概要
現存資料では「死者の書」に姿が描かれているのが有名な、エジプト神話の謎の神、あるいは何らかの神の別名。
アルファベットに転写した表記は「Medjed」で、その名は「打ち倒す者(The Smiter)」を意味する。
眉毛と目が描かれた頭巾か袋に足が生えたような不思議な姿をしている。
バンダナを巻いていたり、花瓶のような姿、男根のような姿、オシリスの頭部を収める容器のような姿でも描かれることがある。
見た目こそコミカルだが、オシリスの館に住まい、オシリスの敵を目によって滅ぼす(邪視のようなものか、目からビームのように何かを放射するのか不明)というその名にふさわしい権能を持つ。
オシリスの丘や、葬儀用の壺に隠れた姿であるといい、人の心臓を喰らい、死者の肉体を聖別する、という「死」と縁の深い神である。
太陽神ホルスが地平線から現れる前の相とも言われ、不可視の存在とされる。
目が書かれた袋に足が生えた図像表現も、彼が目に力を持ち、見えない存在であることを表現したものかもしれない。
なお、「メジェド」というのはあくまでも直接表現ではない形容で、その袋の「中の人」ならぬ「中の神」がいる可能性があり、「死者の書」の描写からすると相当偉い神様(特に、別名が「隠されたもの」で、太陽神で、戦神の要素もあるアメン)ではないかという指摘がある。
詳しくは、下の外部リンクを参照。
「無限∞空間」ブログ「現在位置を確認します。」内「大人気? メジェド様とその周辺 ~死者の書・第17章の前後解釈を添えて」
そのシュールな姿から、「死者の書」が日本で展示されて以来、ネット界隈では一種のゆるキャラ的な扱いを受けており、最近ではついにラブコメ漫画のメインヒロインに抜擢されるという快挙(?)を成し遂げた。
創作におけるメジェド様
「パズル&ドラゴンズ」
詳しくは「メジェドラ」を参照のこと。
「モンスタードライブレボリューション」
「不可視の神」という神話の要素を「巨大な盾の陰に身を隠す少女」と解釈するという大胆過ぎるアレンジにより、まさかの萌え擬人化。
一見原型を留めていないが、よく見ると盾のシルエットがまんまメジェド様であり、特徴的な「目」の意匠も見て取れる。
詳細はモンスタードライブレボリューション攻略Wikiまとめ 王墓の監視者メジェドを参照。
アニメ「神々の記」
第一話から登場。
見た目や心臓を食らうという設定はオリジナルと同じだが、イアビ曰く「新鮮な心臓を好む」との事で食事感覚で心臓を食べている節がある。
イアビの友人でミイラ作りを仕事にするアーケウをやけに気に入っており、眠っている彼の枕元に現れるなどのストーカー行為をしている。
一方でアーケウの言う事は素直に聞く。
ゲーム「Fate/Grand Order」
第1部第六章「神聖円卓領域キャメロット」にて登場。同章で登場するキャスターのサーヴァント、ニトクリスの攻撃モーションでも列を組んで多数のメジェドが出現する。
ニトクリス本人も、メジェドとの関連が推察されるホルスの意匠を持つ。
アサシン版であるニトクリス(水着)の未再臨(第1段階)は目のついた布をかぶり足だけを出したメジェドそのものの姿。
その他
作中にて、刑部姫の部屋や源頼光(水着)のチョコ礼装『極上生チョコタルト』、アーチャー・インフェルノのチョコ礼装『甘栗子ちよこれいと』、エレシュキガルのチョコ礼装『冥界のスイートホーム』、刑部姫のチョコ礼装『ありきたりで悪い?』のイラスト担当者ベップミツナカ氏がアイコンとしてメジェドのイラストを使用している(2018年2月現在)。