作品解説
「エイリアンVSプレデター」を出版した、ダークホースコミックス社が、同様に「バットマンとプレデターとを対戦させたらどうなるか」というところから実現した、クロスオーバー企画。91年に全三章のミニシリーズとして発行された。
好評で、同タイトルは二作目、三作目が製作・販売されている。
日本では、一作目のミニシリーズ三章が邦訳されている。
初出は、ビクター・エンタテイメント社が94年に発刊していた季刊邦訳アメコミ誌「スーパーコミックメーカー」のvol3およびvol4に、それぞれ1、2章が邦訳され掲載(同雑誌はvol4で打ち切られたため、3章は単行本のみに掲載)。
本項では、この一作目のみを解説する。
内容
ボクシングのチャンピオン決定戦が行われた夜。チャンピオンボクサーが惨殺された。
その日のうちに、敗北したボクサーもジムで惨殺される。
当初は、互いのボクサーのスポンサーに付いていたギャングの仕業かと思われたが、この事件を調査したブルース=バットマンは、犠牲者たちに奇妙な符号を感じ取る。
ギャングのイェーガーは、パートナーの実業家、スクワイアに場所を提供してもらい、相手のギャング・ブロディンと、話合いを行う。会議にて、互いに手を下していない事を述べ、手を組もうとする両者。
が、その会議の場で真犯人……プレデターが姿を現し、イェーガーを惨殺した。
バットマンはプレデターを追い詰めるが、返り討ちに合い叩きのめされてしまった。
重症を負いつつ、ケイブに戻るバットマン=ブルース。
生き残ったブロディンは、イェーガーを失ったスクワイアの後釜に入ろうと企むが、スクワイアもまたプレデターに惨殺。ブロディンはゴッサムの英雄にならんと、イェーガーのガンマンやチームも抱き込みプレデターに挑戦するが、やはり全員殺されてしまった。
市長のリーバマンは業を煮やし、ローラー作戦を実行させようとするが、彼もまた殺害された。
そして、ゴードンも狙われる。だが、部下を失い負傷しつつもなんとか逃げ延びる。
やがて、怪我を押してブルース=バットマンが、その姿を現した。装甲スーツに身を包んだバットマンは、現れたプレデター相手に、最終決戦を、ゴッサム最強のチャンピオン決定戦を挑む。
登場人物
バットマン=ブルース・ウェイン
当該記事参照。
本作では、初戦では一方的にやられて重傷を負うが、二戦目では装甲服のバットスーツ、および対プレデター装備を整えたうえで、バットケイブに誘い込み決闘する。
ジェームズ・ゴードン
当該記事参照。
アルフレッド・ペニーワース
当該記事参照。
本作では、旧式の単発式ピストルを片手に、ケイブに侵入したプレデターと対峙した。
カンドウスキ
女性刑事。ゴードンの部下で、男性顔負けの度胸と拳銃の腕とを持つ。
アレックス・イェーガー
ゴッサムを牛耳るギャングのボス。ブロディンとは長年対立しており、抗争により息子と片目を失っている。レイモンド・スクワイアとビジネスパートナーとなり、チャンピオンボクサーのスポンサーになっている。
レナード・ブロディン
イェーガーと長年対立しているギャングのボス。父親と兄たちを抗争で失っている。頭の良い母親がブレインになり、あれこれ指示を出してくれている。
マーカス・キング
イェーガーがスポンサーになり、チャンプとなったボクサー。最初の犠牲者。
ブル・ベルサグリオ
ブロディンがスポンサーとなったが、キングに敗北したボクサー。ブロディンが経営するボクシングジムでトレーニングを受けていた。
レイモンド・スクワイア
ゴッサムの実業家。高層ビル「スクワイアセンター」を所有し、ブルースともビジネスマン仲間で知り合いである。イェーガーとは、互いに協力関係にある様子。
ジュリアス・リーバマン
ゴッサムシティの市長。スクワイアおよびイェーガーとは知り合いで、協力関係を密かに結んでいる様子。ゴードンに反感を持ち、殺人鬼(プレデター)を見つけないとクビにすると圧力をかける。
プレデター
本作に登場するプレデターは、「プレデター2」に近い。
装備も、リストブレイド、槍、ショルダーキャノン、レイザー・ディスクを用いる。
コンピューターガントレットも装備し、囚われて自爆しようとしたが、気付かれたバットマンにより高圧電流を流され爆発前に破壊される。
また、ラストシーンには、エルダーおよび仲間たちが出現。「プレデター2」のハリガン警部同様にブルースを囲むが……。
関連タグ
スタッフ
デイブ・ギボンズ:ライター
アンディ・キューバート:ペンシラー
アダム・キューバート:インカー