概要
血の贈与の悪魔とは、トレーディング・カードゲーム「Magic: The Gathering」に登場するクリーチャーである。
血の贈与の悪魔 黒黒3
クリーチャー — デーモン(Demon)
飛行
あなたのアップキープの開始時に、プレイヤー1人を対象とする。そのプレイヤーはカードを1枚引き、1点のライフを失う。
5/4
そのルネッサーンスな風貌から親しみを込めて「乾杯デーモン」と呼ばれる。
イニストラードとデーモン
カードセット・イニストラードで収録されたレアのデーモン・クリーチャーカードである。イニストラードはゴシックホラー的世界観をコンセプトとした世界で、そこでは人類が化け物(吸血鬼、ゾンビ、狼男)の軍勢が生き残りをかけて争っている。かつてはイニストラード出身の吸血鬼にしてプレインズウォーカーであるソリン・マルコフが、人類と化け物の均衡を保つため、人間側の守護者としてアヴァシンという天使を創造した。アヴァシンは彼女の部下である天使の軍勢とともに化け物を駆逐し、自らを信仰する人間達に聖なる加護を与え、イニストラードの平穏は保たれたかに見えた。しかし、地獄から現れた新たな脅威であるデーモンとデビルの軍勢との戦いの中でアヴァシンは、化け物を封印するために設置した「獄庫」に自ら封印されてしまう。アヴァシンの加護を失った人類は、地獄の軍勢とかつての化け物達に包囲され、絶望的な状況に陥ることとなる。
血の贈与の悪魔は地獄の軍勢のうちのデーモンに分類される。m:tgにおけるデーモンで最も有名な奈落の王が7/7というサイズであることを基準とすると、5/4である血の贈与の悪魔はおそらく、デーモンの中でも下級~中級に属すると思われる。
カードとしての評価
ネクロポーテンス、ヨーグモスの取り引き、ファイレクシアの闘技場に代表される、「ライフをリソースに変える」という黒の伝統的能力を受け継いだカード。なかでも能力的にはファイレクシアの闘技場に近い。
闘技場と違うのは対戦相手も対象に取れる点で、自分のライフが危うければ対戦相手のライフを削るために能力を使用することも可能である。
5マナで5/4飛行というなかなかのスペックに、カードアドバンテージを得られる能力まで付いているので極めてお得。
しかし最近のクリーチャーカードの発展は目覚ましく、そのために日の目を見られていないのが現状である。
6マナ6/6+αの基本スペックに加えて、場に出たときと攻撃時にそれぞれアドバンテージをとる「タイタン・サイクル」、同じく6マナ6/6+接死、絆魂の能力と、死んだときに分身を残す「ワームとぐろエンジン」、そして6マナ4/6飛行と基本スペックはそこそこだが対戦相手がカードを引くたびにカードを「2枚」引ける「聖別されたスフィンクス」といった強力なカードの前にはその能力もかすんでしまう。
特に似たような役割をもつ聖別されたスフィンクスは最大のライバルで、こちらは能力の性質上対戦相手のドロー・ステップまで生き残ればカードアドバンテージを得られるのに対して、血の贈与の悪魔は自分のターンまで生き残らない限りカードを引けず、しかも1枚だけという点を比べられてしまい、「青が使えるデッキならスフィンクス一択」と言われてしまう始末。
しかしながら、スフィンクスに比べると1マナ軽い、そもそも色が違う、黒であるゆえに破滅の刃(黒でないクリーチャーを確実に破壊する呪文)が効かないなどといった利点もある。そのため、青を使わない中速ビートダウンデッキや中速コントロールデッキでは充分に強力なドロー源兼フィニッシャーとして使えることだろう。