概要
アメリカ海兵隊では1990年代にAH-1Wの延命更新を計画し、それが形となったのがAH-1Z「ヴァイパー」である。これはUH-1Y「ヴェノム(毒)」計画と連動しており、これまでベル212ベースだった海兵隊のAH-1を、最新型のベル412ベースに改めた機と考えてよいだろう。
もちろん見た目はAH-1Wと類似しているし、機銃も20mm機銃M197に代わりはないが、コクピット周辺以外は新規設計も同然で、中身はまったくの別物と言っていい。
一見でもローターブレードが4枚に増加しているし、それ以外にもエンジンはゼネラルエレクトリックT700系の最新型で飛行性能は大幅向上、コックピットも前後席がまったくの共通となり、訓練でも楽になる一方、緊急時も簡単に交代することができる。センサーはAH-64のものをさらに改良して搭載するなど、内部も総入れ替えされている。
エンジン・ローターまわりはUH-1Yと共通化されているので、運用コスト的メリットもある。実際、AH-64と比べても運用コストは4割程度とされ、さらにこれまで弱点だった搭載力は、今回の「改良」のおかげで同等にまで改善した。
アメリカ海兵隊では2020年にAH-1Wからの更新を完了。アメリカ軍からコブラが消えるのは遠い未来の話となりそうである。
2020年代からは輸出も行われ始め、バーレーンやチェコなどに採用されている。
日本での採用はAH-64Dに奪われたものの、そのAH-64Dの調達がグダグダに終わってしまった事もあって、今も島嶼防衛に最適な攻撃ヘリとして売り込みが続けられており、日本語の公式サイトも存在する。そのため「もし日本(陸上自衛隊)に導入されたら」という想像で描かれたイラストも少なからずある。
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