概要
夢幻の中にたゆたうような儚いクラリネット奏者。凋落の一途にある運命にあらがうことなく身を任せ、朽ちようとしている。
柔らかい微笑みを浮かべて優しい言葉をかけるが、本心は見えない。
退廃的な風情が、独特の色香となっている。
堂本大我が、時折御門の家に現れるようだ。
(公式サイトから引用)
ネタバレ(7章クリア必須)
「私はグランツに行く。リーガルレコードのひとりとしてね」
家の存続を最初は諦めていたが、主人公と出会い、スターライトオーケストラのメンバーとして音を重ねることで、徐々に忘れかけていた音楽に対しての思いが芽生え、11話で主人公との語らいによって何かを決意したような顔を見せた。
「わがままに生きれば誰かを悲しませる。けれど、私もそんな風に、望みを抱いて生きてもよいでしょうか」と意味深な発言を残して、ついにスタオケはこけら落としのコンサート当日を迎える。
本番前は従者である鷲上源一郎と共に和やかにしており、コンサートも無事成功したが、その後の祝賀会の途中で御門は「源一郎をお借りしますね」とだけ言って、姿を消してしまう。
みぞれが降る中、源一郎に己の胸中を伝える御門。しかし、源一郎はそれでも従者の務めを果たすべく「ステージに上がれなくても構いません」と歯向かうが……
それは、音楽を教えた師にとってはあまりに残酷な言葉だった。一番聞きたくない言葉だった。
いつもならば嬉しいはずの献身的な態度が、このときばかりは恨めしかった。だから。
「音楽をやりたい、ステージに上がりたい……そう言って、御門の門前に伏して願ったお前はいなくなったのか?」
そう言い放ち、御門は源一郎の頬を叩いて破門を言い渡したのだった。