概要
広島県呉市出身。1971年、大学生時代に「別冊マーガレット」誌上でデビュー。
男性でありながら「花とゆめ」などで少女漫画を描き続けた異色の作家である。
2011年、61歳没。
秋田書店「ミステリーボニータ」に連載中の『傀儡師リン』が未完のままとなった。また半ばライフワークと化していた『超少女明日香』も未完となった。
特色
良い意味で男性らしい感性を生かした骨太なストーリーテリングに特色があり、当時の少女漫画界隈に、ファンタジーと大胆なアクションと壮絶なバイオレンス、および本人曰く「サービス」と称するエロスを持ち込んだ。
代表作『スケバン刑事』は累計2000万部を超える大ヒットとなり、何度もTVドラマ化されている。
TVドラマの劇場版では「ヨーヨー売り」として顔出し出演もしている。
後年には漫画原作や青年誌等での執筆も多く手がけていた。
皆殺しの…
物語がクライマックスや終局に近づくと登場人物をよく殺すことで知られる。
殺しはしない場合でも、精神崩壊に追い込んで物語から退場させる、という手法も頻繁に使用する。
骨太なストーリーテリングで広げた物語の風呂敷を包む際の手法に「キャラクターのリストラ」を多用して、伏線を思いっきりぶった切るためである。
その様はどこぞのアニメ監督レベルとも言われる。一方でソレをやらかした当時の某監督と異なり精神状態は極めて健全であったため、どこぞの小説家のアレに近いとも言われる。
ただ和田の「皆殺し」は人気キャラほど物語の必然性に関わる事無く被害に遭いやすい一面もある。乱暴に言えば「このキャラ人気出てきたから殺そう」という理由で突然前触れもなく殺られた(精神崩壊させられた)キャラもいたりする。(冷静に言えば、予想外のキャラ人気によって物語が振り回されるのを恐れたから退場させた、という裏事情があるのだが)
ただ一方で作者が自身の手で殺してから、その事を後で後悔する、というケースもあり、それに関しては『超少女明日香』シリーズの単発キャラであった舞が、後に『怪盗アマリリス』の倉見雛子としてキャラコンセプトを継承したリボーンキャラになる、というパターンも稀にみられる。
『スケバン刑事』原作第1部および第2部の終局は、その愁眉とも言われ、人気キャラを容赦なく殺し、ファンを奈落の底に叩き落しまくった。
最後には主人公の麻宮サキと、作品間スターシステムを担った古参キャラであった神恭一郎すらも殺す徹底ぶりを見せた。
最後まで生き残ったキャラも「予定では殺すつもりだった」りしたらしい。
ただ、さすがに熟年期に入ると、やりすぎを意識したのか『怪盗アマリリス』では「主要キャラは絶対に殺さない!」を目標に頑張り、味方側に与したキャラクターには死者を出すことなく、なんとか達成した。(ただし敵側や別勢力のキャラクターは従来通りガシガシ死んでいる。そして、わざわざ目標にしないと人が死なないアクションストーリーを執筆することができない漫画家、とも言える)
エピソード
同時期に「マーガレット」や「花とゆめ」で執筆していた柴田昌弘は和田のアシスタント歴があり、同じくSFやアクションものを得意とする男性少女漫画家として、しばしば並び称される。
2人で対談を行った際には「イメージ崩しの男たち」などといったコピーが付けられた。
むさい男が美少女を主人公に「花とゆめ」とかでマンガを描いているのは、読者の少女たちからすると、漫画のイメージが崩…いや異色だったのである…。
新谷かおるとはオタク仲間として親交が深く、綾波レイのフィギュアを一緒に買いに行くなどしていたため「(和田)シンジと(新谷)カヲル」などと呼ばれることもあったっけ…。
和田の作品に影響され漫画家となった竹本泉とも親交があり、画集「竹本泉☆WORLD」では対談もしている(和田と竹本の作風には全然共通点が無く、むしろ対極的であるが)。
代表作
など多数