概要
ながいけん閣下の、ファンロード投稿時代の作品をかき集めた短編集。
独特すぎる世界観と台詞センスが濃縮された作品集であり、コアなファン層を築き上げた。後に新作を追加して再版された。今なおながいけんの最高傑作とするファンも多い怪作。
主な掲載作品
「平口君の熱い夜」「平口君のバスバスバクハク」
心の魔王こと平口君を主人公とした作品。
平口君は無口な学生だが、自身に無礼を働いた者に対し、呪いを与え絶対死をもたらす。
(ただしその原因は、千円札をネコババしようとして落とし主に拾われた、通学バスで隣に女子が座らなかったといった、しょーもないもの)。
薔薇十字の会員とも呼ばれる彼の呪いは、毎晩自室に描いた魔法陣にて、周囲にロボットの玩具やドールを並べ、それらを生贄にする事で発動させる。その呪いを解く事はお釈迦様でも不可能。ただし呪いが効果を示すのは、推定二万年後。
「チャッピーとゆかいな下僕ども」「チャッピーのミラクル大作戦」
表題作。正義の味方(ただし善人ではない)と名乗るハゲスター・ミッチェルと、悪の味方と名乗る顔面段々畑・チャッピー、およびその部下である五人の下僕、チャッピー軍団の、戦いを描いたもの(そして大抵がチャッピーとチャッピー軍団がひどい目に遭って終わる)。
チャッピー軍団は、姿およびコスチュームが同じ五人組(額の数字のみ異なる)。そのうち三号は、妙に調子がよく、ひどい目に遭うのを回避している。
走れセリヌンティウス
「走れメロス」のパロディ。
悪事を働き過ぎたメロスを、本意ではないが処刑する事にした王。メロスはセリヌンティウスを人質に差し出し、三日間の猶予を申し出て、そのまま裏切る。セリヌンティウスは脱走し、メロスを棺桶に入れて処刑の日まで戻ろうとする。
……と、原典のキャラクターたちと真逆の性格にした内容。セリフも「力いっぱい殴らせろ」「殴らせろ、同じくらい音高く」などと、原典を踏襲しつつ真逆にしている。
「シミュレーションマシーン」「ロールプレイングマシーン」
ゲーム好きの青年・ブタが、自身をシミュレーションゲーム、およびロールプレイングゲームのキャラクターになり切って行動するというもの。
「シミュレーションマシーン」では、不良に絡まれる様を、シミュレーションゲームの戦車ユニットになり切ってやり過ごそうとする。
「ロールプレイングマシーン」では、行方不明になった父親・オルテガを、仲間たちと共に探すが、人家に(ゲームよろしく)勝手に入り込んでは家探ししたりしている。
その際、住民の少女に出会ったら「なんで我々にはいやらしいコマンドがないんだー! くやしすぎる!」などと慟哭していた。
ムウミン谷の攻防
某ムウミン谷に、某スナフキンがやってきて食料をたかるため、それを迎撃するというパロディマンガ。
水質汚染で、スナフキンは水とプランクトンしか口にしておらず、食料を所望。それを断られたため、「オートリバースエンドレスリフレインリピート」で、同じ曲ばかりを聞かせ気を狂わせようとする。
が、攻撃を受けて磔にされ、そのまま死体をさらされてしまう。
単行本掲載分は書下ろしで、ファンロード誌に投稿したものとは内容が若干異なる。