ミュシャ風
みゅしゃふう
アルフォンス・ミュシャの画風を模して描かれた作品にこのタグがつく。
大きな特徴として、フチ付きで装飾的に描かれた人物の髪、草花や自然物モチーフの繰り返し・絡み合う曲線的パターンを利用した華美な枠装飾が挙げられる。
アルフォンス・ミュシャ(1860~1939)
アール・ヌーヴォーと聞けば真っ先に連想される画家。初期にはパリで活躍し、後年はアメリカに移住し、欧州各地を転々とした後に故国チェコに戻り、祖国の歴史を描いた連作「スラブ叙事詩」の制作を行った。挿絵、装飾パネル、カレンダー、ポスターなどのグラフィック作品のみならず、装飾品やテキスタイル、インテリア用品のデザインなども手がけた。
彼を語る際に必ず話題に上る伝説的な出来事がある。彼が印刷業者に勤めていた折、大至急のポスター依頼が舞い込むも職場のデザイナーはクリスマス休暇で出払い、作業に取りかかれるデザイナーはミュシャだけであった。
これは美術学校を卒業してすぐに舞い込んだ仕事であり、おまけに彼は商業ポスターを描いた事がなかったが、何とかその日の内に仕上げる事が出来た。すげぇ。
しかもポスターが貼り出されるや否や大好評を博し、一夜にして彼の名はパリ中に知れ渡る事となる。ミュシャすげぇ。
ミュシャが一躍有名となったエピソードであるが、これは女優サラ・ベルナール主演の芝居、「ジスモンダ」の為のポスターとしてよく知られている。ちなみに芝居も大成功に終わり、サラ・ベルナールがフランス演劇界の女王として君臨するきっかけとなった。ミュシャ超すげぇ
ちなみに近年では、伊藤園の缶コーヒー「サロンドカフェ」のパッケージに用いられたりもした。
アール・ヌーヴォー
またはアール・ヌーボー。フランス語で「新しい芸術」の意味。
19世紀末から20世紀初頭にかけてヨーロッパで流行した芸術様式。イギリスの「アーツ・アンド・クラフツ運動」がフランスにおいて発展したものであり、日常生活を芸術に結び付けることが目的であった。絵画や彫刻はもちろん、装飾や建築にまで幅広く応用された。
植物の形を取り入れた曲線的パターンが特徴。
後には機能性よりも過度な装飾性に流れてしまい、その意義を失った。