負の概要
「豊富な水があり」「自然環境は豊か」。つまりいつもジメジメしていて有機物が多いということであり、美しい見た目に反して微生物の繁殖に適した危険な場所でもある。
そもそも湿地とは低地、すなわち周囲の汚物が流れ着く場所であり、天然の下水処理場である。それ故、汚濁の流入が湿地の自浄作用を超えると「美しい自然」から一転「自然の脅威」と化すことになる。
観光地になるような美しい湿原は、人の生活圏から外すなど適切な管理を行った故の結果であり、同時に人の生活に適さないからこそ豊かな自然環境を保っているともいえる。
一方で、汚染済の湿地に貧民や被差別民が生活圏を追いやられるスラムを形成するなどの人類の業も見られる。