人間をついばむカラスはすぐ殺せ
にんげんをついばむからすはすぐころせ
「でも、そんなカラス見たことないよ。カラスは人間が近づくと逃げて行くよ?」
「見たことがないならいい。だけど、見つけたらすぐ殺せ」
あらすじ
語り手の住む村(原文では部落)で『人間をついばむカラス』が現れたので駆除することになった。祖父や村長に話を聞くとそのカラスは昔から存在が言い伝えられていて、普通のカラスとは違い人を見ても物怖じなどすることなく、逆に人間を狂ったように狙うと言う。
詳しく教えてもらうとカラス自体が問題ではなく、そのカラスが生み出す『ジンカン』という存在が問題であるらしい。ジンカンは『人間をついばむカラス』の卵から血飛沫を上げ生まれ、人間を殺し蹂躙する存在だという──。
ジンカンの対処法
ジンカンが現れる予兆として必ず『人間をついばむカラス』が現れると、この怪談ではされている。その段階でタイトルになっている通り『人間をついばむカラスをすぐ殺せ』ばジンカンが誕生することはなく解決するとされている。
しかし、カラスが見つからないなど何らかの理由でそれが出来ない状況の場合、翌日までに蜘蛛の巣を自分の家の前に貼ることでジンカンを追い払う、又は滅ぼすことが出来るとされている──。
最後に
上に挙げた話は単なる怪談だが、実際に野生動物が人肉の味と調達の容易さを覚えてしまう可能性、そしてそれが齎すであろう事態に対する恐怖はどうか忘れないで欲しい。