概要
大乱闘スマッシュブラザーズシリーズに登場するステージの一つ。
仕掛けが一切存在せず空中足場なども存在しない非常にシンプルなステージであり、現在のところ戦場(64版ではデュエルゾーン)と並んでシリーズ皆勤賞のステージ(但し64版では対戦ステージとしては選べない)。
マスターハンドの居場所であるとともに、DX以降では終点には『スマブラの世界観であるイメージの世界から、現実へと最も接近する場所でもある』という設定がある。
それは背景にも反映されており、同ステージでの特徴でもある。
64版
64版では一人用モードの最終ステージでマスターハンドが待っている場所である。
この時はステージ名は表示されなかったが攻略本などでは「終点」と表記されていた。
モード専用ステージだけに、マスターハンドの残りHPに応じて背景が変化していくギミックが在る。
DX
同様にシンプルモードでマスターハンドが待ち受ける場所。
また、アドベンチャーモードでもクッパ→ギガクッパ(最終ステージ)が待ち受ける場所であり、後述ともに文字通り終点という名に相応しい。
また、本作から対戦ステージとして使用が可能となるが、この頃は未だ隠しステージである。
イベント戦を隠されたLv51まで全てクリアすることで解禁になるため、後の使用頻度に反して出現時期は最後となる。
X
やはりシンプルモードでマスターハンドが待ち受ける場所。但し、こちらではその前のステージでも終点が使われている。(ついでに言うと「戦場」での謎のザコ敵軍団戦がオミットされた)
今作では最初から使用可能となっている。ステージ背景はこれまで以上に幻想的であり、Xのフィギュアで「この世界(=スマブラフィギュア世界)と亜空間の境目である」と説明がなされている。
最初は宇宙のような背景であるが時間経過と共に夕焼けのような現実味のある背景に変わっていく。
これはOPおよび「亜空の使者」のラストシーンにおける夕焼けの光景と同一である。
3DS/WiiU
今回も初期使用可能で、シンプルモードにてマスターハンドが待ち受けている。(ちなみに前ステージでの「戦場」組み手が復活している)
足場は青いクリスタルのような部分と赤黒い溶岩のような部分の半分ずつで構成されており、今まで以上に幻想的であるが、これまでとは違い足場そのものに若干禍々しさも感じさせる。
今作でも宇宙空間のような背景が広がるが、3DS版では青色から赤色に変色していく恒星が、WiiU版では地球と太陽が非常に接近している光景が登場し、終末感を演出している。
しかし、その後時間が経過すると朝焼けのような非常に美しい海原世界(おそらく現実世界のイメージだろうか)が広がり、先ほどの終末感とは真逆の始まりを告げるような雰囲気を醸し出している。
足場から背景まで青と赤の対比を強調させるという特徴は、まるで新たなスマブラが持つ二面性(3DSとWiiU、等)を表しているようにも見える。
※ただし隠しボス戦に突入すると、背景は専用のものに変化する。
また、後述のように、今作ではほぼ全てのステージに仕掛けを取り除いた終点仕様が用意されている。
特徴
先述の通りステージとしてはそれ程広くもなく起伏もない、足場もない、障害物もない、という何もギミックがないステージである。特徴がないことが特徴だともいえる。
Xではネットワーク対戦でよく選ばれていたステージである。その理由は、上記のようにやくものや複雑な地形がないため、個々の実力が最も出やすいステージだと思われていたためである。
…が、足場などがあるステージ(戦場など)と比べ、飛び道具を持つキャラクターが若干有利とも言える。
しかし、前述したように特徴がないことが特徴であるステージである故にそれによる弊害も少なからず出てくる。具体例を挙げると
- 平坦とはいえ、比較的広めなステージなため、飛び道具の有無は若干どころでなく響く
- 広いため、もちろん機動力のあるキャラは有利
- シリーズを通して存在する、「鼠返し」と通称される崖付近の特徴的な地形は復帰を難しくしており、復帰能力の低いキャラを苦しめる
…と、やはりキャラクター性能から見ても決して終点が平等であるというわけではないし、逆にこのステージこそが本領を発揮できる、或いは有利であるキャラクターも少なくはない。プレイヤーの操作性という側面ももちろんあるが、それ以前に明確な選り分がされてしまうのも事実であるということは頭に入れておきたい。詳しくは後述。
問題点
上記のように、このステージはオンライン対戦にて一定の人気があるが、そうした一方で、ファンの間では、Wi-Fi対戦で「終点」ステージでの戦闘に固執するユーザー(いわゆる終点厨)とそうではなくもっと色々なステージでの戦闘を楽しみたいユーザーとの間で激しい摩擦が起こっており、問題になっている。
原因については諸説あるが、要因の1つとして挙げられるのは、ほかのステージのやくものが大味すぎること。
ステージがバラエティに富んでいるスマブラだが、プレイヤーをほぼ一撃で即死させてしまうようなトラップ(代表例が『X』におけるニューポークシティーのきゅうきょくキマイラ)が設置されていたり、地形が不安定で戦いづらかったりと一癖あるものが多い。もっとも、これも「最後の切りふだ」と同様、初心者でも上級者に勝てるように…という製作側の意向があってのことなのかもしれないが、自分の実力に関係しないステージギミックで強制的に1ミスさせられてしまうということに不満を抱いているユーザーも多い。こうしたことも何のギミックもない終点が好まれるという傾向を増長させてしまっていると言えるだろう。
本来、スマブラは他の対戦ゲームと比べて「4人(+アイテム&やくもの)入り乱れての乱闘」を主眼にゲームバランスの調整が行われているゲームである。豊富なアイテムや、ギミックが多数存在するステージが存在しているのもそのためである。しかし、その一方で、ユーザーの中には本作をガチな対戦格闘ゲーム(=アイテムや小細工抜きでの真剣勝負をしたい)と認識しているユーザーが多いのもまた事実。
「終点」における諸問題の数々は、ある意味開発側とユーザー側の認識の隔たりの象徴とも言えるだろう。
また、上記のとおり終点は決して公平などではないのだが、それを分かったうえであえて終点で有利なキャラを選び、終点を選択し続ける悪質な者も一定数存在する。
また、ユーザーの認識の他にもスマブラXのシステムそのものにも問題があるといえる。
スマブラXでは、Wi-Fi対戦のステージの決め方は投票で決定される(多数決で決められるという説もあるが、詳細は不明)ため、複数のプレイヤーが同じステージを選んだ場合、そのステージが優先されて選ばれるようになっている。つまり、4人中2人が終点を選択してしまった時点で、対戦ステージが終点に決定してしまう可能性が高くなってしまうということである。
公式からのコメント・対策など
公式でも終点がWi-Fi対戦で好まれやすいという傾向は把握しており、ディレクターである桜井氏もこのことをあまり好ましくは思っていないとの発言を残している。
また、桜井氏はファミ通のインタビューにて、「当時よりインターネット経営のノウハウが上がっているので次回作では対策を考えることでしょう。」とコメントしており、次回作では必ず何かしらの措置を取ることを明言している(実際、その後同氏が製作に関わった「新・光神話パルテナの鏡」では、オンラインプレイでのステージの選択について「毎回完全ランダムで、こちらからステージ名を確認することも選択することもできない」という本作に対する反省・改善点が見られた)。
最新作『スマブラ3DS/WiiU』のネット対戦では対戦部屋が「ガチ部屋」と「エンジョイ部屋」に分けられ、前者はアイテムもなく終点のみ、後者はアイテムも選択でき、それ以外のステージが選択可能としている(もちろん、フレンド間・3DSを持ち寄っての対戦では全てのステージを選択しての対戦が可能である)。
また、この他にも、既存ステージの構成を「終点」同様のシンプルな物に変更する事も可能になっているとのこと。
これにより、ようやく念願の住み分けが叶う事となるだろうと、ファンの間では期待が広がっている。