警備府
けいびふ
日本海軍の所轄警備区の警備を担った機関。鎮守府に準じる役割を担った。
概要
鎮守府隷下で港務や海運を統率し、水雷隊を置いて警備するための機関として設置された要港部のうち、日米開戦に備えて1941年に鎮守府に準じた機関として改編されたもの。
ただし、独自の戦力は海兵団のみで固有の艦艇はなく、警備戦隊や防備戦隊といった実働部隊は各鎮守府から捻出した艦艇や人員によって構成されたものである。また、工廠の代わりに工作部が設置されていた。
1941年の改編時点では馬公、大湊、旅順、鎮海の4要港部が警備府に昇格(後に馬公警備府は高雄に移転し高雄警備府となっている)、同時に出師準備業務を行っていた阪神海軍部も大阪警備府に昇格し、後に海南島特別根拠地隊も警備府に昇格している(ただし、海南警備府は防備、資源の開発・取得、軍政を担うもので、他の警備府とは性格を異にする)。また、旅順警備府は1942年に定員が置かれなくなり、実質的に廃止されている。
第二次世界大戦後は高雄警備府以外が1945年に、高雄警備府は1946年に廃止された。現在、大湊警備府のみ海上自衛隊大湊地方総監部として継承されている。
pixivのタグとしては、「大湊警備府」「鎮海警備府」などのように警備府名の一部として用いられているものがほとんどであり、「警備府」単独タグの付加されたイラストは2015年9月21日現在存在しない。