倍にして強化したり、『サイオン波動の合成』はある意味約12個も処理変更している)。

魔法の同時照準能力もある種の高い天性の才能を持ち、その照準は作中でトップと言える32にも及ぶ。サイオンの制御技術も達人級と言わしめる超一流(以上)の能力を誇り(作中では想子の漏れが全くないレベルで、唯一完全に自身の想子を支配している人間)、魔法の制御に関しては世界でも最高水準の技量を持つ。作中でも肉体と魔法(サイオン)を別々同時に制御して操っている。

他には想子波の形から相手の情動を見抜く技術も有してる(『精霊の眼』も恐らく関係している)。

魔法の運用技術も卓越しており、正確・精密性も優れ、「一切の無駄がない計算され尽くした緻密な技術」と評されている。中でも魔法防御最強の『接触型術式解体』に対して何らかの方法(使用した魔法は間接的な振動魔法)でその強固なサイオンの鎧を徐々に拡散させて、十三束にショックを与えている。

更に相手の魔法を利用して自身の魔法を繋げるテクニックも披露している。魔法の隠密性の高さ及び発動兆候も完璧に消せる程に非常に優れており、「魔法を高度に操る」事で情報と物理次元の両方共に完璧に痕跡を無くし、正体を悟らせない芸術的かつ高度なテクニックで知覚系統の魔法を使う魔法師や想子センサーを欺いている(その技量は達也が常時魔法を使っているのにもかかわらず、光宣の『精霊の眼』ですら捉えられない程で、発動前後共に完璧な隠密性を発揮している)。

他にもCADを使った魔法技能も複数会得しており、そのどれもが卓越している。

また四葉の訓練により精神干渉系魔法に対してほぼ完全とも言える抵抗力があり、『再成』の副作用も相まって堅強な精神を手に入れている(全く効かない訳ではないが、それでも非常に強い耐性を得ており、それ故に作中最強の幻術使いである八雲でさえも達也に幻術を掛けるのは難しいと認めており、実際に達也でなければ術中に嵌まっている幻術を掛けている。これにより達也は四葉及び作中随一の精神耐性の持ち主である)。

魔法を使わずとも並の精神干渉系魔法は効かず(寧ろ跳ね返す)、本来の魔法制御力を取り戻し、『コキュートス』以外の系統外魔法を徐々に使えるようになった深雪の本能による、(系統外魔法の)嗅覚からすれば、達也を殺す為の魔法である『コキュートス』すらも全力で放っても達也なら跳ね返すかもしれないと考える程。

総合的に見れば通常の魔法力の低さを魔法のテクニックで補い(それ以外の技術も含む)、他者との差を埋めている。

上述の評価基準は『フラッシュ・キャスト』有りならば、発動スピードは作中でも最速に入る。一番の問題だった威力面も『仮想魔法演算領域』の出力向上により、『続』シリーズで不足を解消しており、キャパシティ面(難度面)も実戦レベルの魔法が自由に使えると言う事なのでそれに伴ってこちらも相応に克服していると思われる(前者同様こちらも出力不足が原因ではある為。また達也の魔法を見た一条は威力に驚いていたが、「魔法力(=3つの基準を総合した力)」と発言している)。これによりトータルバランス的な基礎魔法力は一流クラス並以上で、加えて基準外の魔法能力は超一流以上、更に元々の魔法力の低さをカバーする為に会得した、優れたテクニックと運用術も合わさって、通常魔法限定の総合能力面も十師族クラスにも劣らない同等かそれ以上の実力を身に付けたとも言える。

余談だが基準の中で最大の評価項目は処理速度であり、皮肉にも『フラッシュ・キャスト』が使える達也は全魔法師の中でも最速レベルのスピードを誇り、評価基準に照らし合わせるなら魔法師としては優秀どころか規格外の存在になるが、『フラッシュ・キャスト』は秘匿技術であり、また『フラッシュ・キャスト』の特性上、秘匿でなくとも試験の方法と噛み合わないので結果的に「劣等生」と判断される。



使用魔法・魔法技術

上述の異能を含めて(そちらの魔法は上記参照)、全系統の現代魔法と古式魔法に無系統、知覚系統、系統外と作中でも大まかに分類されている魔法が全て使える稀な存在。

上述の異能以外なら無系統魔法を得意としている(その次に振動系魔法)。無系統や一部の魔法を除けば大半がコピーした魔法であり、技術も他の使い手と被ってる物がある。

またこれらはごく一部を除いてCADを必要としない物ばかりである(サイオンを直接扱う『術式解体』『サイオンブースト』等の無系統はその性質からCADは必要ないが、系統魔法と系統外魔法は『仮想魔法演算領域』+『フラッシュ・キャスト』によってCADがなくとも発動できる為)。

主に代表的な物を記載。



  • 『術式解体』(グラム・デモリッション)

遣い手がほとんどいない、最強の超高等対抗魔法で、達也の得意魔法でもある。由来は魔法の記録を粉砕する事から来ている、超・力技の魔法破壊手段。

想子を体内で圧縮し、そのサイオン粒子の塊をイデアを経由せずに対象物に直接ぶつけて爆発させ、そこに付加された起動式と魔法式などの魔法を記録した想子情報体を吹き飛ばす無系統魔法。

事象改変の為の魔法式としての構造を持たない想子の砲弾であるので、『領域干渉』や『情報強化』では防げず(影響されない)、砲弾自体の圧力が『キャスト・ジャミング』も寄せ付けない。また物理的作用は一切無い為、どんな障碍物でも防ぐ事は出来ず、強力なサイオン流で迎撃するか、サイオンの壁を何層にも重ねて防御陣を築く事でようやく無効化出来る(下記でも述べるように達也の『術式解体』は既存の物とは別格である為、これらの方法でも無効化は実質不可能である。十三束のような特殊な『術式解体』持ちなら対抗はできると思うが、それでも達也の『解体』ならば十三束の『解体』を単純に吹き飛ばす事だけなら可能だと思われる)。射程が短いこと以外に欠点らしい欠点が無い、現在実用化されている対抗魔法の中では最強と称されているが、並みの魔法師では一日かけても搾り出せないほどの大量のサイオンを要求する為、遣い手は極めて少ない。

後述の発展派生形態の『徹甲想子弾』程ではないが、人体にもかなり有効で、精神と肉体の連結も揺るがせる。これは神経を伝わる電気信号で身体を制御するのではなく、精神で直接肉体を制御する技術に長けた者ほど、外部から自分自身に由来しない想子を撃ち込まれた際のダメージが大きい為(端的に言えば肉体に重なってる想子体が高圧の想子を浴びてダメージを誤認し、肉体に及ばないよう肉体と精神を切り離して、それが肉体的に運動神経の麻痺となって表れる。無論、上記の通りその制御に精通してない者にも大きく有効ではある)。ただしこの効果を発揮するには膨大な想子(正確に言うなら『解体』の遣い手は1人の例外を除いて全員大量の想子保有量を誇るので、厳密には一般的な『解体』使用者よりも更に桁違いの想子保有量が必要となる)を浴びせるか、もしくは肉体と想子の相互作用が特に強い急所に圧縮して当てる条件・技術が必要だが、達也は両方を満たしている(この為、膨大な想子を圧縮して急所に当てれば、強力な相乗効果を発揮する)。

肉体がない幽体にも有効であり、パラサイト相手には無理でも幽体ならば滅ぼす事ができる。また想子流の浸透性を高める事で、命中させた相手の魔法発動そのものを短時間だが無効化する事ができる(本来は想子を相手に触れて直接流し込む事で魔法発動そのものを不可能にする技術である)。他にも隠れてる相手を見つけ出せる利点もあり、魔法発動場所地点に放つ事で術者本人に当てずとも人間が纏う想子の場を揺らがせ、それが気配の乱れとなって周囲の空間に波及する事で特定できる。

発動には身体のどの部分からでも可能なようで、肘から発動したり、脚を起点に下へと放出し、地面(地中)に仕込まれた魔法を破壊したりしてる。膨大なサイオンを放つ性質上、サイオンの波動(サイオン光)による目眩ましの効果も発揮する。

欠点は上記の射程距離が短いだけでなく、相手の魔法式の強度次第で圧縮に時間をかける必要があり、連続した魔法に対応出来ない場合がある。更に改変が済んだ魔法には効果がない(魔法を常時発動、持続、誘導及び操作している魔法以外=魔法から物理現象に変化した場合や魔法で生み出した間接的な現象には効かない)。

『術式解散』と比べて消費量、射程距離、連射力、同時照準と同一の集合体の一斉無効化などの点では劣るが、こちらは対人攻撃にも使え、それ以外にも有効な汎用性と応用範囲とバリエーション、一度に何重も重ねられた魔法を種類問わずに一撃で破壊できる点(『解散』も同時照準次第で可能)など、幅広い利便性で優れている。達也の規格外の保有量によってそのパワーは他者の『解体』よりも桁違いに高く、射程距離と同時照準と連射の欠点も達也の力量・技量により大幅に改善されており、特に射程距離は30メートル前後(従来の物は10メートル未満)と破格の性能を誇る。同様にその保有量により『術式解体』を放てる回数も他者の遣い手と比較しても格段に凌駕してる。制御力も後述の応用にも関係するが、達也の卓越した技量によって、『術式解体』を細く絞り込んで放つ等、緻密な制御ができる。

上記で言ったように様々な応用力を誇っている。例えば『解体』を網にして、無秩序に荒れ狂った大量の想子を包んで圧倒的な出力もといパワーと制御で圧縮して他者の想子を操り、その想子を押し戻す事ができる。他には盾の形にして魔法を防ぐといった芸当も可能。それとは別に砲弾形態にせず(圧縮せず)、単純に『解体』を身体から放出して、自分に向けられた魔法を無効化したりしている。現時点では不明だが、この応用範囲の広さからエリカに提供した『術式解体』の亜種及び斬擊版(作中ではそういう説明だが、どちらかと言うと『サイオン粒子塊射出』の亜種に近い)である『術式斬壊』も使える可能性が高い(その上、使えたなら制御力と想子保有量の差でエリカ以上の効力を発揮する事もできる)。

また柏手で行い、方向性を無くし通常時よりも大量のサイオンを使用する事で、『領域干渉』のように全方位に解き放ったりする事もできる。この場合、通常の砲弾のような形状ではなく無差別に高濃度のサイオンの霧を広げて放ち、周囲を覆う事で発動してる魔法を破壊する・発動自体を妨害する等、他者の魔法から防御するのと同時に魔法的な煙幕にもなり、ある種の隠密性を発揮し、追撃も妨げる副次効果もある(後述の『接触型術式解体』よりも効果範囲はかなり広く、阻害効果のメリットもあるが、動作があるので発動速度が僅かに劣り、中でも特に持続力面は一定の間は作用するだろうが、サイオンの鎧と比較すればかなり劣ると考えられ、想子量も通常版よりも大量に使う分かなり消費するデメリットがある)。『術式解体』を広げて放つので、範囲攻撃としても機能し、想子体にダメージを与える事もできる。

柏手版の想子量と範囲を抑えたバージョンとして、薄膜状にして全方位に向けて硬いサイオンのドームを放つバージョンもある(こちらは柏手の動作は行ってない上にサイオンを固めている)。

達也の『解体』は大陸流の古式魔法『点断』の効果も併せ持っている。この事から達也の『解体』は現代魔法と古式魔法のハイブリッドと言える。また同じく古式魔法の『遠当て』を組み込む事で強化し、その場合、上述の浸透性の効果に加え対象へのダメージも増大して、その対象を気絶させる事が可能(ただし、普通に『解体』だけを放っても想子の感受性が強い相手には意識を奪え、また『解体』と同じく想子体にダメージを与える無系統魔法で対象の意識を奪う場面が存在するので、出力や制御次第では『術式解体』でも対象の意識を奪い気絶させる事はでき、後に実際に達也は実演している)。

上述で言ったように遣い手は少なく、達也は『解体』所持者の中でも作中屈指の遣い手であり、最強と呼べる程の実力者。同じく上で説明した通り、従来の物とは比較にならない程の桁外れの基礎性能の高さに加え、有り得ない形態のレパートリーの多さなど、使い手の中では異色、逸脱しており、使い勝手も一般的な物よりも非常に良い(十三束は体質によるもの、若宮の『解体』が世間一般で言う本来の『術式解体』の使用法と性能である)。

  • 『徹甲想子弾』(てっこうサイオンだん)

『術式解体』の発展派生形態で、より圧縮して硬度を高めた対パラサイト用の無系統魔法の魔弾。達也がパラサイトへの攻撃手段を持ち合わせてなかった為、八雲との修行で編み出した現代と古式の融合魔法(八雲命名)。

情報体が作用している実体を手掛かりにして情報体を想子弾で狙い撃つのではなく、情報次元において情報体を想子弾で狙い撃ち、“徹甲”と名が付く通りに対象を貫き破壊する、高圧高硬度の『遠当て』。

情報次元では、同一座標に複数の情報体が同時に存在することができるので、座標上では想子弾を一致させることができるが、情報体に作用させることが難しい。それで達也は認識方法を変え、イデアの世界に本来は存在しない「移動」と「排他」の概念を持ち込み、具体的には的に直接当てるのではなく、的の「手前」から1/32秒刻みで座標を設定し、それを無意識領域において連結することでイデアの世界を「移動」する「排他」の概念弾を作り出した。『術式解体』と『遠当て』を融合させた上で、それらを、より硬く凝縮させ、更に追加で他の概念を掛け合わせた事で『術式解体』よりも威力と貫通力が格段に強化されている。

パラサイトが取り憑いた宿主には想子を、より圧縮した上で「拒絶」の念を込め、全身と最も繋がりが深い場所に当てる事で拒絶反応が起きる(但し他の場所でも高い効力を発揮する)。生まれたばかりのパラサイトなら滅ぼせるが、年月を経て存在が固まった個体には難しい(しかし、かなりのダメージを与える事ができる)。『解体』同様に連射や同時照準も可能。

通常空間=物質次元を飛翔する形態とイデアの世界=情報次元を飛翔する形態の2種類があり、前者は通常の戦闘でも使える形態で、後者は本来の対パラサイト形態となっている。とある幽体との戦闘では使われなかったが、効力的には幽体相手にも通用すると思われる。

特に前者は対人戦闘で極めて有効で、十三束の『接触型術式解体』を貫く程に貫通力が高く、また相手の術式を貫く事も可能。

サイオンで作られた実態のない魔弾であり、物理的には防げず、サイオンの鎧を持たない相手はこれを喰らえば一撃で戦闘不能になる(十三束の場合、自身の魔法と相まって軽い脳震盪を起こしている。それ抜きで普通に受けてもダメージはかなり大きい。また特殊なパラサイトとなったアークトゥルスも一撃だけ耐えている)。

そのサイオンで防ぐ場合、複数のサイオンの壁を展開して重ねる『サイオンウォール』が必須となる。要は『術式解体』を防御するのと同様のやり方で、想子の壁を重ねてサイオンの密度を増やして対処する。ただこちらは『解体』よりも威力と貫通力が高い上に、実質『サイオンウォール』よりも強固な十三束の『接触型術式解体』が再展開(復活)しても貫けると言われ、そして実際に貫いているので、この方法での防御は不可能である(そもそも達也と十三束とでは想子保有量の差が桁違いに違うので防げない。尚、十文字との戦闘では使われなかったが、上記の説明にあるように『ファランクス』でも防ぐ事は出来ない)。その為、『サイオンウォール』が突破されても術者自身が何らかの方法で回避し、躱せるようにする等、工夫が必要となる。

これを修得以降『分解』が使えない時にはこれをメインの攻撃手段として使用する。また上記の通りこの魔法の防御手段はサイオン流しかなく、しかもそのサイオン流でもまともに防ぐ事はできないので基本は躱す事が前提になる。その為、『分解』を使わない状態での達也の最大の攻撃手段と言える。

『バリオン・ランス』同様に防御不能な特性を備えてるが、あちらと比べるとスピード面で大きく劣る。その代わり、こちらはパラサイトにも通用し、それ以外にも後述の応用があるので、使い勝手と対象を選ばない汎用性で優れている。

他にもこれをベースにした、パラサイトが纏う想子を吹き散らせ、弱体化させる想子弾『パラサイト弱体化用想子弾』や耐久性の高い想子の塊をごく小さな銃弾にして対象に打ち込む事で、数日間に渡り『精霊の眼』によりトレース可能な信号弾『想子マーカー』(打ち込まれた対象の座標を追跡できる)を開発した。現時点では未修得だが、その対象に撃ち込まれたマーカーを基点に『精霊の眼』でマーカーを撃ち込まれた対象以外の情報(対象の周囲の情報)も「視野」を広げる事で修得できるようになる模様(『誓約』解呪前であり、解呪後は不明だが、恐らく可能)。

  • 『封玉』

『徹甲想子弾』の技術を応用したパラサイト封印術式。『徹甲想子弾』でも年月を掛けて存在を固定したパラサイトを倒せない問題点を解決する為、達也が考案し、八雲が助言を与え、幹比古の協力のもと開発・完成させた現代と古式の両性質を合わせ持つ魔法(八雲の口振りからすると、実際に古式魔法に存在しており、達也は偶然にも別のやり方で再現した)。

前後左右上下の六方向同時(上下に関しては圧力が他とは違い、対象を蓋で閉じるような形式)に想子流の圧力(念圧)を掛け、徐々に圧縮させて三次元的な球体を形成して、圧迫した対象を小さな球体に固定する封印魔法。直径3センチのサイオン製の非物質球体魔法で、呪具などを一切使わない、術式だけで「精霊」や「妖魔」を封印する特殊な無系統魔法。これによってパラサイトに、より有効打を与えられるようになったが、長期的な封印ではなく、あくまでも一時的な封印であり、12時間以上で封印は解けるので、完全な封印には高度な精神干渉系魔法が使える術者の追加措置が必要となる。その間は相対高度10センチを浮遊した状態で保たれる。

  • 『接触型術式解体』

『術式解体』を全身に纏った形態(だが、似て非なる技術でもある)。これと同じ『解体』を持つ十三束のとは違い、体質による力業ではなく、超高度な技術で再現した無系統魔法。

身体の50センチを境界に完全に均質な高密度の想子層(サイオンレイヤー)を生成する事で、空気中の想子を撥ね返す鎧を作る魔法。これを纏う事で空気中の想子を撥ね返し、魔法を無効化する。

一滴の想子の漏れを出さない達也のサイオン制御の技量と膨大な想子量によって、十三束のものよりも高性能もとい上位互換と言える物で、達也が触れた魔法や操作された魔法に達也に直接作用する魔法だけでなく、達也を起点に50センチ範囲内に術者または魔法の発動起点が存在すれば、そこから発動する(している)あらゆる魔法を文字通り破壊及び不発にする事ができる(また高密度の想子層を広げ、外部からの想子を遮断する為、その50センチ範囲内には直接魔法式自体を投射できない)。

基の『術式解体』同様に人体にも影響を与える効果もあり、対象に触れる事で痙攣を起こし、行動不能を誘発できる(正確にはこの鎧の範囲に入れば達也自身が触れなくてもこの効果が出る。更に『解体』のサイオンを対象に多く流し込めばこの鎧の範囲外に出ても短時間は魔法が使えなくなる)。また展開速度もパラサイト化した光宣のスピードを上回る程速く、持続力も光宣戦の終盤まで長時間維持できる程に展開できる。しかも達也は意図的に解除しただけなので、実際の持続面は底知れないと言える(通常の『術式解体』と違って放出するのではなく纏う技術なので、持続的な消費自体がない、もしくは消費が通常の物よりも少なく済んでいると考えられる)。

更に能動的な系統外魔法すらも物質次元と情報次元に濃密・均等に展開された想子層により遮断される(これは達也にも予想外な副産物となった)。早い話が達也を“唯一消せる”、深雪の『コキュートス』すらもこの鎧を纏った状態なら全く効かない(通常の『術式解体』や柏手版・ドーム版でも系統外に対応できるが、この鎧はそれらと違い持続力と安定性に他の行動も取りやすい点で勝る)。同じ系統外魔法の『ダイレクト・ペイン』や『欺身暗気』(ただし、鎧の展開前に『欺身暗気』を受ければ後から展開しても無効化できない)、能動型『鬼門遁甲』『ニュクス』といった攻撃・妨害型(術者が相手へ放つ能動的タイプ)の精神干渉系魔法を全て無効化する事ができる(十三束の『解体』や『サイオンウォール』ですら系統外魔法を防ぐ事はできない)。受動的なタイプも他の魔法と同じ上述の手段で(術式または術者に接近して)破壊する。まさに魔法に対しては作中最強の防御力を誇る。しかし、この鎧を展開してる間はサイオンを直接的に操る無系統魔法は使用できない模様(実際に光宣戦では通常の『術式解体』やパラサイトに有効な『徹甲想子弾』は使ってない。回避される事を差し引いても前者は隠れた相手をいぶりだせる効果もあるので、常時サイオンを直接纏う、この魔法の特性形態故に使えなかったと思われる。『サイオンブースト』『封玉』等も同様の理由から鎧を纏ってる間は使えないと考えられる)。

また実際に使ってないが、これを修得したことにより、攻撃・防御型『ファランクス』の両方を実質無効化する事が可能になり、50センチ内の接近戦なら『ファランクス』自体の発動が出来なくなるので、十師族・十文字家の天敵となる魔法に昇華したと言える(基となった十三束の物は範囲が狭く自身が触れないと効力を発揮しないので、この効果が使えない)。同じく十師族・一条家の『爆裂』もこの鎧と非常に相性が悪いので、2家の十師族は切り札を封じられる形となる。

総じて50センチ範囲なら達也はあらゆる魔法を無効化どころか発動そのものを完全に遮断し、達也自身は魔法が使えるので、白兵戦では絶対的なアドバンテージを獲得した。

十三束の鎧よりも高出力、広範囲、系統外の完全な遮断など、全ての面で凌駕し、もしも十三束と対峙した場合、十三束の『解体』は達也の『解体』のパワーによって突破される。更に十三束と違って、遠距離手段の魔法も自在に使える(近距離も同様)。

  • 『飛行魔法』

達也が開発した加速・加重系の系統魔法。

重力制御により継続して任意に飛行(空中移動)することができる汎用型飛行魔法。古式の物とは違い、専用のCADさえあれば誰でも使える汎用性を誇る(この『飛行魔法』は、ごく短時間=デフォルト0.5秒に設定した魔法を連続で発動する仕組みになっている)。飛行術式に専用のタイムレコーダー機能と『ループ・キャスト』を併用ることで一定時間で終了する魔法を重ならないように連続発動させ、状態変更の度に必要干渉力の増加という問題点を克服し、再度使用する際も変数の代入値は新たなイメージが魔法演算領域に読み込まれない限り、前の値を引き継ぐように設計されている。また起動式自体も徹底的に無駄を削ぎ落とし効率化され、これにより魔法力(術者の想子量)次第で長時間の飛行と他の魔法の併用も可能にしている。その他に数百キロの相対的な逆風に耐える為の繭(気密シールド)が存在し、ガスや小型爆弾の爆風程度なら防げるシールドを展開している(この為、水中でも移動手段として発動はできる)。

達也は膨大な想子保有量を持っているので、より長時間の飛行とこの魔法の開発を一から行っているので、その飛行速度は作中でも最速のスピードを誇り(この魔法の習熟度で速度が上がる)、三次元の戦闘及び高速移動を可能としている。

『フラッシュ・キャスト』にもこの魔法がストックされており、更にこれをアレンジした魔法もあり、そちらは対象を上空へ飛ばす攻撃魔法として使用し、その威力は一瞬で何度も連続発動した為、かなり強力なパワーを発揮した。

  • 『古流武術(忍術・想子操作メイン)』=『サイオンブースト(仮称)』

神経を伝わる電気信号ではなく想子で自身の肉体を直接制御する古式もとい古流の技法であり、忍術(武術)でもある。別の言い方をすれば『気』を操る技術とも言われている(この技法以外にも該当する物が多くある)。この技法は想子で肉体に直接意思を伝える為、神経信号よりも筋肉への命令伝達が速い(反応速度が速い)。またそこに達也は筋肉を想子でブーストし、パワー、スピード等の身体能力を上昇させる(十文字によれば肉体の強度も高める事が可能なようで、肉体強度も上昇させていると思われる。また実際に効果や用途は少し違うが、この技法と同系統の技術で達也は素の肉体の筋骨を幼少期から強化して身体を作り上げている)。

達也は古流の想子制御術とそれを利用した武術(作中で名称が判明してるのはスピードを強化した技『縮地』。仙術でも同名の魔法が存在する)を八雲に伝授され、その力量及び恩恵は魔法で補助した効果と同等のパワー、スピードを再現する事が可能なレベルに達している。しかも魔法ではなく(正確には無系統魔法の一種ではある)想子操作術を利用した武術で再現した技なので、魔法よりも即座に発動でき、魔法の兆候がなく相手の不意を突ける利点がある(達也の制御技量により、超能力や『フラッシュ・キャスト』よりも速い)。作中では行われてないが他の身体補助の魔法と同時併用で更に身体能力の底上げが可能。今の所では『身体強化』以外で唯一筋肉自体をブーストしている技術である(現代魔法の方では存在が示唆されているが、まだ未登場であり、『続』シリーズでは古式魔法の方は系統外魔法としてだが登場している)。

同様に作中この想子操作術で筋肉をブーストしている(と描かれた)のは今の所は達也のみであり、八雲は達也に伝授した事からこれが使用できると思われる。他の想子操作術の遣い手はブーストではなく想子で肉体を動かすのみで、それを武術の技として鍛えて魔法並に高速で動けるようになった事が描写されている。この為、達也の場合はこれの発展系の応用か派生だと考えられ、想子で直接肉体を動かすのみならず、筋肉それ自体をもブーストしてるので、スピード(反応速度・機動力等)だけでなくパワー(と上記の肉体強度に跳躍力等)も同時に上昇させていると考えられる。実際に想子の肉体伝達も種々編み出した技法の1つと言われており、肉体強度の上昇についてもその内の1つだと思われる(事実、古式の『気』は肉体を強化する効果がある事が説明されている)。

素の身体能力の時点で、魔法で身体強化をしたような達也の身体性能に、魔法並の身体補助をもたらすこの技法は相性が良く、更に榛有希の『身体強化』には及ばないが、複数の身体能力を同時に上げられるメリットがある(魔法で実行する場合、種類別の魔法を同時に使う必要がある)。

  • 『意気』

忍術の秘術及び秘奥義と言える、八雲から教わった超高等魔法。自身に掛けられた方向や遠近感を狂わせる幻術を想子を内側からコントロールする事で無方向空間の錯覚を打ち破る技法(面=広域に対応する幻術の陣には上述の『想子マーカー』を、陣の発動前または陣の中に入る前に術者に撃ち込めば対処ができる)。また『術式解体』の要領で魔法発動が完了する前に系統外魔法でも防御や術式に干渉する事も可能で、八雲が不意で放った幻術を打ち破っている。

  • 『サイオン粒子塊射出』

対抗魔法。『術式解体』のように起動式や魔法式を破壊するのではなく、発動展開途中の起動式に命中させる事でサイオンのパターンを撹乱させ、魔法発動を阻止する無系統魔法。『解体』がパワーに特化し、魔法が発動されても術者が操作してるなら吹き飛ばせるのに対し、こちらはテクニック重視で、発動展開途中にしか使用できないが、『解体』よりも遥かに少ない消費で魔法発動を阻止できる利点がある。ただし起動式を狙う高度な精密照準技術が必要で、作中でも高い狙撃能力を持つ達也と真由美しか使用してない。

  • 『キャスト・ジャミング』

特殊な鉱石である『アンティナイト』を使った物ではなく、『精霊の眼』と『パラレル・キャスト』を利用し、技術で応用・再現した特定のジャミングの無系統魔法。

複数のCADを同時に使用したときに発生する起動式の干渉波を本来の『キャスト・ジャミング』と同じように対象の魔法師を取り巻く事象のエイドスを含むイデアへ無系統魔法として発信し、(起動式を読み取った上で)片方のCADでその魔法を妨害する起動式ともう片方のCADはそれと逆の起動式を展開し、魔法式に変換せずに複写増幅させた上でそれを起動式の想子信号波として2つの想子波によって複雑にパターン化された想子干渉波が形成され、展開された2つの起動式が本来構築すべき2種類の魔法式と同種類の魔法式による魔法の発動が、ある程度妨害される結果となる。

一種の対抗魔法だが、『術式解体』などと違い、ある程度の妨害しかならず、使用者は一切魔法が使えないデメリットがあり(『分解』『再成』『術式解体』等は恐らく可能)、達也には他の対抗魔法が既に複数あるので、使い道がほぼなく、学校生活で『術式解体』を使える事を暴露して以降は使ってない。しかしその効果範囲は『術式解体』よりも上(柏手版と比較した場合は不明)。

  • 『サイオン波動の合成』

振動系単一魔法をCAD『トライデント』の『ループ・キャスト』システムと達也の変数技術の複合で、3つの振動数を放ち、それぞれが異なる3つの想子波をちょうど対象と重なる位置で合成して当てる事で、三角波のような強い想子の波動を作る魔法。

これを浴びた対象はその強力な波動により「酔い」を起こし、行動不能となる。

達也はこの振動波に4つの変数化を行い(実質12)、「強度」「振動数」「持続時間」「座標」を変化させている。ただしこの魔法を使うには『シルバー・ホーン』のような高性能CADでなければ使用する事ができず、九校戦ではルールにより低スペックのCADだったので、通常の振動系魔法『共鳴』を使うしかなかった。『フラッシュ・キャスト』有りならば恐らく再現は可能。

  • 『水蜘蛛』

水の表面張力を増幅させ、足場を作り、水上・海上を歩行または走行する魔法。海での戦闘を可能とする。

  • 『走行補助魔法』

移動魔法と加速魔法の複合魔法。時速60キロの速度が出せ、道にある多少の障碍もとい悪路でも問題なく走行ができる。

  • 『慣性質量増大魔法』

仮想領域魔法。元々は真田が開発した大型ライフル形態のCAD『射程伸張術式組込型武装デバイス』に組み込まれた『物体加速仮想領域』の術式を、(コピーした上で)即興で強化アレンジした魔法。変数は「質量操作」をプラス指定、「速度」を等倍した上で「質量の復元」を無効化している。作中では前述のアレンジ基の『物体加速仮想領域』と併用して使用し、『マテリアル・バースト』の補助を行っている。

  • 『定率減速』

物体の運動速度を一定割合で減速する領域魔法。リーナの『仮装行列』の対抗手段として使った小型投擲榴散弾を防御する為、使用。『仮想魔法演算領域』の低出力により威力は低い。

  • 『導電皮膜』

放出系魔法。身に着けた衣服や靴の表面の電気抵抗を近似的にゼロまで引き下げ、それらをアースにして雷撃の電流を地面に流す防御魔法。光宣の『青天霹靂』を無効化する為、使用しようとしたが、『電気抵抗増大』の魔法を受けた為、破綻してしまう。

  • 『セルフ・マリオネット』

十三束の切り札で、肉体を移動系魔法で動かす術式。人体の構造上、そして力学上、不可能な攻撃を可能とする肉弾戦向きの強力な魔法で、本来なら十三束以外には使えない(術式が公開されてない意味も含め)魔法だが、達也は『フラッシュ・キャスト』で劣化コピーしており、オリジナルとは違い部分的な発動しか出来ない(オリジナルは肉体全体)。しかし『フラッシュ・キャスト』によって発動スピードはオリジナルよりも圧倒的に速く、また実際には行ってないが、部分的でもその発動スピードを利用した発動部分の切り替えで疑似的にオリジナルに迫る再現ができると考えられる。

『続』シリーズでは『仮想魔法演算領域』の出力不足を克服した為、よりオリジナルに迫る性能になっている可能性がある。

  • 『喚起魔法』

幹比古のSB魔法をコピーしたもの。本来なら精霊を操る魔法だが、達也には精霊を操る制御がない為、精霊を活性化させる事しかできない。

  • 『音声伝達』(トランスボイス)

シルヴィアの得意魔法をコピーしたもの。対象の声を空気振動の情報として認識コピーする事で自分の外耳道の中で再現し、距離と障碍物に拘わらず相手の声を聞き取り、通信・盗聴に使える『遠隔聴』と自分の声を空気振動の情報として認識コピーする事で対象の外耳道に再現する『遠話』の複合魔法。(位置さえ)特定すれば効果が発揮される上に他者に盗聴される事なく、対象だけに声が届く・会話ができる利便性があり(味方に使う際、相手側もこの魔法が使えるなら問題ないが、使えない場合は相手側の会話もとい声の隠密性は基本は皆無となる。一方的に送るなら別)、それ以外にも対象への盗聴に高い有用性がある。また正体を隠す手段としても活用でき、応用で合成した声を発する事もできる等、幅広い汎用性に長けている。達也は干渉力が低い影響で耳の中に向けての精密なコントロールができず、顔の前の空気を振動させたりする程度が限界。『続』シリーズの達也ならオリジナル並かそれに近い再現は可能。『精霊の眼』とは非常に相性が良い。

  • 『遮音結界』

外界から音を遮断するフィールドを作る結界魔法であり、障壁魔法の一種でもある(同様の効果を持ち似たような名前の『遮音障壁』という魔法もある。違いとしては結界版の方が、より広域に作用する)。今までなら『仮想魔法演算領域』の低出力によって障壁魔法や広い範囲に作用する魔法が使えなかったが、『続』シリーズで出力不足を克服した事でその両方の性質を持つこの魔法を使った事で、2つの欠点を解消し、それとは別に魔法力の向上を一条達に見せ付けた。結界の名の通り複数人を覆える程広く、強度自体も一条と吉祥寺が驚愕し、ショックを受ける程で、一条と比較した場合、「それほど劣らない」と評され、かなりの強度を発揮している。

  • 『アイドネウス』

精神干渉系の古式魔法『鬼門遁甲』を四葉家及び津久葉夕歌が研究し、似たような魔法として夕歌が完成一歩手前まで作り上げ、その成果を見た達也が開発を引き継ぎ、開発・完成させた認識阻害の効果を持つ派生魔法(夕歌曰く「『鬼門遁甲』とは全くの別物」)。

この魔法の効果は自分に向けられた視線を利用して、相手の意識に干渉し相貌失認を強制させ、自分に興味を持たせなくする魔法であり、存在感を失くす訳でなく見えなくなる訳でもないので自分の存在自体は認識されるが、それが誰なのか認識されず、「印象が残らない人物」と認識される。早い話がこれを使えばモブキャラになる(作中の表現でも「群衆」「その他大勢」と書いてモブと呼んでいる。また作中屈指の美貌を持ち、かなり目立つ深雪でさえ、モブとなる)。

また相貌失認の効果は術者本人に対してのみ有効となる為、魔法の影響下にある者に気付かれる可能性はほとんどない(術者が意識すれば特定の相手に認識させる事も可能)。監視カメラ越しにも効果はあるが、録画・写真には影響されない弱点がある。だが、この魔法によってモブになる為、群衆に紛れ込む事が可能になり、隠密行動や潜入任務には十分に有効な魔法である。達也は人造レリック『マジストア』に魔法式を登録してる為、特に意識する事なく『アイドネウス』を継続的に発動できる(この事から『マジストア』がなくても、意識的にはなるが継続的発動はできる模様)。

達也にとっては作中初めて使用した系統外魔法であり、純粋な精神干渉系魔法である(『アストラル・ディスパージョン』は間接的な系統外魔法の特性を持つ『分解』魔法)。

  • 『疑似瞬間移動』

加重・収束・収束・移動の四工程から成る魔法。物体(人体含む)の慣性を消し、その周囲に空気の繭を作って、それよりも一回り太い真空のチューブを作り、その中を一瞬で高速移動(飛行)する。

術式はそれほど複雑ではないが、真空チューブを作る工程で周りの空気を押しのける気流が発生して、移動先を事前に察知される欠点がある(何度も連続して飛ぶ技量があれば移動速度で相手を幻惑する事が可能だが、基本は攻撃に向かない、主に移動手段と逃走用の魔法とされている)。また魔法の性質上、固体を透過することはできない。しかし、真空のチューブは何度でも折り曲げられるので障碍物は問題無く回避でき、また慣性を中和しているので急激に方向転換してもタイムロスは無い(真空チューブを折り曲げる回数が少ない程、『疑似瞬間移動』の術式を行使する魔法師の負担は小さくなり、移動経路が直線であれば、その分スピードや周囲への影響を抑制することに力を割ける)。移動速度は術者の熟練度次第だが、最大で音速の三~四倍に達する事例がある。達也の場合、干渉力の問題を解決した事で一定の距離までならば使用できるようになった。また達也の魔法制御力によって(もしくは『分解』を併用している)、この術式の欠点である気流の発生を完全に無くし、魔法発動兆候の隠密性もその制御力によって痕跡を隠せ、更に『フラッシュ・キャスト』の発動スピードも相まって、文字通り神出鬼没な瞬間移動を発揮する事ができる。発動スピードと魔法の兆候を隠せる故の隠密性に関しては、作中随一の『疑似瞬間移動』の遣い手である亜夜子を上回っている。

  • 『マルチキャスト』

1つの魔法が発動中に、更に別の魔法を発動させる高度な技術。簡単に言うとそれぞれ種類別の魔法を重複発動する技。達也の場合、『分解』『精霊の眼』『術式解体』『フラッシュ・キャスト』(のストックされてる魔法)で多重実行している。

本来なら1つのCADで実行する技だが、達也の場合はCAD無し(『分解』のみCADを使う事もある)で、これらを複数発動が可能。

  • 『パラレル・キャスト』

『マルチキャスト』よりも高難度な技術であり、複数のCADを同時に操作するもので、達也の「特異」技。

作中での使い手は達也含め3人位で、高難度と言われるのは複数のCADから発生する想子波がそれぞれ干渉を起こす為。同一系統の魔法同士だとまだ発動しやすい(それを魔法として発動できるかは別)が、別種類の魔法を同時発動させる場合はこの技術の中では最高の難度を誇る(達也は可能)。

2つのCADに同時照準を処理設定した場合、倍の照準数になる(現時点の達也だとこれを行ったら、最大64の対象に狙いを定められる)。

この技術によってCADを切り替えずとも、任意の様々な魔法が使えるようになり、戦闘での隙を無くしている。特に特化型CADは、その多様性の低さをある程度補える。

  • 『クイック・ドロウ』

百家の1つ、森崎家が得意とする技術。ノーハンド状態から瞬時にCADを構え、即座に魔法を発動させて対象の無力化を図る技。明確には言われてないが、描写的に達也はこれを使用しており、森崎のものより格段に速く、注視されていても誰からも気づかれない程のスピードを誇り、お株を奪う程の技術を身に付けている(そもそもこの技術及びCADを使うよりも高速で発動できる手段を既に修得している)。CADだけでなく、ナイフでもこれを行っている。

  • 『ドロウレス』

拳銃形態特化型CADをホルスターに収めた状態のまま、自分の感覚だけで魔法の照準をつける技術。

拳銃形態特化型CADには照準補助が付いているので、それを使わずに照準をつけるのは難しいが、成功すれば特化型CADの発動速度を最大限に引き出せるというメリットがある。こちらも森崎が得意とする技術だが、達也も使用でき、森崎を遥かに上回る照準能力(『精霊の眼』)と発動速度を誇るので、森崎家の切り札と言える技術の完全上位版と評せる(『クイック・ドロウ』同様にこちらもCAD以上の高速発動手段がある)。

  • 『マジック・アーツ』

魔法と武術を融合させた戦闘技術。主に達也は打撃に加速や振動系魔法を併用したり(『術式解体』『徹甲想子弾』も打撃技と共にゼロ距離で放ったり、身体に纏いながら打撃している)、魔法で再現模倣した『貫通衝撃波』等の様々なバリエーションを披露している。他にも魔法と武器術を併用した斬擊、投擲、打撃も行っている。『ゼロ距離分解魔法』も武術・武器術として使う為、これに該当する。

  • 『魔法闘技』

『フラッシュ・キャスト』の特性と魔法に達也の身体能力・技能を複合した、実戦的かつ奇襲、搦め手向きな白兵戦技術。魔法と武術を織り交ぜた技術『マジック・アーツ』の一種でもある。魔法で足場を作り、それをバネにして空中を自由自在にアクロバティックに跳び回り、多彩な蹴り技を浴びせる。『フラッシュ・キャスト』の発動スピードによってできる芸当であり、反射力場を形成して足場を生む事で自己加速魔法に等しいスピードで縦横無尽に空中を移動し、それを利用した蹴りは達也の身体能力+全体重+加速のスピードも相まって強力な一撃を持ち、後遺症が心配される位のダメージを与える(場合によっては死ぬ可能性もある)。一流の格闘技術を持つ複数の人間が束になっても対応できない程の速度と上述の威力に達也の身体技能を並列させた、パワーとスピードにテクニックを全て統合した、達也にしかできない高度な曲芸技。



・『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』で使用する技

  • 『パワーアップブラスト』

攻撃、防御、クライマックスゲージの増加(相手に当てれば更に増加)、ゲージの速度アップと一定量の体力を回復する自己強化技。

  • 『コンボブラスト』

攻撃中に発動し、空中に打ち上げ、更に攻撃を繋げる技。相手に当てればパワーには及ばないが、クライマックスゲージも増加する。

  • 『エスケープブラスト』

相手の攻撃を受けている途中で発動する事で、衝撃波で相手を吹き飛ばすことができる緊急回避技。

  • 『インパクトブレイク』

小さく跳んで、蹴りを浴びせ、更に追撃で相手を蹴り上げる連擊技。

  • 『隼』

空中から急降下し、足に魔法を纏わせた跳び蹴りを放ち、最後に相手を蹴り飛ばす。強化版は更に蹴り飛ばした相手の背後に一瞬で回り、魔法式を足場にして連擊の突進を放つ。

  • 『青嵐』

インパクトスキル。すれ違いざまに素早い連擊を浴びせる突進技。原作の服部戦で使った技のアレンジとも思われる。

  • 『浮雲』

インパクトスキル。しゃがんでから即座に空中に上昇し、魔法式を空中に出して、それを足場にして勢いをつけて落下して相手を踏みつけ、最後に『トライデント』で攻撃する。ゲームを発売した年と同じ年に出版された原作16巻にこの技と類似した技法(戦闘法)を達也は使っており、加速系魔法で跳躍して、落下時も加速系魔法で対象に近付き、無力化している。原作の方が早く出たので、ゲームに先駆けた形となっている。15巻でも空中に足場を作る魔法が登場している。

  • 『ソニック・エンド』

クライマックスアーツ。原作の一条戦で使用した振動系の音波増幅魔法を命名及びアレンジした技。小さく跳躍した後、バク宙して魔法式を空中に出し、それを足場にして勢いをつけ、相手に一気に近づいて背後に立ち、原作同様に指を鳴らして爆発的な音波を浴びせ、巨大な衝撃波を発生させる。

  • 『カデンツァ』

クライマックスアーツ。相手に突進して、蹴り上げてその後に瞬間移動蹴りを三度繰り返し、最後に『青嵐』で決める、魔法と複数の体術との複合乱舞。



・『リローデッド・メモリ』で使用する技

  • 『連舞』/『震擊』

最初に左足で上段蹴りを放ち、次にそのまま返す力で上段裏回し蹴りを浴びせ、その後に左右交互1発ずつ拳で打撃を繰り出し、最後に右腕で力を溜め込んだ掌底突きを叩き込む、一連の動作で行われる体術。

『震擊』は『連舞』の強化版であり、一連の動作は同じだが全体的にエフェクトが強くなっており、特に最後の掌底突きは渦状の衝撃波を放っている(後述の『共鳴連擊』を見るに恐らく掌底突き時に魔法を使用していると思われる)。

  • 『音響爆弾』(サウンドボム)

『電撃文庫FIGHTING CLIMAX IGNITION』に登場した『ソニック・エンド』を基にしたと思われる魔法技。『ソニック・エンド』に『魔法闘技』の要素を組み込んだようなもので、最初に跳び上がる際に魔法式を展開して跳躍し、その後に空中でも魔法式を展開して空中を蹴り、その反動を利用して加速しながら空中移動を何度も行い、最後に対象に向かって飛び込んで近づき、すれ違う際に指を鳴らし音波を増幅させて音による爆発を発生させる。ベースとなった2つの魔法との相違点は、前者は最初の跳躍時も魔法式を展開し、最後の飛び込み中に音を発動させている点と後者は瞬間的な足場ではなく空中に複数の足場になる魔法式を展開・維持(正確には蹴る時に足場を出してるが、蹴った後もその足場を消さず持続させて残し、再び加速移動する際に残した足場を利用する流れになっている)している点で異なる。

  • 『エア・ブリット』

本編にも出ているポピュラーな魔法で、空気を圧縮して弾丸のように放つ。弾丸の大きさと加速度、空気の圧縮率は起動式の定数項目、射出方向及び射程距離は魔法師の変数によって決まる。達也は『トライデント』から空気弾を発射している。その際『トライデント』は両手に2丁所持しているが、使用するのは右手に装備した方のみとなっている(最初に空気弾を発射し、そのまま一回転した後にもう一度発射している)。

  • 『共鳴連擊』

『エア・ブリット』『サイオン波動の合成』『震擊』をミックスした複合技。

走りながら『トライデント』を対象に向け魔法を放ち、そして対象を挟むように『エア・ブリット』の魔法式が上空中に2つ展開され、そこから空気弾が発射される。その後に再び『トライデント』で対象に向けて『サイオン波動の合成』を発動して怯ませ、その間に対象に接近して左腕で突きを放ち、次に右脚で蹴りを放って、最後に左腕で掌底突きを放つ。その際『震擊』時以上の渦にして暴風のような衝撃波が放たれる。

  • 『ロック・インパクト』

CAD『トライデント』を起動し上に掲げながら魔法で周囲の岩を浮かせ、『トライデント』で魔法式を展開して3つの大きな岩を対象に発射及び射出する。

  • 『攪乱飛行』(タクティカル・マニューバ)

『飛行デバイス』で『飛行魔法』を発動して、対象の周囲をアクロバティックに飛び周りながらCAD『トライデント』でビームのような魔法を乱射し、トドメにも同じくビームのような魔法を放つ。

  • 『ストーン・ブラスト』

『とある魔術の禁書目録』に登場する一方通行のベクトル操作(こちらは物体を飛ばす際の操作)を達也用にアレンジした魔法。『トライデント』で前方に魔法式を展開し、地面から大量の土塊を取り出し、それらを2回に分けて高速射出する。その際に一方通行がベクトル操作で小石等を飛ばした時と同じ黒のエフェクトを纏って対象に放たれる。魔法科世界でもベクトルを操る魔法はあるので、実際に本編でもこの魔法は再現可能(下記の『電離気体拡散』も同じ)。また似たような魔法も作中に出ている。

本編外とはいえ、達也の使用する魔法では珍しい面への物理的な攻撃手段も行える魔法である。

  • 『電離気体拡散』(プラズマ・レイン)

『ストーン・ブラスト』同様に一方通行のベクトル操作(こちらは上条当麻との初戦闘で使用した空気の圧縮によるプラズマ生成の操作)を達也が視認し、収束魔法を応用して自分用にアレンジした魔法(一方通行の技を視た達也曰く「面白い使い方」「いいものを見せてもらった」)。

CAD『トライデント』を2丁使用し、最初に左腕に装備した『トライデント』で空に向けて魔法式を展開して空気を収束、その後に空気を分解して、そのままプラズマを構築する(実際の工程は速く、映像では魔法式が展開した直後にプラズマが構築されている)。構築後バク宙して右腕に装備した『トライデント』で空中のプラズマを雨のように放出及び拡散させる。ちなみに達也の能力ならCADがなくても使用可能(上記の『ストーン・ブラスト』も同様)。

この魔法は上記の魔法とは違い、達也の本来の魔法(異能)である『分解』も使われており、更にストーリーで唯一使われている。再現には達也の本来の魔法も使われているが、メインは『仮想魔法演算領域』で発動した収束魔法である為、一方通行のような大規模な再現は難しいが、一方通行と打ち止めが驚愕する程には使いこなしている(実現はしてないが『続』シリーズの達也なら、より格段に近付いた再現が可能)。

打ち止め曰く「まるであの人(=一方通行)みたいだったよ!」。

また達也の魔法では珍しい物理的な範囲攻撃魔法でもある。



戦闘力

魔法科高校の劣等生~星を呼ぶ少女~

達也に関して事欠かせないのはその圧倒的な戦闘力。対人、対機械兵器、対妖魔に留まらず、軍隊、国家、最終的には世界を相手に戦える実力を個人で所有している(しかも戦略級魔法抜きでの実力)。そしてどれを取っても最強の戦闘力を誇り、「世界最強の魔法師」「超戦略級魔法師」として認知され、魔法科世界随一の最強の戦闘力の持ち主である。

更に戦略級魔法『マテリアル・バースト』を使えば世界すらも滅ぼせるので、それを前提にした戦闘力ならば世界を相手に一方的に蹂躙する事も可能。近距離・遠距離戦、対個人・対集団戦関係なく付け入る隙がなく、『分解』『再成』を駆使したその圧倒的な戦闘力は「魔神」と例えられる程であり、まさしく“超越者”と呼ばれるのに相応しい戦闘力を誇る(若宮曰く「超“人”では殺せない」)。

作中でも戦略級魔法師を5人倒しており(その内3人は消している)、他にも十文字家当主・十文字克人、藤林家当主・藤林長正、『大天狗』風間玄信、『今果心』九重八雲、九島家最強の魔法師・九島光宣といった、数々の強敵を下している。特に八雲と光宣は達也が戦った敵の中では別格であり(風間も八雲の次に厄介な相手である)、光宣はパラサイトと融合する事で達也に匹敵する力を手に入れ(後に達也が経験を積んだ事で一次元上のレベル差をつけられる)、八雲は達也に次ぐ作中最強の実力者である(描写的に光宣でも八雲には及ばない)。

また対人戦なら「世界最強の魔法師」と呼ばれ、『夜の女王』『極東の魔王』の異名を持つ四葉家当主・四葉真夜でも、自身の固有魔法と達也の異能との相性の悪さにより、敵わない事を認めている(八雲や光宣相手にも真夜では及ばないと考えられる。BS魔法に近い『コキュートス』を持つ深雪相手にも敵わないと思われる)。

実戦経験も豊富で質と量の両方を兼ね備え、年齢を考慮に入れずとも軍での実戦、四葉での死の訓練、八雲との修行によって、作中でも濃密な百戦錬磨の戦闘経験値を誇っている(十師族関係なく、同年代や近い世代と比べても比較にならない程で、その経験値は膨大な経験と年を重ねた超一流の実戦魔法師にも勝るとも劣らない)。

その経験は対人、対機械兵器、対妖魔など種類を問わずにかなりの経験を得ている。これによってどんな相手にも完璧に対応できる強みがある。

その戦闘への才能と潜在能力は6歳の頃時点で、得意魔法ではなく手に入れたばかりの力だけで脂の乗った熟練の戦闘魔法師を正面の戦闘で殺害する程。

また戦略級魔法師(超戦略級魔法師)であり、普通ならその魔法が使える魔法師は通常戦闘能力はからっきしなのだが、達也は通常戦闘も極めたハイブリッドタイプ(達也以外だとリーナなどが該当する)。そして、その両方共に文字通りNo.1の実力を誇る。

達也と似た境遇のリーナと比較すると経験量では劣るが、質で上回り、そしてそれで量を完璧に補っている。また彼女よりも経験拡張能力は大きく上回り、実戦偏重の彼女と違い、達也は実戦に加え、ひたすら知識と技能を詰め込まれ、戦闘魔法師としては実力、技能、知識、精神、分析、直感、判断、決断力は彼女よりも完璧に完成されている。

「世界最強の魔法師」と認知されて以降も実力は上がり続けており、「ますますヤバくなってる」と評され、殺気を出さず、ただその存在感だけで対面した他者の生殺与奪を握る程に至っている。


戦闘スタイル・戦闘能力

武器のスタイルは『トライデント』『シルバートーラス』『ナックルガードナイフ』の2丁・2刀流の遠近対応のスタイル(状況によっては『トライデント』と『ナックルガードナイフ』、『シルバートーラス』と『ナックルガードナイフ』に切り替える)。任務によっては装備を用途事に追加している。

異能である『分解』と『再成』を軸に『忍術』(『古流武術』)と『術式解体』を始め無系統魔法をメインとした全距離・オールレンジ対応の魔法師。『精霊の眼』『フラッシュ・キャスト』は補助・サポートとして利用する。

実戦魔法師としては規格外の圧倒的なパワーと超繊細かつ高度なテクニックに他の追随を許さない突出したスピード、広範・多彩で洗練された大技小技と、全てを持ち合わせており、更に空海陸、遮蔽物、暗闇の中など問わずにあらゆる環境・地形での戦闘が可能であり、状況を選ばずに桁外れの絶大な実力を発揮できるオールマイティータイプ(その中でも遮蔽物の多い山林などは得意フィールド)。

異能の特性上、その超能力に極めて特化している為、通常魔法の多種多様な万能性には欠けているが、それをあらゆる戦闘・魔法技術で補い、多彩な魔法による万能性ではなく、魔法とそれ以外の技術を融合させた千変万化の手段を獲得している。そして後に多彩な万能性も手に入れ、戦術・戦略性のバリエーションが広がった。万能性は超高度な魔法(『術式解体』シリーズ、『徹甲想子弾』『意気』『封玉』は分類的にこれに該当する為、これらは例外)は使えないが、その代わり使える魔法の数は圧倒的に他の魔法師を凌駕し、多種多様性で補って余りある能力を得ており、単純な基礎性能も速度は最強、威力は一流クラスに迫る等、破格の性能を誇る(万能性を獲得する前でも『セルフ・マリオネット』のような別の意味で高度かつ強力な魔法は劣化しても使えたので、現在は余程高度な魔法でもなければ、強力な魔法を幾らでも使えると思われる。ただ、使う魔法によっては前述のようにある程度は劣化する可能性がある)。

究極に特化された異能は特定分野に限らず、その範疇内なら大半の事に対応と応用が可能で、その効果も特化されてる代わりに他の魔法・超能力を凌駕する絶大な能力を誇っている(単純な威力と速度も作中最強の性能を誇り、それを2つも先天的に宿している)。

これらの事から、どちらのタイプも規格外であり、達也は本来なら両極端に位置し、相容れない特性である究極に特化した異能と多彩さを突き詰めた万能性の魔法を併せ持った超特化・万能型タイプ(特化型と万能型の両方を兼ね備え、他の複合能力者とは違って、各々の特性を超が付く程、より極めた『ハイブリッド』タイプ)の戦闘魔法師である。


上述通り近距離・白兵戦、遠距離・狙撃戦の前衛と後衛の両方をこなせる万能型・オールラウンダーであり、『分解』(遠距離寄り)と『フラッシュ・キャスト』(近距離寄り)は遠近両方に対応し、近距離は『接触型術式解体』『古流武術』、遠距離は『術式解体』『徹甲想子弾』と使い分けている。

更には超高性能な解析、索敵、追跡、照準能力を持つ『精霊の眼』の優れた高度な戦術・戦略眼でそれらの状況対応力を飛躍的に高めている。

戦闘スタイルはワンマンアーミーを得意とし、このスタイルならば達也は戦闘力をフルに発揮でき、一対一及び一対多数でも一騎当千の戦闘力を発揮する(作中最強の戦闘力と最高峰の頭脳を併せ持ち、個人で前線と参謀の役割を担える為、極めて優れた戦術・戦略を自在に行える)。

作中トップクラスの身体能力を利用した機動力と『忍術』の隠密能力を活用した奇襲力、究極特化の『分解』と最強の対抗魔法『術式解体』を主体とした圧倒的な力押しの正攻法、優秀な頭脳に知識と洞察力による分析から導き出した意外性など、王道と奇策共に達也の力量によって、より完成された戦法を状況に応じて臨機応変に使い分け、スタンダード・トリッキーに立ち回る(基本に忠実で合理的重視な正統スタイルであれば、策を謀り色々利用工夫する搦め手スタイルでもある)。

また作中トップの想子保有者であるので継続戦闘能力も極めて高く、他者よりも長時間の戦闘にも耐えられる。肉体的にも日々の鍛練によりスタミナも豊富。

他者との連携の場合、白兵・狙撃戦を行える上、多彩かつ桁外れの攻撃力と高い機動力と優れた隠密力を活用する「オフェンス」、その攻撃面を全て迎撃に集中し、強固な防御力に変える「ディフェンス」、特殊な眼と治癒技で広大な状況把握と味方を回復し、指示・支援する「サポート」、これらをバランスよく両立、もしくは変幻自在に実行する「遊撃」、全てに適性があり、どのポジションも完璧にこなせる(深雪を護衛する際、これを全てやってしまう事があり、同じ護衛担当の水波は自身の得意な守備の役割まで取られて、落ち込んでいる事があった)。

将としての技量も卓越しており、連携に必要な指揮統率力も達也の頭脳と“眼”によって効率的に最適化され、ハイレベルの連携力を発揮する。


戦闘技術は極めて優れており、練度の高い身体能力とそれを、より活用させる『忍術』の離れ業の身のこなしと隠密術に達人クラスの格闘・体術と高度な武器術、頭の回転の早さによる理解力と知識量、気配などを読む察知と研ぎ澄まされた感知力による鋭い直感、洞察力・分析力に冷静な状況判断・決断力と駆け引き、計算された策の立案と柔軟な対応力、機を観る眼及び先読みにポジション取り、地形や相手の装備などを利用した機転、屈強な精神と胆力、そして質と量が合わさった経験による熟練された総合戦闘スキルは非常に卓越している。

魔法戦闘技術は作中最高峰の魔法制御術、巧みなCADの運用術、攻防速三拍子揃い、あらゆる存在にも対応できる『分解』、『再成』による自己再生と他への修復能力、サイオンでの身体強化に対抗魔法の砲弾と鎧と霧による阻害とそれによる隠密行動などのバリエーション、多種多様な手数を持つ上に驚異的な発動スピードを誇る『フラッシュ・キャスト』、長距離かつ広大な様々な情報を得られる『精霊の眼』、そしてこれらをあらゆる状況で最大限に有効活用する発想と技量、と言った反則的なスキルが多数揃っている。

この2つを統合した総合戦闘力はまさに超越し、他の魔法師を圧倒する。


遠距離は『精霊の眼』により一度捉えたら逃げられず、その為、超長距離・無制限の射程距離による精密狙撃能力を持ち、これによって世界最強の遠距離魔法師であり、近距離は『接触型術式解体』の範囲内なら相手は一切魔法が使えず、達也は一方的に魔法が使え、『古流武術』に武器術と相まって世界最強の近距離魔法師でもあり、結果どちらの面でも他の魔法師を遥かに凌駕する。


超絶的な攻撃力と速度力を持ち合わせている反面、以前の弱点に『仮想魔法演算領域』の出力不足の影響で実戦レベルの魔法が使えない為に障壁魔法と広域魔法がまともに使えず、それにより防御力が低い事と広大な面へ作用する魔法の手段がない事が挙げられる(どちらも発動自体は一応可能)。特に防御力の低さは達也自身何度も気にする位に問題になっており、その防御力の低さによって行動に制限がかかった事もあった。面に対しては長正との戦いで干渉力の低さから広い範囲に魔法を放てない事(正確には放てるが、指定対象範囲が広い程に威力が均一化し、しかも只でさえ元の出力が低いのでそれらの要素が重なって満足に効果を発揮しない為)で僅かの間だが面倒な状況に一度なったが、作中ではそれだけであり、その状況も後述の『フリードスーツ』で強引に突破している。

防御手段は『再成』による無尽蔵の耐久力と不死身性はあるが、あくまでも最終手段であり、攻撃を優先する場合もあるのでその点が問題になっていた。それをカバーする為、『分解』のスピードを利用した、迎撃という形で防御を担っていた(防御手段としては大半の事には通用している。また迎撃ではなく、上記で述べた『領域設置型分解魔法』は物理系に対しては面と障壁の役目を同時に担える)。面への手段は『精霊の眼』と達也の同時照準能力の多さで補完し、前者とは違い、より十二分にカバーできていた。それとは別に作中では一度しか行ってないが、達也を起点にした、柏手版『術式解体』もかなりの広域に解き放てる(直接的な物理ダメージはない代わりに想子体への攻撃、魔法防御、魔法的煙幕など、力押しかつ搦め手を備えた広域への手段となる業。欠点として達也を起点にしか発動できないので、周囲に味方がいれば巻き込んでしまう恐れがある)。

後に純粋な防御力の弱さを『フリードスーツ』、魔法防御は『接触型術式解体』で完全に補えるようになり、特に後者は直接作用する魔法などには無敵の防御力を誇り、他の魔法師と比較しても魔法防御系は最強の防御力を手に入れた。

また『続』シリーズで『仮想魔法演算領域』の出力を向上させた事で通常魔法がまともに使えない欠点を解消し、(系統や種類を問わない)実戦レベルの魔法を自由に使えるようになったので、この2つの弱点も無くなり(一例として障壁系と範囲系の特性を持つ防御フィールドの魔法を使っている)、障壁(結界)を使った防御面は並の魔法師以上で、一流に近い強度にまで上昇している。『分解』『接触型術式解体』『フラッシュ・キャスト』を組み合わせたら、作中最強の防御魔法である『ファランクス』にも、勝るとも劣らない防御力を獲得したとも言える。

これによりあらゆる面で隙が無くなり、様々な状況にも対応が可能となり、多芸な役割もこなせるようになった。

それと同時に本来の魔法が使えない状況の中で、前は奇策で一流以上の魔法師に互角以上に対抗してたが、上述の通り現在は実戦レベルの魔法が使えるので、本来の魔法を使わない王道な戦法でも一流以上の魔法師とも互角以上に戦えるようになり、選択肢の幅が広がった。ワンマンアーミーのスタイルも以前より洗練され、文字通り一人で何でもこなせるようになった。魔法以外の戦闘技術も含めたら、戦闘もとい実戦魔法師としては「1つの極致」「理想の体現」「完成された存在」とも言える(実際に達也は古式魔法師で言う「特定の分野を極める」コンセプトと現代魔法師で言う「多彩に何でもこなす」コンセプトを、それぞれの目標を想定以上に両立させている為)。



CAD・装備

  • 『シルバー・ホーン・カスタム・トライデント』

『トーラス・シルバー』が開発した拳銃形態の特化型CADである『シルバー・ホーン』を更に改造した『シルバー・モデル』シリーズの1つ。大型拳銃形態特化型CAD。

『ループ・キャスト』に最適化され、最小の魔法力でスムーズに魔法発動が可能なハイスペックなデバイスであり、それを独立魔装大隊の技術士官である真田の手によって達也専用にチューンナップ・カスタマイズした、オンリーワンの発展強化型『シルバー・ホーン』。色はシルバーで達也は2丁所持している。また側面には英語で『SILVERHORN』『TRIDENT』と名称が刻まれている。

通常の『シルバー・ホーン』より銃身が長く、それに合わせ照準補助システムが強化され、更に達也の『分解』の一種『トライデント(分解)』用にチューニング・最適化されたCADでもある。この事から『ループ・キャスト』と最小の魔法力発動の性能も強化されている。他にも魔法を切り替える為の十字型のセレクターと特化型の欠点である多様性の少なさを補う為のストレージ交換機能(カートリッジ形式)も搭載されている。

また『大深度雲散霧消』『ベータ・トライデント』『バリオン・ランス』にも必要なCADでもある。

『ランス・ヘッド』を装着する事で銃剣形態にもなる。

達也の最も使い馴れた愛機であり、魔法狙撃戦・遠距離戦での戦闘で重視し、『シルバートーラス』と比較すると魔法の多様性(ストレージ交換)と照準機能、魔法の連続発動のしやすさで勝る。

  • 『シルバートーラス』

FLTが開発した『シルバー・モデル』シリーズの1つ。腕輪形態特化型CADで、完全思考操作型CAD(形状はメダル型でサイズは直径3センチ、厚さ6ミリの艶消し加工された銀色の円盤のペンダント型)に対応連動されたCADでもある。色はシルバーで達也は2機所持しており、戦闘時には両腕に装備する。

照準補助用アンテナをブレスレットに何本も仕込んで連動させる事で拳銃形態型と同等の照準機能を維持している(『トライデント』には劣ると思われる)。

魔法白兵戦・近距離戦で重視し、CAD『トライデント』と比較すると隠密性(腕に巻き付ける為、目立ちにくい)と対応力で勝る(前述通り、手が空くので格闘のしやすさ、他の武器と併用が可能)。

  • 自作『サード・アイ』

独立魔装大隊で制作された長距離微細精密照準補助機能を強化した、大型ライフル形態の特化型CADを達也が独自に極秘に再現したCAD。

超遠隔精密照準補助機能で成層圏プラットフォームや低軌道衛星とリンクし、映像を受信する機能を備えている。『マテリアル・バースト』には欠かせない物であり、これによって射程距離が実質無限で(このCADが無くても映像などから把握して自力で照準はできる)、その照準機能は他の魔法でも使用可能。『マテリアル・バースト』の威力を可能な限り抑える為、微少質量をも照準できるように作られている。

『ムーバル・スーツ』に接続でき、達也専用の戦闘スーツ『フリードスーツ』とも接続できる。

達也の発言からすると、オリジナルと比べると射程距離は同等だが、精密照準補助機能は劣るようで、判明してる範囲でも数キロの近距離なら微少質量の照準はできる模様。この為、『マテリアル・バースト』の威力範囲調整はオリジナルよりも難度が上がっている。ただし、オリジナルが厳重封印されているので、使い勝手は良い。

本編では最後まで使用される事はなかったが、『リローデッド・メモリ』にて『とある魔術の禁書目録』とのコラボストーリーでようやく披露される。ただし、このCAD本来の用途目的である『マテリアル・バースト』ではなく、『魔法科』と『とある』2つの世界を繋ぐ縫い目の糸に対して、超長距離照準の『分解』を行う為に使用される。またリンクする衛星がなかった為、打ち止め(ラストオーダー)の協力の元、ミサカネットワークによる補助・代用で肩代わりして使用している。

  • 『サード・アイⅡ』(サード・アイセカンド)

独立魔装大隊が開発した『マテリアル・バースト』専用の特化型CAD『サード・アイ』を、四葉家がそれを元に、独自に組み上げた達也専用の大型ライフルの特化型CAD。

『マテリアル・バースト』に最適化されており(そもそも『サード・アイ』自体が『マテリアル・バースト』の為に開発されているので、この場合はオリジナルよりも最適化されていると言った方が正しい)、数億キロも離れた対象にも(微少質量の)照準が可能。

この事から術者への負担はオリジナルよりも軽減されていると思われ、またオリジナルよりも更に超長距離射程の微少質量の照準精度も向上し、加えてオリジナルのように封印もされてないので何時でも利用できるメリットがあり、『フリードスーツ』同様にオリジナル以上の性能を獲得している。オリジナル同様に『フリードスーツ』とも接続が可能である。

  • 『ランス・ヘッド』

『バリオン・ランス』の為の武装デバイスにして、専用アタッチメント兼CAD。

形状は15センチの金属製(炭素鋼)の杭と単一の起動式を格納したCADを組み合わせたアタッチメント(一種の武装一体型CADとも見れる)。

『トライデント』に装着する前提で製作されており、CADの銃口先端に装着する事で『トライデント』は銃剣形態になる。

  • 『ナックルガードナイフ』

達也が装備する近接・白兵戦武器。

取り回しに優れ武装一体型CADではないが、一般的な物と違って特別製であり、ブレードは特殊鋼、ナックルガードはチタン合金で出来ている。達也は2本所持している。

高い万能性を誇り、斬擊、刺突、打撃、投擲の4つが行える優れもので、魔法を纏わせて強化する事もある。『分解』を纏わせば、通常の分解と違い情報を得ずとも接触すれば、何でも破壊する最強の刃と鈍器になる(『分解』を纏えば手足などでも効果は同じだが)。

  • 『フリードスーツ』

独立魔装大隊の『ムーバル・スーツ』を、四葉家が開発・再現(強化)した達也専用の戦闘飛行スーツ。

オリジナル同様に防弾、防刃、耐熱、緩衝、対BC兵器防御を兼ね備えている(それ以外の耐性もある模様)。宇宙空間でも活動可能(水中でも活動可能だと思われ、実際に『飛行魔法』の効果で水中でも高速移動はできる。宇宙空間も同様)。

オリジナルとの違いはパワーアシスト機能が搭載できず、データリンク機能で劣っているが、防御性能とステルス性能はオリジナルよりも更に強化されており、飛行性能と偽装能力(市民バージョン)に追跡面も強化されている。またオリジナルにない完全思考操作型CADも搭載されている(飛行デバイスも別に同型のCADで搭載している模様)。

『サード・アイ』とも接続可能。

他にもパワーアシストがない分、軽量に仕上がっており(総重量20キロ未満)、行動・動作性はオリジナルよりも上で、データリンクも多人数との連携機能がないだけで性能自体は単独で使う分には寧ろ向上している(前述の追跡面など)。後に声紋を変える機能も追加された。

また言及はされてないが、オリジナルよりも頑丈に作られている分、それを利用した物理攻撃としての拳と蹴りでの純粋な打撃力もアシスト無しの単純な威力ならば、こちらの方が上である(パワーアシストも『サイオンブースト』で筋肉をブーストすれば代用は可能)。

瞬間的なパワーと連携力は劣るが、総じて使い勝手とスペックはオリジナルのほぼ完全な上位互換であり、達也の防御力の弱さをカバーし、達也が完全なパフォーマンスを発揮できる高性能なスーツとして作られた装備である。この性能は達也自身も感動に近い驚きを覚える程。

達也の弱点を補う装備だが、トータルで見れば物理打撃力、防御力と、最適化された『飛行魔法』による機動・移動力、これら全ての向上(但し機動力関連は遮蔽物の多い地形では飛行が困難である為、そのような地形の小回りはスーツ無しの方に分がある)にステルス性能と偽装能力は達也の隠形の技術と相性が良く、データリンクも『精霊の眼』の補助に役立つ為、弱点をカバーするだけでなく、達也の能力全般を底上げしている優秀なスーツでもある。同様に様々な環境・状況下での対応を可能にしている。

2バージョンあり、1つは日常的に着用しても怪しまれないことを重視した市民バージョン。もう1つは要所を守る装甲や白兵戦用ナイフの柄が剥き出しの戦闘用の兵士バージョン。前者はライディングスーツのような見た目で、どんな場所でも常に装備できる利点がある(上からジャケットを羽織れば違和感がほぼ完全に消える)。

後者は見た目的に市民バージョンよりも防御性能が向上していると思われる。

バージョン問わずヘルメットはスモークシールドで通信装置もあり、バイザーにはスーツに搭載されたセンサーによる探知や検知、外部から受信したデータを分析した情報が表示される(状況によってバイザーの視界が切り替わり、作中では赤外線モードなどになっている)。またガスや音波などを遮断する機能も搭載されている。

後述の『ウイングレス』とリンクする機能が搭載されている。

  • 『ウイングレス』

ブラックカラーのフルカウル電動バイクで、市販車として偽装された達也専用の軍用車。

車体の前面のみ防御性能が他より圧倒的に高く、その防御力は装甲車並で、他の面(バイク全体)もタイヤを含め酷く頑丈に出来ている。その頑丈さを利用した特攻も何度か披露している。

『フリードスーツ』とリンクする機能があり、これによってバイクごと空を飛ぶことができる(リンクしてる状態ならば水中でも使用可能だと考えられる)。

また車体を変化させる偽装機能も搭載されており、ハンドル中央に設けられたスイッチの1つを操作すれば車体全体の色がブラックからディープブルーに変わり、ナンバープレートも書き換わる。

自動操縦機能も搭載されている。

『続』シリーズでは改良を重ね、速度と航続距離が飛躍的にアップしている。

  • 『飛行デバイス』

『飛行魔法』の術式が登録されている専用デバイス。『飛行魔法』が行使できる。

  • 『独立魔装大隊仕様携帯端末』

独立魔装大隊所属の藤林と真田の合作した特殊端末。

見た目は市販品だが、中身は上述の通り特殊な改造を施されており、国内の無線暗号通信なら容易く傍受し、大抵のものが解読可能な高性能端末。電磁パルス対策も完備している。

  • 『マジストア』

魔法式保存の性質を持つ、達也が開発・量産した人造レリック。達也が所持してる物は系統外魔法『アイドネウス』を継続的に発動できるよう仕立てている。その他にも強固な魔法シールドを展開する物や『疑似瞬間移動』用も別に所持している。

また具体的な詳細は判明してないが、達也個人が携帯している『マジストア』の魔法には達也本来の干渉力をどの位かは不明だが、『仮想魔法演算領域』への干渉力の上乗せ以上に利用できるようで、防御シールドは「十」のつく魔法師にも匹敵する強度を発揮している。



『電撃文庫FIGHTING CLIMAX』・『IGNITION』

第一弾追加キャラとして『とらドラ!』の逢坂大河高須竜児、妹の深雪とともに発表。達也はサポートキャラとして参戦。

発動中に範囲内で相手が攻撃すると相手の通常攻撃や移動を封じる「キャスト・ジャミング」とコンボに組み込むとコンボ補正が緩和されダメージアップを見込める「雲散霧消」を使う。…が、「キャスト・ジャミング」は発生が非常に遅く、発動しても各種ブラストやクライマックスアーツは使えるため、抜けられたり、手痛い反撃を食らうこともあり使いにくい。「雲散霧消」もあまりダメージが伸びない…と原作の強さがかなり抑えられてしまった結果ブギーポップと並ぶ弱サポートとなり、使用率は最低クラスだった。


さすがに弱すぎたのか『IGNITION』では大幅強化された。「キャスト・ジャミング」は発生こそ遅いままだが、ガードとエスケープブラスト以外の行動を封じるリターンが大きい技にパワーアップした(この状態であれば桐乃の切り札と静雄のコマンド投げが確定する。どちらもダメージがかなり大きい)。「雲散霧消」は空中にいる相手にもヒットするようになり、コンボ中にヒットさせてクライマックスアーツに繋いだ場合、ゲージ本数、ラウンド数やイグニッション選択に関係なく新システムのダブルイグニッションが発動するようになり、強化された。

前作から一転、上記の点からドクロちゃんに匹敵する最強クラスのサポートに上り詰めた。特に本来ならラウンド間のサポートキャラ強化を2度行ったうえ(つまり3R目までは絶対使えない)で1ゲージとサポート消費する必要があるダブルイグニッションが、サポートたったの1回分で使えるという超強化された「雲散霧消」の効果が大きい。しかし立ち回り補助やコンボパーツと、万能に使えるドクロちゃんとは使い道が大きく異なるのでキャラによって選び方を変えたいところ。

シャナはサポートを使わずとも立ち回りに苦労しないので火力の底上げに最適。この組み合わせは本作で頭一つ抜けた強さをもつ。少ないチャンスをモノにしてダメージをごっそり奪いたい静雄も相性が良い。


2015年10月8日にプレイヤーキャラとしても参戦及び唯一昇格した。元々高かった人気と開発側の意図に、ファンからプレイヤーキャラとしての参加を望まれていたので、その待望が叶ったと言える。サポートキャラの達也も引き続き使用できるが、達也同士の選択はできない。同時に深雪もサポートキャラとして使用できるようになった。

これにより全キャラの中でプレイヤーとサポートの両方の役割を持つキャラとなった(主人公キャラとしては唯一で、それ以外なら同じ作品から出演してる妹の深雪で、魔法科という作品及び兄妹揃って異例の扱いとなる)。


プレイヤーキャラとしての特徴は拳銃型CAD“シルバーホーン”を二丁使って繰り出す魔法攻撃と、研ぎ澄まされた体術を使い戦うキャラクター。相手へ一瞬で近づく必殺技を持ち、戦闘時のトップスピードが高く、初心者から上級者まで使いやすい性能となっている(公式サイトより)。

達也のコンセプトは原作を参考に「カッコいい」「スタイリッシュ」「操作して気持ち良い」と言う事を重視している。


動作が全体的に早く、追撃やダウンが取りやすい技も多い。近距離では出の速い体術を武器にするほか、妙にスタイリッシュで高度が高く、上空回避にも使える対空技「浮雲」、判定が低い攻撃なら回避しながら攻撃も加えられ、更に飛び道具も打ち消せ、消した場合追加で近距離ワープ追撃を放てる突進技「ループ・キャスト」や中・遠距離戦の要であり、空中でも使え、EX版はどこに居ようが命中する飛び道具「ミスト・ディスパージョン」で牽制、それがヒットしたなら「ループ・キャスト」同様相手の近くにワープして近距離戦に持ち込むなど、トリッキーにどの間合いでも幅広く戦える全距離対応型であり、移動速度も早いので機動力を活かす事で、相手との距離を詰めやすい。また全体的にコンボがやり易く総合火力面も高い。その他に投げ技は、相手を掴み連続蹴りを浴びせ、最後に上段蹴りで吹っ飛ばす仕様となっている。

飛び道具、突進、対空の「格ゲー三種の神器」が揃っている万能型・オールラウンダータイプのキャラクターで、あらゆる状況に臨機応変に対応できる側面を持ちながら、後述でも触れるが、全キャラの中で唯一切り札を2つ所持し、その内の1つが体力0からの復活や、どのサポートを選んでも深雪が出現するなど、変則的な部分も持ち合わせている。

後は何故か「飛行魔法」=空中ダッシュが実装されてない(達也が開発した魔法にもかかわらず。深雪には実装されている)。

クライマックスアーツは「フラッシュ・キャスト」で音を増幅した魔法「ソニック・エンド」と複数の体術と魔法による複合乱舞「カデンツァ」。


…と、上記の通りとにかく立ち回りに隙がない。上で言った通り、切り札が2つ用意されており、「フラッシュ・キャスト」は発動すると攻撃力と移動速度とジャンプ速度がアップし、一部の技もコンボが繋がりやすくなり、「ソニック・エンド」も一部のコンボから繋がりやすくなっている。ただでさえ速いので手がつけられなくなり、更にはクライマックスゲージが自動で溜まる。切り札の性能は里見蓮太郎に近いが、あちらはとにかく近寄って崩すために使うのに対し、こちらは一度逃げたり一気に距離を詰めたり等、そのような立ち回りで使用する。

もうひとつの切り札「自己修復術式」は

  • マッチラウンドであること
  • 体力が2割を切ってポテンシャル発動中であること
  • 切り札を1つ持っていること
  • ブラストが発動可能なこと

以上を満たした状態で体力がゼロになると自動的に発動し、体力が回復していく。回復の速度はゆるやかなので直後に攻撃されるとKOされるので注意。

弱点は背が高いので攻撃が当たりやすい事と、通常リーチが短く、空中でのリーチも長くないので空対空で競り負けやすいこと。一番の難点は速すぎて制御が難しいことも挙げられる。慣れないうちはキャラに振り回されがちになる。

しかし立ち回りが非常に強いので練習次第でこの弱点はごまかせる。そういったこともあり、サポートだけではなくプレイヤーキャラでも最強クラスの一人となっている。さすがお兄様です。

サポートに深雪以外を選んだ場合、サポートを呼び出した時に達也の後ろに深雪が現れ、達也固有のポテンシャル(サポートを呼び出した時に出現する深雪が4回攻撃を受けなかったら攻撃・防御力が一定時間アップ。サポートが深雪の場合も同様。他には体力3割未満になると一定時間攻撃がアップし、ラウンドを1つ取られた状況でその状態になると更に攻撃がアップする)に関わる。発動にはサポートの回転率も関わってくるので相手が延珠の場合は気をつけたいところ(延珠に自身のサポートを潰された場合、回転率が大幅に下がるため)。

達也のサポートおすすめキャラは深雪、上条当麻ルシアン等。

深雪は上記の条件が達成しやすく、更に切り札中なら「フリージング・ゾーン」で「青嵐」などの隙をカバーし、おまけにダメージ補正が緩和され、火力の底上げが可能など、兄妹なだけあって相性が良い。

またルシアンとの組み合わせはシャナ&達也の組み合わせと同等以上の強さに化ける。


設定的にこの作品の中の達也は全力の状態ではない上、本来得意とする分解魔法は「ミスト・ディスパージョン」しか使っておらず、オリジナル技の体術と「フラッシュ・キャスト」でコピーした魔法がメインとなっている。

他のキャラとの絡みではやはりその強さと頭脳に感情があまりない事が強調されている。掛け合い中のグラフィックも相手が深雪以外ほとんど表情の変化がない。

白井黒子の空間移動の効果範囲と影響を即時に把握し、「おっそろしく的確な分析」と言わしめる程ビビらせた他、アコのパーティーメンバーの特徴を服装から推測して、それぞれの役割に戦力の長所と短所を指摘して「くぁwせdrftgyふじこlp」と動揺させ、ユウキ御坂美琴は達也の強さを一目で見抜き、アキラも戦闘モードに入った時に空気の変化を感じ取っている。

桐乃の「深雪が欲しい」、アキラの「深雪と勝負がしたい」という発言を「妹を傷つける」と解釈するなど深雪の事となると見境がない。

逆に深雪とは「稽古をつける」という名目の特殊イントロがあり、1本取った時の動作も気遣う動作に変化する。

他にはコラボ作品で縁があったキリトとも特殊イントロが発生する。

勝利ポーズは第1巻の表紙と同じものが採用されている。


また珍しく全キャラクターで唯一「インパクトブレイク」「パワーアップブラスト」などシステムの名称をそのまま言う。なんでも「達也なら言っても違和感がなかったから」だとか……。


カラーバリエーションの一部は他校の制服の色と同じになり、その中の06番目のカラーは第三高もとい一条将輝カラー。



余談

達也が作中でも特殊かつ規格外の力を始めから多数所持し、王道主人公よりも最強のラスボスのような存在になっているのは、作者曰く

  • 最初から強い力を持っているのは、なぜか敗れた時に敵に見逃してもらえるとか、都合良く援軍が現れるとか、潜在能力が覚醒するといった展開を避けるためです。だからといってこれ以上成長しないということではなく、「どんなシチュエーションでも勝てる」という意味での最強キャラではありませんが、弱点を埋めるために努力と工夫をしています。
  • そのような偶然の積み重ねなどを必要としないキャラクターとして、主人公に強い力を与えていますので、本作にはそもそもご都合主義がいらないとも言えますね。主人公が強くて、敵がそれをどう対処しようと、ずる賢く立ちまわる。それを主人公が力の差で押し切る流れにしようとしているので、そういう点でもご都合主義は抑えられているのではないかと思います。

との事で、世界観的に主に戦闘をピックアップしてるので、命のやり取り=負けたらそこで終了する為(やり直しが利かず、命を失う為)、それを防止する目的で達也には設定的に様々な特殊な規格外の力を与えて、他のキャラクターよりも格上の存在として君臨させている(26巻のあとがきでは達也の性格もとい位置付けは「主人公を見守るお助けキャラ」「主人公にとっては越えるべき壁である兄貴分」と答えており、「主人公」「ラスボス」以外の属性も備わっている。特に前者2つは文弥と光宣に対して、その傾向が強く反映されている)。

それ故に作中では一条将輝と吉祥寺真紅郎が達也を一方的にライバル視する(している)構成となっている(当人達の能力は一般的な作品ではどちらかと言えば格上のライバルポジションに辺り、一条が戦闘面、吉祥寺が理論面で優れた実力を誇るが、達也はその両方を兼ね備えた上でその2人を格段に上回る実力を誇り、結果的に逆の構成になっている)。また達也自身に明確なライバルキャラクターは存在しない。

現に『新』シリーズの主人公・十文字アリサには、その才能は高くとも彼女自身には規格外の力はない(特殊な力は後に所持してる事が判明する)。更に明確な格上のライバルが存在し、一般的なフィクションの王道主人公(主人公が格上相手に挑む構図)のようなポジションを与えられている(『新』シリーズは戦闘ではなく、やり直しが利くスポーツ、競技をメインにしている為)。

また本来なら『劣等生』の主人公ポジションは達也がいなければ、吉田幹比古がそれに該当している(作者やキャスト、読者も認めている)。他にも読者から主人公のような能力と設定により十三束鋼を挙げられている。ただ前者は『続』シリーズで準主役的なポジションの光宣が上位互換のような存在であり(格闘能力、身体能力等は光宣よりも大きく上回っている)、後者に至っては達也が特に問題になっており、十三束の得意分野は白兵戦で、達也はそれを超える白兵戦能力を持ち、それに加え彼専用の切り札2つを、達也にアップデートされた形(その内の1つはスピードはオリジナル以上、それ以外の部分は劣化)で盗られているなど、余計に不遇な扱いとなっている。因みに十三束本人はこの事を知らない。


尚、『魔法科高校の劣等生』の小説シリーズの主人公を務めている司波達也、榛有希、十文字アリサは全員共通して異能持ちである。達也とアリサに至っては『ハイブリッド』でもある。


そして達也は余りにも強力な存在として作られたので、深雪共々、作者は「動かしづらい(書きにくい)」とコメントしている。



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