- SFアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の略称。詳しくはこちらの記事を参照の事。
- 同作品に登場する架空の人型兵器の名称。本項にて説明する。
概要
建造目的とその性格
E計画により建造された、使徒と呼ばれる謎の敵性体の殲滅を目的とした汎用人型決戦兵器。劇中での略称は『EVA』。「生命の起源(アダムもしくはリリス)」をコピーして作った巨大な人工生命体を、装甲板を兼ねた拘束具で覆っている。そのため、巨大ロボットというよりは生物に機器を埋め込んだサイボーグ、怪獣の類として扱われることもある。
「A.T.フィールド」という強大なバリアを展開できるのが最大の特徴。これにより生半可な物理攻撃が通用しない他、至近距離でこのフィールド同士を中和させることによって相手の防御壁を無効化することが可能。そのため、同じくA.T.フィールドを持つ使徒に対して人類が保有する唯一の対抗手段とされている。
装甲兼拘束具の下にある生体部分については謎が多いが、基本的には四肢を用いて人間同様の運動を可能とし、眼球がある、損傷した際には流血する、胴体が大破すれば内臓のような物体が露出するなど、比較的高度な脊椎動物に近い構造が伺われる。
その一方で、関連書籍やメカニック設定関係からは、確たる統一見解ではないと言及されつつも、EVAの中身に相当する生命体は具体的な体組織を持たない泥人形のようなもので、器官や臓器はその時の状況に応じて場当たり的に形成されている、という考え方の一例も示されている。
兵器としての信頼性の不備
一方でしばしば原因不明の暴走事故を起こしたり、基地一つ丸ごと消滅させるような大爆発を引き起こしたりと、未だ人類の手で完全にはコントロールし切れない非常に危険な代物でもある。
生物の肉体のような体が鎧状の装甲で覆われているが、これは防御のためではなく暴走を抑制する拘束具である。新劇場版では裏コード「ザ・ビースト」で抑制が解除されより人外の禍々しい姿に変貌する機能が備わっている。
運用を任される葛城ミサトも、作中にて信頼性はゼロに近いと発言しているなど、果たしてコントロール出来ない兵器が存在していいのか、という疑問を視聴者に抱かせたのは想像に難くない。
運用とその制限
背部に「アンビリカルケーブル(直訳すると“へその緒”)」と呼ばれる電力ケーブルが接続されており、そこから電力を供給されることで稼働する(当然ケーブルを伸ばせる範囲内に電源が必要であり、そのためEVAの運用範囲は原則として電源設備のあるNERV管轄敷地内に限られる)。ケーブル断線時などの非常時用に内部電源も有しているが、これを用いた場合の稼働時間は最大でも5分程度。
なお、その建造および管理維持には、国家予算級の莫大な資金が必要とされる。
腕一本直すのに国一つが餓死すると言う言及もあり、果たして、兵器として以前にそもそも工業製品として大丈夫なんだろうか、と心配になる。
声を大にして問いかけたい。
とはいえ…
本来エヴァンゲリオンは純粋な兵器ではなく、人類補完計画に置ける起爆剤というのが本来の目的であり、兵器としての役割は付随的なものに過ぎない。
兵器として作られていない物に兵器としての役割を与えているのだから仕方ないとも言える。
後述するパイロットに必要とされる資質やその影響も含め、兵器としての信頼性はほぼ無いと言ってよい。
それでも…声を大にして言いたい。
旧日本軍の戦車と変わらねえよっ!仕事しろネルフ技術部
操縦方法
搭乗員の資質と搭乗にあたっての影響
パイロットは母親のいない14歳の子供に限定され(渚カヲルは例外的に15歳)、原則として1機体につき1人しか選出されない。
搭乗はエントリープラグと呼ばれる円筒状のコクピット容器を、EVAの後頭部から脊髄部位に挿入する事で行われる。プラグ内はL.C.Lという特殊な液体で満たされており、これを媒介にしてパイロットとEVAを直接神経接続させることで操縦を行う。また、L.C.Lは肺から直接血中に酸素を送ることができるため、この液体の中にいてもパイロットが窒息することはない。
この接続状況は「シンクロ率」という係数によって把握され、シンクロ率が上がれば上がるほどEVAの戦闘能力も向上するが、同時にEVAの受けたダメージの搭乗者へのフィードバックも大きくなる。また、あまりにもこれが上がり過ぎるとパイロットの精神・肉体に深刻な影響を及ぼし、EVAとパイロットとの間の境界が曖昧になった末、最悪“ヒトの形を維持できなくなり同化”のような事態も発生し得る。新劇場版においては、EVAとのシンクロ率が高くなればなるほどエントリープラグがEVAの内部コアに近づき、EVAが暴走した際にはエントリープラグを引き込もうとするなどの演出も見られた。
後に、EVAの体内には使徒と同様に「コア」が存在し、そこにはパイロットとEVAを円滑にリンクさせる為の触媒として、そのパイロットの母親の魂が封入されている事が判明する。搭乗者の選出基準が上記のようなものであったり、シンクロ率が先天的素質に大きく左右されるのもそのためである。
一方、新劇場版では劇中「(初号機以外の)EVAにはパイロットにも複数バックアップが用意されている」という旨の説明がなされており、この設定が受け継がれているかどうかは今のところ不明。
武装
手を介して使用する兵器
ほぼ全機体共通の標準装備として「プログレッシブナイフ」がある他、大型薙刀「ソニックグレイブ」や大型斧「スマッシュホーク」、電磁レールガン「パレットライフル」や陽電子砲「ポジトロンライフル」等々、必要に応じて様々な兵器を使用可能。
他にも「マゴロク・エクスターミネート・ソード」「全領域兵器マステマ」等、ゲームやスピンオフ作品にしか登場しない兵器も数多く存在する。
肩ジョイントに接続するもの以外は、基本的に対人兵器を巨大化させたものになる。
固定武装
尚、左肩バスル内には全機共通の装備としてニードルガンが装備されている。また、両肩バスル内はスラスターが装備されたこともテレビ版で確認されている。
機体名称表記など
兵器としての「汎用人型決戦兵器・人造人間エヴァンゲリオン」の略称表記は、公式の資料や関連書籍上ではアルファベットの「EVA」で統一されている。
また機体番号表記については、日本国内で建造された機体(EVA零号機~弐号機)は漢数字で、日本国外で建造された機体(EVA3号機~13号機)はアラビア数字で表記するという設定が存在する。
もっともこの設定はあまり認知・徹底されていない模様で、漫画やゲーム、フィギュア等では「3号機」を「参号機」と表記しているようなケースも多い。また、弐号機の組立はドイツ第3支部で行われている。
なお、新劇場版において、弐号機は「2号機」と表記を改められている。さらに新劇場版には「7」「10」「11」「12」の数字のEVAは全く話にも出てこず欠番扱いだと思われる。
一覧
TVシリーズ・旧劇場版・貞本漫画版
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:序・ヱヴァンゲリヲン新劇場版:破
- 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 試作零号機
- 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 試験初号機
- 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型2号機(先行量産型)
- 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型3号機
- 封印監視特化型限定兵器 人造人間エヴァンゲリオン 局地仕様仮設5号機
- EVANGELION Mark.06
ヱヴァンゲリヲン新劇場版:Q・シン・エヴァンゲリオン劇場版:||
- 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型 改2号機
- EVANGELION Mark.04
- 汎用ヒト型決戦兵器 人造人間エヴァンゲリオン 正規実用型(ヴィレカスタム)8号機
- EVANGELION Mark.09
- エヴァンゲリオン第13号機
その他
- 4号機 / 四号機:本編では名前のみ登場
- 乙型 / 乙号機:『名探偵エヴァンゲリオン』『バトルオーケストラ』に登場
- 甲号機:『バトルオーケストラ』に登場
- 無号機:短編『evangelion:Another Impact (confidential)』に登場