鳩子さんは時々魔法少女
はとこさんはときどきまほうしょうじょ
『LaLa』(白泉社刊)に連載されている可歌まとの漫画作品。
2019年8月号から連載開始。
著者の前作である『狼陛下の花嫁』から世界観が、がらりと変わった、タイトル通りのロー・ファンタジー魔法少女(いわゆるエブリディ・マジックのバトルヒロイン系魔法少女)もの。しかし主役の魔法少女ははれっきとした社会人(OL)である。
企業のOLが業務の一環で魔法少女になる、という作品で、いわゆる公式ロリ化を前面に押し出している作品と言えない事もない。
あらすじ
玩具メーカー「ドリームメーカー星形」(以下、DM星形)に勤める総務部のスマートかつクールなOL、安槻鳩子(22歳)。
彼女が務めるこの会社、実は表の顔の玩具メーカーの他に、人知れず町の平和のために努めている「本業」があった。そして鳩子は、その本業のために常に「残業」に忙殺される日々であった。
実はDM星形の在する白鳥市は、9年前に隕石がとある小さな建物を破壊した事をきっかけとして、人間の生命エネルギーを吸い取る未確認生命体「マジャポン」が出没する土地となっていた。
正体不明のマジャポンを相手に人間の科学力は無力であり、人々はなす術なく未確認生命体の餌食となり白鳥市は人の住めぬゴーストタウンになり果てるかと思われた。しかし人々の無力の中、立ち上がった者たちがいた。
「魔法少女」と呼ばれる、謎の力「魔法」を使う少女たちである。
彼女たちの魔法のみがマジャポンに対抗できる唯一の力。その力を人々のために奮う姿に、街は希望を取り戻す。
そして街の人々を守る「魔法少女ラピスラズリ」と「魔法少女パール」、2人の魔法少女はあれよあれよという間に世の人々の憧れにしてマジャポンに対抗する偶像(アイドル)デュオ「ラピパル」と称されるようになっていった。当然のように、鳩子も人知れずラピパルのファンであった。
その2人の魔法少女の活躍という輝きの裏で、別の魔法少女が赤き流星の如く街の夜を駆け抜けていた。彼女の名こそ「魔法少女ルビー」。2人の魔法少女が討ち漏らしたマジャポンを掃討する、もうひとりの魔法少女。
実は―――DM星形の「本業」とはマジャポンの白鳥市内からの排除であった。そして鳩子こそ、そのための実働要員だった。つまり、鳩子の「残業」とは、ほかならぬ魔法少女ルビーに変身して人々の生活を脅かすマジャポンを殲滅する事であったのだ。
いい歳こいた子どもにも嫌われるドクールOLがロリ化して魔法少女……世の人々に知られたら大恥かつ大爆笑この上ない業務内容。そもそもがモノホンの魔法少女たちであるラピパルに、あまりにも申し訳がなさすぎるっ!
そんな事情を抱えつつ、ラピパルの活躍や、隣人のイケメン和田原氏の存在に癒されながら自らを奮い立たせ、鳩子さんは時々魔法少女として正体バレと隣り合わせの残業を戦い抜くのであった。
登場人物
- 安槻鳩子
- 玩具メーカーDM星形に勤務する22歳OL。基本的に氷点下系ドクール。ラピパルのファン。社長の長話にスルースキルと脳内ツッコミで対処する猛者。何の因果か業務命令で「魔法少女ルビー」となってマジャポンの討伐を行うという残業をするハメに。あまりにも恥ずかしすぎる業務内容に常に辞職の二文字がアタマをよぎる日々。
- しかし「魔法少女」となった事で、そこそこ良いマンション(実質上の社宅)に好条件で住まわせてもらえることとなり、しかも隣の部屋に住んでいたのがイケメンであったりするため、本人的には役得にも恵まれており悩ましい日々を送っている。
- 魔法少女としての必殺技はステッキでマジャポンを直接撲殺する「ルビー・インパクト」。
- 和田原
- 鳩子さんの隣人。穏やかな超イケメン。なぜか動物に絡まれやすく多くの群体に群がられる事も多々。出勤時間がかち合う事も多く、鳩子さんにとっては日々の癒し要因。
- しかし、裏側ではマジャポンに関わる何らかの陣営(DM星形社長いわく「悪の組織」)の一員であるらしき描写がある。
- ラピパル
- マジャポンを退治している「ラピスラズリ」と「パール」による二人組の魔法少女。ルビー(鳩子)と同じくDM星形の所属であるが、指令系統が違う(ラピパルは表側だが、ルビーは基本的に裏方要員)らしく当初は互いが互いの事を知らなかった。
- マジャポン