概要
イラン神話やシャー・ナーメに登場する英雄の名称で、アヴェスターでは「スラエータオナ」の名称で登場する。表記揺れは「ファリードゥーン」。
アヴェスターではアジ・ダハーカと対決したが、剣で切り裂いても傷口から毒虫や爬虫類が湧き出すなどして、殺し切る事は不可能と見た為にダマーヴァンド山に封印したとされている。
シャー・ナーメ(王書)ではアジ・ダハーカが肩から蛇の生えた暴君ザッハークに変わったものの、こちらでも、ザッハークをダマーヴァンド山に封じ込めるという大まかな筋書きは共通している。
その一方で、イランがイスラム教化し、敵が暴君として描かれた事による影響で、フェリドゥーンの親の仇という設定が追加され、国民もフェリドゥーンに賛同して圧政に反旗を翻すなどの革命物語としての毛色が強い。また、ザッハークとの決闘では剣ではなく、牛頭の意匠が施された矛を使用したり、ザッハークを封印するに至った理由もスラオシャに「まだ殺す時には非ず」と引き止められた為と細かな点でも差異が見られる。
余談
竜あるいは蛇の怪物を退治する英雄神の物語はインド神話にも存在しており、上記にあるように時代を経るにつれ暴君を倒す人の英雄へと変化している。
創作作品では
『真・女神転生デビルサマナー』、『ペルソナ2罰』に登場。