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A380の編集履歴

2019-06-24 18:50:08 バージョン

A380

えあばすえーさんびゃくはちじゅう

A380とは、エアバス社が開発した全2階建ての超大型旅客機。

概要

エアバスが開発した世界初の全2階建ての超大型旅客機

2007年10月25日にシンガポール航空にて初就航した。

客席数はボーイング747をも上回る、文字通り世界最大の旅客機。

その輸送能力も巨大であり、全席をエコノミークラスにすれば850人以上を乗せることが可能とされている。

もちろん、その輸送・搭載能力を収容力ではなく豪華装備に回すことも可能であり、採用している各社ではバーやラウンジ、シャワールームなど多彩な装備を詰め込んで文字通りのフラッグシップ機として運用されている。

その様は、まさに空飛ぶホテルである。


機体

全2階建て構造の機体。これがA380の最大の特徴である。「全2階建て」の仕様は必ずしもいいことばかりではなく、空港によっては既存の(ボーイング747用など)ボーディングブリッジが使用できないなど、デメリットが多い。

ちなみに日本の空港においては、成田空港及び羽田空港国際線ターミナルはA380対応のスポットが用意されている他、新千歳空港関西国際空港中部国際空港でも適合が確認されている。

エンジンターボファンエンジン4発を搭載。

B747以来の4発機。メーカーとしてはロールス・ロイス(トレントシリーズ)か、エンジンアライアンス(GP7000シリーズ)が選択可能。1台辺りの推力は36t前後となっている(ちなみにB747のJT9D・RB211・CF6は25t前後)。

コクピットはA320とほぼ同じ仕様となっており、また飛行特性も極力A320に近づけてあるとされており、(エンジンが4発である以外は)パイロットは僅かな違いの講習のみで乗り換えられるとされている。もちろん、操縦桿はエアバス得意のサイドスティック方式(横にゲームのジョイスティックのような操縦桿を取り付けている)。


全二階建ての旅客機は今に始まったことではない

「全二階建て」というのがA380の最大の特徴だが、全二階建ての旅客機というのは構想まで含めれば今に始まったことではない。

例えば旧マクドネル・ダグラスは「MD-12」という全二階建て・4発の旅客機を検討していたし、ボーイングも747のバリエーションとして全二階建てのモデルも検討していた。


日本では

A380と同じく大型機のボーイング747を世界で多く飛ばしている日本。そのため日本航空全日空が導入するのではないかと報道された。2010年10月にはエアバスの意向で羽田-新千歳間のデモフライトが行われた。


2011年2月6日、スカイマークが国際線進出の切り札として6機の購入契約を結んだ。スカイマークは大量輸送により低価格を実現できること、居住性の良さをポイントにしていた。計画通りに進めば2014年に2機を導入し、同年末~2015年以降にはJAナンバーのA380が日本の空を飛ぶことになり、ロンドン、フランクフルト、ニューヨークへ就航させ、さらに2018年にはさらに9機を発注することになっていた。

ところがLCCの台頭もありスカイマークは経営が悪化。2014年4月からエアバスとA380の購入キャンセル交渉を行っていることが同年7月に明らかになった。スカイマークが経営状況の悪化から「2機の導入延期と4機の契約解除」を申し出た。その際にエアバスから提示された大手航空会社の傘下に入ることと法外な違約金について問題視し、応じられないと発表。エアバスは「大手航空会社の傘下になるよう要求していない」と否定しているものの、29日までに購入契約解除を通告し、700億円規模の違約金を請求した。10月には2機が他の航空会社に売られる見通しとなったことになり、違約金は200億〜230億円となったと朝日新聞が報道。12月19日にエアバスが英国商事裁判所に訴訟の準備を行ったことが報道され、スカイマークも追認した。これにより日本の航空会社初のA380導入は一旦見送られた。


ANAは2008年末までにA380導入の是非について結論を出す予定だったが、12月に世界経済の悪化を受け「ボーイング747-8とともに大型機の導入計画を凍結する」と発表した。2014年3月には、エアバスA380を導入せず、ボーイング777-9などを導入することを決めた。

その後2016年1月26日、ANA親会社のANAホールディングスがA380を3機を購入することを決めたと正式発表、2018年にも成田からハワイ向けリゾート路線に導入するとした。

2019年5月24日に成田-ホノルル線にスカイブルーの「FLYING HONU(空飛ぶウミガメ)」1号機が週3往復で運航開始。7月1日にはエメラルドグリーンの2号機が加わり週10往復体制となる予定。またサンセットオレンジの3号機は2020年度中の受領を予定する。


また海外の航空会社が保有する機体が成田空港や関西国際空港に飛来している。またシンガポール航空も2014年の夏休みにおける一部期間限定で名古屋線開設25周年事業の一環として中部国際空港に運行した事もある。


生産終了へ

大きすぎるために採算が取れる路線が限られること、双発機の大型化や性能向上により4発機の受注数が減少傾向にあることから、2014年と2015年は航空会社から新規発注を得られず、リース会社から発注を受けるのみとなった。このまま注文がなければ、受注残が残っている2018年をもって生産終了になると示唆された。2016年5月にはすでに104機のA380-800を世界中に飛ばしているUAEエミレーツ航空が追加発注することがわかった。これにより生産が継続されたが、2019年になるとエミレーツは直近に発注した20機をダウンサイズのA350ファミリーやA330neoに変更した。


また貨物仕様としてA380-800Fが開発されたものの、重量物を運べないのでメリットがなく、ボーイング747-8Fやボーイング777Fのほうがロスが少ないといわれた。軽い貨物を扱うフェデックスなどが発注したものの、旅客型の発注遅れが貨物型にも影響を及ぼしかねないとしてキャンセルした。これによりエアバスは貨物型のすべての発注を失い、開発が中断された。


カンタス航空は20機を発注し、2011年までに12機を納入していたが、2019年2月に残る8機をキャンセルした。この時点でエミレーツとANAに納入する分が残っていたが、2月14日、頼みの綱だったエミレーツが発注したもののうち39機をキャンセル、A330-900を40機、A350-900を30機代替発注し、エアバスはついに生産終了を発表した。


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