生物としてのリヴリーはこちらを参照。
概要
かつて運営されていたオンライン箱庭的育成チャットツールゲーム。
正式な表記は『Livly Island』。
当初はコールドプレス社から『Livly 〜不思議なペット〜』という題で2002年にサービスが開始されたが、2003年に『Livly Island』にタイトル変更しソネットエンタテインメント株式会社に運営が変更された。
2009年11月に多数の機能拡充を行ったVer.2として『Livly Island COR』に再度タイトル変更。
その後、Adobe Flashの2020年内の開発・配布終了に伴いHTML5版を2019年3月に公開し、タイトルを再度『Livly Island』に変更。
年内を目途にHTML5版への完全移行を予定していたが、同年12月末を以てサービスを終了。
関わる諸々の権利は株式会社ココネに譲渡され、2021年にスマートフォン向けタイトル『リヴリーアイランド ペットと暮らす小さな箱庭サイズの島』として再出発している。
と、以上のように大変数奇な運命を辿っているタイトルである。
なお派生作品として、携帯電話向けコンテンツ『ケイタイリヴリーアイランド』、同じく携帯向けにPC版と連動してリヴリーの世話ができる『おでかけリヴリー』、2010年にニンテンドーDS用ソフトとして発売された『Livly Garden』などが存在する。
世界観
「中世時代のヨーロッパ圏で錬金術師たちによって生み出され、やがて絶滅した生物『リヴリー』を、日本在住の独学生物学者ミュラー博士が蘇らせ、一般に配布している」という設定のオンラインブラウザゲーム。
『リヴリー』は手のひらサイズの小さな生き物であり、主に動物や空想上の生物をモデルにしてデザインされている。
ゲームシステム
ユーザーはウェブ上にリヴリーとリヴリーを飼う島(アイランド)を持つ。
リヴリーはdoodooと呼ばれる宝石のウンチ(リヴリーアイランドの世界での通貨)を出すことができ、これを用いてリヴリーのエサや新たな島、家具類などの置物アイテム等を購入することができる。
また、リヴリーを他ユーザーの島へ放浪させたり、様々なエサを与える事によって自分の飼っているリヴリーの経験値を上げ、『技』を覚えさせることができる。
技はチャットにコード入力することで使用可能。ハートマークを飛ばしたり花を咲かせたりといった害のないものが多いが、中には投石や雷といった攻撃手段として使用可能なモノもある。
ユーザー個々に所有する島の他、運営が開放している公共エリア「パーク(公園)」などの施設が存在し、散歩したり買い物をしたりして遊ぶことができる。
アイランドやパークにはモンスター(カマキリやスズメバチなどの害虫)が出没することもあり、戦闘する必要は全く無いが、前述のわざを駆使して戦うことも可能。倒すことができればモンスターがため込んでいたdoodooを入手することができるが、4回攻撃されるとリヴリーが死んでしまう。
アイランドに出現するモンスターは攻撃を仕掛けなければ戦闘になることはないが、パークに出没するモンスターは無条件でリヴリーを殺しにかかってくるので注意が必要。
基本プレイは無料だが「G.L.L」や「ヤミー」などの課金コンテンツも存在し、それらに加入することで初めて飼育が解禁されるリヴリーも存在した。
諸騒動
しばしばアクセス集中によるサーバー傷害やシステムトラブルが発生していた他、リアルイベントなどでも騒動が発生したこともある。
代表的なものをいくつか挙げる。
アナグラ亭事件
2005年7月、2周年記念イベントの最中発生した事件。
期間中限定習得できる技を使用することで「アナグラ亭」(過去に配布された島を数量限定で販売するショップ)に行くことができる、という催しが開かれていたが、アクセス集中により操作が困難な状況が続き、ついには一部ユーザーが移動不能、ログイン不能の状態にまでなった。
これだけなら「サーバーが貧弱だった」で済んでいた問題だったと思われるが、限定技の習得場所だった「ウォーターグリフォンパーク」におけるモンスターの出現フラグが平常時のままだったのが問題をより大きくしてしまった。
前述した通り、パークに出没するモンスターは積極的にリヴリーを殺しに行くようになっており、アクセス過多のせいでまともに操作できない、という状況下で抵抗もままならない大量のリヴリーたちが虐殺されてしまったのである。
更に肝心のアナグラ亭も、在庫が開始わずか約7時間で払底(人気の高かった島は2時間程度で売り切れていたとか)。
結果、ログインできるタイミングが合わずイベントを逃したユーザーやリヴリーを失ったユーザーから大量の苦情があふれた。
操作不能で死亡してしまったリヴリーに関しては運営に申請を送ることで復活させる措置が取られたが、公式が告知を十分に行わなかったため申請できることを知らずに泣き寝入りしたユーザーも少なくなかったという。更に、復活は申告制だが内容の審査をきちんと行わなかったため、これ幸いと虚偽申告を行い期間限定リヴリーを入手するプレイヤーも多数現れるなど非常に大きな問題となった。
So-netキャラクター夏祭り事件
2006年8月。東京都青山で『Livly Island』のリアルイベントが開催された。
会場限定でトランシロンカード(カードに記載されているコードを入力することで自分が飼っているリヴリーの種族を描かれている種族に変更できる)が販売され、カード目当てのユーザーが朝から行列を作ったという。
が、当日になってからの販売方法の度重なる変更や行列の整理など多数の問題を起こし、一部来場者とスタッフが揉める事態に。
また、そこまでして入手したトランシロンカードの一部に不具合があったことも発覚(記載されていたリヴリーへ変更できなかった)したため、イベントの公式ブログに対して大量の批判や苦情が書き込まれることとなった。
後日公式ブログに運営から謝罪文が掲載され、本イベントに関する情報がYahoo!ニュースなどにも取り上げられてしまうなど悪い意味で注目が集まった。
余談だが、イベント終了後にトランシロンカードがネットオークションにかけられた結果、一番人気だった「ピグミークローン」のカードが11万円という原価の20倍以上の価格で落札され話題を呼んだ。
中秋連続メンテナンス事変
2008年10月。15日午前11時~16日午前11時までの予定だったメンテナンスが2時間延長され、総計26時間という過去最長のメンテナンスが行われた。
推奨環境の変更に伴うシステムの向上やランキング仕様の変更などを目的としたものだったとアナウンスされていたが、このメンテナンス以降サーバーの不調が続き翌月4日までの間毎日2回のメンテナンスが行われるという異常事態が発生。
これにより、doodoo、経験値、ヤミー(課金マネー)等の獲得状況が巻き戻る、マップ移動障害、突然ログアウトする、出かけたリヴリーが帰ってこなくなった、画面が表示されなくなる、などのまともにプレイすることが困難な状況が長期に渡って継続。
更に同時期に開催されていたハロウィンイベントではまたしてもイベントアイテムの取得エリアにモンスターが出現するパークが含まれており、障害によってパークに取り残された大量のリヴリーが死亡する事態を引き起こした。
混沌の渦に叩き込まれた多くのユーザーの苦情がゲーム内の大掲示板に大量に殺到することになった。