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はまなす

はまなす

植物名とそれに由来する列車名・船名。本項目では列車名としての「はまなす」について説明する。画像はJR時代。
目次 [非表示]
  1. 植物 → ハマナス
  2. 1.に由来する国鉄函館駅網走駅間で運行していた準急急行列車、及びJR北海道青森駅札幌駅間に運行していた急行列車。本項で説明。
  3. 1.に由来する新日本海フェリーが舞鶴港~小樽港間に運航するフェリーの船名。現在運航されているのは3代目で日本の定期航路で運航されるフェリーとしては最大である。

列車名としての「はまなす」

概要

初代「はまなす」は1955年6月から函館駅~小樽駅~札幌駅~旭川駅~網走駅間を函館本線石北本線経由で運転していた準急・急行列車。1968年10月ダイヤ改正で「大雪」に統合。現在の特急「オホーツク」の源流の一つとなる。


二代目の「はまなす」は1988年3月13日青函トンネルを含む津軽海峡線が開業すると同時に、それまでの青函連絡船深夜便の代替として青森駅~函館駅~室蘭駅~札幌駅間を函館本線・室蘭本線経由で運行開始。JRグループ発足後に新しく設定された数少ない急行列車であり、2012年3月のダイヤ改正で同じく急行列車の「きたぐに」が廃止(臨時列車化→後にこれも廃止)された事により、以降はJR最後の定期急行列車、そして2015年3月以降はJR最後の定期客車列車となった。


似たような(というよりもよりメジャーな)存在として「北斗星」などの「ブルートレイン」があるが、こちらは寝台特急に分類されるものであり、はまなすは「寝台車を連結しただけの夜行急行(すなわち急行の夜行列車)」である。


先述の寝台特急や夜行列車はモータリゼーションに伴う高速道路の延伸・新幹線の開業・長距離深夜バスの台頭などで衰退の一途を辿っていったが、津軽海峡には道路用トンネルが存在しないことから高速バスや自家用車で走行できず、より所要時間の掛かるフェリーか、場合によっては遠回りになる青森―新千歳の飛行機しかないため、需要を失うことなく生き長らえることとなった。


だが2016年春の北海道新幹線 新青森駅新函館北斗駅間開業にともない運行終了、廃止。最終運行日は札幌発が3月20日、青森発が3月21日。この列車は全車指定席で運行された。

廃止後、一部の座席車は東武鉄道大井川鐵道に譲渡された。


設備の特徴

「はまなす」はB寝台から座席車、簡易寝台など編成内に様々なグレードの車両が連結されていた。

B寝台

函館方の1、2号車に連結される寝台車。「はまなす」で最もグレードの高い車両。

一部は24系が連結される。増結時は1号車と2号車の間に増21号車として連結。

のびのびカーペットカー

青函連絡船の桟敷にヒントを得たカーペット敷きの簡易寝台。4号車に連結。

寝台料金不要で枕と毛布付きであることから「はまなす」で一番人気の車両。冬には電気カーペットも用意。

ただし、あくまで座席扱いなので消灯時間でも車内放送を流した(B寝台では放送がカットされる)。カーペットカーは2両しか存在しないため、車両検査などの時は連結されない場合があった

ドリームカー

いわゆる指定席。5、6号車に連結される。

キハ183系のグリーン車用座席を転用しており、リクライニング角度がより深い。シートピッチも他のグリーン車と同じ1,160mmなので比較的楽な姿勢で寝ることが可能に。

こちらも事情によって連結されない場合があった(後述の自由席車が指定席扱いで連結)。

各車両の函館方にミニラウンジが存在。

自由席

3号車と7号車に連結される、ごく普通のリクライニング座席車。

状況に合わせて増結される一方、繁忙期には自由席を狙って多くの人がホームに列を作るため高確率で座席が埋まった。


編成表(一例)

基本編成

函館← →札幌・青森

1号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車
B寝台B寝台自由席カーペットカードリームカードリームカー自由席

最大増結時

1号車増21号車2号車3号車4号車5号車6号車7号車8号車9号車10号車11号車
B寝台B寝台B寝台指定席カーペットカードリームカードリームカー指定席自由席自由席自由席自由席

函館で機関車交換をする他、進行方向が変わる。

※1:あくまで最大増結時の編成例であるため、自由席/指定席は適宜変更される。

※2:1号車に使用されているスハネフ14-550が使用できない場合はオハネフ25を使用して、1号車の前に電源車としてスハフ14を連結した。基本的には回送扱いで客扱いしなかったが、例外的に自由席として開放される例もあった。

※3:1号車の先にマヤ34形などが連結されることもある。


考察

様々な設備を持つ客車列車だけにどの車両も予備がほぼないのが悩みの種であり、前述の通り車両検査になると本来とは違う設備の車両(ほとんどが普通座席車)に当たって乗客をガッカリさせることもあったようだ。ちなみに1号車には基本的に給電エンジンを搭載するスハネフ14 550が連結されるが、こちらも予備車がないため検査時にはオハネフ25を連結した(この場合の車両の取り扱いは上記を参照)。


一方で増結には臨機応変であり航空便の欠航で急遽増結を決めた例もあるなど、限られた両数の中で客車の長所を遺憾なく発揮する列車であったとも言えよう。


余談

本列車の廃止に際し、「日本から定期運用の客車列車が消滅した」という見方が存在したが、これは誤りである。確かにJRグループからは消滅したものの、私鉄を含めれば大井川鐵道井川線が定期の客車列車として現在に至るまで存続している。


また、「JR最後の定期急行列車」は正しいが、「JR車両の最後の定期急行列車」というのは厳密には間違っており、はまなす廃止日と同時にE233系2000番台小田急線で急行の運用が開始されたため、事実上は「急行」を名乗るJR車ははまなすからE233系2000番台にバトンタッチされたと言っても過言ではない。


関連イラスト

はまなすに乗って


関連項目

JR北海道 北斗星 北斗 ED79 DD51 14系 急行 津軽海峡線

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