太陽光発電
たいようこうはつでん
概要
半導体の光電効果を利用して発電する方法。以前は太陽光発電をする半導体(太陽電池)が非常に高価であったため、離島の灯台や人工衛星、地球の公転軌道の内側へ行く探査機の電源としてのみ用いられていたが、太陽電池の発電効率の上昇により、21世紀に入るころから住宅や工場などの発電設備として普及し始めた。
光を受ければ何もしなくとも発電するので、光の当たる場所ならどこにでも設置でき、設置後の費用や手間もほとんどかからない(裏を返すと地元にあまり雇用が発生しない)。しかし面積を取る割に発電量が少なく、時間帯や天候に左右される欠点がある。
発電効率については25度が最適と言われており、温度が1度上昇する度に約0.5%下がっていく。つまり、日照量が多くなる夏場で逆にその性能が最大約27%も低下する。冬場でも供給過多から大規模停電の原因となるために停止するなど存在が微妙になりつつある。
また、台風や洪水の後にソーラーパネルが大きく破損している際には周辺に近寄らないこと。浸水・破損した場合であっても発電が可能なため、架台・支持物、集電箱、パワーコンディショナー及び送電設備に近づいただけで感電する恐れがあるためである。
出典:経済産業省 水没した太陽電池発電設備による感電防止についてのお願い
すでに太陽光発電の補助金は撤廃され、買取価格の優遇措置も徐々に撤廃されつつあるが、投資する側としては大きな利益が見込めるということで各地に巨大な太陽光発電所(メガソーラー)が建設されている。
しかし、他に使い道のない荒地や開発が頓挫した造成地の跡地ならばともかく、優良農地や自然豊かな山間部にまで太陽光パネルが敷き詰められるようになり、景観破壊や反射光による公害が各地で問題となっている。
更に再生エネルギーの買取料金も年々下げられており、その旨味はほとんどなくなっているのが実情である。各国で安全な他の発電形式の目途も立ち始めているために、一時的なつなぎ程度に考えていたほうがいいだろう。
向いている用途と不向きな用途
向いている用途
- 住宅や工場などの補助電源設備(屋根に設置することで、土地を占有しないで設置可能)
- 保守の困難又は煩雑な設備用電源
- 時計や電卓の電源(電池交換の手間が省けるまたは交換周期を長くできる)
- 街灯や常夜灯の電源(蓄電池と組み合わせる必要がある)
- 離島など、僻地の発電施設(こちらも蓄電設備と組み合わせるのが望ましい)
不向きな用途
- 日陰になりやすい場所での発電(山の谷間など)
- 汚れやすい場所での発電(火山灰が降る地域や砂塵の多い土地など)
- 日射量の少ない土地
- 台風と洪水が多い土地