「今夜もまた、“あたし”のカジノで人の人生が動くさまを見せてもらおうかね」
プロフィール
一人称 | あたし |
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年齢 | 51歳 |
職業 | ラプラスカジノ「ミスティ」オーナー |
魔人名 | 運命の魔女 |
人物
Season6から登場したラプラスカジノ「ミスティ」のオーナーで凄腕のギャンブラー。通称「マダム・コフィン」。白髪と左目の黒い眼帯が特徴。
かつての前オーナーとのゲームで勝利し、ミスティを丸ごと買収して現在の地位に就いた。
大きな運命を賭けた勝負事を好んでおり、ギャンブルを楽しむ為だけに己の半身を代償に悪魔と契約した「運命の魔女」(眼帯をしているのもそれが理由であり、その他の失った部位も義肢で補っている)。彼女が賭けに勝利すれば、それは起こりうる最大の勝利となり、負ければ起こりうる最大の敗北となる。
常に一人で行動してきたため、「己のみが頼り」という独自の哲学を持っており、どのような状況でも物怖じしないなど精神力も非常に強い。
活躍
Season6
初登場。ノエルとブラックジャックで勝負し、彼女の精神に揺さぶりをかけつつ己の賭けの強さで追い詰めるも、カロンの機転によりノエルが仲間を信じる強さを持った事で敗北。その後はバロウズへの義理を果たす為にカジノを燃やす。自身とノエル達を始末しようと後を追って来たジーノとの賭けにも勝利した後、ノエル達と別れ姿を消した。
Season10
アクエリアス社長と同様に、ラプラスの深淵に関わりがあることが明かされる。ラプラスの深淵に関わりを持った者は、ほとんど全員バロウズ市長によって始末されているが、彼女のみ生きながらえていた。
そして、ノエルたちをコフィン・ネリスのすべてを賭けた、最初で最後のビッグゲームに招待する。しかし、指名手配中の彼らに連絡などできなかったので、ばら撒いたウイルスを彼らに偶然に拾わせるという賭けを行い、見事に勝つことができた。
ノエルたちがラプラスの深淵を暴くために彼女のことを探し始めることに感づいており、ゲームに勝てばラプラスの秘密を話すことを条件に、ノエルたちの参加を促した。ラプラスの真実を暴き出すため、ノエルはコフィンのゲームに再び乗ることになった。
最初で最後のビッグゲーム(Season10)
ゲーム当日、ゲーム進行をサポートする杖を突いた黒衣(くろご)によって会場まで案内される。
会場は、豪華客船の「ル・セルクイユ」(フランス語で"棺")。客船の名前からも察するに、「最初で最後」と言ったのは、彼女が「ゲームが終わった後にラプラスから消える」と宣言したからである。だから、ノエルにとってこのゲームは、生きている人からラプラスの深淵を知ることができる最後のチャンスなのは間違いない。
乗客は皆ゲームの招待状を受け取ったマダムの知り合い達であり、ゲーム上では無礼講で行われる。あのバロウズ市長もその乗客の一人であるが、あくまでゲームプレイヤーとしてゲームに挑戦することになる。
概要
ゲームの司会を行うマダムはこれから概要を説明しようとするが...
「......さて。いきなりだが。」
「ーー残念ながらこの船は9時間後、爆発して沈没する予定だ。」
という衝撃的なセリフを放つ。運命の通り、9時間後には客船が爆発してしまうのである。
それを阻止するために、爆弾を解除できるカードキーを探すことが、このゲームのクリア条件である。しかし、カードキーはトランプを模した52枚のカードキーが存在し、爆弾解除できるカードキーは1枚だけである。つまり攻略方法は、様々なヒントを頼りに、9時間でアタリのカードを推理し、爆弾を解除するということになる。
一番早く爆弾の解除した勝者には、彼女の持つ全て(もちろんノエルが求めるラプラスの深淵に関する情報も含む)が与えられる。それどころが彼女の生殺与奪の権利すらも与えるという。
ルール
本ゲームのキーアイテムとなっているカードだが、同時に3枚までしか持つことができず、所持カードはつねに開示しなければならないという条件がついている。カードの交換や売買などは認められるが、相手には拒否権がある。
アタリのカードのヒントは、さまざまな娯楽(ショーステージ)、サービス(スート鑑定など)につながっており、クルーズ客船を歩き回ることで、ヒントを得ることができる。
爆弾を解除する方法として、「挑戦者の間」というものが存在する。誰が挑戦したか表示されないが、どのカードで挑戦したかは開示されない。腕ギロチンに腕を突っ込んだ状態で爆弾解除を行い、失敗するとペナルティとして、爆弾のカウントが30分進行する...だけならまだよかったが、入れていた腕を腕ギロチンにより切断されるというかなり過激な方法で行われる。
しかし、例外としてアタリカードと「数字が同じ」、「色が同じ」場合、ペナルティ回避ができる条件が存在する。実質、ペナルティを覚悟して挑戦した者が、結果からヒントが得られることができる、つまり挑戦者しかヒントを得ることができないということである。カロンは、このルールを利用し、一度「挑戦者の間」に挑戦し、どこを通ってどこから帰るのかを実体験し、その出口から開示しているカードを盗み見るという作戦を立てた。
ゲームクリア後の展開(ネタバレ注意)
ラプラスの深淵
無事アタリを引くことができたノエルたちは、マダムからラプラスの深淵について聞く権利が与えられる。しかし、マダムはラプラスの秘密に関して非常に危機感を持っており、全てを賭けてでも捨てたかったものだと言う。
まずマダムは、「ラプラスの深淵」にどのような者が関わっているか、どれほど重要なのかを明かす。彼女がカジノ・ミスティの支配人になって間もないころ、当時の市長「エラルド・バロウズ」は彼女をラプラスの重鎮たちを集めたラプラス元老院にスカウトし、国家機密である「ラプラスの深淵」を明かした。ラプラス元老院は隠語として"会"と呼ばれていた。国家機密の通り、ラプラス市に収まるものではなく、マダムはこの秘密をこの国の「汚い部分」と暗喩している。彼女は「ラプラスの深淵」を守るために、「マネーロンダリング」の場としてミスティを守り続けていたのである。エラルドの死後、"会"が混乱した時にラプラスを去るために、エラルドの息子、ラッセル・バロウズに自由を賭けたゲームを挑むが、完敗。そもそもエラルドの死因も、ラッセルが射殺したからで、既にひよっこではなかった。負けてしまった彼女は再びラプラスに縛られることになった。
その後
彼女の宣言通り、ゲームが終わった後はラプラスから消えるという運命をたどることになるが、ノエルたちは、勝者の権利として「秘密そのもの」ではなく、「秘密を知るマダムの協力」を持ちかける。しかし、マダムは彼女の提案を断った。あくまでマダムは、情報を渡すだけであり、その後のことに手を貸さないのだという。そう言った直後、ラッセル・バロウズが乱入したことにより、全員諸共逃げることになる。協力を拒まれたノエルは何度もマダムを説得しようとするが、彼女はノエルにこう返した。
「ーーいつから仲間って言葉をはき違えるようになった?」
この言葉がノエルの「コフィンとラプラスの深淵と向き合う意志」がブレ始める。ラッセルの攻撃から逃げてきた矢先に最初にノエルたちを案内した黒衣が現れ、行方不明になったジーノが変装していたことを明かし、ラッセルちゃんの弱みになる「ラプラスの深淵」を聞き出すために連れ去られてしまう。しかし、ジーノはルーチェ・マリーに襲われ、彼女と引き換えにラッセル・バロウズと協力関係を結ばせるために、彼女に攫われてしまう。
このゲームの真意
マダムがこのビッグゲームを行った理由は、以前に自由を賭けたゲームに負けたラッセル・バロウズにリベンジするためである。ミスティでノエルに負けた後に、誰にも縛られない自由の楽しさを思い出し、自分の運命に逆らってでも、ミスティを捨てて、逃げた。そして、ラッセル・バロウズ、殺し屋、上院議員を集めて、全員に再び自由を賭けたゲームを挑んだ。勝利すれば全員死に、晴れて自由になることを踏んで、このゲームを開催した。
そして迷いがあったノエルに、「自分の一手は、自分にしか打てない」と問いただす。ノエルがマダムに行っていた行為は、復讐に協力し、マダムが持つ秘密で代わりにバロウズを陥れるという復讐者として非常によろしくないことだったのだ。そのことに自覚したノエルは、マダムの言う通り、「ラプラスの深淵」の情報のみを要求し、マダムがその情報がかかれたカードを渡そうとするが、最悪の運命によってカードは遠くに吹き飛ばされてしまったため、追わなければいけないハメになる。
最悪の運命が目前になり、バロウズに敗北してしまう状況になった寸前に、自分の命を自分で絶つことで、最悪の運命、バロウズとの賭けを敗北のまま終わらせることなく、決着をつけた。
最期にノエルには「まっすぐ、自分の道を往け。」とノエルの背中を強く押した。
「そんなに急かさなくても、自分の棺にゃ自分で入る。とっておきのベットは、ダークホースに一転賭けだ。」
「ーーざまあみな。」
マダムの死後、ラプラスの深淵の中身に関する彼女の肉声が流れ、ノエルたちはその情報について知ることができたが、それどころではないノエルは「仲間になれる」と思っていた者の死によって、泣き崩れてしまう。しかし、かつてマダムと分かち合っていたジーノは、その死に様を敗北でなく、「完全勝利」と評価し、ラプラスの深淵をどう使っていくか問いただした。その言葉が無意識ながらももう一度ノエルを立ち上がらせることになった。
作中、ラッセル・バロウズの手によって殺された者はある程度存在するが、唯一ラッセル・バロウズから殺されずに人生を終えたキャラクターである。