ようこそ、オバケたちのすむぞくぞく村へ。
概要
あかね書房にて1989年5月から発刊された児童文学作品。
原作は末吉暁子氏、挿絵は垂石眞子氏が担当。
タイトルの通り「おばけ」を題材にした作品。
原作者である末吉暁子氏の病没により、2016年10月をもって完結。
全19巻。
pixivの検索では『ぞくぞく村』がヒットしやすい。
ストーリー
ぞくぞく村に住んでいるのは、ちょっと変わった妖怪ばかり。さむがりやのとうめい人間、入れ歯のドラキュラ吸血鬼。ほうきに乗れない魔女のオバタンに、時々ブタになってしまうおおかみ男など、楽しい仲間が集まって、けっこうゆかいに暮らしています。
(東映ビデオ株式会社の購入ページより)
本作の特徴
一話完結で巻ごとに毎回主人公が変わる形式。
主役になるキャラは性格や職業、生態等がそれぞれ違うため、色々な視点で物語を楽しめる。
登場人物は全て妖怪であり、世間でお馴染みのモンスターやオリジナルキャラクターまで種類は様々。児童向け作品ゆえか、どれも可愛らしいユニークな姿で描かれている。
一方で、おどろおどろしい怪奇作品としての側面も持ち、
- ミイラが浸かる風呂の中身がホルマリン
- 人間の血液がお酒として飲まれている
- アパートは墓場に存在している
・・・等々、時におっかない描写もされている。
ぞくぞく村
本作の舞台となるおばけ達の暮らす架空の村。
名前の由来はこの土地を通ると背筋が「ぞくぞく」することから。
人間社会とは昼夜が逆転しており、ここの住民は基本夜に活動して昼に就寝する。そのため、昼間に人が村を通っても何だか背中がぞくぞくするだけなのである。
各方面に妖怪達の住居があり、村の中心は店舗が集中していて賑やか。
人間が訪れることも可能らしいが、ぞくぞく村の食べ物を食べると元の世界に帰れなくなってしまう。
ぞくぞく村だより
巻末に記載されたおまけページであり、当作のお遊び要素。
ぞくぞく村で発行されている新聞と言う設定。
内容は妖怪達が送る日常生活の紹介をメインとして、新聞らしく店舗の広告や各住民からのお知らせがある。このページに次回作の予告・伏線がこっそり存在する。
(現実の)読者が送ったイラストも載せられている。
タイトル一覧
作品名は「ぞくぞく村の○○」で統一。
○○の部分にその巻の主役である妖怪の名前が入る。
「ミイラのラムさん」
「魔女のオバタン」
「ちびっこおばけグー・スー・ピー」
「子鬼のゴブリン」
「おおかみ男」
「ドラキュラのむすこ」
「妖精レロレロ」
「とうめい人間サムガリー」
「がいこつガチャさん」
「雪女ユキミダイフク」
「雨ぼうずピッチャン」
「魔女のオバタンの使い魔」
「ゾンビのビショビショ」
「怪鳥ホヤホヤ」
「のっぺらぼうペラさん」
「かぼちゃ怪人」
「魔法少女カルメラ」
「ランプの精ジンジン」
「にじ色ドラゴン」
アニメ
1996年からビデオ作品として公開(後にDVD化)。
タイトルは『ぞくぞく村のオバケたち』。
全12話。
「魔女のオバタンの使い魔」までアニメ化された。