概要
第二次世界大戦中に日本海軍の建造した輸送艦。アメリカ海軍がマンリー級など駆逐艦を改造した輸送艦を投入し戦果を上げていたためこれに対抗する形で建造された。
船体は基本的に松型駆逐艦の設計をベースにしたが、艦尾に大発動艇発進用のスロープを設けブロック工法を採用した。この設計は橘型駆逐艦の設計にフィードバックされている。
46隻が計画され、21隻が建造された。
21隻中16隻が戦没した。
第一号型輸送艦各艦
- 第一号輸送艦:1944年パラオにて戦没。
- 第二号輸送艦:1944年8月小笠原諸島父島で戦没。
- 第三号輸送艦:1944年9月15日ミンダナオ島で戦没。
- 第四号輸送艦:1944年8月4日小笠原諸島父島で戦没。
- 第五号輸送艦:1944年9月にダバオで戦没。
- 第六号輸送艦:1944年10月の第一次多号作戦を成功させる。1944年11月にフィリピンにて戦没。
- 第七号輸送艦:硫黄島・小笠原方面への輸送に従事。1944年12月27日に米軍水上艦部隊と交戦し戦没。
- 第八号輸送艦:硫黄島・小笠原方面への輸送に従事。1944年12月24日に米軍水上艦部隊と交戦し戦没。
- 第九号輸送艦:いくつかの輸送任務に成功。戦後は復員船になる。その後アメリカに所有権を引き渡されるがそのまま捕鯨船として日本に貸し出され活躍。1948年解体→幸運艦へ。
- 第十号輸送艦:いくつかの輸送任務のほか、軽巡洋艦鬼怒、駆逐艦浦波の乗員を救助。1944年11月に戦没。
- 第十一号輸送艦:1944年12月7日にレイテ島で戦没。
- 第十二号輸送艦:1944年12月に台湾沖で戦没。
- 第十三号輸送艦:戦後復員船に、後に捕鯨船になる。1947年ソ連に引き渡す。
- 第十四号輸送艦:1945年1月に台湾で戦没。
- 第十五号輸送艦:1945年1月に戦没。
- 第十六号輸送艦:戦後復員船に、後に捕鯨船になる。1947年中華民国に引き渡す。武夷として国共内戦を戦う。1954年に廃艦。
- 第十七号輸送艦:沖縄・奄美への輸送任務に従事。1945年4月に戦没。
- 第十八号輸送艦:1945年3月に回天部隊を輸送中に戦没。
- 第十九号輸送艦:戦後復員船に、後に捕鯨船になる。その後イギリスに引き渡されるもそのままスクラップとして日本に売却。1948年解体。
- 第二十号輸送艦:1946年9月に復員任務中に座礁、破棄。
- 第二十一号輸送艦:1945年8月9日に米軍機の攻撃により大破、愛媛県津和地島に座礁・爆発。島の民家への被害もあった。