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映画大好きポンポさんの編集履歴

2022-01-17 22:18:26 バージョン

映画大好きポンポさん

えいがだいすきぽんぽさん

『映画大好きポンポさん』とは、人間プラモ氏による読み切りの漫画作品である

「ポンポさんが来ったぞーっ!!」


「ようこそ―――狂気の世界へ!」


概要

2017年4月4日、人間プラモ氏によってpixivに投稿された、漫画形式のオリジナル作品

元々は氏の所属する会社が企画したミニアニメの企画だったが頓挫したために個人発表の漫画になったとか。


ストーリーとしては、天才映画プロデューサー:ポンポさんと、映画をこよなく愛する製作アシスタント:ジーンを主軸としつつ、映画製作の世界における人間模様を描く。

総ページ数136Pと、pixivに投稿される漫画作品としては相当なボリュームであるが、クドくないセリフ回しやテンポの良いストーリー展開のおかげか、あまり疲れることなくスラスラ読める。


そして、何よりの特徴として、作者の豊富な映画知識と映画に対する哲学が登場人物たちの言動から強く滲み出ている点が挙げられる。

彼らは皆何らかの形で映画のことが大好きであり、まさに「創造することの楽しさ・ワクワク」を読者に強く印象付ける。(ただし後述する劇場版では、そこに「弁護すら不可能な、創造することの狂気(人非性)」が付加・強調される演出になっている)

原作(特に第1作初出版)が強く打ち出している、この作品のメッセージは、「モノを創るとは何か」というクリエイター永遠の課題に対する一つの回答と言えるかもしれない。


余談だが、人間プラモ氏は他にも読み切りの漫画作品を複数投稿しているので、この作品に魅了されたならばぜひ一度読んでみることをおススメする。


反響

作品投稿後、程なくしてその評判からツイッター上での拡散が進み、ついにはワード(作者の名前)がトレンド入りするまでになった。とりわけ、創作活動に携わる人たちの琴線に触れたようで、「モノ作りに携わる人ならぜひ読んだ方がいい」との評価が多い。


もちろん、実際に創作活動に携わっていない人であっても、「軽い気持ちで読んだら物語に一気に引き込まれた」等々、作品への称賛の声が多く上がった。


本家本元のpixivでのブックマーク数も大きく伸び、発表から2ヶ月後の2017年6月時点で4万を超えている。さらに7月13日には書籍化が発表され、同日より、そのプロモーションのためpixivコミックジーンピクシブ」にて翌月にかけて短期連載された。

ポンポさん告知

8月26日にKADOKAWAメディアファクトリーの「ジーンピクシブコミック」レーベルより杉谷庄吾名義で発売。初版帯には開田裕治による推薦文が寄せられ、「読了しないうちはカバーをとるな」と記されている。


ニャリウッド・スタジオ・シリーズ

「ポンポさん」書籍化の後、翌2018年7月からはスピンオフ作品「映画大好きフランちゃん」がpixivコミックにて連載開始、さらに9月28日には「ポンポさん」の単行本2巻も全編描きおろしで発売(しかもアニメでのCM付!!)、2019年8月には「フランちゃん」が単行本化、2020年2月より「映画大好きポンポさんOmnibus」が「フランちゃん」の後継として連載開始、同年9月には「フランちゃん」からのさらなるスピンオフとなる書き下ろし「映画大好きカーナちゃん」も発売される、というように、その人気は続いている。2021年には、4月に「Omnibus」が、5月に「ポンポさん」3巻が発売となった。

これら「ポンポさん」本編とスピンオフおよびオムニバス編などを合わせた同一世界観による一連のシリーズ作品を「ニャリウッド・スタジオ・シリーズ(NYALLYWOOD STUDIOS SERIES:NSS )」と称する。(が、ファンからは非公式に「ポンポさんシリーズ」や「映画大好きシリーズ」と呼ばれる事もある。ただし「映画大好きシリーズ」を用いる場合には他の作家が執筆した「映画大好き」がタイトルに入る作品と混同しないよう注意する必要がある)

もちろんシリーズの発刊や連載企画は初作に引き続きKADOKAWA・メディアファクトリー「ジーンピクシブ」が現在まで受け持っている。


映画化

2021年6月にアニメ映画公開が決定!

配給は単行本の発売も手がけたKADOKAWAのアニメーション部門の角川ANIMATIONで、制作は「この世界の片隅に」を手がけたチームが立ち上げた新進気鋭のスタジオ・CLAPが担当する。

監督は平尾隆之氏が着任。ストーリーは原作第一巻を主軸にしつつ、原作第二巻の要素も加えて再構成し、本作オリジナルキャラクターも交えたモノになる模様。

ちなみに原作者の杉谷庄吾こと人間プラモ氏は新キャラクターのデザインこそ手がけたが、後はノータッチを貫いている。これはポンポさん本編でも語られているが、「意見を出すものが多くなればなるほど作品は角が取れて凡庸なモノになる」という考えからである模様。詳しくはコチラで

ちなみに本編配給時間はポンポさんこだわりの90分(※)。

PV


※)正確には配給時間の90分内にエンドロール(キャスト・スタッフのクレジット)は含まれておらず、劇場のアバン広報とエンドロールを合わせると、おおむね120分程度になる。


あらすじ

ポンポさん(無印)

ポンポさん「この映画、君に撮ってもらうから」

ジーンくん「えーーーーーーーーっっっ!!!!!」


映画の都・ニャリウッドに在する映画会社ペーターゼンフィルムにて制作アシスタントとして働く、映画オタク青年ジーン・フィニは、いずれは監督になる事を目指し、上司のプロデューサーであるポンポさんやコルベット監督の元で経験を積む日々を送っていた。

同じくニャリウッドにて体力バイトに明け暮れる少女ナタリー・ウッドワードは幼き日に見た銀幕の世界にあこがれて女優を目指しバイトの合間にオーディションを受けては連敗する日々を送っていた。

互いに出会うことも無いはずの二人が、共にそんな日々を送る中、ナタリーはペーターゼンフィルムの新作映画のオーディションを受けに行く。

結果はポンポさんから「地味!」と一刀両断のもとに切り捨てられ、いつものように惨敗を喫する事に。しかし一方のポンポさんはナタリーの地味さの奥に何かピンと来るものを感じてしまう。

自身の直感の赴くまま一冊の映画脚本を書き上げるポンポさん。そのヒロインはナタリー。さらにポンポさんは、この脚本の監督に映像編集など多少なり経験を積んだとはいえ監督経験の無いジーンを指名する。

心の準備も無いままに、あれよあれよと進んでいく映画撮影。そのドタバタの中でジーンは徐々に監督としての覚悟を定めて才覚を現していく。


ポンポさん2

ポンポさん「ジーン・フィニは死んだ! あんな奴の事は忘れなさい!」

ナタリー「えーーーーーーーーっっっ!!!!!」


初監督となった『MEISTER』でニャリウッド最高峰の映画賞、ニャカデミー賞を得たジーン。

そんな彼に超ヒットA級大作娯楽映画『マックスストーム』続編の撮影依頼が舞い込んでくる。戸惑うままに依頼を受けて制作に取り掛かるジーンだったが、飛び込んだ現場は潤沢な予算による最新のハイテクが駆使されたシステマティックな現場、前作の既定路線から外れる事が許されないシステム、そして何よりも成功者たちが笑いながら軽々と映画を撮り続ける、ジーンにとっては何もかもが正反対という、その輝きに吐きそうな現場だった。

現場は何も悪くないと割り切り、自らが個人的に抱える理不尽なストレスを超え、なんとか依頼された映画を完成させたジーン。しかし、完成させた映画は「多くの人が期待する内容でありながら、ジーンには納得がいかない」ものであり、なによりもポンポさんは「よくできてる、絶対に売れる」と太鼓判を押しながらも面白がってはくれなかった。

結果、ジーンは自分が作り上げたフィルムを破壊し、失踪してしまう

この事態にポンポさんは青くなり、大慌てでコルベット監督と共に事態の対処に乗り出すハメになった。ジーンは映像素材だけは辛うじて残していたため『マックスストーム2』はポンポさんとコルベット監督の手による編集で、なんとか事なきを経て送り出せることに成功する。

しかし、この騒ぎはニャリウッドを駆け巡りポンポさんもジーンを庇いきれず、ジーンは監督はおろか映画スタッフとしてやっていく事自体が絶望的な状況にまで追い込まれてしまう。

ポンポさんは、せめてほとぼりが冷めるまでとジーンを祖父ペーターゼンのもとに預けた。しかしペーターゼン氏の言葉を受けたジーンは「誰が何を言おうと自分は映画を撮る」という決意を定めポンポさんの元を離れる事を決意……するのだが、結局はプライベートに彼女の教えを請いながらミスティアとナタリーを巻き込み(ポンポさんに無断で)撮影に乗り出す。

収まらないのはポンポさん。あまりにも好き勝手をするジーンに業を煮やしたあげく、自身もジーンの映画にぶつけるように行きつけのダイナーのウェイトレスであるフランちゃんを主役に自作「Lunch Waggon」を撮り始める。

ポンポさんとジーン、周囲を巻き込みつつ互いにクリエイターとしてのすべてをぶつけ合うための「映画勝負」が始まる……。


ポンポさん3

ペーターゼン氏「ワシまた映画を撮る事になったから、会社を返してもらうぞ」

ポンポさん「えーーーーーーーーっっっ!!!!!」


ジーンがミスティアとナタリーと共に撮影した『Love Begets Love』がポンポさんの祖父であるペーターゼン氏に火をつけた。

ペーターゼン氏はジーンを呼び出し「自らの代表作を超える、これからの代表作となるであろう『最高の映画』を君に作ってほしい」と依頼。ポンポさんを一時的に自社のプロデューサー職から外してカムバックする。

仕事を取り上げられたポンポさんは、とりあえず祖父の言いつけ通りに籍だけ置いていたミドルスクールに通学する事になるが、そこでカメラの申し子マズルカの才能を見出す事に。しかしマズルカは学校を卒業すれば母の運営する会計投資会社に入る事が決められていた。

マズルカの才能を惜しむポンポさんはジーンを呼び出しミスティアを代表とした映画制作会社「ミスティア・ゴロニャン・ピクチャーズ」で、マズルカをメインカメラに迎えて映画を撮ると宣言。ジーンにも祖父の映画は辞めて、こっちに監督として協力してほしいと依頼する。

ポンポさんからの呼びかけに、ジーンはなんと2本同時撮りを宣言。24時間映画制作漬けという至福に突入。その中でジーンは、ついに種割れを起こして限界突破。ペーターゼン氏側の企画を全没にして企画を組みなおすという無茶までやらかす事となる。

ジーン監督による奇跡の二本撮りは果たして成功するのか。ペーターゼン氏の傑作を超える傑作は生まれるのか、そしてポンポさんに見込まれてしまったマズルカの選択と将来は。そしてペーターゼン氏の望む「最高の映画」とは、いったい何なのか。

様々な人々の運命を巻き込み背負いながら、彼らはジーンとポンポさんの巻き起こす「映画の奇跡」を目撃する事となる。


主な登場人物

ポンポさん

CV:小原好美

ポンポさん

本名ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ポンポネット。通称(自称含む)ポンポさん。

映画の聖地ニャリウッドで活躍するペーターゼンフィルム所属かつ同社の代表取締役(社長)を務める映画プロデューサー。

見た目は幼い少女だが(実年齢は作中で明かされていないが、原作では学校に通っているシーンがある)、「映画作りに必要な才能を全て持ち合わせている」と評されるほどの天才。人の持ち味や才能を正確に見抜く人事のプロフェッショナルである。

彼女の映画論を表した台詞の数々は読者に強いインパクトを与えており、この作品が高く評価される要素の一つとなっている。

しかし、その完璧すぎる方法論と映画論の哲学およびこれを理解を超えて感覚に叩き刻み込まれた生い立ちゆえに、いわく「自分が映画やその制作で心を揺さぶられたり成長したり思いを語ったりするような事は人生で一回も無い」とする。

本作のタイトルこそ「映画大好きポンポさん」であるが肝心のポンポさん自身は究極のところ「メシのタネあるいは、じいちゃんが好きらしいから付き合って映画大好き」なのであって「自分が心を揺さぶられ成長できるから映画が大好き」なのではない。(この部分はpixivに上げられている第一作ではそれほど語られず、第二作以降に物語の大きな軸としてピックアップされるものだが、アニメ映画版では後半に据えられたオリジナル部分の要素のひとつとして採用されている)

ある意味で本作は(シリーズ全体を通してみれば)ポンポさんが本当の意味で「映画大好きポンポさん」になれるようになるための物語とも言える。

余談になるが『アン・ブックス』の通読は(たぶん)初期作止まり(アンの息子の名前を知らなかった)。

ちなみに劇場版の監督およびスタッフ陣が全く理解も共感もできなかった理解不能キャラクター、ぶっちぎりのワースト1である。いわく(これが一種のファンタジーにせよ)「こんなの(言っちゃえば映画理論を刷り込まれた程度の実際の人生経験が浅すぎる小娘)に名作映画やヒット作が撮れるわけがないだろう」(意訳)とか。

そのため映画版のポンポさんは、スタッフ(演出)の一人が辛うじて出した「ポンポさんはポルコ・ロッソの同類」「魔法(映画)使いのおじいさんに映画の呪いをかけられた(すなわち本来幼少期にあるべき成長を止められ外的要因でムリヤリ心だけ歪んで成長させられたかわいそうな)少女(ただし本人に自覚ナシ)」という部分を核としてキャラ性が構築されている。


ジーン

CV:清水尋也

"映画を撮るか、死ぬか"

ポンポさんの傍で働く製作アシスタント。この物語の事実上の主人公。フルネームはジーン・フィニ。

気弱で自己肯定感も低く全く冴えない、社交的には完膚なきまでにイイとこナシの実写映画オタクのコミュ障青年。しかしそれだけに「ぼくにはもう映画しかない(ぼくから映画を取り上げられたら死ぬ(自殺する)しか無い)」と言いきる(追い込まれている)ほど、映画に対する愛と情熱は本物であり、その知識量も非常に膨大。よく言えば映画に真摯で一途な人間だが、口さがなく有り体に言うと映画に病んでる(映画のために人間辞めてる)ヒト。(pixivに上げられている第一作ではそれほどでもないが第二作、第三作とステップを踏むごとに人間の辞め方が深刻化していく)

ポンポさんから映画監督に抜擢されたことで、ただの映画ヲタからガチの映画バカとなり、しまいにはトドメとばかりにスパークする映画バカヲタへと進化(深化)して、創作の世界にのめり込むことになる。結果、映画制作において最もポンポさんの手を焼かせる最も厄介すぎるスタッフになってしまった。その一方で「ポンポさんを(制作的な意味でも感情的な意味でも)振り回せる稀有なスタッフ」でもある。

なおアニメ映画版では(原作第二作の要素を内包する都合上)原作一巻本編からステップ一足跳びでこだわりとひとでなし度が、より上昇(あえて言えば悪化)している。


ミスティア

CV:加隈亜衣

ミスティア

人気の若手女優

スタイル抜群の美人だが、性格はどこかほんわかしていて若干浮世離れしている。自分磨きに余念の無い努力の人であり、演技力もピカイチである。

すでに様々な映画で主役を張る売れっ子となっているが、彼女には「自身が主演する映画を自らプロデュースする」という夢がある(映画版ではさらにジーンが監督しナタリーと共演という事項まで加わる)。

これが原作第二作でジーンの脚本・監督作品「LOVE begets LOVE」で実現。主演はもちろんのことその資金繰りなどプロデューサーとしてもかなりの活躍を見せた。そしてこのプロデュース力が第三作で登場する自らの会社「ミスティア・ゴロニャン・ピクチャーズ」の発足、そしてポンポさんと組んだ新作「フルールドリスの文学サロン」の製作へと繋がることになる。


ナタリー

CV:大谷凜香

ジーン監督は…ひどいです…

女優志望の少女。フルネームはナタリー・ウッドワード。

トウモロコシ畑以外は特に何もない田舎町の出身。田舎では貴重な娯楽である映画に魅せられ、女優になることを夢見てニャリウッドへやってきた。

感情的になったり気合いが入りすぎたり、逆に(気安い相手ばかりで)気持ちが緩みすぎたりすると、方言(田舎言葉)が出てくる事がある、いわゆる方言女子でもある。

オーディションに何度も落ちており、日々体力勝負のアルバイトで何とか食いつないでいた。しかしポンポさんに見いだされてミスティアの付き人にされ、ジーンが監督を務める『MEISTER』のヒロイン・リリー役に抜擢される。(抜擢された後もミスティアの付き人であり同居人である事は変わらず)

家事一般、特に料理(家庭料理)が得意。(ジーンみたいな)深く考えずに軽い気持ちで限界を超えてしまう人を放っておけないオカン属性の持ち主。

『Omnibus』の「だらだらダイナー編」ではフランちゃんと入れ替わる形でダイナーのウェイトレスにされてしまう。(主にポンポさんのせい)


コルベット

CV:坂巻学

「好きの詰まってない映画なんて存在する価値がないよ」

ペーターゼンフィルムに所属するビン底メガネの映画監督。ポンポさんの実質上の相方とも言え、彼女のもとでミスティア主演にB級娯楽大作映画を作りまくっているお人。

監督としては早撮りの名手とすら呼ばれる。いわゆる「製作上層部や大衆に望まれる通りの映画を素早く用意できる」監督であり「産業製品としての映画」を的確に量産できる、ジーンとはまた違った意味での安定した映画職人と言える。

ジーンにとってはポンポさんと同じく(あるいはそれ以上に)貴重な教えを頂いた師匠とも言える人物。

つねに飄々としており達観を見せ、監督としてヤバい領域に突入していくジーンを師として温かく見守っている。

日本のアニメ映画にガチハマりしているアニオタ監督。好きな作品に「魔女っこ姉妹のヨヨとネネ」や「リトルウィッチアカデミア」「若おかみは小学生!」を挙げるほどには、ある意味ガチな人。(そのせいでポンポさんのアニメ視聴初体験は「ヨヨとネネ」になった)


ペーターゼン

CV:小形満

本名ジョエル・ダヴィドヴィッチ・ペーターゼン。ポンポさんの祖父にして、ペーターゼンフィルムの会長(設立者にして前社長)。

数多の大ヒット作を生み出した伝説の大プロデューサーだったが、すでに引退済み。とは言え、引退後の今でもポンポさんの職場付近によく出没している。

忙しいポンポさんの両親に代わってポンポさんを育てた。この時期、彼女に映画を(半ば強制的に)見せまくったことが、ポンポさんの天才的な映画感覚を磨いたとされている。またポンポさんに映画制作の技術を教え込んだのも彼である。(なお映画版「ポンポさん」の監督と演出は、こうしたペーターゼンのポンポさんに対する接し方を「幼い女の子に成長を止め子どもらしく生きられなくする呪いをかけた」と評している)

『Omnibus』では彼の過去がピックアップされており、元々は東ベルリン(東ドイツ)の輸入雑貨商の子であった事が明かされている。(つまりポンポさんはドイツ系三世にあたる)しかし父親のゲオルク(ポンポさんの曾祖父)が輸入雑貨商という性質上、西側とも取引(つきあい)があった事から祖国(ひいては、その裏で傀儡の糸を引いていたソ連)より標的にされたため幼き頃に家族もろともイタリアへと亡命。しかし家はその余波で財産をほぼ全て捨てる羽目に陥る。ペーターゼン本人は家族を支えるためヨーロッパ最大の映画都市チニャチッタにて雑用をこなすようになり、そのまま映画産業にのめりこんで同地に属した名スタッフたちから可愛がられて映画に必要なあらゆる技術を仕込まれた。

最終的にはチニャチッタの有名監督に見込まれ通訳スタッフとして彼のニャリウッド進出へとついていく事になり、そのままニャリウッドで役者や監督の通訳や待遇交渉など制作準備を務める制作交渉人(いわゆるネゴシエーターをメインとしたコーディネーター)からプロデューサーへと転じたという経歴を持っている。過去に一度だけ監督として撮った映画があった、というが……?

ちなみに奥さん(ポンポさんのおばあちゃん)の名前はマーサ。ペーターゼンフィルム立ち上げ時に相当、苦労をかけた模様。


マーティン

CV:大塚明夫

伝説的俳優であり、フルネームはマーティン・ブラドック。数多の名作映画に出演していた名優であり、老年の域に入ってもその演技力とオーラは一線を画す。存在感がありすぎて「主役しか出来ない」タイプの役者でもある。

「働きすぎて疲れた」として10年ほど休業していたが、ポンポさんの脚本を元に制作が決まった映画「MEISTER」の主役に選ばれ、ペーターゼンに促されて現役復帰することになった。

ペーターゼン氏いわく、寂しがり屋。一線を画するオーラは多くの映画関係者を畏怖させるが、しかしてその磨かれた才は彼を孤独にもしている……が、復帰後はポンポさんやジーン、フランちゃんら新世代の子たちに気のてらい無く接してもらえて満更でもない様子でもある。

若い頃、特に無名時代は完全無欠のヒモ男で、複数の女の子にお金を出して貰いながら役者修行を続けていたという、かなり外道な過去を持っている。ペーターゼンに見出だされて役者デビューを果たした後も女優たちと浮き名を流しては結婚と離婚を繰り返すようになり、ペーターゼンを筆頭とするスタッフからは離婚マシーンというアダ名を付けられるがまでにいたっている……が、最大の代表作を撮り終えたのち、若手時代より自分の事を長きにわたり励ましてくれていた、とあるスタッフ(のちペーターゼンにより監督へと抜擢された)と結婚に至り、離婚ロードに終止符を打った。ちなみに、妻からは「なおもヤンチャをして別の女を泣かす真似をしたら(糸ノコで)切り落とす」と宣言されている。なお10年間の休養は、実はその妻が難病にかかったゆえの看病のためである事がのちに明らかにされた。(妻が難病から脱して完治したため復帰に至った)


ウェズ

潤沢な予算と超絶設備と厚い人材層を誇る、特撮も大得意な超大手映画制作会社「スクリューボール・スタジオ」のプロデューサー。『マックスストーム』シリーズのプロデューサーで、シリーズ2作目の監督をジーンに依頼した。フルネームはウェズ・G・マクティアナン。

制作費やスケジュールをキッカリと管理できる経験豊富なプロデューサー。また仕事人・社会人として、時には異論やマズい作品も一応は「そういう考えもある」と受け入れた上で論理立てた上で相手を諭す、とても立派な、できた大人。ジーンのフィルム破棄と失踪に対しても、あえて波風は起こさず荒立てず、まずはポンポさんに猶予を与える大人の対応を取っている。

のちに『映画大好きカーナちゃん』でポンポさんと一緒に超大作SF映画「Proslogion」の共同プロデューサーとして腕を奮った。

実はペーターゼンフィルムの出身者(いわゆるペーターゼンフィルム門下の1期生)であり、かつてはペーターゼン氏のもとで社の制作進行と経理を担当していた。映画を数字で見る事に長けている希少な理系脳でもある。また、若き日には無軌道なマーティンの後始末に散々悩まされた過去があったりする。

『ポンポさん3』ではペーターゼン氏の総合プロデュースのもと(いわば大恩ある師からの依頼という事もあり)現場プロデューサーとしてジーンの撮る映画に再び関わる事となる。


レオン

『マックスストーム』シリーズで主役を務めている俳優。フルネームはレオン・ポールウェイド。超マッチョなタフガイとして大人気の俳優。

元々は軍人だったが、ある作戦で負傷して軍務を果たせなくなったために除隊して役者に転向した過去がある。元々、映画産業に関わる事は軍時代に共に背中を預けて戦った戦友の夢であり、今でも軍に所属している友の「もうひとつの夢」を共に背負うために映画監督を目指している。

軍経験もあるため様々な価値観を知り、器の広い人物でもあるが、ジーンの失踪事件に際してはさすがに呆然としていた。

のち『カーナちゃん』でウェズによって「Proslogion」の主演兼監督として抜擢される。


スピンオフ作品の登場人物

フランちゃん

CV:野水伊織

本名フランチェスカ・マッツェンティーニ。「映画大好きフランちゃん」の主人公で、映画版「ポンポさん」にもちょい役で登場。

ペーターゼンフィルム社の目の前にあるポンポさんの行きつけのダイナー(プレハブ作りやコンテナハウスなどの簡易建物で営業される軽食屋)「エッグノッグ」でウェイトレスとして働きつつ、女優を目指してオーディションを受け続けているものの毎回落ち続ける、仔犬系少女。

好きな作品は、いわゆる「お姫さま」が活躍する作品で、ディズニープリンセスなどは間違いなく、どストライク。女優志望の原点も、もとは「お姫さまになりたい」から、というもの。

ポンポさんを始めとする常連客からのアドバイスを受けてもなかなかオーディションに通らない日々を送る中、ポンポさんから「自分が演技することに精一杯で求められている演技が出来ていない」「自分がどのようなスターになりたいかビジョンが見えない」と言われようやく気づく事になる。

開眼したフランちゃんは改めてなりたいスター像をポンポさんに告げると、ポンポさんはそれが素晴らしいものだと認識し、フランちゃんを「ポンポさん」第二作後半で作られる映画「Lunch Waggon」の主演に抜擢することになる。

ちなみに誰もが知る伝説の大スターであるマーティンを知らず、そのスターオーラも気にせず「知らないおじさん」扱いして周囲をドン引かせた……が、そのマーティンには喜ばれ気に入られて「この子は大物になるぞ!」と太鼓判を押された。

「Lunch Waggon」が大ヒットを飛ばしたのち、数多くのオファーが舞い込んできたが、その全てが「Lunch Waggon」のヒロインと似たり寄ったりの役である事に不満を抱いた果てに「自分の映画は自分で作らなきゃダメだ」との思いから女優と同時に「作品企画者(原作者)」をも志向するようになる。


カーナちゃん

他人の言葉になんか絶対従ってやらないんだ‼︎

本名カーナ・スワンソン。「映画大好きフランちゃん」で初登場した「映画大好きカーナちゃん」の主人公。映画版「ポンポさん」には未登場。フランちゃんの演劇教室での後輩で、フランちゃんのことが好きすぎる少女。

ある時フランちゃんと一緒に受けたオーディションで、フランちゃんよりも先に合格。「先輩と一緒じゃ無いとダメ」と断ろうとするが、フランちゃんの言葉を受けて出演することに。

しかしフランちゃんが主演を射止めた「Lunch Waggon」がヒットして一気に追い越された事を寂しく思うことになるが、科学考証家のデュラントと出会い、彼によるSF映画「Proslogion」でヒロインのアンドロイドを演じきっただけでなく、元々画才があるため戦闘機のデザインまで手がけている。

女優としてはナタリーやフランちゃんのような「共感(イタコ)系」ではなく「理詰め(完全計算)系」の演者。監督・演出家の作風や演技指導のクセと脚本の兼ね合いから自身の感情や人格を完全に排除して演技を組み立てる、いわばドール(人形)タイプの演者と言える。

ジーンとは「理屈をこねくり回す」という意味で似た者同士だが、それゆえに「演者の本来の姿」を見切って「演者の本来の人格を芯とした生の映像を撮りたがる」ジーンの撮る現場とは非常に相性が悪い。(ジーンの現場に入った時には「演技の準備をしないで欲しい」として脚本を取り上げられた)

こうした理屈屋の側面がある事から、悪気なく人を言葉でバッサリと容赦なく切り捨てる悪癖がある。


マスター

本名ユーゲン・マイルスジャック。「エッグノック」の実務を差配している雇われ店長にして何年もエキストラや端役脇役を務め続ける売れない(そして食えてない)役者だが、なんだかんだと言いながら50本近く映画出演を果たしているヒト。

「エッグノック」のマスターとしてはポンポさんたち常連のおかげで店の運営が成り立っている一方、他ならぬその常連たちが濃すぎるせいで他の一見客が寄り付かない(=売り上げが伸びない)のではないかと悩む日々。

コルベット監督とは昔からの馴染みで、若き日の彼の助言から50本近く続くキャリアを持てる脇役となっている。その絡みもありコルベット監督も「エッグノック」の常連になってくれている。「ポンポさん3」では、ついに自らの主演映画(総監督がコルベットで、監督はジーン)を得るに至る。


キャロル

ニャリウッド・ゴールドマイン

本名キャロル・ロンシュタット。ポンポさんとは馴染みの劇伴作曲家(コンポーザー)で「エッグノック」の常連。ポンポさんの事を、さらに縮めてポンさんと呼んでいる。劇伴作曲家である一方で自己主張も抜けきれないヒトであり、いつも「(映画の背景として自己主張をしてはいけない)劇伴」と「(自己主張をしたい)自分の音楽」との間で葛藤を続けている。音楽の人であるため、自分の感情や考えが言語化できない時にはギターを弾いて「こんな感じ」と表現する。大抵は解ってもらえないが。

パンクロックな見た目だが、実は案外と常識人。ポンポさんたちが暴走した時の諫め役を務める事が多い。実はミドルスクールに通う(ポンポさんと同じ学校に所属している同年齢の)妹がいる。

映画関係者であるが配役決定権などは持たないため、フランちゃんからは自身のファッションのせいで不良呼ばわりされて軽く見られがち。

ちなみに『アン・ブックス』は少なくとも第5作『夢の家』までは読んでいる事が明かされている。(アンが自分の息子に「マシュウ」の名前を与えた事を知っておりポンポさんを驚愕させた)。


マーリン

本名マーリン・ユーチノフ。ポンポさん馴染みの脚本家で、やっぱり「エッグノック」の常連。変温動物クラスの寒がりで晩秋の木枯らしに当たっただけでブッ倒れる人。そのため、いつもメーテルルックに身を包んでいる。さらに重度の猫舌で、熱い料理を出されると冷めるまで待っていたりも。

脚本家であると同時に「できるだけ素敵で面白いお話に出会いたい」と語る愛書狂の側面を持つ。そのためフランちゃんから「女優になりたい、オーディションに受かりたい」という相談を持ち掛けられた際には「本を読め」とアドバイスした。そして、これをきっかけにして密かに「フランちゃん読書家(ビブリオフィリア)化計画」を発動。『赤毛のアン』から始まり『星の王子さま』『夜間飛行』『老人と海』など、様々な本を彼女に勧めるようになる。

また、マーティンの大ファンでもあり、その演技のみならずかつてのクズな性格も含めて推しており、彼のことになると饒舌に語る一面も持ち合わせている。


デュラント

本名デュラント・クライスラー。「カーナちゃん」に登場する企画者兼脚本家志望のSF科学考証家。カーナちゃんとぶつかった直後、自動車に撥ねられて病院に担ぎ込まれるというギャグ漫画さながらの笑撃的登場を果たした。

理屈屋かつカッコつけ。しかもカッコつけはいいが、そのカッコをつけ過ぎて普通の人には意味不明という本末転倒を地で行く人。「スペースオペラ」と「サイエンス・フィクション」と(あとおそらく「サイエンス・ファンタジー」と)を完全に「別モノ」と考える(面倒くさい)ヒトでもある。

「面倒くさい(見ている人・読んでいる人が頭を使って設定をかみ砕いていく事)は面白い」という信念を掲げて、自らが理想とするSF映画を撮りたがっている。(が、彼が言う「面倒くさい」とは普通に物語を見たり読んだりする人にとって見れば「とても疲れる」事であるため、この時点で一般の視聴者とは考え方がズレている)また、こうした考えから度を超えた設定バカであり、一度設定を語り出すと延々とそのウンチクを長尺で語りまくる。

ポンポさんいわく「『俺って頭いいでしょ?』感が表に出過ぎている(=ウザい)インテリ素人芸人」という人物。普通に『スター・ウォーズ』や『ターミネーター』『ブレードランナー』あたりが大好きなくせにカッコつけて好きな映画に『ソイレントグリーン』や『華氏451』を挙げてSF上級者アピールで素人の皆様にマウントを取りたがる。


ミドルスクール・ガールズ・カルテット

『Omnibus』の「ニャリウッドミドルスクール編」に登場する、ロザリンド、リーセル、レベッカ、マズルカの四名。

ポンポさんと同じミドルスクールに在籍・通学している4人娘。ただしクラスは隣であるため同期ではあるが同クラスではない。復学したポンポさんの噂を聞きつけ、女優志望のロザリンドを見てもらおうと考え彼女にコンタクトを取った。

のちに「フルールドリスの文学サロン」でマズルカ以外の3人が浮浪児役として起用される。


ロザリンド

フルネームはロザリンド・ソールズベリー。自身の容姿に自信を持ち、これを活かしたいと考えて女優志望を宣言した。お嬢様気質で、ですわ言葉を多用し友人たちには高圧的な内弁慶だが、実はかなりの人見知りであり、少し褒められるだけで、すぐに照れたり慌てたりするなど、いわゆる嘘がつけないイジられ体質のツンデレツインテールで、実はすごく良い子。友人たちも、そんな彼女の本質などとっくに理解しており、それを承知で彼女の高圧的態度に付き合ったり、舌先三寸でコロコロコロと転がしまくったりしている。友人たちからはロザりんと呼ばれているが、本人としては不服。

浮浪児役としての起用は自身としては不服を漏らす。ただしロザリンドに振られた浮浪児役は物語の最も大事な転換点のひとつを担う、とても重要な役どころであり、それを教えられて役を全うした。そして現場でミスティアによる現場演技指導を受け、彼女のスターオーラに「目が、目がぁぁぁぁあっ!」と叫ぶ事となり本物の女優のレベルというものを思い知る事となった。しかし自身の夢を捨てるようなことはせず、むしろさらに夢を燃え上がらせ、最終的には「マズルカに自分が主演する映画を撮ってもらう」という目標を立てる事になる。


リーセル

フルネームはリーセル・パーカー。

タッパのある黒髪ストレートのボクっ娘

男装の麗人が良く似合うイケメン女子。

ロザリンドから一緒にオーディションを受けようと誘われた時には「君の力になれるなら」とスマートに彼女の願いに応えた。

ロザリンドのプロモ映像を制作した際には、その相手役を務める。

ある意味ではロザリンドの諫め役。


レベッカ

フルネームはレベッカ・ロンシュタット。

ロザリンドの妄言に対して否定はせず、どうすればそれが叶えられるのかを調べ、具体的手段を提案し実行する、いわばカルテットの参謀役。ポンポさんの噂を聞きつけて話を持って行ったのも、この子。

レベッカと出会ったときにポンポさんは既視感を感じたが、それもそのはず、実は劇伴コンポーザー、キャロル・ロンシュタットの妹。

ロザリンドの女優の夢に対して、姉からどうすればいいのかを尋ね、オーディションの話を聞き出し、自ら演出してオーディションに送るPVを撮ろうとするなど行動力・統率力はかなり高く監督・プロデューサー適性も見込まれる可能性がある……が、時折ツメが甘い。(オーディションに関しては規定シナリオがあったのに、それを見落としてフリーのPVを撮っていた)

姉を出オチのイタズラで仰天させたり、自らの失敗に対して舌先三寸で誤魔化したり、ロザリンドの暴走をやはり舌先でまぜっかえして収めたり、などトリックスターめいた側面も持っている。


マズルカ

フルネームはマズルカ・クシジャノフスカ。

ポンポさんを驚愕させた色彩の天才で「直感的に世界を造形ではなく色で見る」才能の持ち主。カメラでいろんなものを撮るのが大好き。人よりも虹彩が広く深く、光景から感じ受けとる色彩情報が人よりも多い、とポンポさんは分析しており、こうした体質で受け取ってしまう膨大な情報を脳内処理するために脳の領域を多く使うらしく母からは「いつもボーッとしている」と嘆かれている。

ロザリンドのPVでは当然のごとくカメラを担当し、その映像がのちにポンポさんを唸らせる事となる。

母親は会計投資会社の社長で、卒業後は母から親の会社に入る事を命じられている。そのため「カメラで遊ぶのはミドルスクールまで」だと考えていた。

しかしマズルカの才能を心より惜しむポンポさんの計略でロザリンドの起用をエサに「フルールドリスの文学サロン」のメインカメラとして抜擢される。

映画撮影中、様々なモノが撮れる喜びや本物の俳優女優の輝きを知り、またジーン監督によって自分の撮った画像がキチンと整理されてまとめられていく事に驚き、やがて映画撮影の魅力を知っていく事となる。のちには自ら監督志望となり、ジーンを師匠として慕うようになる。


旧ペーターゼンフィルム出身者

ヘディ

ヘディ姉さん

フルネームはヘディ・キースラー。

若きペーターゼンが監督を務めた映画を見て、彼の門戸を叩いた若手の一人。

ウェズとはほぼ同期で、ペーターゼンフィルム制作部において初代のスクリプター(制作記録係)専門職を務めた。当時のニャリウッドでは珍しいと言われていた黒人女性スタッフ。

発足当初のペーターゼンフィルムにおいて情熱だけは有り余る若手どもを取りまとめ、当時のペーターゼンフィルムに関わったスタッフおよび俳優陣たちからは総じてヘディ姐さんと呼ばれオカン的に敬愛されていた。ペーターゼンと並んでマーティン・ブラドックを容赦なくシバき叱り倒せるお人。

マーティンを主役にした娯楽作『エージェント・ゴールド』シリーズでペーターゼンのたっての願いにより監督デビューを果たし、ペーターゼンフィルム最大傑作『ハート・オブ・ゲヘナ』にも参加。しかしペーターゼンフィルム作劇の屋台骨の一人であるロッシオの引退を機に、今までになく気落ちするマーティンを放っておけず、結局のところ彼の手綱をキチンと握っておく意味でもマーティンと結婚する事を決意する。つまりは、大スターマーティン・ブラドックの奥さん

前述のように10年前に難病に倒れたが、無事に完治した。


ロッシオ

黒人の…女性がニャリウッドで監督をする…

フルネームはロッシオ・バルダッサーレ。元は映画誌のライターにして放送作家。

若きペーターゼンが監督を務めた映画を見て、彼の門戸を叩いた若手の一人。

しかし会社や映画に関する情報を集めて自分が飛び込むに足る場所であるかどうかを見極めていたため、ペーターゼンフィルムに入ったのはウェズやヘディら1期生たちよりも遅かった。

ペーターゼンの撮った映画を的確精緻に酷評し、そして自ら脚本を書いて「映画を自分に撮らせろ」と正気を疑われるレベルの要求をしてきた、ペーターゼンに「圧倒的に真の完全なる天才」と言わしめた異能の鬼才

ペーターゼンフィルムは、このロッシオ・バルダッサーレの脚本と監督により、一気に時代の寵児へと駆け上っていった、いわばペーターゼンフィルム中興の祖

監督デビュー作で、いきなりニャカデミー賞の作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞をかっさらった。しかし、その制作はいわば命と引き換えと言うほどに激しいものであり、多大な才能を持ちながらも惜しむらくは、その監督生命は制作映画たった3本の寡作に終わった。しかしその「寡作」は全てニャカデミー賞(作品賞および監督賞各3回、脚本賞2回)を取っている。最大の代表作は自ら吐血に溺れる中で作り上げた『ハート・オブ・ゲヘナ』。

また前述したヘディ姐さんの『エージェント・ゴールド』では「ニャリウッドで黒人の女性が監督をする」という歴史的偉業を認め、彼女の補佐についている。

なお監督引退後は療養して復調に至るも写真家に転向し、世界中を回っている。しかし、かつての仲間であるマーティンやペーターゼンフィルムの映画の視聴は欠かしてはいないようで、ジーンの撮った『MEISTER』もチェックしており、この時にジーンを「若いくせに良い画を撮る奴」だとして、好評価を下している。

映画の制作に関しては「自分が心を動かしたもの、誰かの心を動かしたであろうもの、それを俯瞰した上で構成する要素を分解してタグ付けして、改めて組みなおせるように整理してしまっておき、必要な時に取り出す」という手法を用いると語る。それは奇しくも幼き日のポンポさんが祖父によって映画を見せられていた時に行っていた事とほぼ同じことであり、ポンポさんがその「遊び」をしていた事を知ったペーターゼンは、我が孫こそが鬼才ロッシオの後継者となりうることを確信していた。


アニメ映画版の登場人物

アラン

CV:木島隆一

劇場版に登場するアニメオリジナルキャラクター。ただし基本造形そのものは作者の手によるもの。フルネームはアラン・ガードナー。

ジーンのハイスクール時代の同級生。在学当時は成績抜群スポーツ万能、女の子にもモテモテのリア充でありジーンとはすれ違う程度の関係でしかなかった。(一度だけジーンと偶然関わった時には彼の映画ヲタぶりにドン引きした)

ハイスクール卒業後には一流大学へと進学して頭角を現し順調にニャリウッド最高峰のメガバンクニャリウッド総合銀行へと就職した。しかし、ここでついに学校秀才ゆえの無能人間ぶりが露呈して「社会の壁」にぶちあたり、幾度も失態を繰り返した挙げ句に進退の危機に追い込まれる。

社会の壁に膝を折る挫折の日々の中、偶然ジーンの映画撮影のロケ現場に行き当たり、同級生が一流の役者たちを相手に一歩も引かず頑張る姿に一度は元気付けられるが、かといって現況は変わらず、なおも失態を繰り返す。

ついに心が折られて辞表を胸に上司のもとを訪れるが、そこで偶然ペーターゼンフィルムからの(ジーンのやらかしが原因となった)撮影延長に伴う追加融資願いを目にして「どうせ辞めるなら」という思いも手伝い、その担当へと志願し、融資を渋る銀行上層部に喧嘩を売る事となった。


アランの上司

CV:小山力也

アランと同じく劇場版に登場するアニメオリジナルキャラクター。

ニャリウッド総合銀行におけるアランの上司であり教育係。しかし本人はアランが優秀であるという前評判から即戦力を期待して彼を引き受けたのであって、彼を育てて一人前のバンカーにしようという心積もりはあまりない。

この事もあり、アランがヘマをする度に失望を隠さず頭ごなしの叱責を繰り返し、部下の心をバキバキに折りまくっていた。(もっとも、アランが叱責に対する反発からの奮起を起こす事を期待していたフシも無い事もない。度を越しているが)

ペーターゼンフィルムからの融資願に対しては一瞥しただけで「映画制作への出資はギャンブルに過ぎ、安定したリターンを見込めない」として蹴るつもりだったが、アランの(ヤケクソ交じりの)熱意に根負けして、やむなく「失敗したらただではすまないぞ(クビになるだけにとどまらず、銀行に損益を被らせた事への賠償請求や背任による刑事提訴もありうる)」という忠告と共に案件を譲り渡す事となる。

本人は当初より、銀行の上層部がこのテの話にはガードが堅い事が解っていたので、乗り気ではなかったしアランの目論見も失敗して彼は結局クビになるだろうと考えていたが、アランがあまりに今まで以上の熱意と必死さで融資を成功させようとしていたので、さすがにほだされて陰ながら手を貸すようになった。


ニャリウッド総合銀行頭取

CV:大林隆介

ニャリウッド総合銀行の総頭取。つまり銀行運営のトップ・オブ・トップ。もちろん劇場版のみのアニメオリジナルキャラクター。

アランが融資を引き出すために仕掛けた、銀行理事会を交えた融資裁可会議の無断配信(本来なら銀行外には絶対出してはいけない守秘条項のブツ)を見た、としていきなり会議に乱入し、ペーターゼンフィルムへの融資案件の裁可否を頭取権限で強制強行させてみせた

若い頃にはデータと直感と、何よりも現地を知るために何度も動かしたによって「回収不可能」とされて蹴られる運命にあった融資を、何度も覆して融資させたうえで莫大な利益回収を成功させた伝説のバンカーであったという。ペーターゼンフィルム融資案件への権限強行は会議参加の理事いわく、その彼の若い頃を彷彿とさせるものであったとか。


劇中劇

映画制作を舞台とした作品だけはあり、様々な劇中劇が登場する。


主要出演者項目の太字は主演。


MARINE

登場作品:「映画大好きポンポさん」「映画大好きフランちゃん」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ポンポネット
監督コルベット
主要出演者ミスティア、他多数
ジャンルB級パニック大海獣アクション

制作アシスタントにジーン・フィニが参加。予告トレーラーの編集はジーンが担当。

フランちゃんが女優を志したきっかけとなった映画でもある|


MEISTER

登場作品:「映画大好きポンポさん」「ポンポさんthe Omnibus だらだらダイナー編/じいちゃんの思い出編」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ポンポネット
監督ジーン・フィニ
編集ジーン・フィニ
脚本J.D.ポンポネット
主要出演者マーティン・ブラドック、ナタリー・ウッドワード、など
ジャンルマエストロもの、復活感動巨編
上映時間90分
評価ニャカデミー賞(作品賞・新人監督賞・主演男優賞・新人女優賞・脚本賞)受賞作

ジーン・フィニの監督デビュー作、ナタリーの女優デビュー作。

「帝王」とまで呼ばれながら、その傲慢の果てに失態を犯し失墜した指揮者ダルベールがスイスの自然と現地の少女リリーとの交流の果てに「音楽の心」を取り戻して挫折から復活する物語。

劇場版「ポンポさん」ではダルベールの「傲慢」と「過去」がより深掘りされる(この部分が「人生経験の浅いポンポさんにはアドバイスが無いと描けない部分」「ジーンでないと気づかない部分」とされ「ポンポさんよりもジーンの方が、この手の洞察に関しては上である」とする部分を表現するためのオリジナル部分の騒動の一因となった)とともに、アリアの演奏を軸(キー)にした物語となり「挫折」からの「這い上がり」をより重要なテーマとし「いぎたなく、なりふり構わないもの」として描く物語としてアレンジされている。(原作ではダルベールの過去への言及は触れられず、あくまで登場人物たちの「現在」を美麗にフォーカスした作品としており、復活への過程は映画版よりスマートでマイルド)


マックスストーム2

登場作品:「映画大好きポンポさん2」

制作スクリューボール・スタジオ
プロデューサーウェズ・G・マクティアナン
監督ジーン・フィニ
編集J.D.ポンポネット、コルベット(両名ノークレジット)
主要出演者レオン・ポールウェイド、クリスティア・ロックウェル、他多数
ジャンルA級アクション勧善懲悪冒険活劇

大ヒット映画マックスストームシリーズの第2作。ジーンが現場制作やスポンサーの考え方と相容れず、結果として制作スポンサーのオーダーを無視した編集を決定稿として打ち出してしまったため、ポンポさんとコルベット監督が代理で編集した。ただし、このトラブルは紛れもない不祥事であるため対外的にはジーンが編集まで担当した事になっている。


Love・Begets・Love

登場作品:「映画大好きポンポさん2」

制作ミスティア(スタート時)、ペーターゼンフィルム(中途参加)
プロデューサーJ.D.ポンポネット(途中参加)、ミスティア(プロデューサー補)
監督ジーン・フィニ
脚本ジーン・フィニ
編集ジーン・フィニ
主要出演者ミスティアナタリー・ウッドワード(ダブル主演)など
ジャンルファミリー(姉妹)人情話
邦題おいしい私革命

ジーン監督フリー宣言後の第1作。監督の個人的な伝手とミスティアによるプロモーションで制作が開始されたが、のちに資金不足に陥り、結局ペーターゼンフィルム(ポンポさん)が制作を引き継いだ。ミスティアのプロデューサーとしての初企画参加作でもある。


Lunch Waggon

登場作品:「映画大好きポンポさん2」「映画大好きフランちゃん」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ポンポネット
監督コルベット
脚本マーリン・ユーチノフ
音楽キャロル・ロンシュタット
主要出演者フランチェスカ・マッツェンティーニ、カーナ・スワンソン、ユーゲン・マイルスジャック、マーティン・ブラドック(シークレットゲスト)など
ジャンルダイナーズシットコム、映画制作モノ
邦題恋人たちのクランクイン

ジーンに振り回されたポンポさんが、その怒りとフランちゃんに見えた「ピン」を具現化させるという理想と実益、その全ての都合を合致させて制作を決めた作品。フランちゃん初主演作品で、同時にフランちゃんをスターダムに乗せた作品となった。


Proslogion

登場作品:「映画大好きカーナちゃん」

制作ペーターゼンフィルム、スクリューボール・スタジオ(共同制作)
プロデューサーJ.D.ポンポネット、ウェズ・G・マクティアナン(共同)
総監督コルベット
監督レオン・ポールウェイド
脚本デュラント・クライスラー
コンセプトデザインカーナ・スワンソン(ノークレジット)
主要出演者レオン・ポールウェイド、カーナ・スワンソン、など
ジャンル超時空SF、SF考証ガチガチによる実質上のスペースオペラ

ヒロインを張りたいカーナちゃんとガチのSFを作りたいデュラントの利害一致によってポンポさんに持ち込まれた企画。

次元の果てからやってきた「神」が現生人類に戦いを挑み、その過程で浮かび上がる「プロスロギオン」という言葉の謎を、宇宙軍の少佐と彼に従うナビゲートAI(ガイノイド)のジレーネが追う物語。


Disgusting City

登場作品:「映画大好きポンポさんthe Omnibus じっちゃんの思い出編」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ペーターゼン
監督J.D.ペーターゼン
脚本J.D.ペーターゼン
主要出演者マーティン・ブラドックなど
ジャンル超・退廃系大作フィルム
備考ペーターゼンフィルム第1号作品

ポンポさんのじっちゃん、ペーターゼン氏、唯一の監督作。当時、役者学校の学生であった、マーティン・ブラドックの俳優&主役デビュー作。

「主役しかできない男」マーティンと出会い、若き頃のペーターゼンじっちゃんの男のロマンが爆裂しまくっちまった果てに「俺達は世の中になんぞ媚びねぇ!」などと遅くして(いいトシこいて)とてもありがちな病気に罹患した挙句の上に撮られてしまった退廃映像。

しかし世の中は「よ~く解り易い」超エンタメ&ハッピーエンド全盛の時代であり、時代に逆行しまくった尖りフィルムなど世の中に受け入れられるハズが無かった。この事はペーターゼン氏のトラウマとなり、結果としてペーターゼン氏はこの一作のみで監督を諦めてしまった。

しかし、この挑戦は多くの若い世代の注目を浴び、ペーターゼンフィルムにそうした若者を集め、後の時代に多くのジャンルを奮起させる起爆剤となった。


Seize the Day

登場作品:「映画大好きポンポさんthe Omnibus じっちゃんの思い出編」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ペーターゼン
監督ロッシオ・バルダッサーレ
脚本ロッシオ・バルダッサーレ
編集ロッシオ・バルダッサーレ
主要出演者マーティン・ブラドック、など
上映時間102分
評価ニャカデミー賞(作品賞・監督賞・脚本賞・主演男優賞)受賞作

「Disgusting City」を見てマーティンの使い方の勿体なさに奮起した、ロッシオ・バルダッサーレの監督デビュー作。

芸術性と娯楽性を高い次元で両立させつつ、とにかく「マーティン・ブラドックを最も美しく撮る」事を目的として制作された映画。

ニャカデミー賞4部門を制覇し、ペータゼンフィルムの名を一気にメジャーな会社へとのし上げた。


エージェント・ゴールド シリーズ

登場作品:「映画大好きポンポさんthe Omnibus じっちゃんの思い出編」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ペーターゼン
監督ヘディ・キースラー
脚本ヘディ・キースラー(脚本補:ロッシオ・バルダッサーレ)
主要出演者マーティン・ブラドックなど
ジャンル勧善懲悪スパイアクション

ペーターゼンフィルムが「後の大作」を作るために企画した娯楽映画シリーズでマーリンも大ファン。シリーズは全3作品。

エージェント「コードネーム:ゴールド」が某国の幼い王子様の護衛となり、彼と共に様々な陰謀をはね除けて大冒険を繰り広げ悪者たちをバッタバッタと薙ぎ倒していく物語。

マーティンはこのシリーズへの出演を「ジャリタレ映画」として嫌ったが、蓋を開けてみれば彼を完全な「お茶の間のスーパーヒーロー」にまで押し上げたシリーズとなった。

ペーターゼンフィルムのスクリプターであったヘディ姐さんが、ペーターゼン氏の推挙によりメガホンを取った。


Heart of Ghenna

登場作品:「映画大好きポンポさんthe Omnibus じっちゃんの思い出編」「映画大好きポンポさん3」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ペーターゼン
監督ロッシオ・バルダッサーレ
脚本ロッシオ・バルダッサーレ
編集ロッシオ・バルダッサーレ
主要出演者マーティン・ブラドック、など
ジャンル超大作戦争映画
上映時間152分
撮影期間1年4ヶ月
邦題ハート・オブ・ゲヘナ
評価ニャカデミー賞受賞作

鬼才、ロッシオ・バルダッサーレの最高傑作にして、ニャリウッド映画史・世界の映画史に燦然と輝きを放ち続ける永遠の名作。戦争を通し、人間の本性と建前と思い、その全てを余すところなく叩きつけ、この世とあの世、現実と幻想、スタッフと客、スクリーンと客席、その全ての区別を乖離・混濁させたと言われる、驚異の傑作。「エージェント・ゴールド」シリーズは、この作品を撮るために作られた。ジーン・フィニ(ただし覚醒前)すらも絶賛の言葉しか出ない作品。


Clip

登場作品:「映画大好きポンポさん3」

制作ペーターゼンフィルム
プロデューサーJ.D.ペーターゼン、ウェズ・G・マクティアナン(共同)
総監督コルベット
監督ジーン・フィニ
脚本ジーン・フィニ(脚本補:マーリン・ユーチノフ)
主要出演者ユーゲン・マイルスジャック、マーティン・ブラドック、など
ジャンルフィルムノワール、ピカレスク
評価ニャカデミー賞受賞作(作品賞監督賞ダブル受賞、主演男優賞ほか多数)

フルールドリスの文学サロン

登場作品:「映画大好きポンポさん3」

制作ミスティア・ゴロニャン・ピクチャーズ
原作フランチェスカ・マッツェンティーニ
プロデューサーJ.D.ポンポネット
監督ジーン・フィニ
メインカメラマズルカ・クシジャノフスカ
脚本マーリン・ユーチノフ
音楽キャロル・ロンシュタット
主要出演者ミスティアナタリー・ウッドワード(ダブル主演)、フランチェスカ・マッツェンティーニ、カーナ・スワンソン、ロザリンド・ソールズベリー、リーセル・パーカー、レベッカ・ロンシュタット、マーティン・ブラドックなど
ジャンル歴史もの、ウーマンリブもの
評価ニャカデミー賞受賞作(作品賞監督賞ダブル受賞、主演女優賞、カメラ賞ほか多数)

pixivコンテンツ


関連項目

オリジナル漫画

映画

関連サイト

劇場版「映画大好きポンポさん」公式サイト

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