2020年現在の人口は約26万人。札幌・旭川に次ぐ北海道第3の都市で、渡島総合振興局の局庁舎が置かれ、渡島半島の拠点にもなっている。
北海道でも(松前・江差などと並び)古い歴史のある町のひとつで、幕末・明治初期の五開港地のひとつでもある。
漁師町としての側面も持ち、市の魚としてイカを定めている。
社会
北海道を代表する観光地のひとつ。夜景が美しいことで有名。全国で最もイメージのよい自治体という調査結果もある。
一方で高齢化が進む北海道の中でも、小樽市や室蘭市と並び人口減少が特に深刻な自治体のひとつ。地元に就職先が少ないため、函館の学生は卒業と共に札幌や東京へ出ていくものが大半であり、東京で同窓会が行われるケースすらある。
歴史
室町時代あたりから和人が定着し、アイヌとの交易地として栄えた。江戸時代から幕末にかけては「箱館」と呼ばれ、明治2年に現在の名に改められたが、これはアイヌ語とは全く無関係。アイヌ語名および中世の古名は「ウスケシ」(宇須岸)。
戦国時代からの歴史のある街であり、江戸時代には日本有数の港町として繁栄。幕末には日本初の国際貿易港として開港し、西洋や東京の文化を北海道に受け入れる窓口となった。大正時代には北洋漁業の拠点ともなり、北海道最大の人口を誇った。
昭和初期に市街地の大部分が焼ける大火災に見舞われ、復興はしたものの人口を札幌市に抜かれてしまう。
それでも戦後復興とともに遠洋漁業や造船業などの重工業が栄え、青函連絡船の盛況とともに「北海道の玄関口」として繁栄を続けてていたが、1970年代に本州と北海道の移動が航空機へシフト、時を同じくして海洋「200カイリ時代」のスタートによって基幹産業であった北洋漁業が息の根を止められ、函館どつくも「造船不況」で大規模な人員整理を実施、街には失業者があふれた。以来、坂道を転げ落ちるように衰退の一途をたどり、1988年には青函連絡船が終焉を迎える。代替の産業として観光に力を入れるものの漁業・造船業・運輸業の衰退の埋め合わせはできず、現在に至るまで高齢化と若者の流出が止まっていない。近年は地域の経済を支えてきたスルメイカが不漁となり、函館の将来に深刻な影を落としている。
交通
函館空港は札幌のほか、東京(成田・羽田)、名古屋(中部)、大阪(伊丹・関西)といった大都市と結ばれている。
北海道の他の町と同様、基本的に車社会であるが、函館バスは市内をくまなくカバーしており、市外を縦断して函館市電も走り、(観光都市ということもあり)比較的交通手段には恵まれている。
代表的な観光スポット
函館は北海道を代表する観光都市のひとつであり、ミシュラン・グリーンガイド・ジャポンにおいて最も取り上げられている項目が多い都市として話題になった。特に旧市街地の西部地区には非常に多くの観光名所がある。昭和9年の大火を免れた西部地区には、往時の繁栄を偲ばせる町並みや、金森倉庫や函館公会堂、函館ハリストス正教会など多くの近代建築が残っている。また、市内及び郊外には多くの温泉もある。
広域
函館市電(旧市街地と新市街地を貫通し、郊外の湯の川温泉まで通じている)
函館港
旧市街地(西部地区)
函館山:夜景を展望できる。
函館西部地区の町並み
函館朝市
青函連絡船記念館摩周丸
金森赤レンガ倉庫
ハリストス正教会
カトリック元町教会
旧函館区公会堂
旧イギリス領事館(開港記念館)
旧相馬邸
立待岬
船魂神社:平安時代末期の創建と伝えられる、北海道最古の神社のひとつ。
新市街地(旧亀田村)
四稜郭
笹流ダム
道南四季の杜公園
亀田八幡宮:新撰組ゆかりの神社。
郊外
湯の川温泉
市営熱帯植物園
トラピスチヌ修道院:トラピスト会の女子修道院。
香雪園、見晴公園:明治期の日本庭園。紅葉の名勝地として知られる
大船遺跡
川汲温泉
周辺地域の観光スポット
大沼(七飯町)
城岱牧場(七飯町)・きじひき高原(北斗市):函館市街地をはさんで函館山の反対側にあり、ここから一望できる函館の夜景は「裏夜景」として知られる
トラピスト修道院(北斗市)トラピスト会の男子修道院。
鹿部の間歇泉(鹿部町)
pixivで見る函館観光ガイド
※本市最寄りとなる新函館北斗駅は北斗市に所在。