サーム(シャー・ナーメ)

さーむ

サーム(シャー・ナーメ)とはイラン神話に登場する英雄。

概要

イラン神話に登場する英雄。

叙事詩『シャー・ナーメ』の英雄で、ナリーマンの息子、ザールの父、ロスタムの祖父。フェリドゥーン王、マヌーチェフル王、ナウザル王に仕えていた。竜殺しの英雄。

サームはカシャフ川の毒竜をメイスの一撃で倒したことから｢一撃のサーム｣や｢必殺のサーム｣という異名を持つ。幼いロスタムが巨象をメイスで倒したのは祖父ゆずりと言える。

息子を得た時、赤ん坊の髪と体毛全てが真っ白であったことから、サームは息子を遠方に捨ててしまったという暗い歴史がある。しかしその息子は、霊鳥スィーモルグによって育てられ、力強い青年となった。息子と再会したサームは自分の過ちを詫び、息子にザールと名付け、自分の支配するザーブリスターンを譲った。

孫のロスタムが生まれ少しして生涯を終える。

『Asiatic Papers』(著:Dr Jevanji Jamshedji)の論文では、｢アルジャースプとザレールの戦った戦争で、サームは最高のメイス使いと呼ばれ、そしてアーラシュは最高の射手と呼ばれている｣と記述されている。

シャー・ナーメではアルジャースプが叫んだ台詞の中にサームのメイスとアーラシュの矢が一緒に言及され、この2つは強力な武器とされている。