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フォワード

へりからおちてもこわれないとらっく

いすゞ自動車が製造する中型トラックである。日本国外では主にいすゞ・Fシリーズとして展開されているが、南米ではシボレーブランドで販売される。なお、北米においてはフォワードのキャブと6HディーゼルエンジンをGM製シャシに搭載した車両が、いすゞ・Fシリーズおよびシボレー/GMCのTシリーズとして展開されている。

前史

1966年、いすゞは日野自動車(1964年に初代レンジャー発売)、三菱重工業(現三菱ふそうトラック・バス、1965年にT620発売)に続いて初の中型トラック・TY型を発売した。

歴史

初代(1970年-1975年〔Sキャブは1970年-1986年〕)

1970年、TR型登場。D500型125ps搭載。先代のTY型に引き続き、セミキャブオーバー型を採用。フルキャブとSキャブ(ショートキャブ)の2種類があった。

1972年9月、マイナーチェンジ。SBR型が登場し外装デザインが変更される。

1974年5月、中型車初のAT車を追加。

1975年、フルキャブはフルキャブオーバー型としてフルモデルチェンジされるが、Sキャブは「フォワードS」として、1986年まで生産された。

2代目(1975年-1985年)

キャブタイプに変更された改良型で、ニューパワー後期型に似たデザイン。

ダイヤ社から保育園児用の玩具として商品化されているので有名。

十数年前まではどこにでもいる普通のトラックだったが、排出規制が強化された関係で急速に淘汰が進み、今では規制の緩い地方や工場内専用の消防車などに残るのみである。

1975年、フルモデルチェンジ。「フォワード・ザ・ビッグ」と称し、フルキャブオーバー型となる(SBR/FBR/JBR系)。6BB1型145ps搭載。

1976年7月、6BD1型160psを搭載し車型形式も*CR系となる。1978年、全輪駆動のSCS370型が追加。

1980年、マイナーチェンジ。6BF1型170psを搭載し車両型式も*D*系となり昭和54年排出ガス規制に適合。この頃低床車やワイドキャブ、助手席セーフティウィンドウ、ディスクブレーキ、エアサス、速度感応型パワステ、チルトステアリングなど、装備が充実し始める。後にターボエンジン搭載車も登場。

1984年、マイナーチェンジ。内外装デザインが変更され、車両型式もF系となる。昭和58年排出ガス規制適合の新開発エンジンを搭載。エンジンワンキー操作が装備される。

日本テレビ系列で1982年4月28日から9月22日まで2クール放映されたテレビドラマ『女かじき特急便』で、鮮魚輸送のトラックに劇用車として充てられたのはこの2代目モデルである(これは放映当時60秒×6社で構成されていたスポンサーにいすゞ自動車が入っていたため)。原作はビッグコミックオリジナル小学館)に掲載されていた木村えいじの漫画『女かじきEXP(エクスプレス)』。

3代目(1985年-1994年)

「840フォワード」と呼ばれる非常に有名なトラック。

(840は「はしれ」の語呂合わせになっている)

810や800系エルフの兄弟車である。

「ヘリから落ちても壊れない程度の能力」や「ウィリー走行をする程度の能力」を兼ね備えた頑丈な車種だ。

この車種から助手側ドアの窓周りが黒く塗られるようになり、以降暫くいすゞのトレードマークとなった。

近年、排出規制に厳しい地域では本拠を置けなくなり、廃車が進行しているが工事用車輌などではまだまだ現役車も多い。

尚、この世代は前照灯の形状により前期型と後期型に分けられる。

前期型

前照灯が分割された角形。

後期型

前照灯が一体型に変更され、横長のスタイルになった。

この改良は大型の810や小型のエルフでも同様のことが行われている。

1985年登場。愛称は810の弟分として開発コードの840(ハ・シ・レ)が与えられた。また、トラックとしては初めてグッドデザイン賞を受賞した。

消防車などの特殊車両向けにATがオプション設定されたが燃費は芳しいものではなかった。また、AUTOMATICロゴが装着された。ターボに加えインタークーラーターボの設定(6BG1-TC)。200PS以上にパワーシフトを設定。ステアリングロックが装備された。

1990年、ヘッドライトを角目4灯から異形タイプに変更。エンジンはそれまでの6BG1からSOHCヘッドを採用した6HE1に換装し従来から設定している6SA1を含めてNAエンジンはすべてSOHCに統一(6BD1ターボも廃盤)。これにより平成元年排出ガス規制に適合。

1992年、マイナーチェンジ。ISUZUロゴを現在のものに変更。SOHCインタークーラーターボエンジン6HE1-TC(250PS)を追加。250PS車には永久磁石式リターダも装備された

参照映像

但し、トラックでウィリー走行できたとして何の意味があるのかは誰も知らない。

4代目(1994年-2007年)

トラックのスタイルが近代化され、日野クルージングレンジャーやUDファインコンドルなど凹凸の少ないデザインが流行した時代のトラック。

それ以前のトラックは窓の下に段差のあるデザインが一般的であったが、この世代からは乗用車のようなスマートさを備えるように進化していった。

一方で側面デザインは840から継承され、安全窓の周りが黒く塗られたスタイルは続いている。

1994年2月登場。エンジンはTI、NA共にSOHC方式に統一。パワーシフトを標準化。ダブルキャブ車のリアドアは先代モデルのものを使用。

1994年7月大型仕様車(5t/7t)登場。

1995年、一部改良。NAエンジンを6HE1(7.1ℓ)系から6HH1(8.2ℓ)系へ変更。平成6年排出ガス規制に適合。

1996年、FTS(7t高床フルタイム4WD)、FVZ(10t)登場。

1997年、一部改良。トラックとしては初めて、全車に運転席SRSエアバッグを標準装備。ショートキャブ車「フォワードV」を追加。

1999年、マイナーチェンジ。NAエンジンに6HL1(7.2ℓ)の追加。TIエンジンを6HE1-TC(7.1ℓ)系からコモンレール搭載の6HK1-TC(7.8ℓ)へ変更。低床フルタイム4WD車(FRS-J、FSS-J)登場。平成10年・11年排出ガス規制に適合。

1999年8月エアサス車の構造を4バッグエアサスに変更したフォワードマックス発売。

2002年、一部改良。平成13年騒音規制に適合しクラッチレスのMT「スムーサーF」設定。

2004年、一部改良。排気触媒、噴射系改良等により平成15年・16年排出ガス規制に適合。完成ウイング車「Fカーゴ」設定。

2005年6月、新長期規制モデル(ADG-)の設定(D-COREシリーズ5.2ℓ4気筒4HK1-TC 190PS)、合わせて灯火器具類の保安基準改正に対応。バンパー等の形状変更・高出力車にもスムーサーFの設定拡大・「Fカーゴ」にアルミバン・アルミバンパワーゲート付を追加設定。

2005年10月、エルフにオプション設定された機械式ATスムーサーEオートシフトが、フォワードにも「スムーサーFオートシフト」としてオプション設定された。

この世代のフォワードは年式により3パターンに分けられる。

前期型

グリルがライトと同幅で1本のトラック。

中期型

グリルが細くなり、その上にダミーグリルが装備された。

後期型

燈火基準の変更によりバンパーのウインカー横に小型ライトが装備されたタイプ。

前期型を中心に若干の廃車が発生し始めているが、まだまだ運送の主戦力として我が国の物流を支え続けている。

尚、それにも関わらず何故かpixivでは人気が低くイラストが少ない。

5代目(2007年- )

現在のフォワード。

黒いドアは廃され、鋭くスマートなデザインに進化した。

また、ヘッドライトの形状はいすゞのロゴマークを模ったものだと言われている。

消防車や配送車などに幅広く導入が進んでおり町中で見かけるようになったが、標準にヘッドライトをバンパーではなく車体に装備した中型車としては唯一の存在である。

(車高の高い特殊車両などは特性のバンパーライトもある)

デコトラ伝説での登場名

初代 男一匹夢街道

  →フォーク

2 男人生夢一路

  → ISU-FOR (但しジャストンである)

3 男花道夢浪漫

  →フォールド

全国デコトラ祭り

  →FOWARDER

*芸術伝・真デコトラ伝説では単に「いつず4t」とされ、車種名は登場しない。

*いずれも4代目

2007年5月24日登場。GVW8トン車(FRR)と同11トン車(FSR)が同時発売。小型トラック「エルフ」との部品共有化が行われたほか、エルフ同様に機械式ATのスムーサーFxが標準装備された(従来のクラッチペダル付き6速MTも全車にオプション設定)。また、中型トラックでは初めて助手席用エアバッグとプリテンショナー付きシートベルトが設定された。6月2日には中型免許制度が施行され、フォワードは全車種が普通免許での運転が不可能になり、改正前の大型仕様増トンタイプと言われていた5.5t積みは特定中型貨物へと扱い方が変更になった。新長期規制+低排ガス+H27年燃費基準達成(PKG-)(PDG-)の適合化。全車D-COREエンジン化(NAエンジン廃止)。6HK1-TCSを300PS化。

従来のオルガン式エアブレーキペダルが、日野・レンジャーと同様の上吊り式(いわゆるプロコントロールペダル)になった。

増トン車(FVR・FVZ)と高床4WD車(FRS・FSS・FTS)はフロント周りが変更され、ヘッドライトがバンパーに装着されている。これは、FRRなど中型用のキャビンをそのまま使うと、ヘッドライトの位置が高くなり、新灯火器規制に対応できなくなるため。なお、高床4WD車と増トン車はウインカーの位置が異なる。

2007年9月、CNG車をフルモデルチェンジ。

2010年5月17日、マイナーチェンジ。一部車種がポスト新長期排気ガス規制に適合。6HK1搭載車は尿素SCRシステム搭載、4HK1搭載車は尿素フリーと2ステージターボ化。また、従来のJIS式ホイールに代わり、ISO式ホイールに変更となった。

2011年5月20日、GVW12トン以下車がポスト新長期排気ガス規制に適合。同時に搭載エンジンの見直しを行い、GVW8トン車並びにGVW11トン車の240PSエンジン搭載車はエンジンを6HK1から4HK1に変更。GVW14.5トン車には255PSエンジン搭載車を、GVW20トン車には260PSエンジン搭載車をそれぞれ新規設定。

2011年5月23日、東京都の指摘をうけ、最新の排出ガス規制に適合するフォワードの出荷を停止。

2011年6月3日、東京都は最新の排出ガス規制に適合するフォワードが、実際の走行試験で国の基準の3倍以上に上る排出ガスを出していることが分かったとし、国土交通省に道路運送車両法違反で通報、いすゞ自動車は同日リコールを届け出た。この問題を指摘した東京都の石原慎太郎都知事は6月3日の定例会見で「巧妙なインチキ。企業ぐるみの犯罪だ」と、排ガス規制値を決定する環境省や審査を実施した国交省の責任についても追及した。

フォワードジャストン(FORWARD JUSTON)

フォワードのシャーシにエルフのキャブを載せたモデル。三菱ふそう・ファイターや日産ディーゼル・コンドルにも同様のモデルが存在した。海外ではNQR/NRR(Nシリーズの一ラインナップ)として発売されている。キャビンが小型でベッドレスキャブの為に積載容積を稼ぐ事ができる。中小建設関連業種のダンプカーやミキサー車、清掃車、建機レンタルなどが多く保有している。車内はオルガン式ブレーキペダルの他はほぼ同一。

1986年セミキャブオーバーのSキャブ「フォワードS」を16年ぶりにフルモデルチェンジされる形で登場。

1988年マイナーチェンジ

1990年マイナーチェンジ。ISUZU文字が現在の書体になる。

1994年モデルチェンジ。

1996年軽量仕様のフォワードジャストン2(NQR)を追加。

2002年スムーサーFを設定。フォワードジャストン2国内向け販売終了(エルフに統合)。

2004年国内向け販売終了。

エンジン出力

規制・形式      排気量    馬力     トルク

K-

6BB1 5393cc 145ps/3200rpm 35kg/2000rpm

6BD1 5785cc 160ps/3200rpm 39kg/2000rpm

6BF1 6130cc 170ps/3200rpm 42.5kg/1900rpm

6BD1-T 5785cc 180ps/3000rpm 49kg/1800rpm

P-

6BG1-TC・TCE 6494cc 200ps/2800rpm 65kg/1700rpm

6SA1   8413cc 200ps/2700rpm 58kg/1400rpm

6BD1-T 5785cc 185ps/3000rpm 53kg/1800rpm

6BG1-S 6494cc 175・180ps/3000rpm 46・47kg/1800rpm

6BG1-N 6494cc 155・160ps/2800rpm 44・45kg/1800rpm

U-

6HE1-TCS 7127cc 250ps/2700rpm 70kg/1700rpm

6HE1-TCN 7127cc 220ps/2700rpm 66kg/1700rpm

6BG1-TC2 6494cc 230ps/2800rpm 66kg/1700rpm

6BG1-TC1 6494cc 210ps/2800rpm 65kg/1700rpm

6SA1   8413cc 200ps/2600rpm 58kg/1400rpm

6HE1-S 7127cc 195ps/2900rpm 51kg/1800rpm

6HE1-N 7127cc 165ps/2800rpm 46kg/1800rpm

KC-

6HE1-TCS 7127cc 260ps/2700rpm 77kg/1400rpm

6HE1-TCN 7127cc 230ps/2700rpm 68kg/1400rpm

6HH1-S 8226cc 210ps/2850rpm 55kg/1700rpm

6HH1-C 8226cc 185ps/2850rpm 55kg/1700rpm

6HH1-N 8226cc 175ps/2850rpm 50kg/1700rpm

KK-.KL-

6HK1-TCS 7790cc 280ps/2700rpm 82kg/1400rpm

6HK1-TCC 7790cc 260ps/2700rpm 76kg/1400rpm

6HK1-TCN 7790cc 240ps/2700rpm 70kg/1400rpm

6HK1-TCR 7790cc 205ps/2700rpm 55kg/1400rpm

6HH1-S 8226cc 225ps/2900rpm 58kg/1700rpm

6HL1-S 7166cc 205ps/2900rpm 51kg/1700rpm

6HL1-N 7166cc 180ps/2800rpm 50kg/1700rpm

PA-.PJ-

6HK1-TCS 7790cc 280ps/2700rpm 82kg/1400rpm

6HK1-TCC 7790cc 260ps/2700rpm 76kg/1400rpm

6HK1-TCN 7790cc 240ps/2700rpm 70kg/1400rpm

6HK1-TCR 7790cc 205ps/2700rpm 55kg/1400rpm

PB-

6HL1-S 7166cc 190ps/2900rpm 51kg/1700rpm

ADG-

4HK1-TC 5193cc 190ps/2600rpm 53kg/1600rpm

PKG-.PDG-

6HK1-TCS 7790cc 300ps/2400rpm 100kg/1450rpm

6HK1-TCC 7790cc 260ps/2400rpm 78kg/1450rpm

6HK1-TCN 7790cc 240ps/2400rpm 72kg/1450rpm

4HK1-TCS 5193cc 210ps/2600rpm 65kg/1600rpm

4HK1-TCC 5193cc 190ps/2600rpm 53kg/1600rpm

SKG-

6HK1-TCS 7790cc 300ps/2400rpm 100kg/1450rpm

6HK1-TCC 7790cc 260ps/2400rpm 78kg/1450rpm-2200rpm

6HK1-TCH 7790cc 255ps/2400rpm 76kg/1400rpm-2300rpm

4HK1-TCH 5193cc 240ps/2600rpm 72kg/1600rpm

4HK1-TCS 5193cc 210ps/2600rpm 65kg/1600rpm

4HK1-TCC 5193cc 190ps/2600rpm 52kg/1600rpm-2500rpm

生産拠点

いすゞ自動車藤沢工場

台湾五十鈴汽車工業股份有限公司 ・台中大肚工場

その他

その他については、1994年に公開されたスタジオジブリが製作した映画「平成狸合戦ぽんぽこ」の一場面で同型車両(3代目、中期型)が使用されていたことがある。

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