USB(ユーエスビー、Universal Serial Bus: ユニバーサル・シリアル・バス)は、コンピューターに
周辺機器を接続するためのシリアルバス規格の1つである。
通信時のデータレートは1.5Mbps、12Mbps(USB1.0制定時の規格)、480Mbps(USB2.0制定時に追加)、
5Gbps(USB3.0制定時に追加)である。USB3.0ではビットレートの増加に伴いUSB3.0通信専用信号線が
追加されているが、できる限りUSB2.0以前と互換性を取るように設計されている。
PCの電源いれっぱなしでも抜き差し(活線挿抜)できるという利点があり、またIEEE1394と比較しても
周辺機器の価格が安価にできるため、近年ではPC周辺機器の接続はほぼこの規格で統一されつつある。
ただ、CPUに負担をかけたくない用途(プロ用機器、DVカメラなど)ではIEEE1394が用いられる。
余談
USBのバージョン改定は機能の追加(USB周辺機器同士の通信など)、仕様の変更(電源仕様の改善など)も
含まれているため、USB対応機器のビットレートの宣伝にUSBのバージョンを示すことは正しいとはいえない。
USB対応周辺機器にはご存知のとおりUSBから電源を供給してもらう機器もあり、接続時の
誤作動を防ぐために電源線が信号線より先に接続されるように電源端子が長くなっている。
USBの電源供給能力は5V・500mA(USB3.0では5V・900mA)と規定されているが、バスパワー
タイプのUSBハブやノートパソコンなどの電源供給能力が弱い(または足りない)ものでは
これを満たせないことがあるので、USB接続のストレージ機器など電力を多く消費するUSB機器では
電力不足で動作しないことや、ACアダプタなど外部電源が必要になることがあるので注意が必要。
USBから電源を取るだけの商品(USB扇風機やUSBライトなど)が存在するが、便利である一方USBの
規格では規定されていない使い方なので、これが原因で故障してもメーカーが保証している一部機種を
除き保障してもらえないので注意が必要。
USB-シリアル変換機やUSB-Ethernet変換機など短いケーブルをもつデバイスを「しっぽ」とよぶことがある。
技術サイドの余談
シリアルケーブルやパラレルケーブルでは可能だったパソコン同士のインターリンクはUSBではホスト同士に
なってしまい通信できないため(USBはホスト-デバイス間の通信しかサポートしていない)パソコン同士の
インターリンクをするUSBデバイスは内部で パソコンA→デバイスA⇔デバイスB←パソコンBという形を
とってインターリンクを行うようになっている。また、USB機器同士の通信も内部では一方の機器が
ホストとして動作している。
近年のマイクロコントローラやマイクロプロセッサではUSBデバイス機能やUSBホスト機能を備えたものも
存在するので、TVやラジカセ、ミニコンポなどにUSBデバイスを接続するといった使い方ができるように
なった。(ちなみにパソコンではUSB機能はCPUではなく周辺LSIの機能)
ノートパソコン用の拡張バス規格であるPCカードの置き換え規格であるExpressCardバスの信号線には
PCI Expressの信号線のほかにUSB2.0の信号線が一緒に存在する。
USB2.0まで同期信号の重畳に1で信号そのまま、0で信号反転をするNRZI符号化を用いていたため、順次
送信するデータのビットに1が続くと同期信号が無い状態が続いてしまうため、USBの場合では6ビット
1が続くと強制的に0を挿入して同期を取る(ビット・スタッフィング)ようにするため、真っ白な画像など
一部のデータの転送ではデータレートが落ちることがある。(USB3.0のSuperSpeedモードでは
8b/10b変換を採用しているため、この現象は起こらない)
USB3.0の規格策定時にUSBの規格団体の一員であるインテル社は、高速転送に有利な光伝送を採用しようと
提案したが、高コストになってしまうという欠点により他の各社に反対され、採用は見送られた。