ユニコ
ゆにこ
概要
手塚治虫がサンリオから出版されていた女子児童向け雑誌「リリカ」、および小学館
刊行雑誌「小学一年生」で連載していたファンタジー漫画。
(手塚本人もあとがきで「いい子にし過ぎた」と自戒する程に)健気でとにかく愛くるしいユニコのキャラクター造形もさることながら、手塚ならではのシビアで悲劇的な世界観がそれと対を成している。
サンリオレーベルで2回にわたってアニメ映画化されており、分かりやすく練り上げられた感動のストーリーと滑らかで見応えのある作画から隠れた名作として評価されている。
連載当時は相応の人気があったものの、1983年の映画第2作『ユニコ 魔法の島へ』以降は30年以上メディア展開や単行本の再版に恵まれず人々の記憶から薄れていった。連載中も他の連載との兼ね合いがとれずカラー具合のクオリティが維持できていなかった上リリカ自体が休刊という終わり方だった為しょうがないところもある。
しかし近年カラーページを完全再現した復刻版が刊行され話題になった。
さらに2015年、クラウドファンディングにより「あらしの妖精」と共に英語版の刊行が決定された。(リンク)
ストーリー
ギリシャ神話の美の女神:ビーナスはすごいやきもちやき。人間の少女プシケが自分より美しく人気があるのが我慢なりません。そんなプシケが何より可愛がっているのがユニコーンの子供ユニコ。ユニコには不思議な力があり、自分を愛してくれる人のために奇跡を起こすことが出来るのです。
プシケの美しさの秘密がユニコにあると知ったビーナスは、西風の精ゼフィルスにユニコを遠くに捨ててくるよう命じます。ゼフィルスはユニコが可哀想で仕方有りませんが、神様の命には逆らえずユニコを遠い時の彼方へ送ってしまいます。
ここから始まるユニコの冒険。中世ヨーロッパ、帝政ロシア、果てはアメリカ妖精の国まで、西風に吹かれてユニコは旅を続けます。出会った人との友情も、積み上げた愛も、思い出も、西風の力で吹き消されながら・・・・。
キャラクター
ユニコ
ユニコーンの子供。自分を愛してくれる人のために奇跡を起こす事が出来る。健気で純粋な性格の持ち主だが、反面繊細で傷付きやすい。西風ゼフィルスによって色んな時代に飛ばされており、その都度記憶を吹き消されてしまっている。