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すずめの戸締まりの編集履歴

2022-12-30 10:20:27 バージョン

すずめの戸締まり

すずめのとじまり

新海誠によるアニメーション映画。2022年11月11日に公開された。

扉の向こうには、すべての時間があった───


概要

すずめの戸締まり(Suzume)とは、2022年11月11日に公開された新海誠監督による長編アニメーション映画である。

九州の港町に暮らす少女・岩戸鈴芽(すずめ)が、列島の各地に開いてしまう「災いの扉」を閉めるために旅をするロードムービー

メディアミックスも展開されており、新海誠自身の手による小説版が2022年8月24日に角川文庫から出版されているほか、甘島伝記によるコミカライズ版も同年10月25日から『月刊アフタヌーン』で連載が開始されている。

新海誠のツイート


新海誠監督は、本作を制作するきっかけとなったのは多くの要望であると語っている。同氏の作品は物語の舞台が実在の場所をモデルにしているほか、緻密(ちみつ)で美麗な描写が特徴となっており、これまでの作品の人気にあわせてさまざまな方面から「次回作は是非私たちの地域を舞台にしてほしい」という要望が多かったという。そこで、ひとつの土地だけでなくさまざまな土地を巡るロードムービーとして描かれることになった。

また、物語の要素である「災い」も、現実世界で世界を未だに覆っている「コロナ禍」が反映されており、『君の名は。』(2016年)で東日本大震災が、『天気の子』(2019年)で異常気象や気候変動が制作の出発点となったものと同じである。とりわけ本作では、東日本大震災東北地方太平洋沖地震)を含む震災について、真正面から切り込まれている。


作品情報

スタッフ

監督・原作・脚本新海誠
音楽RADWIMPS、陣内一真
キャラクターデザイン田中将賀
作画監督土屋賢一
美術監督丹治匠
演出徳野悠我、居村健治
CGチーフ竹内良貴
撮影監督津田涼介
助監督三木陽子
音響監督山田陽
音響効果伊藤瑞樹
企画・プロデュース川村元気
エグゼクティブプロデューサー古澤佳寛
プロデューサー岡村和佳奈、伊藤絹恵、伊藤耕一郎
音楽プロデューサー成川沙世子
制作会社すずめの戸締まり』製作委員会、コミックス・ウェーブ・フィルム
制作プロデュースSTORY inc.
配給東宝
公開日2022年11月11日

小説版

著者新海誠
初版発行2022年8月24日
発行者堀内大示
レーベル角川文庫
ISBN978-4-04-112679-0

コミカライズ版

作画甘島伝記
連載開始2022年10月25日〜
連載月刊アフタヌーン

ストーリー

九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)は、

「扉を探してるんだ」という旅の青年・草太に出会う。

彼の後を追って迷い込んだ山中の廃墟で見つけたのは、

ぽつんとたたずむ古ぼけた扉。

なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…。


扉の向こう側からは災いが訪れてしまうため、

草太は扉を閉めて鍵をかける“閉じ師”として旅を続けているという。

すると、二人の前に突如、謎の猫・ダイジンが現れる。


「すずめ すき」「おまえは じゃま」


ダイジンがしゃべり出した次の瞬間、

草太はなんと、椅子に姿を変えられてしまう───!

それはすずめが幼い頃に使っていた、脚が1本欠けた小さな椅子。

逃げるダイジンを捕まえようと3本脚の椅子の姿で走り出した草太を、

すずめは慌てて追いかける。


やがて、日本各地で次々に開き始める扉。

不思議な扉と小さな猫に導かれ、九州、四国、関西、そして東京と、

日本列島を巻き込んでいくすずめの”戸締まりの旅”。

旅先での出会いに助けられながら辿りついたその場所で

すずめを待っていたのは、

忘れられてしまったある真実だった。


(公式サイトのストーリー紹介より引用)


登場人物

岩戸鈴芽(いわと すずめ)

CV:原菜乃華 / 三浦あかり(幼少期)

九州の静かな港町で、叔母と二人で暮らす17歳の女子高生。

広大な廃墟のなか、幼い自分が草原をさまよい歩く不思議な夢をよく見る。

「閉じ師」の青年・草太と出会い、日本各地で開いてしまう「災いの扉」を閉める旅をする。


宗像草太(むなかた そうた)

CV:松村北斗SixTONES

”災い”をもたらす扉を閉めることを使命とする「閉じ師」の青年。

日本各地に現れる扉を探す旅をしており、扉のある廃墟に向かう途中で鈴芽と出会う。

そののち、謎の猫・ダイジンの呪いを受けたことで、鈴芽が幼いころに使っていた子供用の椅子に姿を変えられてしまい、3本脚の椅子の姿でダイジンを追いかけることになる。


ダイジン

CV:山根あん

鈴芽と草太の前に突如現れた、人間の言葉を話す謎の白い猫。

扉が開く場所に出没し、鈴芽たちを翻弄する。


岩戸環(いわと たまき)

CV:深津絵里

鈴芽の叔母。彼女が幼いころから一緒に暮らしており、現在では地元の漁業協同組合で働いている。

鈴芽の成長を見守る一方で、過保護なあまりつい口うるさくなってしまう一面も。


岡部稔(おかべ みのる)

CV:染谷将太

鈴芽の地元の漁業協同組合に勤めている男性で、環の同僚にあたる。

独身の環に対して好意をアピールしているものの、ことごとく空回りしている。


海部千果(あまべ ちか)

CV:花瀬琴音

鈴芽が旅の途中で出会う、愛媛に暮らす元気な少女。

坂道でみかんを落とした際に鈴芽に助けてもらったことをきっかけに、彼女と仲良くなる。


二ノ宮ルミ(にのみや るみ)

CV:伊藤沙莉

鈴芽が旅の途中で出会う、神戸のスナックのママ。

女手ひとつで幼い双子を育てており、愛媛でヒッチハイクをしていた鈴芽を神戸まで連れていく。


芹澤朋也(せりざわ ともや)

CV:神木隆之介

鈴芽が旅の途中で出会う、草太の親友の大学生。

口ぶりや振る舞いは乱暴だが、根は友達思いな青年。

愛車は赤いスポーツカー。


宗像羊朗(むなかた ひつじろう)

CV:松本白鸚

草太の祖父で、彼に「閉じ師」の使命を授けた師匠でもある。

東京のとある病院の一室で、鈴芽と話を交える。


サダイジン

鈴芽が旅の途中で出会う、人間の言葉を話す謎の黒い猫。

明確な目的を持って鈴芽の前に現れ、彼女の旅に加わることになる。


岩戸椿芽(いわと つばめ)

CV:花澤香菜

鈴芽の母親。

手先が器用で、料理や工作が得意。環の姉でもある。


楽曲

主題歌

作詞・作曲 - 野田洋次郎 / 歌 - 十明(とあか)


作詞・作曲・歌 - RADWIMPS


サウンドトラック収録曲

作詞・作曲・歌 - RADWIMPS


作詞・作曲・歌 - RADWIMPS


作中に登場する楽曲

(ルミのスナックで流れる昭和歌謡として登場)


新神戸駅の列車到着音として登場)


(芹澤が鈴芽と環を乗せてドライブするなかで流した曲として登場)


用語解説

後ろ戸(うしろど)

人々の暮らしが失われてしまった場所に開く、この世の裏側「常世(とこよ)」につながっている扉。

扉の向こう側には常世の景色が広がっているものの、何度そこに入ろうとしても決して踏み入ることはできず、扉の反対側に出てしまう。

また、開いてしまった扉の向こうからは災いが流れ込み、その土地一帯に甚大な被害をもたらしてしまう。


ミミズ

後ろ戸の向こう側から噴き出てくる、災いをもたらす赤黒い奔流(ほんりゅう)の通称。

この世の裏側「常世」を目的も意思もなくうごめく巨大な力であり、ひとたび後ろ戸を通って現れると、その土地一帯の地気(ちき)を吸い上げて膨張し、そのまま大地に倒れ込んで巨大な地震を引き起こす。


常世(とこよ)

人々の生きる世界である現世(うつしよ)の裏側に存在する、過去・現在・未来のすべての時間が同時にある世界。見る者によって広がる景色は異なり、鈴芽の目には満天の星が輝く草原が見えている。

また、その存在を知る者からは「死者の赴く場所」とも呼ばれており、現世に生きる者が足を踏み入れてはいけない場所として語り継がれている。


辺土(リンボ)

椅子の姿になった草太が夢のなかで行き着いた、常世よりもずっと深い場所にある孤独な世界。

波に打ち上げられた数多の骨と、古びた扉がぽつんと立っているほかは何もない広大な海辺であり、音も色も温度もなく、奇妙に甘やかな無感覚だけがその世界を支配している。


要石(かなめいし)

数百年に一度来るような巨大な災いを封じ込めるために、はるか昔から日本列島の西と東に祀られ続けている不思議な力を持った石像。

時代の流れや人々の宇宙観の変化に伴い、その時々に応じて必要とされる場所に移し替えられ、数十年から数百年の長きにわたって災いを鎮めている。


閉じ師(とじし)

人々がいなくなってしまった場所に開く災いの扉「後ろ戸」を閉めることを使命とする特別な存在。

閉じ師の鍵を握り、その場所にかつてあった人々の営みを想うことによって扉に鍵穴を浮かび上がらせ、祝詞(のりと)を唱えながら鍵を閉めることで災いを封じ込めることができる。

草太の一族は代々閉じ師の仕事を生業としており、草太自身も日本各地に現れる後ろ戸を閉めるために全国を旅して回っている。


すずめの椅子

鈴芽が幼いころに母親に作ってもらった、背板に目の彫られた小さな黄色い椅子。

現在は脚が1本欠けており、3本脚になっている。

ダイジンの呪いを受けた草太がこの椅子の姿に変えられてしまい、3本脚で歩き出すようになる。


その他

鑑賞にあたっての注意点

  • 地震にまつわる描写があることが公開前から告知されており、2022年10月22日には公式サイトにおいて「映画『すずめの戸締まり』ご鑑賞予定の皆様へ」という文面を掲載している。そこでは映画の完成に関するお知らせとともに「本作には、地震描写および緊急地震速報を受信した際の警報音が流れるシーンがございます。警報音は実際のものとは異なりますが、ご鑑賞にあたりましては、あらかじめご了承いただきますようお願い申し上げます」という旨の注意喚起が行われている。
  • 公開3日前の11月8日にも、公式サイトにて「本編中に登場する、または関連のある場所への訪問をされる皆様におかれましては、近隣住人の方々へのご配慮、および節度のある行動、マナーに十分心がけながらお過ごし頂きますようお願い申し上げます」というコメントを発表している。おそらく、本作の鑑賞にて新たに増えるであろうSixTONESのファンをはじめとする新規ファンに向けた注意喚起であり、本作に廃墟などが登場することも考慮に含めた上でのものと思われる。
  • 本作において鈴芽と草太が旅のなかで訪れた地域は過去に震災の被害に遭った地域であり、時代に幅はあるものの、上述の地震描写にはトラウマを刺激される人が多いであろうことが推察される。特に、愛媛県兵庫県神戸市は、どちらも「芸予地震」(2001年)と「阪神・淡路大震災」(1995年)という地震災害に見舞われているほか、鈴芽のかつての実家がある岩手県は特に「東日本大震災」(2011年)の主要な被災地であり、直接被害を受けた人はかなり覚悟する必要がある。また、鈴芽の現住所である宮崎県では「えびの地震」(1968年)、草太が住む東京都は「関東大震災」(1923年)という地震災害に見舞われた地域でもある。

興行収入・人気

2022年11月11日から同月13日にかけての3日間のオープニング成績は、観客動員数133万人、興行収入18億8421万5620円を記録している(参考記事)。これは『君の名は。』の興収比の150%超にあたり、『天気の子』のオープニング興収(16億4360万円)を超える好スタートとなっている。

公開1ヶ月後にあたる12月12日までの累計は、観客動員数636万人、興行収入85億9000万円となっている(参考記事)。あわせて、本作のドルビーシネマ版の上映が同月24日から全国6館の劇場で上映されることも発表されている。

公開から45日が経過した同年12月26日には、観客動員数745万人、興行収入が大台の100億円を突破したことが発表された(参考記事)。これにより、監督の新海誠は3作品連続で興収100億円を突破したアニメーション監督として、宮崎駿とともに名を連ねることになった。


また、日本国内での人気に乗ずる形で、2023年4月12日から世界各地で順次公開されることが発表されている。同月14日にはクランチロールの配給で全米公開が予定されているほか、欧州やオーストラリア、ブラジルといった各国でも同月12日〜14日にかけての公開が予定されている。


余談だが、公開された当初の映画館のなかには、一日の上映スケジュールの半数以上が本作というところもある。これにより、同日公開の『ブラックパンサー/ワカンダ・フォーエバー』がとばっちりを受けるという、某映画で400億稼いだ漫画原作アニメの映画と似たようなことが起きている(ちなみに、400億の方の上映はコロナ禍が猛威を奮い、洋画の上映が延期になっていた2020年の話である)。


入場者プレゼント

映画の公開にあわせて入場者プレゼントも企画されており、第1弾として小冊子『新海誠本』が公開日から全国合計300万人限定で配布されている。同冊子には、物語の構想や作品の意図などに触れた新海監督自身のロングインタビューや、主演者の原菜乃華松村北斗を交えた鼎談(ていだん)などが掲載されている。(参考記事

2022年12月3日には、第2弾として小冊子『新海誠本2』が全国合計150万人限定で配布されている。主演者の原菜乃華と松村北斗、音楽を担当する野田洋次郎RADWIMPS)が新海監督について語るコーナーや、劇中にちりばめられた謎に関するQ&A、そして劇中に登場する全国各地の印象的なシーンを追体験できるビジュアルページなどが掲載されている。(参考記事

同月24日には、第3弾として新海誠監督自身の手によるスピンオフ掌編小説『小説 すずめの戸締まり~環さんのものがたり~』が配布されている。主人公の鈴芽の叔母にあたる岩戸環の視点から、彼女が鈴芽に対して抱いている想いを明かす内容となっている。(参考記事


コラボレーション

  • auとのコラボレーション企画『すずめと旅する日本』が2022年10月28日に開始されている。「地域とともに、おもしろいほうの未来へ。」をキャッチフレーズとするこの企画は、映画の公開とあわせてコンテンツを順次追加する予定となっている。
  • マクドナルドは『ほんのハッピーセット』シリーズの新企画として、本作の公式スピンオフ外伝絵本である『すずめといす』(文:新海誠、絵:海島千本)を販売することを発表している。販売開始は2022年11月4日で、約8週間にわたり販売されている。また、コラボレーションCMとして、芹澤朋也役の神木隆之介が出演する『大人もハッピーセット』や、ビッグマックがフィーチャーされた『ビッグマックと、すすめ』が公開されている。
  • 2022年11月2日には、日本の全都道府県にある47の企業とタイアップした『日本の戸締まりプロジェクト』が開始されている。ビジュアルを使用した宣伝を通して日本各地から本作を盛り上げるほか、コラボCMなども順次公開される予定となっている。

余談

  • 本作は独立した世界線のなかで物語が展開されるため、これまでの作品のように過去作のキャラクターたちがカメオ出演することはない。しかしながら、作中には過去作で用いられたBGMが一部で使用されていたり、『天気の子』の登場人物たちが被っていたバイク用ヘルメットと同じものが登場するなど、新海誠監督作品のセルフオマージュを見つけることができる。

関連イラスト

《すずめの戸締まり》  門內世界すずめの戸締まり

行ってきます!


関連動画

『すずめの戸締まり』特報(2022年4月)


『すずめの戸締まり』予告(2022年7月)


『すずめの戸締まり』予告②(2022年9月)


行ってきますPV(2022年11月)


関連タグ


摩多羅隠岐奈:後ろ戸に関連している『東方Project』のキャラクター。


外部リンク

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