AH-1Z
えいあーちわんぜっと
AH-1Zはベル・ヘリコプター社が開発した攻撃ヘリAH-1シリーズの最新モデルである。愛称は「ヴァイパー(毒ヘビ)」。
概要
アメリカ海兵隊では1990年代にAH-1Wの延命更新を計画し、それが形となったのがAH-1Z「ヴァイパー」である。これはUH-1Y「ヴェノム(毒)」計画と連動しており、これまでベル212ベースだったAH-1を、最新型のベル412ベースに改めた機と考えてよいだろう。
もちろん見た目はAH-1Wと類似しているし、機銃も20mm機銃M197に代わりはないが、内容はまったくの別物に等しい。一見でもローターブレードが4枚に増加しているし、それ以外にもエンジンはゼネラルエレクトリックT700系の最新型で飛行性能は大幅向上、コックピットも前後席がまったくの共通となり、訓練でも楽になる一方、緊急時も簡単に交代することができる。センサーはAH-64のものをさらに改良して搭載するなど、内部も総入れ替えされている。
エンジン・ローターまわりはUH-1Yと共通化されているので、運用コスト的メリットもある。実際、AH-64と比べても運用コストは4割程度とされ、さらにこれまで弱点だった搭載力は、今回の「改良」のおかげで同等にまで改善した。
アメリカ海兵隊では現在、AH-1Wを全機AH-1Zに改修する計画(といっても、コクピット周辺以外はまったく新規設計も同然で、事実上の魔改造である)が行われており、アメリカ軍からコブラが消えるのは遠い未来の話となりそうである。