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B-52の編集履歴

2021-08-06 18:54:32 バージョン

B-52

びーごじゅうに

アメリカの航空宇宙機器開発製造会社のボーイング社が開発した米空軍最古参の戦略爆撃機

ボーイングB-52戦略爆撃機…

空中給油を駆使すれば航続距離はほとんど無限

核兵器を含むおよそ地球上で開発されたありとあらゆる破壊兵器を腹の中にのみ込んで

地球上のどんな場所でも12時間以内に爆撃可能…

全天候性(オールウェザー)の死の大鷲…

(『エリア88』より)


概要

ボーイング社が開発しアメリカ空軍に採用された戦略爆撃機。愛称はストラトフォートレス成層圏要塞の意。搭乗員からは「BUFF(Big Ugly Fat Feller):牡牛」やら「オールドドッグ」とも。

1955年に運用開始され、すでに半世紀以上を経過しているが後継機に恵まれなかったため幾度もの改修を経て今なお現役であり、当面は2045年まで使い続ける予定である。

後継機がなぜ恵まれなかったのかというと、


B-58はB-52に比べ航続距離が短く、ペイロードが少ない上に核攻撃に特化しすぎた設計が仇となり任務の拡張に対応できなかったため。

XB-70は高コストな上に地対空ミサイルの発達でその存在意義を失ったため。

B-1はペイロードと速度こそB-52を上回るものの、性能が過剰と判断された結果核軍縮条約の煽りを受けて通常兵器の運用に特化されたため。

B-2はペイロードがB-52の6割弱程であったため。


またB-1、B-2は数多くの新機軸を投入した結果、本土基地以外では運用がままならない状況になり(現在はある程度克服しているが)、調達・運用コストも高騰、B-52を代替するだけの数を揃えられなくなった。何よりこれらの機体が「多種多様な兵器を、大量に搭載し、遠方に投入・投下する」性能についてはB-52以上の能力を要求されることがなかった。


米空軍はB-29(B-36)以降の爆撃機として

・高速・高高度飛行で防空網を突破:XB-70

・超低空でレーダーをかいくぐる:B-1

ステルスで隠密爆撃:B-2

という三パターンを考えていたが、弾道ミサイルが核戦力の主力となり爆撃機の存在意義そのものが薄れていく時代の中で、結局既存の爆撃機の延長線上のB-52が一番拡張性が高く生き残り続けたという結果になってしまった(これは空中発射式の巡航ミサイルが発達したことや、アメリカが諸外国と比べて圧倒的な航空戦力を持っていることで、爆撃機で防空網を突破しなければならない事情が少なかったこともある)


おかげで親子三代にわたって搭乗員になった家系がある有様。

ちなみに自身も三代目。初代:B-17フライングフォートレス 2代目:B-29スーパーフォートレス

ちなみにB-29との間にB-47「ストラトジェット」が存在するが、「とりあえずB-25(中型爆撃機)の後継機をジェットで」とゆー投げやりな要求から作られた機体で、ソ連の爆撃機勢力が大きそうだったので、数合わせのため不満足な性能にもかかわらず2,032機も作ってしまった、という代物ではあるが、後のジェット機開発(特にボーイング707)にかなり影響を与えた。


同世代の機体にTu-95が存在することはよく知られている。こちらも現役。しかし日本ではもう1機、イギリスのアブロ・バルカンが存在したことはあまり知られていない。こちらはイギリスの財政難から1984年に全機が退役している。


pixivにおいては、初音ミクオリジナル曲「恋は戦争」のイラストでバックにこのB-52が描かれていることから、これに関連したイラストによくつけられるタグである。


狂気の15秒間離陸

B-52は本来離陸まで1時間ほどかかる。しかし実はこいつらには緊急離陸用着火システムといっても過言ではない、エンジン着火カートリッジが備え付けられている。通常の訓練に用いられることもあるようだが、本当に活躍するのはB-52が何がなんでも空中へ逃げなければならない緊急事態。それはすなわちB-52が駐機している基地への長距離ミサイルなどによる通常攻撃、もしくは核攻撃を示す。

この着火カートリッジはのんびり離陸するはずのB-52を10分で離陸させ、空へ飛ばす。後続機は1機でも撃破される可能性を減らすために次々と滑走路へ向かい、前の機体が離陸したら15秒以内に離陸するというトンデモ離陸を行う、普通の旅客機などが次々離陸しないのは前の機体が作り出す乱気流に巻き込まれて機体バランスを崩すためだが、緊急時のB-52運用基地やパイロット達にそんな暇はない。訓練を繰り返して乱気流下でも確実に離陸する訓練を積む。この際、B-52のパイロット以外は基地に留まる方針があるとかないとか。

いずれにせよ、この着火カートリッジが本当の目的で使われることがないように祈るばかりである。


余談

  • ごく一部で間違われている場合があるが、空母等に搭載される艦載機ではない。
    • とある会議中に某党の某党首が「B-52が、艦船から飛び立ち、攻撃をする。」と明言したらしい。
    • B-52の重量と現在の米主力空母であるニミッツ級に装備されているカタパルトの能力を考えれば、そもそも射出できない。
    • 戦時中のB-25による空襲や戦後のC-130の離着艦と混同したか?
      • なお、この珍発言をうけてとある航空機サイトのジョークニュースのページで掲載されたのがニミッツ級に搭載されたB-52の合成写真である。

  • 戦略パトロール中に核爆弾を積んだまま墜落したことがある
  • 航空ショーの練習中に低空で急旋回して墜落したこともある・・・が、これは操縦していた機長が無茶な急旋回をした事が原因。その機長は無茶な飛行をする要注意人物であったが、空軍では本人の操縦技量の高さを買っていたため無茶な飛行については不問としていた。
  • MGSPWではB-52のシルエットの周りに円を描いてピースマークを模したロゴが作品ジャケットや作中に描かれている。
    • これがMGS特有のマークではなく、同様のB-52を用いたピースマークがアメリカを中心として使われている。
  • ベトナム戦争ではMiG-21を後部銃座により2機撃墜(不確実)している。のちにベトナム側の資料も併せて検証され、該当する機が無いことから取り下げられている。
  • 湾岸戦争中、B-52編隊の爆撃を受けたイラク軍部隊はたった1回で全滅した。それだけで話は終わらず、それを間近で目撃した隣の部隊まで即座に降伏した。
  • この機体名を冠したカクテルが存在する。国によってはグランマルニエに着火されることも。

派生型

XB-52

最初の原型機で縦列複座式コクピットを備える。1951年11月29日にロールアウトするものの、初飛行までに手間取ってYB-52に先を越されてしまう。完全なる空力試験のために作られたので武装なし。


YB-52

元はXB-52の2号機だったが、費用を開発費ではなく生産費として計上するために試作機として完成する。1952年4月15日に初飛行。機体そのものはXB-52と同じ。テスト終了後、ライト・パターソン基地の博物館に寄贈されるが、ジョンソン大統領夫人率いるレディーバード党によりスクラップ処分の憂き目に遭う。


B-52A

3機生産。コクピットを並列式にした先行量産型。各種飛行試験や兵器運用試験などに供される。爆弾倉も本格的に艤装され、最大搭載量は約22t。11t級核爆弾2つ、あるいは爆弾(750lb)24発を搭載できる。


RB/B-52B

50機生産。爆撃関連装置を完備し、ここから実戦機となる。爆弾倉内部の装備変更により、戦略爆撃・電子偵察というふたつの任務に対応でき、しかも装備が充実しているのでそれまでの偵察機(RB-47など)よりも効率的に任務を遂行できた。

                                   

RB/B-52C

35機生産。主翼外側の増槽を大型化している。エンジンを改良して飛行性能は一段と上がった。のちに低空侵攻能力を追加(ビッグフォー計画)している。


B-52D

170機生産。これまでの型から偵察装備への対応を削除し、より爆撃に特化させた。のちの改造(ビッグベリー計画)で通常爆弾への対応が強化され、それまで24発しか積めなかった爆弾は最大108発搭載可能に。ベトナム戦争といえば、このD型が主。


B-52E

100機生産。電子機器を換装したもので、爆弾倉関連の装備も更新。


B-52F

89機生産。エンジンを換装している。


B-52G

193機生産。戦法に低空進入を取り入れた初めてのB-52。主翼タンクをインテグラル式に変更、操縦翼は油圧補助装置つきに、またリモコン銃座となり、唯一仲間はずれにされていた防御機銃手が前部乗員区画に席替えした。のちに赤外線暗視装置・低光量対応テレビ装置が追加され、機体下部には独特のコブが加わった。


ただB-52ほどの大きさとなると、どうしてもレーダーには映りやすくなってしまい、こうなると目標上空に侵入しての核攻撃はあまり現実的ではなくなっていた。これに対して考えられたのが巡航ミサイルを使った攻撃で、専用のロータリー式ランチャーを備えている。一部の機(69機)はこうした改造を受けず、制海用の対艦ミサイル母機として使われた。


のちに核軍縮条約が結ばれ、旧式エンジンを搭載したB-52Gはすべてスクラップ処分とされた。


B-52H

102機生産。現在も飛び続けているのがコレ。

エンジンを燃費のいいターボファンエンジン(TF-33)に換装し、飛行性能の改善と増える電子妨害機器の消費電力に対応した。のちに主翼付け根にフェアリング(覆い)がつき、レーダー反射を少しでも抑える工夫も加わった。


B-52J

既存のB-52Hを改修したらこの型式になるといわれている。


現役生活半ばにして冷戦が終結し、それまで戦略爆撃任務一本だったB-52は、戦略空軍の解体とともに戦闘航空団に改編されることになる。それからはB-52は「巨大な移動式兵器庫」として使われることとなり、そうした任務では他のいかなる戦闘機・攻撃機をも凌駕する対地攻撃力を秘めている。


なお、ひとつの戦闘航空団につき、配備されるB-52は3機程度のもよう。戦闘航空団では戦闘飛行隊1個(6機)を基準に、任務・目的に応じて攻撃機や爆撃機を追加していく仕組みになっていて、最大編成ではB-52やB-1も加わる事になっている。


EB-52(B-52I)「メガフォートレス」

架空機ではあるが、珍しいので付け加える。

EB-52とはデイル・ブラウン「オールド・ドッグ出撃せよ」(1987)に登場する、B-52Hを基にB-1(執筆当時は次世代の戦略爆撃機として配備が進んでいた)用の改良実験に供された実験機である。


B-52とはいいつつも、実際には内外ともにほぼ作り直したといっていいほどの改装が施してあり、尾翼はV字型に統合、さらに炭素繊維系による大胆な素材置換により高いステルス性まで備えた、まさに空飛ぶ戦艦となっている。主翼パイロンや後部爆弾倉にはHARMやAMRAAMといった自己防衛装備(先制用)を備え、さらに15000lb(およそ7t半)の爆装が可能。空力も改善を尽くして最高速度もマッハ0.96となり、音速に近い速度を可能にしている。作中では、これら改装はすべてB-1改良に応用されるとしていた。


そんな作者、デイル・ブラウンは元B-52の搭乗員(航法士)であり、また機械オタクの気でもあったのか「新世代のテクノロジー」を作品中にも積極的に取り込んでおり、これ以降は作品ごとに奇抜な(しかしそこそこ現実的な)兵器が多く登場する。


なお、作中では非公式という意味も含めてB-52I(Iは1と間違えやすいので、本来は使用しない)とされていたのだが、いつの間にかEB-52となっていた。確か「戦闘機チーターの追撃」(1989)くらいまではB-52Iだったと思うのだが。その後はEB-52も発展を続け、「レッドテイル・ホークを奪還せよ」(1992)の頃には毎年4機のペースで改装が可能として作中すでに6機が完成しており、「台湾侵攻」(1997)では旧式のエンジン8基が新型のターボファンエンジン4基に換装されている。


また、当時の本国ではそこそこ以上の話題になったようで、どうやらPCゲームにもなっていた模様。こことかここで紹介されているが、なにぶんスーパーファミコンに相当するくらい古いゲームなので色々とご愛敬。



関連タグ

爆撃機 ミリタリー 戦略爆撃 博士の異常な愛情

B-17 B-29

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