概要
ブレスオブファイアⅣの登場キャラクター。
CV:犬山イヌコ
呪いに汚染されたチャンバの町で主人公リュウが出会った、全身鎧の謎の人物。呪いのはびこる抜け道のガイドとしてパーティに加入。呪いを抜けた後も、何故か「マスターはリュウについて行くと言ってますよ。」と、その旅路に同行を申し出る。
「マスターがそう言ってます。」、「お礼はマスターに言うが良いです。ありがとう、マスター。」など、よく分からない物言いを多用するが・・・。
以下はネタバレになりますので、閲覧の際は注意してください。
シナリオ面
ブレスシリーズきってのミスリードキャラクター。
上述の不可思議な台詞回しに加えて、初登場時の個性的な演出、ユニークなキャラクターデザイン、声優を担当した犬山イヌコ氏の独特な声色＆演技、「笑うところ間違えましたね。」に代表される変人的言動。
それらの様々な要素から、多くの初見プレイヤーは「こいつは一人称がマスターの、ちょっと頭のイってるコメディリリーフなんだな。」と捉えてしまいがちとなった。
しかしその実態は、マスター（ご主人様）である「うつろわざるもの＝神」をその身に宿したただの鎧。人間ですらなかった。
うつろわざるものの一人である「ディース」は、人間の不完全な召喚術により実体を現世に保てず、一介の鎧に封印されてしまう。その鎧がどういった経緯でチャンバの町に渡ったかは劇中では語られてはいないが、同じうつろわざるものであるリュウと出会うことになり、ディースは鎧に命じて彼に同行。
「マスターがそう言ってます。」といった独特な口調は、彼の口癖というわけではなく、鎧に宿るディース（ご主人様＝マスター）に逐一指示を受け、それを鎧がリュウたちに仲介しているに過ぎないということであった。
やがてディースは封印から解放され、鎧から離れることになる。だが鎧はディースの気をあびて自我に目覚めてしまい・・・。
戦闘面
マスターのミスリードっぷりはストーリーだけに留まらない。
「伝承師」に師事することで、各キャラの育成方針をプレイヤーの好みに定められる本作において、伝承師選びはプレイする上での醍醐味であり重要な戦略の一つ。
前作の類似システム「師匠」でもそうだったが、序盤の時点で戦士タイプと魔法使いタイプの伝承師が登場し、プレイヤーは早い段階で選択を迫られることになる（必ず師事しなくてはいけないということはないが、師事した方が将来的には助かる）。
マスターの加入時点でのステータス傾向は最大AP、賢さ、素早さがとても低く、逆にHP、攻撃力、守備力が高め。
おまけに初期装備に、反撃率を上昇させる「あかマント」（アイテム説明欄には、ご丁寧に「マスターのトレードマーク」という注釈つき）の存在もあり、マスターは「前衛物理攻撃タイプ」と分かりやすく印象付けてくる。
この為、初見プレイヤーは概ね戦士タイプの伝承師をマスターにあてがった。
序盤～中盤にかけては、属性武器の充実といった要素もあり攻撃役として非常に頼れるが、自力で覚えるスキルに難があり、通常攻撃一辺倒になりがち。
他の攻撃手段が欲しくなる中、ストーリーを進めてディースが解放されると、その影響から最上級レベルの属性魔法を習得していく。是非使いたくなるところだが、ただでさえ元々悪かったAPの成長率に伝承師のマイナス補正が上乗せされ、最大APが要求コストを下回るといった事態が発生。
頼りにしていた物理攻撃にしても徐々に火力が物足りなくなり、「他のキャラには用意されている2ヒットする武器がマスターには存在しない」など最終的にかなり水をあけられることになる。
何故かずば抜けて高かったCP（後衛にいたターン終了時にAPが回復する値）の意味を思い知らされ魔法使い型に移行した場合でも、今までせっかく上げた攻撃力＆そのせいで犠牲になったAPと賢さの前に気まずさを感じることになる。
中盤までの攻撃役としては申し分ないので戦士型も決して悪くはないのだが、途中で方向転換するとなるとやはり中途半端になってしまうだろう。
そんなマスターだが、持久戦が得意というブレない強みがある。
CPの高さもさることながら、敵の単体攻撃を自分に集中させる「目立ちすぎ」が耐久性に優れるマスターと噛み合っており、早ささえ補えば（マスターならシステム上難しくない）「大防御」とのコンボも成立する。
CPで回復したAPは戦闘終了後にリセットされて持ち越せないが、タクレマで変換してしまえばセーフなのでダンジョン攻略という観点でもサポートに回れる。
総じて、色々な意味で他のメンバーとは毛色の異なる動きを見せるキャラクターと言えるかもしれない。
ラストバトルにおけるマスターの挙動
二種類あるラストバトルの内のアンフィニルートにおいて。
他メンバーは一様にアンフィニを撃退しようと攻撃を試みるのだが、マスターだけはひたすら防御を続けるという、一見すれば奇妙な光景となっている。
これに関しては
①マスターに宿るディースが、アンフィニ（うつろわざるもの）にヒトが敵うわけがない（攻撃するだけ無駄）と、マスターに諭しているのではないか。
②以前、ニーナに「鎧はそれを着た人を守るのが、鎧らしいと思いますよ。」と言われており、「鎧（自分）を着た人＝ディース」と捉えて、それを実行しているのではないか。
という二つが通説となっている。
