哺乳綱鯨偶蹄目ウシ科ヤギ亜科ジャコウウシ属の哺乳類。1属1種。
概要
カナダの北極圏、グリーンランドに分布。嘗てはユーラシア大陸の北極圏にも分布していたが、約3,000年前に絶滅した。
夏は10頭前後の小さな群れを作り水辺や湿原で、冬は20~30頭の群れになり山の斜面や高原の雪のひさしの下で過ごす。
体長194~246cm、肩高110~150cm、体重263~650kg。
ずんぐりとした頑強な身体つきで、被毛は暗褐色で粗く長い上毛と綿のような下毛(キヴィアック)のダブルコート。雌雄共に頭頂から下へ伸び、先端が上へ湾曲する長い角を持つ。
繁殖期は夏で、雄は雌をめぐって角突き合い激しく争う。興奮した雄は眼下腺から匂いのある分泌液を出し、「麝香牛」の由来となっている。
肉食獣に襲われると頭を外に向けた円陣を組み、子を内側に入れて守る。
草食性で、ツンドラ苔、草、木の葉などを餌とする。