概要
藤子・F・不二雄原作の漫画・アニメ作品『ドラえもん』に登場するひみつ道具の一つ。
初出は藤子・F・不二雄大全集第3巻に収録の「ショージキデンパ」。
見た目は、スイッチのついたアンテナのような道具であり、スイッチを押して対象に向けると、アンテナを向けられた人は思っていることを話してしまう。
電波が弱いと強情な人には効果がないが、出力をあげることで対処が可能。
しかし、出力が上がると周りの人にも電波の効果が現れる。
「のび太の結婚前夜」では、「正直電波」と漢字表記になっており、こちらは上記の「対象の意思に関係なく心の内を話してしまう」効果と異なり、「心の内を誰かに聞いて貰いたくなる」と言う効果になっている。
エピソード「ショージキデンパ」
ある日、のび太は学校でスネ夫から貸していた双眼鏡(スネ夫曰くスイス製の高級物)を返してほしいと言われる。
のび太はクラスメイトの本山君という少年に又貸ししたのだが、本山君は昨日確かにのび太に返したと言う。
のび太は返して貰ってないと反論するも、本山君は自分がなくしたのを他人のせいにするのかと怒り、本山君な言い分を信じたスネ夫も又貸しした挙げ句失くしたから弁償しろとのび太に迫る。
困ったのび太は、自宅でドラえもんに相談するも、ドラえもんものび太が忘れているだけじゃないのかと言った。
ついに泣き崩れたのび太を見て仕方なしにポケットからショージキデンパを取り出す。
ドラえもんが効果を解説すると、のび太は試しにドラえもんに向けて使用する。
すると、ドラえもんはどうせのび太が忘れているだけだが仕方ないから付き合ってやるかと心の内を話してしまう。
激怒するのび太を宥めつつ、ドラえもんはのび太を引き連れて本山君の家に向かう。
途中でスネ夫に会って、双眼鏡の弁償を催促されるも、自分の無実を晴らすためにスネ夫にも着いてきてもらう。
本山君の家にたどり着いたのび太一行だが、本山君は母親に頼んで居留守を使い追い返す。
困ったのび太は、空き地で子供達を集めてリサイタルしているジャイアンに本山君の居場所を聞くも、リサイタルに聞き惚れているみんなの邪魔をするなと追い返し、聞いてた子供達もお世辞でジャイアンを誉める。
そして、しずかと道端で会い、本山君と宿題をしていたと言う証言から本山君が居留守をしていることを知る。
のび太は再度本山君の家を訪ね、本山君の母親にショージキデンパを浴びせて彼が二階の自室にいると言う言質をとる。
本山君を問い詰めるのび太であったが、本山君は相変わらずのび太を嘘つき呼ばわりして相手にしない。
そこですかさずショージキデンパを浴びせてみるも、強情なためか一向に話そうとしない。
ドラえもんが、ショージキデンパの出力をあげるとついに本山君から双眼鏡は自分がこわし、弁償させられるのが嫌で嘘をついたと自白させる。
しかし、隣にいたスネ夫も様子がおかしくなり、彼も貸していた双眼鏡がスイス製の高級品ではなく縁日の屋台の売れ残りだったと嘘をついていたことが発覚した。
そして、表が騒がしいことに気がついたドラえもんとのび太が外に出ると、本山君の母親とスネ夫の母親が互いの息子の悪口を言い合っていた。
一方空き地では、さっきまでジャイアンを誉めていた子ども達がジャイアンの歌を罵倒し、それに怒ったジャイアンと喧嘩になっていた。
どうやら、ショージキデンパの出力をあげたせいで町中に電波の効果が広まったようであった。
類似品
あけっぴろげガス
ガスの入った缶状のひみつ道具で、こちらも対象の意思に関係なく思っていることをベラベラ喋らせてしまう。
白状ガス
同じくガスの入った缶状のひみつ道具。
こちらは思っていることではなく、自分の知っていることを白状させると言った効果になっている。