ストーリー
地獄王ソロモンの命により、地獄王の跡継ぎを決めるため、その息子たち72人は地上にて殺し合う。生き残れるのはただ一人…。
そんな地獄王の下に68番目に生まれた萩野シンは、父である地獄王の怒りを買い、他の兄弟からも忌み嫌われていた。だからこそ、この戦いで生き残り、父にも他の兄弟にも自分を認めさせることを決意する。
登場人物
萩野シン(はぎの しん)
本作の主人公。名前以外すべてを忘れた「記憶喪失」の少年で、行き倒れていたところを拾われる。
自分勝手な性格で他人と馴れ合うことを嫌うが、荻野や葛城には心を開いている。
通称「68番目のシン」。ヘルアンデッドの主食である人間を食べることを拒否したため、父である地獄王の怒りを買い、他のヘルアンデッドたちからも忌み嫌われている。そのために、与えられた地獄武器も貧弱なフォークである。並大抵の攻撃では傷つかず、痛がることもない。
「記憶喪失」は演技であるが、人間界のことはほとんど知らないため、「世間知らず」として見られているようである。
どんな相手であっても決して怯むことはなく、常に毅然として立ち向かう。
葛城いこい(くずしろ いこい)
シンのクラスの女子。パン屋の娘。誰にでも気兼ねなく接する明るい少女で、クラスの人気者。シンの初めての友達。
萩野圭吾(はぎの けいご)
小説家。行き倒れていたシンを拾う。天涯孤独であるため、シンを家族のように思っている。
荻野忠春(はぎの ただはる)
圭吾の義兄。圭吾の亡くなった妻の兄で、無職。たまに圭吾の家に来ては金をせびりに来る。
偶然シノを拾い、ヘルアンデッドの存在を知る。そして彼女を言いなりにさせ、他のヘルアンデッドを捕らえ、その不死の力を研究し、我がものにしようとしている。
何故かヘルアンデッドを「化け物」と呼び、異様なまでに憎んでいる。
ヘルアンデット
和水(なごみ)
28番目のヘルアンデッド。長髪の優男。無類の動物好きで、野良猫や野鳥と触れ合うことが好き。しかし本人曰く「餌をあげると対等な関係で無くなる」ため、拾った動物はすべて親元に帰している。
戦闘能力は高いが、心優しい性格の為兄弟で殺し合いをすることを嫌っており、何かわかりあえる道はないか探っている。
地獄武器は髪留めで、外すと同時に剣に変化し、攻撃する際は刀身が長くなる。
本名は「ナゴ」。
二番目(セカンド)
2番目のヘルアンデッド。地獄王(ソロモン)の左目であるパーツ・「ヘルオッドアイ」を持ち、その力で人間とヘルアンデッドを識別できる。地獄武器は大剣で、普段はマフラーに変化している。
父親である地獄王に認められたいと思っており、また地獄王後継者の座を渇望している。
女郎花 轟六(おみなえし とどろく)
44番目のヘルアンデッド。シンを希望と呼び、協力する。地獄武器はボウガンで、普段は学生帽の形をとっている。
本名は「トドロ」。
シノ
萩野忠春に付き従うヘルアンデッドの少女。自分で何かを考えなければならないのが嫌で、忠春の言うがままにされ、彼に何をされても全く抵抗しない。
地獄武器は猟銃で、普段はスカーフの形をとる。
用語
ヘルアンデット
地獄から這い上がり土から生まれた化け物。不死身であり、どんなに攻撃を受けても死なず、傷も再生する。全部で72人存在する。
彼らを傷つけることが出来るのは地獄武器のみである。致命傷を負ったヘルアンデッドは身体が燃え上がり、灰となって死ぬ。
彼らの目的は地獄王の座に就くことであり、そのため生まれながらにして互いを殺し合う宿命を背負っている。
また地獄にいた頃は人間を食事としていた、食物連鎖の頂点に立つ生物であった。
地獄武器(ヘルアーマー)
ヘルアンデッドが地獄王から授けられた武器。ヘルアンデッドを傷つけられる唯一の武器で、全員が一つずつ持っている。
普段は別の物に形を変えており、所有者以外が触れると、電撃のようなものが走り弾かれる。そのため、地獄武器は本人以外には扱うことができない。
パーツ
地獄武器とは別に、地獄王が授けた自らの身体の一部。
特別な力を宿しており、 「右目」「左目」「両耳」「右腕」「左腕」「両脚」の6つからなる。