概要
秋山たまよによる日本の漫画作品。新紀元社より書き下ろし単行本として、0巻(序章)と1~6巻の全7巻が刊行されていた。発行順序としては0巻が3番目(2巻と3巻の間)になる。
1巻と2巻の初版発行時は、秋山たまよがCLAMPに所属していた時期だったため、共著者としてCLAMPの名前も明記されていたが、その後は秋山たまよのみの名義になった。
発行ペースは1年おきだったが、秋山たまよのスケジュールの都合(怠慢)で2巻以降、発行ペースが数年おきになり、2002年2月13日発行の第7巻を最後に発行されず、未完状態になってしまった(事実上の終了)。
解説本である0巻発行時にはドラマCDも発売されていた。予告では続きが出る旨のナレーションをしていたが、発行ペースが異常に遅いこともあって発売されることはなく、お蔵入りになった。
ストーリー
天宮(ラー)の王女クレアが、十二世界クラスターを闇の勢力から救うために旅立ち、それぞれの星の世界を旅するストーリー。
登場人物
クレア
CV:天野由梨
天宮の血をひく三王女の末娘。姉にエトラとフレイアがいる。性格はおてんばで無鉄砲。かっとなりやすく、怒ったらすぐに手が出る(主にアストルが犠牲になっている)。勉強は苦手で頭はあまりよくない。第一王女エトラが旅から戻らず、第二王女フレイアが病弱とのことから、第三王女クレアが天宮界の危機を救うために世界に散らばるガーディナルを結集させる役目を負うことになり旅立つ。ちなみに料理の腕は壊滅的。
ヒロインなのだが、わがままとも思える面が多々あることや、アストルを尻に敷いたり怒ってよく殴ったりしていることから(このことでアストルファンの怒りを買っていたと思われる)、第一回人気投票ではアストルやイルデより下(さらにゲストキャラである那海より下)だったり、あまり好かれていない。
アストル
CV:緑川光
ログストーンでクレアが出会った少年。自分の記憶を失っているため、クレアが「アストル」と名付けた。天宮図を読めたり、パウル族の本来の使い方を知っているなど、とても博識。武術の腕もあり文武両道。クレアの旅に同行して支える。性格は理知的で突っ走りがちなクレアの抑え役。人気投票では常に1位になるなど人気は高い。
パウル
ログストーンに住む種族。小柄で可愛らしい外見をしている非人外生物。「ぱう」と「アストル」しか喋らない。アストルには話が通じている。
エトラ
天宮の血をひく三王女の長女。万物を作り出す「ラ・ステイラの杖」を持つ。10年前に修行の旅に出たきり、帰還しなかったが、実際は行方不明になっていた。ちなみに料理は壊滅的に下手。
フレイア
天宮の血をひく三王女の次女。淑やかな性格。病弱のため、天宮からクレアの旅を見守る。だがサイバディオスによって拉致されてしまう。姉エトラや妹クレアと同じく料理下手。
キング=ガーディナル
ガーディナルの長。天宮からクレアの旅を見守る。手違いを装ってクレアを旅立たせるなど謎の多い行動をとる。
おばば
天宮に住む長老の一人。クレアの教育係。クレアには厳しいが、手違いでクレアが何の準備もせず突然旅立ってしまったときは、後を追って旅に出ようとするなど、クレアを大事に思っている。
ライアス
皇国レステルの皇子。軟派な性格だが、実は豪胆で計算高くしたたか。闇の一族の女性エクタシリアと惹かれあう。やがてクレア一行に加わることになる。
イルデ
地惺界エトリオの第二の結界である皇国レステルの若き紅晶の神官。ライアスの旅に同行している。旅の途中で見かけたクレアに想いを寄せる。エクタシリアの力でホーブに飛ばされてセレナに捕まっていたところをクレアに助けられて、やがてライアスと一緒にクレア一行に加わることになる。
那海
ウインラージの巫女。北の瞑海を護っている。たおやかな性格で、クレアにも優しく接する。領威とは相思相愛。領威が淵竜に殺されたことで仇討ちのために危険な海に潜って淵竜を探している。だが、ガーディナルとしてクレアの元に参じた淵竜を見て、それが領威だと理解して再会を喜ぶ。戦いの後、領威と共にクレアの旅立ちを見送った。
領威
ウインラージの西から来た青年。正体はガーディナル=ブエイル。那海と恋に落ちるが、殺害されてしまう。だが、死の間際に淵竜の死体に自らの力と意識を移すことで生きていた。ガーディナルとして覚醒した後は、クレアに力を与えて、那海と共に旅立ちを見送った。
淵竜
はるか昔にウインラージの大陸を砕いた竜。天宮によって封じられ、そのまま亡くなっていた。その肉体は海の底にあり続けていて、死の間際の領威は淵竜に力と意識を移すことで生き延びていた。闇の一族の力で煽られてアストルと戦うが、クレアの力でガーディナル=ブエイルとして完全覚醒して、クレアのもとに参じた。
ガーディナル=ブエイル
ウインラージのガーディナル。元々は領威の中に眠っていた。領威が殺されてしまったことにより、淵竜の肉体に宿った。
メテア
地惺界から生まれた守り人。テリスという双子の妹がいる。紅晶の神殿を守護している。幼い外見だが、毅然とした言動で、仕事に厳しいキャリアウーマン。かなりの長生きで、ガーディナル=ブエイルを『ブエイルの若造』呼ばわりする。自分を外見だけで判断した無知なクレアを見て不安に感じるが、キングガーディナルの考えを信じてクレアにテリスを救い出すように頼んで、クレアの旅を見守る。
テリス
地惺界から生まれた守り人。メテアの双子の妹。西方の碧晶の神殿を守護していたが、4年前闇の一族に捕らわれた。そのためメテア不在の碧晶の神殿は崩壊を始めている。
ゴードラス王
地惺界エトリオの第一の結界であるザナイルの王。かつては名君だったが、レオノラを娶って以来、色香に溺れて腑抜けとなる。国の一角が闇の一族の力で消滅しても犠牲になった民のことをかえりみない冷酷で暗愚な王になってしまった。
レオノラ
ザナイルの王妃。正体は闇の一族の女性エクタシリア。その色香でゴードラス王を篭絡して堕落させて、事実上ザナイルを制した。
ユスダード
ザナイルの神官。ゴードラス王が以前と違い、冷酷で暗愚な王に変わってしまったことに苦悩している。
ソート
ソラストに住む少年。生まれつき右手の手の平に白い紋様が印されている。そのためにいじめられていたが、その正体はガーディナルだった。ミリアの死で力を暴走させてしまい、ソラストの民を皆殺しにしてしまう。クレアやアストルと出会い心を通わせる。クレアがピンチのときに、ガーディナルとしての力が覚醒して敵を一掃する。その後、ガーディナル=デリュオスが完全に覚醒したことで、ソートの肉体はデリュオスのものになり、ソートはわずかな心を残して消滅した。
ミリア
ソートを庇う女の子。ソートにとっては姉のような存在。闇の一族に操られた人間によって殺害されてしまい、ミリアの死にショックを受けたソートは力を暴走させてソラストの民を皆殺しにしてしまった。
ガーディナル=デリュオス
精獣界を司るガーディナル。ソートの中に眠っていた。ガーディナルは体に白い刻印を持つことをクレアに教えた。
ラナ=フレイア
ホーブの元女王。セレナの姉。セレナに声とともに「護法の力」を奪われた。現在はセレナによって監禁されている。闇の一族によってセレナが変わってしまい、ホーブが他国との戦争に明け暮れていることに、心を痛めている。ラスティア復活でセレナの力が弱くなったことで声を取り戻し、アストルに助けられて自由の身になるが、闇姫によって石化されてしまった。
セレナ
ホーブの現女王。ラナの妹。右腕に白い紋様をもって生まれた選ばれた子(ガーディナル復活の鍵となる存在)であるために、生まれた頃から周囲に特別扱いされてきたが、ガーディナルが復活したときは自分の存在が消えてしまうため、そのことを恐れて複雑な思いを抱いていた。闇の一族から力(相手の力を吸収して自分のものとする力)を与えられたことで、ラナから「護法の力」を奪い監禁して、ホーブの女王として他国に侵略するなど私欲のかぎりを尽くす。クレアの力でラスティアが復活したことで自らの消滅を自覚して、消滅する直前に最期のあがきで「護法の力」を闇の一族に託した。ラナを監禁したが、ラナのことだけは愛していた。
ガーディナル=ラスティア
領法界を司るガーディナル。聖剣アグレイドの中に眠っていた。絶世の美女だが、冷淡とも受け取れるほどの厳格な性格。クレアの力で復活を遂げ、自分の分身であるセレナから「護法の力」を取り戻そうとするが、アルテシアにより阻まれ、闇姫の力で石化されてしまった。
ファラ=ステイラ
創星界オレイガの守人。美しい女性の姿をしているが、星王剣ザ・エクサソートの仮の姿である。クレアに誘われたことで、ライアスの剣として、剣の姿で共にクレアの旅に同行することになる。
ディーナ
メディオに住む女性。峠の番人をしていて、クレアを助けたことで知り合う。フレイアによく似ている。
サイバディオス
闇の一族のリーダー的存在。見目麗しい青年だが、女性としての姿も持つ。フレイアを連れ去った。敵役だがイケメンのため、人気投票上位にランクインされるなど人気は高い。
エクスタリア
闇の一族の女性。レオノラと名乗り、ゴードラス王を己の色香で腑抜けにしてザナイルを事実上制した。ザナイル城に侵入してきたライアスを気に入り、自らの力で別世界に飛ばすことで、わざとライアスを見逃すなどしている。
アルテシア
闇の一族の女性。
闇姫
闇の一族が「ラ・ステイラの杖」の力で作り出したクレアに対抗する力を持った女性。漆黒の髪に漆黒のドレスに身を包む。正体はクレアの細胞から作り出されたクレアのクローン。本人曰くクレアの唯一の肉親。最初はクレアを圧倒したが、動揺したクレアの力を受けて重傷を負うなどオリジナルには及ばなかった。