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125系の編集履歴

2012-03-30 15:26:00 バージョン

125系

いちにーごーけい

125系電車(125けいでんしゃ)は、西日本旅客鉄道(JR西日本)の直流一般形電車である。

概要

JRグループの新製車両では四国旅客鉄道(JR四国)の7000系以来二例目となる営業用の両運転台電車である。

これまで、JR西日本管内の電化ローカル線には日本国有鉄道(国鉄)時代に製造された近郊形電車を編成短縮化などの改造を施して配置することが多かったが、小浜線と加古川線の電化工事に関しては地元自治体からの補助があったために新車も投入することになり、アーバンネットワーク用車両の設計思想を元に省エネルギー、運用効率や快適性の向上を目指して新規開発された。

ワンマン運転とバリアフリーに配慮した構成で、運転室付近の構造・ドア上の広告スペースは、同じ常時貫通構造を持つ223系5000番台にも採用されている。なお、同番台区分をベースに設計された521系はまったく違う形状をしている。

小浜線や加古川線での運用最高速度は、変電所の容量の関係や線路条件などから85km/h、北陸本線や回送時など他線区での運用最高速度は120km/hである。乗客定員は114名(座席31名・立席83名)である。本系列の導入で敦賀駅-小浜駅間は7分、小浜駅-東舞鶴駅間は3分、加古川駅-西脇市駅間は5分の時間短縮となった。

なお、本系列は金沢支社所属車両で唯一、別の同支社所属車両と優先座席の位置が逆になっている(223系などと同じ)。

構造

両運転台構造のクモハ125形制御電動車 (cMc) 1形式のみが存在する。なお、サロ124形とサロ125形は113系の形式であるため、当形式と関係がない。

車体

223系2000番台電車をベースにした軽量ステンレス構体を採用し、単行運転可能な両運転台構造としている。ドアは運転台直後に片側2か所の両引戸を設けているが、中央部にも1か所増設可能な構造となっている。これは223系2000番台中間車の車体側面部材をそのまま流用したためである。窓配置についてもベースとなった223系2000・2500番台と同様に5連窓となっている。

車端部は貫通構造で、最大5両編成で運転することができる。

207系などと同じ旋律のミュージックホーン、ホイッスルを装備している。小浜線内では2008年12月頃からホイッスルとミュージックホーンを使用している。

主要機器

1両での運用が多いことから、事故・故障時に直ちに運転不能に陥ることがないよう、機器の二重系統化が図られている。

制御方式は、東洋電機製造製のPWM-IGBTVVVFインバータ制御装置1個で1台の電動機を駆動する1C1M方式である。2系統のうち1系統の制御装置が故障しても、残り1系統の制御装置により運転の続行が可能である。また、性能選択スイッチにより、207系、221系、223系などと併結運転が可能となっている。

主電動機は、1時間定格出力220kWであるかご形三相誘導電動機WMT102B-Tを搭載する。

ブレーキは電力回生併用電気指令式空気ブレーキで、保安ブレーキはフェイルセーフの思想に基づいて各台車に別系統で装備し、冗長化を図っている。

補助電源装置はSIV (WSC39 : 120kVA) を2基装備している。

集電装置は、ステンレス製であるWPS28Aシングルアーム式パンタグラフを前位に1基搭載している。車両番号6 - 8・11・12は霜取り用パンタグラフを後位に増設して2基搭載する。このうち後述する1次車が落成した時点で霜取り用パンタグラフが搭載されたのは7・8のみであったことから、小浜線電化後の2003年冬には架線の凍結による輸送障害が頻発した。

台車は、前位側が動力台車 (WDT59A) 、後位側が付随台車 (WTR243B) の構成であり、単行電車でありながらMT比=1:1としている。いずれも軽量ボルスタレス台車である。

車内

223系の内装を基本とし、前位側のドア付近には3人掛けのロングシートを設置、それ以外は車いすの旅客が容易に通行できるように考慮して、当初1列+2列の転換クロスシートが設置されたが、座席数が少ないと不評だったため、小浜線向けの車両(1-8)は2003年12月-2004年1月にかけて地元負担で2列+2列に改造された。改造により「ゆとりスペース」(中央部ドア増設予定スペース)にも座席が設置された。ただし、荷棚に貼付された座席番号表記シールは交換されていない。

後位側ドアには隣接して車椅子対応の洋式トイレが設置されている。トイレの対面には座席を設備しない車椅子スペースを設けてあり、壁面にパネル式暖房器が装備されている。窓ガラスは灰色のUVカットガラスが採用され、カット率は99%以上となっている。

番台別概説

1次車

2002年秋に川崎重工業兵庫工場で2003年3月15日の小浜線敦賀駅-東舞鶴駅間の直流電化完成に合わせて8両(車両番号1-8)が投入された。当初は福知山支社福知山運転所電車センター(現在の福知山電車区)に在籍していたが、2006年10月21日より金沢支社敦賀地域鉄道部に転属し、敦賀運転センター車両管理室に配置された。

なお、最初の約3年半だけ福知山に在籍していた理由は、電化開業当時敦賀駅構内が小浜線と関連する部分のみ直流電化されたにとどまっており、当時交流電化だった敦賀地域鉄道部構内への出入りができなかったためである。

2次車

2004年12月19日に加古川線加古川駅 - 谷川駅間の直流電化完成に合わせて4両(車両番号9 - 12)が投入された。4両全車が神戸支社網干総合車両所に所属し、加古川派出所に配置されている。

1次車と比べ、主に以下のような変更がなされている。

●側窓はUVカット率と飛来物貫通防止性能を向上させたグリーンガラスに変更。

●前面下部の排障器(スカート)を強化型に変更。

●冷房装置はオゾン層破壊防止の観点から代替フロンを使用したWAU705Bに変更。

●集電装置を、アルミニウム製であるWPS28Bに変更[2]。

●クロスシートは横1+2列配置。座席のほとんどが進行方向に向けることができるようになった。

●助士席側に作業用ステップを設置。

●トイレの汚物処理システムは地上設備の関係上、1、3次車とは異なりカセット式である。(1、3次車は300系新幹線などで採用されている清水空圧式)

3次車

2006年9月24日に北陸本線長浜駅-敦賀駅間、湖西線永原駅-近江塩津駅間が交流電化から直流電化に変更され、10月21日ダイヤ改正に合わせて6両(車両番号13-18)が投入された。この3次車の製造費用(1両あたり1億8千万円)は全額地元自治体の滋賀県と福井県が負担している。全車が敦賀地域鉄道部に所属し、敦賀運転センター車両管理室に配置されている。

2次車までとの変更点は次の通り。

●室内蛍光灯カバーと優先座席ステッカーを321系と同じものに変更。

●座席については当初から2+2列で落成。

●1・2次車の運転室と客室は運賃箱で仕切られていたが、521系と同じような助士席側へスライドする引き戸とされた。

●前面幌枠の形状が若干変更された

●運賃表示器には1次車の敦賀-福知山間に加え、敦賀-米原間・近江塩津-近江今津間の駅名表示が追加された(1次車は敦賀-福知山間のみで存置)。

配置と運用線区

敦賀地域鉄道部

敦賀地域鉄道部には 1-8, 13-18の14両が所属しており、敦賀運転センター車両管理室に配置されている。主に小浜線において運用されている。(一部は、北陸本線(敦賀-長浜)、湖西線(敦賀-近江舞子)まで運転される列車もある。)

通常の営業運転において、客用ドアは常時半自動扱いである。ドアチャイムは、1次車は全自動扱い時のみ、3次車は半自動扱い時にも鳴動する。このうち後者は北陸本線での運用時にのみ使用される。

3次車の投入により小浜線の朝ラッシュ時に1往復設定されていた113系4両編成の運用がなくなり、同線の列車はすべて本系列に統一されたが、2009年3月14日から2010年3月12日までは521系も運用されていた。

網干総合車両所

103系3550番台とともに加古川線で運用されている。

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