概要
大手信号機メーカーである京三製作所が製造したアルミダイカスト製一体型信号灯器。
同メーカーが平成6年頃に製造したアルミダイカスト製分割型信号灯器の後継機種にあたり
平成9年から西日本の一部地域で設置され、平成11年からは全国的に設置されるようになった。
分割型と並行して製造していた時期もあったが、平成12年ごろから本機の製造のみに移行した。
特徴
出荷工場による違い
横浜工場製造分では製造番号の初めに「T」がつき、大阪工場出荷分では製造番号の初めに「Z」がつく。
西日対策
日光の反射を抑え、灯火の疑似点灯による誤認を防止する有色レンズが開発されており
スタンレー社製の「スフェリカルレンズ」と同社製の「ブロンズレンズ」の2種類が存在していた。
東京都や秋田県など西日対策を重視する地域では主に「スフェリカルレンズ」が採用され
「ブロンズレンズ」を採用する地域はごくわずかだった。
北海道と静岡県
前述の西日対策をしていない地域では省エネ電球対応の「ブツブツレンズ」を採用する事が殆どだったが
北海道と静岡県だけは頑なに「レモンレンズ」と呼ばれるレンズを採用し続けた。
どちらの地域も後継機種にまで「レモンレンズ」を使っていたのを考えると、何か愛着でもあったのだろうか。
レアモノ
本機の製造データが書かれた「銘板」には「金属製車両用交通信号灯器」と書かれている事が殆どだが
ごく稀に「U形車両用交通信号灯器」と記された灯器が設置されている事があり、形式が「VLA」から始まる仕様になっている。
これは過渡期に製造されたモノであるためレアリティは高く、製造番号が「Z」から始まる灯器に多く見られるという。
…しかし製造番号が「T」から始めるモノに関しては「金属製~」のモノが多いため目撃情報は耳にしていない。
OEM
松下通信工業など一部の後発メーカーは、京三製作所の信号灯器をOEMという形で使っていた。
特筆すべき点は「蛇の目レンズ」や「三協網目レンズ」を搭載した本機はこのOEM灯器でしか見れない事だろう。
愛称の由来
背面にある3つの突起が「カマボコ」を連想させる形状のため、信号機ファンの間でこの名称が定着した。