月に寄りそう乙女の作法
つきによりそうおとめのさほう
概要
本作はNavelの設立10周年記念として制作された、同メーカー初の女装ものである。
略称は「つり乙」
萌えゲーアワード2013における、大賞受賞作品である。
2013年7月に、バッドエンドルートのその後を描いたファンディスク
「乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-」が、
2014年12月には本作から更に十数年未来を描いた続編
「月に寄りそう乙女の作法2」が発売されている。
更に2015年にはPSVita専用ソフトとして本作のコンシューマ版、
「月に寄り添う乙女の作法~ひだまりの日々~」の発売が予定されている。
あらすじ
日本の財界を代表する財閥、大蔵家に望まれぬ子として生を受け
冷遇された日々を過ごしていた主人公、大蔵遊星
腹違いの兄である衣遠から、
目指していたファッションデザイナーとしての才能が無いと烙印を押され
落ち込んでいたある日、憧れのデザイナーが日本に新しい服飾学校を設立することを知る。
憧れのデザイナーの学校で学べるかもしれないと期待に胸を躍らせる遊星であったが、
なんとその学校は男子禁制の女子校だった・・
自分の夢のためにもその学校に通ってみたい遊星は、妹りそなの提案で、
性別と名前を偽り「小倉朝日(こくらあさひ)」となって、
りそなの友人である桜小路ルナの従者として服飾学校、フィリア女学院に通うことになる。
果たして遊星は無事、素性を隠したまま学生生活を終えることができるのだろうか・・・
主な登場人物
本作の登場人物の共通点として銀行や金融関係の企業の名前がついている。
主人公。
日本人であり大蔵家当主の長男である父と、アイルランド人の母を持つハーフ。
容姿は母親によく似た美人顔で、女装すると何の違和感もなく女の子に見える。
妾の子であったため、父親の本妻から疎まれ
母と離別させらて海外を転々とする生活を送っていた。
フランス、ボーヌの屋敷の地下のワイン蔵で、衣遠の友人であるファッションデザイナー
ジャン・ピエール・スタンレーと会ったのを機に、服飾の世界を志す。
ジャンが建てた服飾学校 私立フィリア女学院に通うため、
性別と素性を偽って桜小路ルナの使用人として、桜屋敷で暮らすことになる。
- 桜小路ルナ
メインヒロイン。凋落した名門桜小路家の末娘で桜屋敷の主であり朝日が仕える主人。
生まれついて持った白い髪と肌に赤い瞳により、
一族から敬遠され軟禁に近い扱いを受けたため、今は桜屋敷で一人使用人と暮らしている。
またその生まれつきの肌の弱さが原因で、太陽の下にあまり出れない。
普段はあえて偉そうな態度で、少し棘のある話し方をしているが根は優しい。
しかしかなりのドSであり、親しい者には無理を言って困らせるのが好きで、
よくユーシェや朝日をいじって楽しんでいる。
- 柳ヶ瀬 湊
メインヒロイン。親は新興の運送会社を経営している。遊星とりそなの幼馴染。
幼少の頃は男勝りな性格で、心配した親によって大蔵家にホームステイさせられた時に、
たまたま帰国していた遊星とりそなと知り合う。
登って遊んでいた木から落ちたところを遊星に助けられ、
それ以来彼に恋心を抱き、女の子らしくなろうと努力をし始める。
遊星がデザイナーを目指していたことを知っていたためフィリア女学院を志望、
通学のために桜屋敷に引っ越してくる。
- ユルシュール=フルール=ジャンメール
メインヒロイン。愛称はユーシェ
ルナの友人でスイスの伝統ある貴族の家の出身。
常に高飛車な口調で喋り、何かにつけてルナをライバル視しているが、
嫌っているわけではなく、純粋に友達としての対抗心からきている。
また会話に用いる日本語をルナに教わっているため、時々盛大に意味をはき違えた使い方をする。
飼っているペットの名付け親はすべてルナ。名前のセンスはお察しください
フィリア女学院に通うため、友人のルナの勧めで桜屋敷に住まうことになる。
- 花之宮 瑞穂
メインヒロイン。
ルナの友人で、関西では指折りの伝統をと歴史を誇る名家の娘。
極度の男性恐怖症であり、そのことを憂いた親の指示で従者の北斗は男装している。
フィリア女学院に通うために桜屋敷に来るまで、地元を一歩も出たことが無い箱入り娘で、
やや世間ずれした物の考え方をしている。
桜屋敷に向かう途中困っていたところを助けた朝日を気に入り、
屋敷で再開した後もことあるごとに朝日にアプローチをかけている。
遊星の腹違いの妹。ある意味本作のストーリーの大元の元凶。
幼いころにマンチェスターの別邸で困っていたところを遊星に助けられ、
それ以来彼に好意を抱く、自他ともに認めるブラコン
しかし長年特殊な環境で育てられたため、性格は当時とはうって変ってひねくれている。
どうにかしてフィリア女学院に通えないかと考えていた遊星に、
女装の話を持ちかけ友人のルナの元へと送り出した張本人。
- 大蔵衣遠
遊星の腹違いの兄で、世界的に有名なファッションデザイナー。
父親の愛人にあたる遊星の母を雌犬、遊星を雌犬の子と称してきつく当たる。
何事にも才能を重視する才能至上主義者で、
自分と同じ服飾の道を志した遊星に教育をつけるも、才能がないと言って切り捨て、
将来は自分の手元で使用人として働かせようと考えている。
備考
本作のファンディスクにあたる、「乙女理論とその周辺 -Ecole de Paris-」の初回限定版にて、
各ヒロインとのその後を描いたアフターストーリーと、
主人公の朝日に声が追加される本作のアペンドパッチディスクが特典として封入されていた。
現在はアペンドディスク単体が別売りされている。