概要
晋江文学城にて2014年よりpriestにより連載されていた古風耽美小説。完結済み。
番外編含む109章により構成されている。
2018年には書籍が全5巻にて北京时代华文书局より発売されている。
猫耳FMにて729声工場よりラジオドラマが公開されている。全1期で完結済み。
2021年にアニメ放送予定。
タイトルの六爻とは、3枚のコイン(銅貨)を6回投げてその裏表の組み合わせから吉兆をみる易占から来ている。
銅貨は主人公、程潜の渾名でもあり、童如を始めしばしばモチーフに挙げられる。
また、六爻占術の本質は偶然の事象から運命を導き出すことであり、扶搖派と師兄弟たちに訪れるさまざまな出来事から、誰が手を引いているのか、何が目的なのかを推察する作風に準えていると考えられる。
あらすじ
三兄弟の二番目だった程潜は、一家の貧しさゆえに真人を名乗る胡散臭い鼬を彷彿とさせる老人に売り飛ばされた。
木椿真人は程潜とさらに孤児の少年を拾い、二人を弟子として扶搖派に招き入れる。
これは、衰退した宗派である『扶搖派』が同じ宗派の自惚れ者の大師兄、小賢しい二師兄、薄情な三師兄、お馬鹿な四師兄たちにより復活するまでの物語。
公式CP
鳴潜(鸣潜)
厳争鳴×程潜
口煩い攻め×刺々しい受け
木椿真人に連れられて初めて顔を合わせたときの印象は決して良いものではなかった。
しかしお互いに毒突きつつ師兄弟として交流を深めていく中、青龍島で自分を庇って怪我をした厳争鳴を見て、程潜は相手を殺したいとさえ発言するようになる。
負い目を感じて気落ちする程潜を見たとき、厳争鳴はそれまで全く懐く素振りを見せず噛み付いてすらきた子狼が、誰も気付いていない夜更けにこっそりと傷口を舐め出したような気さえして捉えようのない感情を味わった。
登場人物
主人公
程潜
扶搖派の三師兄にあたる。
酷薄非情な性格は子供を顧みることのなかった両親によるもの。しかし忠義には篤く、面倒を見てくれた師父を尊び、自分を庇って怪我をした師兄には気遣う素振りを見せる。ゆえにその精神を以って入道に至る。
厳争鳴からは小铜钱(小銭、銅貨)と揶揄われる(“潜”と“钱“の発音が近いことから)。
厳争鳴(严争鸣)
扶搖派の大師兄。綺麗好きで口煩く美意識が高い。
額に赤い心魔の紋が浮かぶ。
名家の子息だが、木椿真人に拐かされて扶瑶派に入る。
数少ない剣意を以って入道に至った剣修だが、性格が苛烈なことが多い剣修には珍しく暴力沙汰は好まない。
严娘娘(厳婦人)とは身嗜みを気にして口煩い彼に対する程潜の悪口。
師兄弟
李筠
扶搖派の二師兄。
聡いがゆえに臆病で心配性。狡賢く抜け道を探すのが得意。
頭脳派で戦闘能力はからっきし。
その危険性を知らず、禁じられた日に裏山に立ち入ることを程潜たちに唆して実際に韓淵が行方不明になった際はひどく狼狽えた。
韓淵(韩渊)
扶搖派の四師兄。
孤児で、廃寺に住み着いていたところを木椿真人に拾われる。文盲のためよく修練を嫌がった。
妖谷に入り込んだり、幽霊だと思って画魂を揶揄うなど、問題児ばかりの師兄弟の中でも生粋のトラブルメーカー。
韓譚(韩谭)
扶搖派の五師妹。
妖王の不倫で生まれた半妖。父親は不明。
長らく卵のまま放置されていたが、程潜たちが韓淵を探しに訪れた裏山に繋がる妖谷から妖魔との取引材料として持ち帰ろうとしたところ孵化した。
その場所が妖谷の深淵であったため、愛称は水坑(水たまり)。
その他関係者
木椿真人((韓木椿)韩木椿)
程潜たちの師父にして扶搖派の現掌門。
植物を愛する物腰の柔らかい老人。
個性の強い弟子一人ひとりに家族のように接し温もりを与えた。
童如
禁忌、邪宗とされる魔宗を修め、万魔に匹敵する実力を誇る北冥君。
壮年らしい外見で髪の一房が白くなっている。
顔には黒い靄がかかっており、程潜たちからその素顔を窺い知ることはできない。
事あるごとに扶搖派を助けるが、その理由は木椿真人でも知らなかった。
用語解説
単語
扶搖派
江湖の廃れた門派。木椿真人は貧しい宗派を建て直すために名家の子息であった厳争鳴を引き入れたとまで言われる。
各世代に必ず魔宗を修める者が現れると指摘されている。
入道
仏教用語で仏門に入ること。本作では一定の修練を得て実力を得たことを指す。
- 剣修
剣の修練者。剣の修練を積んで入道に至った者。
魔宗
邪宗。魔修は悉く道を逸れた者として追われる立場にある。
厳争鳴がひどく嫌悪する一方で、木椿真人の印象は決して悪いものではない。
魔宗の中でも特に禁忌とされる鬼宗がある。
- 噬魂灯
鬼宗の呪法。少女の魂を素体にして作られた灯籠に生贄を注ぐことで、生贄となった魂を自由に操ることができる。
注がれた魂の質が高いほど、数が多いほどその力は強大になる。
北冥君
万魔之宗。北冥(北の大海)を治めるほどの実力を誇る魔修を指す呼称。
扶搖派では歴代で二人の北冥君がいたとされる。
心魔
仏教用語で内障。本作では人のかたちを取り、宿主の意思に反する欲望や欲求を指摘し唆す存在。
ラジオドラマ
スタッフ
出品者 | 紫堂宿 |
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制作 | Maggie、 李秀梅 |
音響監督 | 苏尚卿 |
キャスト
程潜 | 苏尚卿 |
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严争鸣 | 阿杰 |
李筠 | 谷江山 |
韩渊 | 星潮 |
韩木椿 | 郭浩然 |
動画
第1期予告
主題歌
タイトル | 此心正年少 |
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作詞 | 南岐 |
作曲 | 明遥 |
歌唱 | 阿杰、苏尚卿 |
書籍情報
北京时代华文书局有限公司から出版。全5巻。4巻までは紙製本だが5巻のみハードカバー。
巻数 | 出版年 | サブタイトル | ISBN |
---|---|---|---|
1巻 | 2018/5 | 鹏程万里 | 9787569918922 |
2巻 | 2018/8 | 上下求索 | 9787569922226 |
3巻 | 2018/11 | 事与愿违 | 9787569925159 |
4巻 | 2019/3 | 盛极而衰 | 9787569900187 |
5巻 | 2019/6 | 返璞归真 | 9787569930139 |
原作、メディアミックス関連リンク
二巻以降の展開について
※以降、序盤の重大なネタバレ含む※
一巻にて、扶搖派が衰退した理由が木椿真人の師兄である蒋鵬(蒋鹏)の暴走、並びに四聖による掌門の殺害であることが語られる。
また童如が扶搖派を手助けするのも、彼こそが木椿真人と蒋鵬の師父(程潜たちの師爺、師祖)にあたり、先代の掌門に他ならないためだと明かされる。
既に故人であり、銅貨に宿る魂だけの存在になっていた童如は、己が魔宗を修めたがゆえに扶搖派が衰退する原因になったことを悔やみ、死の間際、三枚の銅貨に砕いた魂を込めて門派の危機に備えていたことを語る。その答えを聞き、木椿真人は童如が魔修となった所以が自身にあることを理解したため、残った自身の魂と銅貨を結びつけ、童如と共に罪を償うことを願い、程潜に別れを告げる。
扶搖派の衰退の原因、師父、師祖、師伯の関係性を知った程潜は、再会した厳争鳴に掌門の木札を託し、これからは大師兄が掌門であるという残酷な事実を突きつける。
扶搖山から遠く離れた青龍島で師父を喪い取り残された子弟たちは、いつか必ず扶搖山に帰り、かつての十大門派としての栄華を取り戻すことを誓うのだった。