お前たち!!これで終わったと思うなよォ!!
CV:大友龍三郎
概要
『モンタナ・ジョーンズ』の悪役で、世界中の財宝をコレクションしようとたくらむ伊達男。
遺産や財宝を護ろうとするモンタナ達と常に対立しており、彼らに保護の指令を出しているギルト博士も邪魔者と思っている。
手下にスリムとスラム、お抱え科学者にマッドサイエンティストのニトロ博士を連れている。
執念深い上に強引で横柄な人物で、目当ての財宝さえ手に入れば遺跡や遺構がどれだけ壊れてもお構いなし。
おまけに用済みともなれば協力者を瞬時に平然と裏切ることが常であったことから、モンタナに
「こいつ(ゼロ卿)と友達になるくらいなら、ゴキブリと兄弟になった方がマシだぜ!」
と言われてしまったこともある(※7話)。
謎解きについては多少はできるようだが殆ど的外れで、しばしばモンタナ達に出し抜かれていた。
しかしモンタナ達が自身の読みと違う行動をしているのを見かければ、即座に尾行へ切り替えて横取りを狙う等、狡猾で抜け目ない。
服装
普段は白マントに黒スーツと蝶ネクタイを身に付けてシルクハットを被っている他、右目にモノクルをしている。
他にも
等々、メリッサ程でないにしろ、なかなかにオシャレ。
手にするステッキは、殆どが何かしらの機能を備えた仕込み杖となっている。
劇中で披露されたものとして
- 超小型ロケットランチャー
- 望遠鏡
- 無線機
- 小型プロペラ
- ライター(トーチ)
等々、結構ハイテク。
装飾がその回に登場するメカローバーと対応している事も多い。
基本的には1本しか持ち歩いていないが、クフ王の回を見るに、場所次第では複数本をまとめて持参していくこともあるようである。
人物像
人前では紳士的に振る舞っているが、上述したように協力者が用済みになったり公衆の目がなくなったりすると、一転して横柄で身勝手な本性を表す。
おまけにかなり短気な性分で、失敗ばかりのスリムとスラムには怒鳴りつけたりステッキを振り回したりと、いつも八つ当たりしている。
※劇中の描写から、ステッキは2人が避けられる(当たらない)事を想定済みのようす(回避された後に頭を軽くポコポコと叩くことはある)。
一度アルフレッドを騙して財宝探しに協力させた際、じれったさから急かそうとするも「努力と忍耐ですよ」と言われてブチギレしかけている。
その為、特にトバッチリを受けていたスラムからは「ああいう性格にだけはならないでおこう」と陰口をたたかれた事も。
躍起になると無茶な命令を出しがちで、メカローバーの小中破、時に修復不可能なほどの大破の原因になっている。
いい例が恐竜型メカローバー『ゴグ』で、空を飛ぶ機能など搭載してもいないのに、飛んで逃げるケティ号に追い付けと命令した。
その為、ニトロ博士も自棄になって機関部を爆発させ、その反動で空を飛ぶ暴挙に出た(見事追い着きはしたものの、当然飛行制御ができなかったので岩壁へ激突。もちろん大破した)。
ロード(卿)なのでかなりのお金持ちなのだが、それに反して相当のドケチ。金貨1枚とて許さない。
ニトロ博士は研究費やメカローバー製造の予算が少ない事に、スラムはパシリの対価がほぼ無い事に不満を抱いている。
他には自他ともに認める寝起きの悪さはもちろん、いびきの騒々しさは筋金入り(いびきは自覚無し)。
人間関係
スリムとスラムは手下、ニトロ博士は雇われ(所謂スポンサー)の立場。
ただし話が進むにつれて、ニトロ博士とは言い争う場面が増えていった。
世界各国に顔は広いようで、ロシアにはチェロニコフ大佐という将校の友人がいた(後に絶交)。
マフィアや盗賊団などといった現地の犯罪者グループとも基本的には仲が良い(もっとも利用するだけ利用しては裏切るため、終盤には追い回されることが殆ど)。
ジョドファとも顔見知りで、しばしば宝の在り処を示すとされる品や情報をモンタナ達に先んじて買い上げている。
これらについてゼロ卿は「世界のどこにでも友人はいるのだ」と公言していた。
身体能力
ゼロ卿は恐らく壮年の男性だが、年齢を感じさせない身体能力の持ち主である。
例えば階段から推定6mの高さを飛び降りて何ともなかったり、剣術も相当なものだったり。
エクスカリバーを振るうモンタナ相手にステッキ1本で打ち合ったり、後述する剣士としても誉れ高い領主とサーベルで勝負した事もある(後者はさすがに押し負けた)。
おまけに(アニメの演出上とはいえ)メカローバー爆散の巻き添えや直接爆弾等で吹き飛ばされても服がちょっと破れる程度で済んだり、全身ススだらけ程度で済んだりとけっこうタフ。
中には急降下したまま地面に激突したのに、ケガひとつなく無事だった事も。
財力
劇中においては財力についての説明は無いものの、頻繁に世界中を飛び回って大掛かりなメカを毎回投入し、飛行場で大型飛行機(自家用機かは不明)を使用している事から、彼の財力は相当なものと言える(一方のモンタナは、個人業故に経営は綱渡り状態)。
4話で一度だけゼロ卿の住まいが映された事があるが、かなりの豪邸。
敷地周辺も柵や立派な門構えで、ニトロ博士の研究施設も兼備している。
本業こそ公表されていないなものの世界中に色々な事業を展開しており、7話におけるクフ王のピラミッド調査は彼の指揮の下、発掘が行われていた。
また、同時にエジプト博物館の館長を務めていた事が明かされている。
また、劇中に一度だけゼロ卿の顔が刻印がされた金貨が登場していたことから、造幣局とも関わりがあるのかもしれない。
そんな資産家でありながらドケチであるのは上述した通り。
お約束
財宝を見つけたモンタナ達の前に横取りの為に現れた際や、メカローバーが壊れてオチがつく際の台詞は代名詞と言って過言ではない。
- 「世界の考古学的遺産は、全てこの(我が)ゼロ卿のコレクションに」
- 「ニトロ博士、事情を説明してもらおうか」
- 「弁解は罪悪と知りたまえ」
- 「お前たち!!これで終わったと思うなよォ!!」
そっくりさん?
マントに帽子、モノクル、ステッキを手していて大掛かりなメカを多用する事、自分が価値を見出したお宝に執着、似たような凸凹コンビの部下がいる事(スリム&スラム、トッド&スマイリー)、主人公達に何度負けようと諦めない所など、『名探偵ホームズ』のモリアーティ教授とは共通点が多い。
まあ、キャラクターデザインが同じ人たちなので当然なのだが。
ほかにも34話にゼロ卿のソックリさんが登場している。
ルーマニアのとある領主はゼロ卿と瓜二つで、モンタナ達が初めて彼と出会った際はゼロ卿と勘違いした(明確な描写はないものの、この後に入れ替わり、農民代表と面会していたのがゼロ卿が扮する偽の領主と思われる)。
領主は穏健かつ友好的な人物で、語尾が「~だよね」となる、ゆったりした喋り方をしている。
機械類が好きなのか模型の飛行機を沢山集めており、モンタナ達が挨拶にやって来た際には「私も飛行機をこんなに持っているのだよね」と披露したり、ケティ号に乗せてほしいと頼む程。
また、モンタナ達が見つけるまで当話のキーアイテムである時計をずっと一人で弄っていたり、「構造が気になるからメカローバーを分解してみたい」と目を輝かせる等、好奇心旺盛で純真なのが窺える。
そんな(見た目に反した)子供のような純真さからか、政治は次期領主の座を狙う臣下のルベスク将軍に任せっきりで、ゼロ卿を撃退するまで領民からの評価は陰っていた。
後にゼロ卿とルベスク将軍の悪事が明らかとなり、領民からの支持は戻った模様。
そんな呑気な性格の一方で、農民の間でも知れ渡るほどに騎士の誉れを重視しており、ゼロ卿相手に互角以上の剣術を展開した。
また、同じくNHKで大友氏が演じたアリス探偵局のウルフさんが1度だけ彼の口癖をまねしたことがある(これはメインライターのひのくまりこうがモンタナにも関わったことから来たネタでもある)。
最後に
スリムとスラムやニトロ博士との掛け合い、ゼロ卿お決まりのセリフもまた、作品に魅力を与えていたと言えるだろう。
関連タグ
モンタナ・ジョーンズ メカローバー ニトロ博士 ケモノ 獣人
番場壮吉:キザで白いスーツを着ているのが共通点。オマージュ元?