概要
ジェガンをベースに対艦攻撃能力を付与した特務仕様モビルスーツ。
ジムⅢの長距離支援能力をジェガンに移入しており、両肩部のミサイル・ポッドなどにその特徴を見る事が出来る。
運用試験機である「プロト・スタークジェガン」で得られたデータを元に、ジェガンD型の装備バリエーションとして制式採用された機体。
ジェガンD型にオプションパーツを装備・換装する構成となっており、主にエースパイロット・指揮官専用機として運用された。
追加装備をガンダリウム合金で構成していたプロト・スタークジェガンとは違い、増加装備の構成素材はすべてチタン合金セラミック複合材に置き換えられている。
D型のバリエーション機だが、エコーズ仕様やEWACジェガンといった他のD型バリエーションとは違い、プロト・スタークジェガンという「前段階」がある為、型式番号はD型バリエーションに則した物ではなく、RGM-89Sが採用されている。
増加装備のオプション化によってデッドウェイトとなる装備を状況に応じて強制排除することが可能になっており、それに伴う姿勢制御などのバランス調整はOSが自動的に行うと言う形で徹底されている。
また、野戦換装的な仕様ではあるが、当機から対艦戦闘用装備と一部追加装甲を外す事で「高機動型ジェガン」と呼ばれる別種のバリエーション機となる。
プロト・スタークジェガン
スターク・ジェガンの運用試験機。
初期型のジェガンに、生産性を度外視して対艦攻撃用の改修を施した機体であり、第二次ネオ・ジオン抗争の翌年に完成した。
胸部追加装甲は一体構造となっており、左右並列式の複座型コックピット(左側シートが操縦・右側シートが火器管制を担当)が採用されており、火器管制シート上面には展開式の情報表示用モニターが追加されている。また、初期型がベースということもありコントロールスティックはアームレイカー仕様となっている。
制式型とは違い専用のシールドを装備する事によって核ミサイルの運用も可能となっているが、運用例は確認されていない。
追加装甲はガンダリウム合金を採用しており、対弾性を向上させており、またバックパックと脚部には自重増加による機動力低下を防ぐ目的の為にスラスターユニットを増設。ガンダリウム製装甲によって軽量化されたということもあり、機動力に関してはむしろジェガンよりも向上している。
少数が生産され、地上・宇宙など様々な場所でジオン残党を相手に実戦テストが繰り返され、そのデータが制式型へとフィードバックされた。
主なパイロットはアルバ・メルクルディ、メルツ・マーレス、ドリット・ドライ。
武装
バルカン・ポッド・システム
ジェガンと同様の60mm機関砲。左側頭部に装備。
ビームサーベル
前腕の追加装甲に2基づつ収納されている格闘用ビーム兵器。
格納用ボックスはグレネードランチャーとの選択式となっている。
ビームライフル
連邦軍では一般的な携行型ビーム砲。
ジムⅡが運用していたタイプの改造品を使用。ジェガンと同型のものも使用可能。
ハイパーバズーカ
380mm口径の対艦・対要塞戦用バズーカ。名称こそ従来のものと同じだが本機専用に設計されたもので、直撃時の威力が底上げされている。
通常弾頭のほか、高機動機やミサイルなどに対応するための散弾タイプも装填が可能。
マシン・キャノン
プロト・スタークジェガンに増設されていた大型の機関砲。
換装式に変更された物は、給弾スペースが確保できなかったためオミットされ、ダミーバルーンの発射口に変更された。
3連装ミサイル・ポッド
両肩に設置された対艦用の大型ミサイル。ユニット自体にセンサーが装備されているため、命中精度は非常に高い。
撃ち尽くした後はデッドウェイト化を防ぐため、任意操作でパージすることが可能。
大型ミサイル
プロト・スタークジェガンに装備された大型ミサイル。
3連装ミサイル・ポッド側面に装備する物と、肩部に専用のユニットを介して接続する大型対艦ミサイルの二種類が存在する。
劇中での活躍
ロンド・ベル隊クラップ級「キャロット」所属の機体が袖付き所属のクシャトリヤと戦闘を行い、僚機が撃墜されながらも、散弾や接近戦を用いた対ファンネル戦術によって善戦するも、パワー負けして撃墜されている。
また、パラオ攻略作戦に於いてプロト・スタークジェガンがデルタプラスと共に補充戦力としてネェル・アーガマに配備され、大型対艦ミサイルによる対艦攻撃を敢行している。
関連イラスト
設定とデザインの変遷
最初期のスタークジェガンは今で言うプロト・スタークジェガンに近いデザインだったが後に今のデザインに近いものにリファインされCCA-MSVの機体としてGジェネやガンダムバトルユニバースなどに出演していた。
その後機動戦士ガンダムUCが映像化されるにあたって一度リファインされたスターク・ジェガンを元に再リファインされる。(この時カトキハジメは複座型と知らなかったためコックピットがある胸部分は通常のジェガンと同等の大きさだった。)
機動戦士ガンダムUCep.1公開時はCCA-MSVのスタークジェガンとUC版スタークジェガンはまだ同一機体の扱いであった。
しかし、その後UCep.3にほぼ最初期デザインのまま作画タッチのみ変更したスタークジェガンが登場(最初基盤をデザインした明貴美加自らアニメ用にリファインした)し、ほぼ同時期に再リファイン前のデザイン版はCCA版として、ep.1に出演していたものはUC版として、ほぼ最初期デザイン版のものはプロト・スタークジェガンとして3デザイン全て別機体扱いになった経緯がある。
(ep.7にもコックピット部分が大きめのCCA-MSV版に近いものが登場し「プロト・スタークジェガン」と呼ばれていたがそうなると「プロト・スタークジェガン」と呼ばれる機体が2デザイン存在してしまうためか現在ではプロトとCCA-MSV版は区別されている傾向にある。)
また、BB戦士には通常のジェガンにCCA-MSVのスタークジェガンの一部パーツをつけた「ジェガン(武装強化型)」と言うものも存在するが通常のジェガンとのコンパチ性を重視するために顔などは通常のジェガンのままで同プラモの説明書にもGジェネデザインのスタークジェガンのCGイラストと共に別機体である注意書きがされている。
その他にも細部のデザイン違いやミサイルなどを付けず機動強化のためのブースターなどをつけた別機体なども存在する。
プラモデル
Gジェネレーションのヒットにより上記の「ジェガン(武装強化型)」が発売された。
HGUC1/144キットとしてUC版が「スターク・ジェガン」名義で発売され後にプレミアムバンダイ限定でCCA-MSV版も発売された。
ゲーム
ガンダムオンラインやGジェネ等に出演。
原作を元にしたゲーム「PS3機動戦士ガンダムUC」でも登場。
この作品ではリゼルやシナンジュのライフルの他、本来はスペック(設定)的に使用不可能なビームマグナムも装備可能な他、パージも再現されている。
プロトスタークジェガンの大型対艦ミサイルも、巡洋艦の砲台を纏めて破壊できる範囲攻撃も行えるなど、強力な対艦攻撃として使用できる。
高機動ジェガンも二丁持ちとして使用できる。