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函館本線

はこだてほんせん

北海道の南西部と中北部を結ぶJR北海道の営業路線。道内三大都市の函館市・札幌市・旭川市をつなぐ。
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基本データ編集

運営JR北海道
路線距離本線423.1km・支線35.3㎞
本線起点函館駅(北海道函館市)
本線終点旭川駅(旭川市)
本線主要経由駅長万部駅(長万部町)・倶知安駅(倶知安町)・小樽駅(小樽市)・札幌駅(札幌市北区)
軌間1,067mm
電化区間函館駅〜新函館北斗駅(北斗市)・小樽駅〜旭川駅(交流20,000V・50Hz)
最高速度120km/h

概要編集

かつては旧日本国有鉄道、現在はJR北海道が運営する鉄道路線。

上記の地域を経由する本線と、大沼駅(七飯町)から渡島砂原駅(森町)を経て森駅(森町)までを結ぶ支線で構成される。

路線としては、道庁所在地・政令指定都市である道内最大都市の札幌市、道北方面の交通の要所である2番目の旭川市、道南の中心都市で本州方面との玄関口である3番目の函館市を結んでいる。

今日では後述のように区間運転化が進んでいるが、それでも旅客・貨物共に道内及び北日本の人流・物流における重大な大動脈の一つとなっている。

また路線全体のおおよそで国道5号線国道12号線が並行する。


運行形態編集

函館 - 長万部間、長万部 - 小樽間、小樽 - 旭川間の3線区で全く性格が異なり、それぞれが実態上別路線と化している。


函館 - 長万部間編集

函館駅 - 新函館北斗駅間は電化交流20,000V・50Hz)されており、2024年令和6年)3月16日以降はKitacaエリアに含まれている。それ以外の区間は非電化で、Kitacaエリアには含まれていない。全区間が道南道央を結ぶメインルートの一部を担っており、特急「北斗」(函館駅 - 札幌駅間)が運行されている。


電化は函館駅 - 五稜郭駅間が1988年昭和63年)3月13日津軽海峡線青函トンネル)開通、五稜郭 - 新函館北斗間が2016年平成28年)3月26日北海道新幹線新青森駅 - 新函館北斗駅間)開通によるもので、後者はJRでは平成最後の新規電化区間となった。


電化区間は函館近郊路線の性格を持つ他、北海道新幹線と接続する連絡列車「はこだてライナー」が運行されている。また、函館 - 五稜郭間には道南いさりび鉄道(旧・江差線)列車も乗入れる。


非電化区間は普通列車本数が少なく、特急運行がメインとなっている。七飯駅 - 森駅間は通称「8字区間」と呼ばれており、本線と支線の2本に分かれ、それが途中大沼で合流するという変則的な運行形態となっている。ただし、大沼 - 森間支線(通称・砂原支線)は独自営業キロが設定されているのに対し、七飯 - 大沼間(通称・藤城支線)は途中駅がない下り専用で独自の営業キロ設定はない(ここを通る旅客列車は新函館北斗を通らないこととなる)。


五稜郭(函館貨物) - 長万部間は支線部も含めてJR貨物が第2種鉄道事業者として貨物列車を運行している。1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化時は函館 - 五稜郭間貨物営業も第2種鉄道事業者として国鉄から承継したが、2002年(平成14年)4月1日に廃止されている。


長万部 - 小樽間編集

この線区は全区間が単線・非電化であり、Kitacaエリアには含まれていない。内陸部を経由しており、「山線」と通称されるように勾配や曲線が多いルートとなっている。


元々は道南と道央を結ぶ幹線の一部であり優等列車(特急急行)や貨物列車も経由していたが、徐々に勾配や曲線が少ない室蘭本線千歳線経由運行にシフトして行き、1986年(昭和61年)11月1日に特急「北海」・急行「ニセコ」が廃止されたことで山線経由定期優等列車が消滅した。1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化時に貨物営業が廃止された(JR貨物はこの線区の貨物営業を第2種鉄道事業者として承継していない)。以後、2000年(平成12年)3月31日 - 2001年(平成13年)6月30日に実施された有珠山噴火に伴う迂回運転以外では定期優等列車も貨物列車も運行されておらず、事実上のローカル線と化している。


小樽 - 旭川間編集

この線区は全区間が複線化&電化(交流20,000V・50Hz)されており、Kitacaエリアに含まれている。このうち、南小樽駅 - 岩見沢駅間は1880年明治13年)11月28日から1882年(明治15年)11月13日に掛けて官営幌内鉄道として開通した、北海道最初の鉄道路線手宮駅 - 幌内駅間)の一部である(手宮 - 南小樽間は後の手宮線、岩見沢 - 幌内間は後の幌内線)。


道央道北方面を連絡する都市間輸送を担う幹線の一部であり、そのうち札幌近郊の小樽駅〜岩見沢駅間においては札幌都市圏の通勤通学路線としての役割を担っている。桑園駅 - 札幌駅間は札沼線(学園都市線)用線路(単線)が並行している他、札幌駅 - 白石駅間は千歳線用線路(複線)が並走する方向別複々線区間となっており、運行系統上は両路線旅客列車が全て札幌まで乗入れる。特快/快速エアポート」など千歳線一部列車が小樽方面へ直通運行を行っている。


苗穂 - 旭川間はJR貨物が第2種鉄道事業者として国鉄から貨物営業を承継し、貨物列車を運行している。1987年(昭和62年)4月1日の国鉄分割民営化時に小樽 - 手稲間貨物営業が廃止され、2006年(平成18年)4月1日にJR貨物が手稲 - 苗穂間第2種鉄道事業を廃止した。


なお、「函館本線」は演歌歌手・山川豊デビュー曲タイトルとしても知られるが、歌詞に「石狩平野」が出て来ることからこの区間について歌ったものと推測される。


使用車両編集

運転系統上、千歳線道南いさりび鉄道(旧・江差線津軽海峡線〉)のみを運行する列車・車両は含まない(それぞれの項目を参照)。


現行編集

気動車


電車

  • 789系:0番台が特急「ライラック」、1000番台が特急「カムイ」で使用。
  • 721系:3両編成は小樽 - 岩見沢間普通列車で使用。6両編成は特快/快速/区間快速「エアポート」でも使用(733系3000番台と共通運用)。
  • 731系:小樽 - 岩見沢間普通列車で使用。一部列車はキハ201系と併結。
  • 733系:0番台(3両編成)は小樽 - 岩見沢間普通列車で使用。3000・4000番台(6両編成)は特快/快速/区間快速「エアポート」で使用(721系6両編成と共通運用)。1000番台(3両編成)は函館 - 新函館北斗間快速・普通「はこだてライナー」で使用。
  • 735系:小樽 - 岩見沢間普通列車で使用。
  • 737系:岩見沢 - 旭川間普通列車で使用。

ディーゼル機関車

  • DF200形:JR貨物が所有。五稜郭(函館貨物) - 長万部間及び苗穂 - 旭川間で貨物列車を牽引。

過去編集

気動車


電車


客車


蒸気機関車

  • D51形
  • D52形
  • C62形:急行「まりも」→「ていね」→「ニセコ」などで使用。長万部 - 小樽間は重連で牽引した。

ディーゼル機関車

  • DD51形:JR北海道・JR貨物が所有。JR北海道所有車は寝台特急や夜行急行牽引(函館駅または五稜郭 - 札幌間)で使用。

電気機関車

  • ED75形500番台:国鉄時代に小樽 - 旭川間貨物列車牽引で使用。
  • ED76形500番台:小樽 - 旭川間客車・貨車牽引で使用。

今後の予定編集

北海道新幹線新函館北斗 - 札幌間は、上記の山線経由にほぼ並行したルートになる予定であり、並行在来線となる函館 - 小樽間は経営分離される予定である(そうなると「留萌を通らない留萌本線」同様、「函館本線が、函館を通らない」ことになる)。このうち、山線は定期優等列車も貨物列車も走らないローカル線であり(そもそも軸重の関係で貨物用のDF200形ディーゼル機関車が山線には入線不可能)、運行される普通列車の本数も極端に少ないことから鉄道路線としての存続自体が困難と見られていた。

そして2022年2月3日、余市駅 - 小樽駅間存続を求める余市町と、態度を保留とした小樽市を除く全沿線自治体が鉄道路線存続を断念し、バス路線への転換を受入れることを表明。

2022年3月26日未明に行われた北海道と沿線の小樽市、余市町での3者協議では、余市 - 小樽間をバスに転換する方向で合意した。

結果、長万部 - 小樽間廃止・バス転換が決まった。整備新幹線並行在来線に指定された区間が第3セクター鉄道に移管されることなく廃止されるのは、1997年10月1日に北陸新幹線高崎 - 長野間(通称・長野新幹線)開業に伴い廃止された信越本線横川 - 軽井沢間(碓氷峠を越える通称・横軽)以来2例目となる。

一方で、現状は余市駅 - 小樽駅間は乗客が多く需要があること、代替バスも人材不足が深刻でバス運転手の確保が難しいこと、さらには室蘭本線側の有珠山が噴火した際の貨物列車の迂回路が無くなるためどうするかなど課題も出てきている。


2024年3月29日に公表されたJR北海道が2030年度末に予定する北海道新幹線札幌延伸後に、在来線の高速化により札幌駅〜旭川駅間の所要時間を25分短縮し、最速60分で結ぶ事業構想が示された。


2024年4月1日に公表された「JR北海道グループ中期経営計画2026」では、北海道新幹線札幌延伸後に在来線の改良による高速化(軌道強化・線形改良・最高速度の向上・高架化による踏切解消など)を行い、札幌 - 旭川間(136.8km)の所要時間(最速)について1時間25分(2024年3月18日時点)から60分への短縮を目指す構想が示されている。


主要駅編集

函館駅 五稜郭駅 新函館北斗駅 大沼公園駅 森駅 八雲駅 長万部駅 倶知安駅 余市駅 小樽駅 手稲駅 札幌駅 岩見沢駅 美唄駅 砂川駅 滝川駅 深川駅 旭川駅


駅一覧編集

函館駅~長万部駅編集

●:停車 ㇾ:通過


駅番号駅名普通快速乗換路線備考
H75函館函館市電:本線・大森線 …函館駅前停留場(DY17)
(貨)函館貨物
H74五稜郭道南いさりび鉄道
H73桔梗
H72大中山
H71七飯藤城線
H70新函館北斗北海道新幹線旧駅名「渡島大野」。ここまで交流電化&函館Kitacaエリア。
H69仁山ここから非電化。
H68大沼砂原線/藤城線
H67大沼公園
H66赤井川
H65駒ヶ岳
(H63)姫川信号場
H62砂原線
H58石倉
H57落部
H56野田生
H55山越
H54八雲
(H53)鷲の巣信号場
H52山崎
H51黒岩
(H50)北豊津信号場
H49国縫
H47長万部小樽方面/室蘭本線

砂原線編集

駅番号駅名乗換路線備考
H68大沼函館本線(本線)
(N69)銚子口信号場
N68鹿部
N67渡島沼尻
N66渡島砂川
N65掛澗
N64尾白内
N63東森
H62函館本線(本線(

長万部駅~小樽駅間編集

駅番号駅名乗換路線備考
H47長万部函館方面/室蘭本線
S32二股当駅 - 黒松内間に蕨岱駅が存在した(2017年廃止)。五十音順で並べた時に最後に来る駅として知られていた。
S30黒松内
S29熱郛
S28目名
S27蘭越
S26昆布
S25ニセコ
S24比羅夫
S23倶知安新幹線ホーム建設が急ピッチで進んでおり、近年環境が大きく変貌している。
S22小沢旧岩内線起点。
S21銀山同駅 - 小沢間は稲穂峠と呼ばれる山岳区間で、「SLニセコ号」運行当時は鉄道写真の聖地として知られていた。
S20然別
S19仁木
S18余市
S17蘭島
S16塩谷
S15小樽函館本線(札幌方面)

小樽 - 旭川間(電化区間)編集

●:停車 ▲:一部停車 ㇾ:通過

※全区間札幌Kitacaエリア


駅番号駅名特快エアポート快速エアポート区間快速エアポート快速ニセコライナー乗換路線備考
S15小樽函館本線(長万部方面)
S14南小樽旧手宮線の起点駅。
S13小樽築港
S12朝里釧網本線北浜や室蘭本線北舟岡の影に隠れがちであるが、海沿いにある駅、そして簡易Kitaca改札機が壁に向けて設置されているとしても有名。
S11銭函
S10ほしみここから特定都市制度の札幌市内エリア
S09星置
S08稲穂札幌運転所が隣接している。
S07手稲
S06稲積公園
S05発寒
S04発寒中央
S03琴似
S02桑園札沼線
01札幌札幌市営地下鉄南北線/東豊線さっぽろ駅
H02苗穂苗穂工場が隣接している。
H03白石千歳線
(貨)札幌貨物ターミナル
A04厚別
A05森林公園特定都市制度札幌市内はここまで
A06大麻
A07野幌
A08高砂
A09江別
A10豊幌
A11幌向
A12上幌向
A13岩見沢室蘭本線
A14峰延
A15光珠内
A16美唄
A17茶志内
A18奈井江
A19豊沼
A20砂川
A21滝川根室本線
A22江部乙
A23妹背牛
A24深川留萌本線
A25納内
A27近文当駅 - 納内間に伊納駅が存在した(2021年廃止)。また神居古潭駅を含めた旧線からの線路付替区間でもある。
A28旭川宗谷本線/石北本線/富良野線交通系ICカード最北の対応駅

関連タグ編集

函館 大沼公園 長万部 ニセコ 倶知安 小樽 札幌 岩見沢 滝川 旭川


室蘭本線 千歳線 札沼線(学園都市線) 根室本線 留萌本線 宗谷本線 石北本線 富良野線

道南いさりび鉄道(旧・江差線) 瀬棚線 胆振線 岩内線 手宮線 定山渓鉄道 夕張鉄道 幌内線 美唄鉄道 歌志内線 深名線


北斗 北海(※終了) ニセコ(※臨時) ライラック/カムイ オホーツク 宗谷

はこだてライナー エアポート ニセコライナー いしかりライナー(※終了)

北斗星 トワイライトエクスプレス カシオペア はまなす


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