大東亜共和国
だいとうあきょうわこく
概要
小説「バトルロワイアル」に登場する架空の全体主義国家。
東洋に浮かぶ島国。
実在の日本に非常に似ており、実際香川県などの日本の地名が出てくる。
極めて厳粛な軍事国家でアメリカを敵性認定しており、政府や軍による言論統制や人権蹂躙などは日常的に行われている。
本作で主人公たちが巻き込まれる殺人ゲーム「プログラム」(詳しくはバトルロワイアルを参照)も、その一つである。
プログラムの会場となる場所は毎回異なり、開催中は国民に一切知らされない。
作中では香川県の孤島が舞台となり、住民らは強制的に退去させられている。
ライフラインは止まっているが、車やパソコンなどはほとんどそのまま残っていることが多い。
ただし、逃亡を防ぐために船は撤去されている。
対象となった生徒たちの家族は、生徒たちがスタート地点へ拉致された時点で、政府関係者からそのことを知らされる。
多くの者は嘆き悲しみながらも受け入れるが、中には反抗の意志を示す家族もおり、そういった場合は逮捕、最悪の場合はその場で殺されてしまう。川田の父がその例である。また、主人公が暮らす孤児院の女性職員が反発の意志を示したため、担当官に乱暴された。
表向きは「陸軍が行う戦闘シミュレーションで、所要時間などの各種統計を重ねることによる防衛上の理由から」とされているが、真の目的は国民に相互不信を植え付け、反政府活動のための結託を阻害することである。
一方で、GDPなどは高く経済大国でもある。
政治の頂点に立つのは「総統」と呼ばれる役職の人間であり、表向きには主人公たちの時代で325代目と言われているが、実際には12代目で、それ以前は政府によって捏造された偽りの歴史である。
「総統」自体は、テレビ放送などで一般市民も姿を見ることができるが、そもそも「総統」という人物さえ存在しないとも言われている。
その厳しい政治体制から、一部の国民からの反発も大きく、本作主要人物の一人・三村信史の叔父も反政府活動の果てに命を落としている。
映画版
実写映画版では架空の国ではなく、現代日本が舞台となっており、登場する軍人の所属も自衛隊になっている(さすがに映画の内容から、現実の自衛隊の協力を得ることはできなかったが)。
原作の「プログラム」に相当する「新世紀教育改革法(通称「BR法」)」の目的も、校内暴力・少年犯罪の激化をきっかけに、「死」を利用して、大人の威厳を取り戻すことである。
さらに、ゲーム開始前と終了後にはマスコミが現場に押し寄せ、これから殺し合いをする40人と、その中から生き残った一人をモザイクなしで報道することが慣習化している。
また原作の「プログラム」では対象クラスがランダムで年間50クラスが選ばれるが、映画版では年間1クラスで、作中では教師キタノの推薦によって城岩学園中学校3年B組が選ばれたという違いがある。