ジリアン・リットナー
じりあんりっとなー
「ボクがいるかぎり……これ以上ノエルだけに辛い思いはさせないから……!」
プロフィール
一人称 | ボク |
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年齢 | 15歳 |
身長 | 158cm |
魔人名 | 偏執の魔女 |
人物
ノエルと同じピアノ教室に通う彼女の親友かつ良きライバル。名門貴族のノエルとは逆に彼女の家は貧乏である。ピアノ教室の中でもずば抜けて才能を発揮していた彼女をひそかに目標としていた。
水色のショートカットと紫色の瞳が特徴で、心優しく友人想いな性格。また努力家であり、今年度のラプラス・ピアノコンクールで最優秀奏者に選ばれた。
ボマーによって家を爆破されて重症を負い、ノエルたちをおびき寄せるための人質となるが後に助けられる。その後、「ノエルに復讐をやめて、どこか遠い地で幸せになってもらいたい」ために大悪魔シーザーと契約し、バロウズ側の敵として彼女の前に立ちはだかる。
(契約の代償は「ネタバレ」の見出しに記載されています)
ゲーム説明書(隠し要素)
ジリアンはどちらかというと、スカートよりパンツスタイルのほうが好きらしい。
ネタバレ
この先、長文のネタバレが記述されています。 |
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ゲーム本編未プレイの方は、ゲームの面白さを損なう可能性があるので閲覧のお勧めはできません。
↓記事をスクロールするとネタバレが記載されています。閲覧は自己責任でおねがいします。↓
season7「end of the paranoid」
ジリアンは、海食洞でのノエルの堕天した姿を思い出していた。
あの時、あのような姿は彼女にはふさわしくないと思いつつも、何故かカッコいいとも感じてしまった自分に戸惑っていたのだ。
そして、自分の行いが本当にノエルを救えるのか、疑問に思い始めるのであった。
記念式典前日、偶然か必然かジリアンは街中でノエルとカロンと再会する。自分の家の様子を見に来たと言うノエルにジリアンは始めは「行かない方がいい」と告げるも、犯罪者である以上何となく察しがついており、それを覚悟で行くと答えたノエルに同行を申し出る。そして二人は共に街を歩きながら互いの思い出を語り合う。
初めてジリアンがノエルを市街地のアイス屋に誘った時の事。名門の令嬢である自分を特別扱いせずに普通に接してくれたジリアンをノエルは嬉しく思っていた事。友情の証として互いを名前で呼び合うようになった時の事。
二人が通っていたピアノ教室の前を通った時、ジリアンは語る。
ジリアンは「人の演奏を1度聴いただけで完璧に再現できる」才能を持っていた。それを両親が気づき、娘の才能を埋もれさせるわけにはいかないと高い月謝を払ってまでピアノ教室に通わせていたのだった。
だがそれはジリアン曰く「上手な手本を真似することしか出来ない」空っぽな演奏だった。だからこそ彼女は自分とは正反対のノエルの「意思のこもった、不思議な輝きを放つ演奏」に強く惹かれ、憧れたのだと。
幼い頃にノエルが言った「ピアノは作曲者の想いを読み取らなければならない」という言葉。未だにその「想いを読み取る」事が苦手だと言うジリアン。もしそれが出来たのなら、ノエルの見る景色が自分にも理解できたのだろうかと呟いた。
上層区への上り坂が見えてくる。そこはピアノの帰りにいつも二人が家路に着くために分かれる場所だった。
かつてジリアンは、自分以外のピアノ教室の生徒たちが帰りに坂に上る姿を見て「求められるのは演奏の技術ではなく華やかさであり、貧乏でそれがない自分は場違いな存在ではないのか」と落ち込んでいた。
ノエルはそんなことを気にする必要はないとジリアンを励ますが、それでも彼女は心の靄が晴れないでいた。
そしてそんな彼女に、ノエルはこう放った。
「あなたがかっこいいと思う、わたくしの姿だけを見なさい」
自分の背中をジリアンが見ていてくれる限り、自分は彼女の望むかっこいい姿でいられると。
その言葉に胸を打たれたジリアンは元気を取り戻し、真っ直ぐな彼女にさらに強く憧れるようになったのだ。
回想が終わり、ノエルたちは目的の場所へ着く。そしてその光景に彼女は言葉を失った。
荒らされた庭、壁にスプレーで書かれた心無い言葉。かつての豪邸チェルクェッティ家は見る影もなく悲惨な状態になっていた。ジリアンはこの現状を知っていたからノエルがここに来ることを最初は止めていたのだった。
ノエルはジリアンに両親の安否を確かめる。ジリアン曰く、どこか遠い場所に越したのだという。自分の復讐に罪のない親を巻き込み辛い思いさせたことにノエルは心からの謝罪を呟いた。
ジリアンは「復讐者になることは、このように無関係な親しい人までも巻き込むという事なんだ」と、真実を知らない一般市民に好き勝手に罵られ、除外されてもノエルは復讐を続けるのかと問う。
ノエルがカロンと契約した理由やバロウズの本性を知っているジリアンにとって、親友がただの犯罪者として迫害されているのが我慢できなかったのだ。
しかしノエルは全てを覚悟の上で、自分を陥れジリアンを傷つけたバロウズへの復讐に「想い」を込めているのだと告げる。それが自分の選んだすべての決着なのだと。それを聞き、ジリアンは何故あの時、堕天したノエルをかっこいいと思ったのかを理解する。
雲行きが怪しくなってきた頃、ジリアンは「ボクたちのピアノの終点で待ってるね」と言い残し帰っていった。彼女は翌日にノエルたちが式典を襲撃することに気づいていたのだった。
記念式典当日。仲間たちの協力を得てノエルとカロンはバロウズを追い詰める。しかしそこには以前より拘束が減っている大悪魔シーザーもいた。そして苦しそうにしているジリアンも後から続いて出てきたのだ。ジリアンは自分の限界まで代償を使い、シーザーの拘束具を出来る限り外していたのだった。そのためか彼女の目は焦点が合っておらず殆ど見えてない、あるいは失明している状態だった。
中途半端に引き下がって後悔するようなことをしたくないと考えた彼女は自らの「意思」で自分の全力を使ってノエルに勝負を申し出る。そしてそれに応えたノエルも堕天の力を使い、カロンと共にシーザーと激戦を繰り広げる。
二人の共闘でシーザーに打ち勝ったノエルたちにジリアンは負けを認める。しかし傍にいたバロウズがジリアンにゆさぶりの言葉をかけ始めた。
これ以上自分を犠牲にしないで欲しいと叫ぶノエルと、今ここでノエルを止めなければ彼女は自分の手に届かないところへ行ってしまうと囁くバロウズ。
だがジリアンは、ノエルが自棄になってるわけではなく、自分の「意思」で復讐を決めたのだと理解したため、彼女を応援すると決意したのだった。
しかしここでノエルとジリアンにとって予想外なことが起きる。なんとシーザーの拘束が割れていく音がしたのだ。それは「契約者の意思や安全など関係なく、悪魔の契約が達成できなくなる状況に追い込まれると拘束が自動的に解除される」という契約のシステムが作動されている音だったのだ。
拘束が完全に解かれ、シーザーは力を取り戻す。それと同時に、代償である五感を全て失ったジリアンは力なく倒れてしまう。
ジリアンを救おうとノエルたちはシーザーに立ち向かうが圧倒的な力の差で手を出す事すらできないでいた。
絶望的な立場の中、シーザーが何かを唱える。その瞬間、ノエルとカロンは不思議な空間に立っていた。シーザーが対話を望むために二人を自分が生み出した異空間の「時の狭間」に連れ込んだのだった。
シーザーはノエルに様々な問いをかけ、今までの契約者の苦痛を具現化した「嘆きの風」を乗り越えてジリアンを救ってみろと二人の絆を試す。一歩進むだけでも激痛を伴う風の中をノエルはカロンの制止を振り切って歩み続け、そして―――――――――
「(……何も見えないのに……なにか、感じる、気がする………)」
「(ほんのわずかな、温かみを………)」
「…………ノエル………なの………?」
「………」
「……そうよ、ジリアン………」
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「わたくしは、ここですわ……」
「こんなになるまでわたくしを想って戦ってくれて……ありがとう……もう、大丈夫よ……」
「…ノエル…………どうして、ボクなんかのために、ここまで…?ボクは、ノエルに沢山酷いことをしたのに……」
「わたくしのためを思って、ピアノにだってこめられなかった「想い」を込めてくれたんでしょう?だったら、それを見捨てたりなんてしませんわ。まあ、ちょっとハードでしたけれど……」
「今日のあなたは輝いていて、かっこよかったですわよ」
「……ノエル………ごめんね………ありがとう…………ごめんね………」
「いいのよ……わたくしこそ、ごめんなさい………」
嘆きの風を歩み切り、ジリアンを優しく抱きしめるノエル。そんな彼女の言葉に涙を流すジリアン。
ノエルからの答えを受け取ったシーザーは契約を破棄することを宣言する。そして、ジリアンの五感も時を得て、回復するだろうとも。
ノエルはシーザーに礼を言い、安らかな表情で眠るジリアンに告げる。
「あなたはもう、自分の道に立派な「意思」を込められる、わたくしと対等な存在なんだから」
「…この勝負、わたくしが勝ったから、わたくしが進みますわ」
「だから、あなたも、もう………」
「――――――自分の道を、行きなさい」