「飢えた野心は、目の前のエサしか見えなくなる。
……しっかりその通りになったじゃないか、なあノエル?」
プロフィール
一人称 | 私、オレ |
---|---|
年齢 | 32歳 |
利き手 | 右 |
誕生日 | 11月4日 |
血液型 | O型 |
身長 | 183cm |
肩書 | ラプラス市長 |
英語肩書 | THE YOUNG HERO |
魔人名 | ??? |
CV | 細谷佳正 |
概要
ラプラス市民から絶対の信頼を得ている若き市長。ラプラス市に巣食っていたマフィアたちを一掃したことなどから、市民の誇りである。物腰柔らかで誰にでも笑顔で接する誠実な好青年。
しかしそれは表向きの顔。裏の顔は目的の為なら手段を択ばない冷酷非道な性格で、他人を使い捨てることに躊躇いが無い。そしてノエルがその四肢を失った原因であり、彼女が復讐を誓った相手である。
銀髪のオールバックに金眼が特徴。黒いシャツと黒いジャケットに紫のセーターを合わせており、普段は眼鏡を着用しているが、本性を表す際には外す。一人称の「私」も表で使うもので、本来は「オレ」。
Season1
市の式典奏者を選ぶコンクールで優勝を逃し、プライドが傷ついていたノエルを夜の廃ビルに呼び出す。自身は動かずシビラを向かわせ、ノエルがカロンと「海運会社ステラステージの社長を殺す」契約を結ぶよう仕向ける。そしてノエルに契約の代償を押し付けた。
その後、真相を確かめにカロンと共に市長官邸に侵入してきたノエルに対し自分の本性を明かし、衝撃を受ける彼女に自分がコンクールの順位を操作したことを重ねて突きつけ精神的に追い詰める。しかし2人のことは取り逃がしてしまう。
そこで手駒であるボマーを派遣、ノエルの親友であるジリアンを誘拐させ、ノエルたちの始末を図った。結果としてボマーは敗北してしまうが、彼が自分に「なびかない」ことから、勝利したボマーを警官隊に始末させる予定だった模様(「潰しあってくれれば最高だった」とも述べている)。また、ボマー逮捕の手柄も自分のものにしている。
エンドロール後には、シビラにノエルたちの始末を命じた。
Season2
シビラを追い詰めたノエルたちの前に、謎の白い大悪魔シーザーを伴って突如現れカロンを退け、シビラが持っていた自らの汚職の証拠が詰まったメモリを回収した。
エンドロール後、シビラのことを「つまらない上に使えない女」「スクラップ」と評して始末した。
Season3
今シーズンではカロンとの過去が明かされた。
24歳の頃にカロンを召喚。「カロンが、バロウズが市長になるまで彼の用心棒となる」契約を「市長としての人生の破滅」の代償を伴って結んだ。なお、この頃はまだ前髪を下ろしており、白いネクタイをしていた。
その後、ラプラス市の2大マフィア、ロッソファミリーとビアンコファミリー、さらに父であるラプラス市長、エラルド・バロウズをラプラス・セントラルホテルに集め、一気に始末した。実の父親を殺す際にも一切の躊躇いは無く、カロンを驚かせた。なお、この頃から既にラプラス警察管理官であるジーノと繋がっていた。
既に冷徹な本性を見せ始めていたが、この事件の後からそれが加速。邪魔になりそうな者は何としてでも確実に消す姿勢を見せる。
そして市長になった後は、生贄に代償を払わせて自分の願いを叶える「スケープゴート契約」を始め、市長としての人生の破滅から逃げ続け契約の代償と戦うことを宣言。このことが原因でカロンと決別した。
過去編を通して、バロウズが「ラプラスの絶対的な頂点」「誰にも縛られず、なににも支配されないこと」に固執していることが強調され、また父親を「大きな足かせ」としか思っていなかったことなどが明かされるが、その理由は今シーズンでは不明なままであった。
時は戻って現在では、ノエルとカロンのことを世間に公開、市長として断固立ち向かうことを表明した。
シーザーを召喚した旧市議会議事堂にノエルたちが潜入した際には、脱出しようとするノエルの前に現れ、銃殺を試みる。しかし2階でカロンと戦闘していたシーザーが落下、その下敷きとなる。さらに弾切れとなり追い詰められるが、そこでシーザーの契約者であるジリアンが出現し、形勢が逆転する。なお、この契約に関してはバロウズがだましたのではなく、本人が望んだものらしい。結局、それ以上何もさせずにノエルたちを退散させた。
Season4
今シーズンでの登場は、ノエルたちにリッパーを差し向けたラプラス警察管理官、ジーノ・ロレンツィと話す場面のみ(一応ジーノの回想で、ジーノから電話を受けている)。バロウズはジーノの前では素を隠さないほど関係が深い。また、ジーノ・ジリアン・シーザーがカロンを誘拐したのも、おそらくはバロウズの指示である。
Season5
今シーズンでも登場は少ないが、カロンを閉じ込めた大石牢に現れる。ジーノや、バロウズが再編した新生ビアンコファミリーによる鉄壁の布陣を用意していた。囚われのカロンと会話を交わし、ジリアンに勝つようプレッシャーを与えた後、撤収した。
Season6
大石牢の戦いで失敗した新生ビアンコファミリーの幹部、アンセルモ・アンブロージオを訪れ、容赦なく始末。たった1回の失敗でも手駒を切り捨てる冷酷さを改めて見せた。ただし同じく失敗しているジーノに関しては「つき合いが長い」という理由で見逃している。また、そのジーノからは「他人を使ってばかりいるから、うまくいかない」と評価されている。
出番は終わりだが、その後コフィンによって、かつてバロウズは彼女とのポーカーに勝利したことが明かされる。
Season7
ラプラス市の記念式典を前に、ジリアンの状態を確認。肩を強めに叩いても反応が薄かったことから、彼女の限界を感じていた。
式典の数日前には独り思いに耽る。バロウズはラプラス市が嫌いであるらしく、エラルド・バロウズのような市長になることを期待され、「ラプラスの歯車」として生き方を縛られることへの嫌悪感を顕わにした。そしてラプラスという街に復讐するためにはノエルが邪魔であることを改めて認識した。
式典当日は、ノエルたちが襲撃して来る可能性は低いとしながらも、念のため警備を厳重にする慎重さを見せる。しかもノエルの勢力の戦略を完璧に予測し、警備隊にフーゴへの注意を促してみせた。
襲撃が発生すると2階でジリアン、シーザーと共にカロンとノエルを待ち受ける。しかし頼みのシーザーはノエルとの対話の末に消滅。堕天したノエルによる鎖の一撃をまともに受け、バルコニーまで吹き飛んだ。完全に追い詰められ、ノエルとカロンが「今のラプラス」より強いことを認める。そのままとどめを刺されるかに思えたが――。
バロウズ(……屈辱だ……)
バロウズ「……本当に、屈辱だ。ラプラスに生きるゴミごときに命を削る、この力を使わされるとはな……」
ラッセル・バロウズは堕天し、黒い鎖を出現させた。踏み倒した「市長としての人生の破滅」という代償そのものを喰らい、その強大な力を自分のものとしたのである。もはや悪魔の域に達したバロウズは、Season1で言い放ったようにカロンに「おくれをとることはない」。悪魔の契約の代償は絶対の摂理であり、戦いで勝つ手段は存在しないのだ。
一方でその力は本来バロウズを破滅させる力で、気を抜けば本人を傷付けるもの。最後の切り札を使わされたことで、今のラプラスではノエルたちを止められないと認め、ラプラスという街を開き本気で戦うことを決意した。
カロン「……いい顔じゃないか。かつてのお前を彷彿とさせるぞ……。それでこそ……お前の魔人名にふさわしい顔だな……」
バロウズ「とうに捨てた名だったが……再び名乗る日が来るとはな。覚えておけ、我が宿敵ノエル・チェルクェッティ」
バロウズ「――オレは加虐の魔人、ラッセル・バロウズだ」
そこにフーゴ、オスカーが介入、黒い鎖の力が弱まる(小説版では、集中が途切れたことが原因だとノエルが推測している)。さらに警官隊が迫っていたこともあり、時間切れを悟る。そして先ほどの返礼としてノエルとカロンを吹き飛ばした。
加虐の魔人と被虐の魔女は互いを睨み付け合う。
ノエル「……次こそ、あなたを……」
バロウズ「……次こそ、お前を……」
殺す
Season8
今シーズンから髪型を変え、服装も白いコートと紫のマフラーを着用。既存キャラクターの中では最も印象が変化した。また33歳になっており、このことからSeason8が11月4日以降であるとわかる。
ラプラス市に国の対テロ組織、OCTを受け入れたバロウズは、OCTの部隊長たちを観察・分析する。小さい街の事件に国が大規模に介入してきたことに不快感を覚え、殺してしまおうかとも一瞬考えたが、流石にやめている。
なお、この時点でドラットンは、バロウズが「ラプラスの深淵」なるものに関わっていることを察しており、またバロウズも「ラプラスに受け継がれる秘密を守りきる」と決意している。しかしそのラプラスの深淵については一切が不明なままであった。
バロウズ本人はその後登場しないが、カロンはスピカとの対話を通じて、バロウズとの契約について考え直した。カロンは「市長としての人生の破滅」という代償が的外れでありバロウズに刺さらなかったと、そしてラプラスに潜む大きな秘密を暴くことでバロウズにとっての破滅が何かわかると推測した。
Season9
OCTのルーチェの予定外の訪問に応じるが、シビラ・ベッカーの名を出されて珍しく動揺。加えて彼女を始末したことまで指摘され、ルーチェに対しての警戒心を顕わにする(ルーチェの方では、有能なシビラを殺したのは彼女が重要な秘密を知っていたからだと推測していた)。さらに「ラプラスの深淵」という言葉が出るに至り、容赦なく発砲するがルーチェの能力により銃弾を止められてしまう。
エンドロール後にも登場。海運会社アクエリアスの社長とラプラスの深淵について話すが、「会」の幹部として深淵の秘密を知る彼を始末する。関係者からルーチェに深淵の秘密が洩れることを警戒したバロウズは、深淵を知る者を全員消すことにしたのだった。
バロウズ「そういえば……ひとり、行方がわからない幹部がいたな」
バロウズが取り出した写真には、コフィン・ネリスが写っていた。
Season10
序盤ではノエルたちがバロウズとの記憶を整理し、海運会社アクエリアスの社長やシビラ・ベッカー、ラプラス警察の重鎮たち、コフィン・ネリスやカジノ・ミスティの上層部の人間など、ラプラスの秘密を知る人間を推測する。そしてそのほぼ全ての人間をバロウズが始末していた。しかしコフィンだけは自分で姿を眩ませており、彼女がseason10のキーパーソンとなる。
ノエルたちはコフィンのビッグゲームに参加するべく豪華客船ル・セルクイユに乗るが、バロウズも参加者として乗船していた。このゲームは52枚のトランプからアタリのカードを探し出すものだが、バロウズはノエルより先にそれを手にしていた。ここではバロウズとの論戦イベントが発生するが、ノエルの受け答えによって態度が大きく変わるため必見である。
論戦後はカードを海に投げ捨てると嘯き、カロンからアタリのカードだったらどうするのか問われるが、「運命は変わらない」と意味深な言葉を残し、ノエルたちとカードをトレードして去ってしまう。
ゲームに勝利したノエルたちはコフィンと面会、ラプラスの秘密について問い質す。そもそもコフィンがゲームを開いたのは、その秘密を捨てるためであった。ラプラスの秘密=ラプラスの深淵とは国家機密であり、コフィンも招待されたラプラス元老院(通称:会)が代々守ってきたものである。また、会を抜けようと自由を賭けたゲームを挑んできたコフィンに対し、バロウズは勝利していた。
その話をしている最中、バロウズは部屋に襲来。ルール違反を指摘するコフィンに対し、ラプラスから逃げた彼女の方がルールを破っていると反駁。堕天し『破滅へ落とす鎖〈モータル・アンカー〉』を発動。『被虐に繋ぐ鎖〈モータル・リンカー〉』で応戦されるが、ノエルの意志がぶれたためにリンカーにヒビが入りノエルたちは逃げに徹した。
その後ジーノが現れるが、彼(彼女)によればバロウズはジーノが入院している警察病院に刺客を送り込んでいた模様。狡猾に緊急手術の直後を狙ったようだが、ジーノが強すぎて暗殺は失敗に終わっている。
ジーノの介入により「ややこしくなってきた」としつつも目の前のノエルたちを片付けようとするバロウズだが、さらにドラットンが登場。「ラプラスの深淵を好き勝手している」バロウズに対し牙を剥く。赤熱武装による斉射を受けそうになるもルーチェがドラットンを撃退する。バロウズはルーチェから協力関係の締結を提言され、コフィンの身柄を差し出される。
そこにノエルたちが駆け付け、コフィンが深淵の秘密が入ったカードを渡そうとするも爆風により吹き飛ぶ。バロウズはコフィンの最悪の運命を確定させるべく彼女を殺そうとするが、自分で命を断たれてしまう。すぐさまモータル・アンカーでノエルを追い、拘束。カードを取り返そうとするがカロンのモータル・リンカーを受け、ノエルがカードを手にすることを許してしまう。コフィンの死により目的を達成したと判断したバロウズはヘリコプターに乗り、ルーチェに生き残るよう指示して去った。
コフィンがカードに記録した音声から、ラプラスの深淵が明らかになる。それは、ラプラスという街が100年前から国家公認で悪魔の召喚方法を収集・管理し、様々な権力者に悪魔を売っているというものであった。さらにエラルド・バロウズは悪魔を軍人に提供し富国強兵を成そうとしていた。
その後目覚めたジーノは、バロウズの態度が「ヤバい弱点握られてピンチってかんじじゃなかった」と指摘。ラプラスの深淵がバロウズの真の弱点ではないことを示唆し、自分が「ラッセルちゃんサイドの舞台裏」を知っていることを明かした。
Season11
市長官邸にてルーチェと面会。彼女にラプラスにいるOCTを掌握すればラプラスの深淵について共有すると約束する。なお、カロンから受けた鎖による頬の傷は治っていない。本人の出番はここで終了である。
一方、ノエルと会ったジーノは深淵の情報の見返りにバロウズの秘密を明かす。それはバロウズがカロンと決別する直前の頃、「始まりの悪魔を作ることに、興味はないか?」とジーノを誘ったことであった。それは代償なしに願いを叶えられるものであるという。
ジーノはバロウズがわざわざ「悪魔の契約の代行サービス」を提供していることを疑問視。また、「トリエラの悲劇」について説明し(詳しくはこちらを参照)、「悪魔が作られた」例と言えるのではないかと述べた。
Season12
ラプラスのOCTを事実上掌握したルーチェに対し、国が管理する悪魔の保管庫を共有。見返りとしてOCTラプラス特別対策部隊の指揮権の一部の譲渡をルーチェに約束させた。
その後緊急会見を開き、辞職を表明。一方で次の選挙へ出馬する意向も示した。いわゆる出直し選挙である。
OCTラプラス特別対策部隊の本部であるサンタンジェロ公立大学にて、バロウズは過去を回想する。それはジーノから「これ以上何を目指すのか」と問われ、そしてシビラから「面白くなさそうな顔をすることが多い」と指摘された記憶であった。
やってきたルーチェに対し、ノエルとカロンが現れる「予感」があると告げるバロウズ。ルーチェは「ノエルとカロンを待っている」風に聞こえると独り言ちた。
一方、カロンはバロウズの卒業論文の中に「始まりの悪魔」の文言を発見。太古の人間が無意識に自然に対して抱いていた敬いが誕生させた全ての悪魔の起源、その概念に対してバロウズがつけた名前だった。カロンはこの論文こそがバロウズの原点であると推測し、真実を知るべくして慧眼の星海を顕現させる。
カロンたちが導き出した結論。バロウズの野望とは、ラプラスという小さな街を土台に、裏の人間に対してはスケープゴート契約の請負を、表の人間に対しては市長選挙を利用して、ラッセル・バロウズという人間を「始まりの悪魔」にすることだった。なお、これを知ったノエルたちはラプラス上空に巨大な禍々しい紋章が見えるようになった。
大学にカロンたちが潜入したのを感じたバロウズは単独行動に移りながら、またも思考に耽る。生まれてからラプラスという街に縛られ続け、ようやく父を殺した後は悪魔との契約の代償に縛られた彼は「自由に夢を見る」という夢を叶えることを野望としているのだ。ところが、バロウズは野望へ邪魔が入る状況に昏い高揚を覚えていた。過去の選択に際してその感情があったことを彼は思い出す。そして彼は確信した。
ラッセル・バロウズは、野望を達成することよりも、そのために邪道を尽くすことを愉しんでいる。目的のために虐げるのではなく、虐げることで目的を果たすのを好む者。彼は正真正銘、加虐の魔人だった。そしてバロウズは、ノエルとカロンが自分を愉しませることを期待する。
脱出寸前のノエルとカロンを発見したバロウズは、モータル・リンカーを使わず1人向かってくるカロンと決着をつけるべく全力の戦いに出る。しかしカロンがバロウズにとっての「人生の破滅」を理解したことでかつての代償が復活、バロウズのモータル・アンカーは無効化され、市長としての人生がノエルによって破滅に終わることをカロンに突きつけられた。
バロウズ「ラプラスの長として宣言しよう! この戦いは、オレの……」
カロン「大悪魔として宣言しよう。この戦いは、私たちの……」
勝ちだ
Season Final
ラプラス市長選挙投票日まで2日、最終演説までは1日というときに、魔女「被虐のノエル」がバロウズの真の顔を暴くという予告(スラッグによるグラフィティアート)を目にする。急きょ会見を開き疑惑を否定、最終演説も取りやめない意向を示した。
そして市長官邸の屋上、ラプラスの頂点にてノエルとカロンを待ち構える。
バロウズ「ここから見下ろす官邸前広場には、まもなく大量の市民とマスコミが集う。全員、オレを神か何かと勘違いした間抜けどもだ。さぞかし滑稽で、笑えるだろうな。……だが」
バロウズ「お前たちはそれを見る前に、ここで死ぬことになる」
空の禍々しい天輪は「偶像」としてのバロウズに対する、始まりの悪魔の本体だった。それが悪魔を象徴する赤光を放ち、バロウズは天輪を背負った姿に変貌、「始まりの悪魔」になった。
バロウズは「カロン、あるいはノエル」「絶命せよ」と命ずる。それは願っただけで敵を消せるかどうか試したものであったが、“まだ”それはできなかった。バロウズは自分の力を試しながらカロンを攻撃する。なお、このときゲーム中では「バロウズに攻撃が通らない」という凶悪なデバフがかかっている。
バロウズの使った攻撃は、赤黒い光を発する基本攻撃(正体は不明)および、以下のように「願う」ことで代償無しに特殊な攻撃を顕現させるものなど。
- 「ラプラス警察よ、敵を制圧せよ」:ラプラス警察の機動部隊が出現、敵を挟み撃ちにする。
- 「手段は問わない。敵を消し炭にせよ」:広範囲の大爆発を起こす。
- 「名もなき悪魔よ、敵を制圧せよ」:3体の悪魔が出現、敵を攻撃する。
- 「愚かな市民たちよ、呪いの言葉で敵を無力化せよ」:市民の呪いの声が響き、敵の能力を封じる(スキルのゲージが増加しなくなる)。
- 「一方的に、敵を蜂の巣にせよ」:軍用ヘリコプターが出現、敵を射撃する。
また、バロウズは特殊な結界を展開しており、バロウズ自身や市民にとって都合の悪いものを自動で封殺する。よってカロンやノエルの脱出は不可能、市民から戦いが目撃されることもない。その上これはバロウズの意思に依らず常に発動しているため、彼が油断するなどして隙が生じることもない。
以上のような、魔人どころか大悪魔の範疇を越えた能力の数々でカロンを圧倒するが、ノエルとカロンは最後のモータル・リンカーを発動。バロウズは高揚しながら「お前のようなヤツと戦っている間しか自由を実感できなくなっている」と叫んだ。
モータル・リンカーと、ノエルの仲間の力によって攻撃を弾かれ、その隙を幾度となくカロンに突かれるが、バロウズが願うまでもなく傷は即座に完治。さらに消滅したモータル・アンカーを願って出現させるが、堕天の鎖で打ち破られる。あらゆる攻撃に対応されたにもかかわらずバロウズは笑みを絶やさず、同時にノエルとカロンを初めて恐れていることを認める。しかし始まりの悪魔のとしての力は無尽蔵。バロウズが力尽きる気配は無かった。
そこでノエルはモータル・リンカーによってピアノの音を響かせる。市民に都合の悪い音ではないそれは、バロウズの結界の影響を受けず、ラプラス市民の意識を熱狂から逸らした。これにより始まりの悪魔の力が一時的に消失する。
バロウズ「オレはあらゆるものから解き放たれた、この街の神だぞ……!」
ノエル「知りませんわよ、そんなの。わたくしにとって、あなたは――ただのクソ野郎ですわ!!」
ノエルの渾身の蹴りを受け、バロウズは屋上から官邸前広場へ落下。市民の注目を浴びたことで始まりの悪魔の力が再度発動するが、結界が壊れたまま傷が再生してしまう。そこにノエルによってバロウズが魔人であると市民に告げられ、熱狂が完全に冷める。一瞬「終わり」が頭をよぎるが、バロウズは開き直り魔人であることを認める。そして自らを見る者全てに向けて、願いを自身に託せば今日見たものを記憶から消してやると宣言した。
しかし市民は熱狂しきらず、警察やマフィアと通じていることも明らかになってしまい、バロウズが市長として積み上げてきた全てが崩壊した。OCTに連行される間際、始まりの悪魔の力を行使しようとするも、ただ指の音が虚しく響くのみだった。バロウズは疲れたように笑った。
バロウズ(なんだ……代償すら克服したオレよりも、代償で全身ボロボロのあいつのほうが……よほど自由じゃないか……)
1年半後、3すくみからフーゴ、オスカーに対して、バロウズのその後が告げられる。演説の日に逮捕されたバロウズは、協力者や国の重鎮に見切りをつけられたのか次々に余罪が明らかになった。事件から半年ほど経った裁判の日に何者かから狙撃され即死。ラプラスを虐げてきた若き市長、ラッセル・バロウズはその命を終えたのだった。
ノエルとの比較
ラッセル・バロウズとノエル・チェルクェッティには共通点が多くある。どちらも上級の家庭に生まれ、世間知らずな一面をもつ。両者とも家系に多かれ少なかれ縛られており、そして同じ大悪魔カロンと契約した。復讐を目的としている点も同じである。
しかしその在り方は根本から異なっていた。どちらも虐げられた身ではあるが、虐げられる側に立ち、仲間と共に生きたノエルに対し、バロウズは虐げ返す道を選び、どこまでも他人を道具として使った。加虐の魔人と被虐の魔女の境遇は似ていたが、生き方は全く反対だったのだ。
余談
ゲームの説明書には、バロウズは公務中、その日の気分で7つのメガネを使い分けていると書かれている。
公式ファンブックによれば、当初の名前はラッキー・バロウズで(ニックネームの可能性あり)、あらゆる困難を奇跡的な幸運で回避するという設定であったが、大味すぎて没になったらしい。また、強運に守られた敵に挑むという設定が「ラプラス」の名前に関連している模様。
バロウズの魔人名の候補として「被虐の魔人」もあったらしいが、今後の展開を踏まえて加虐の方を採用したとある。
また、好きな食べ物は白身魚で、ソテーやムニエルに白ワインを合わせるのが好きらしい。尤も、酒を呑むときはカロンを思い出してもしまうようだ。