精神生命体
せいしんせいめいたい
概要
「転生したらスライムだった件」に登場する生物の性質。より詳しく言えば悪魔や天使、精霊を指す。
実体を持たず、精神(魂)単体での活動が可能な存在で普段は異界(精神世界)に住んでいる。
異界は魔素が飽和しているため強い意思さえあれば自由に行動できるが、物質界である現実世界では魔力が拡散していく為短期間しか行動できない。無理して留まろうとすると魔素が拡散しきって消失してしまう(時間経過で復活するが記憶・人格に支障が生じる危険が伴う)ので物質界に留まるには実体である依り代に魂を宿して肉体とする「受肉」が必要。召喚されての本当に一時的な滞在の場合は魔力で仮の肉体(魔体)を構成する。
また、作中世界は異世界から人間を召喚する儀式が存在し、失敗すると世界を渡る際に体に取り込まれる魔素を受け止めきれない子供が召喚されてしまい、やがて魔素に体が耐えきれず焼き尽くされてしまう。しかし受肉した精神生命体(主に上位精霊)が制御する事で命を取り留められる。
誕生したての頃は明確な自我を持たないが、時間が経過して獲得しうる意思の強さが戦闘能力のみならず自身の存在を維持する源故に、精神が非常に強くその魂が誕生してから生きた年月が長いほど強さが蓄積され、より強力な個体へと昇華していく。そして劣化することもなく殺されない限り生き続けられる不老不死の領域。
「悪魔は天使に強く、天使は精霊に強く、精霊は悪魔に強い」という三竦みの優位性が存在している。(上述の生きた年月による力の蓄積量の差で覆す事が可能で、一方が最上位級であればもう一方を瞬殺する事もある)
また、肉体を有する種族であっても進化によって半精神生命体や精神生命体に覚醒する者達もおり、人間も「聖人」クラスに進化すると精神生命体に等しい存在となる。
悪魔族
原初の七悪魔を筆頭とし、七種類の性質とその証の色を有している。
冥界の住人で魔力や妖気の扱いに長け、魔法を主に扱う種族。非常に好戦的で冥界においても常に戦いを繰り広げている。そして魂(感情)が大好物らしく人心掌握も得意。
それぞれが支配領域を持っており、各地に点在する「冥界門」(現実世界と異界の出入口)を守護している。現実世界の生命が異界に入ってくることはまずない(魔素が満ちている別次元のため通った時点で体が変質し壊れる)が元天使など様々な精神生命体が侵略しようとするのを撃退していたらしい。(悪魔三人娘以外の4柱の支配領域の場所は不明だが冥界門を守護していたのは確実)
性質は傲慢で邪悪だが必ずしも悪行をはたらくわけではなく、契約には忠実で強さによって主に認められようとする。(当然だが、契約違反を犯したり術者の力量では分不相応の地位の高い悪魔を呼び出してしまった場合は大きな厄災となる)
召喚時には(受肉あるいは契約中活動するために必要なエネルギーとして)魔力や魂を要求してくる。
死んでも時間をかけて復活はするが弱体化する。生き続けた年数=戦闘経験の蓄積による力の強さの証明であり、肩書きが同じ上位魔将(アークデーモン)だとしても実力差がある。
進化制限がかけられており、保有魔素量の上限が存在する為通常は上位魔将以上にはならない。その制限を突破するには名付けなどの因子が必要。
年月による種類とは別に王侯貴族式の階級が存在し、その遥か上に始祖である七柱が君臨する。自身の系統の王は勿論多系統の王にも逆らうことはできず(逆らえば容赦なく抹殺してくる)王達の代名ともいえる「色」単体での呼称も呼び捨てする事はない。
階級
- 下位悪魔(レッサーデーモン)
生まれたてのまだ明確な自我や特性を有していない最下級悪魔。山羊の頭と蝙蝠の翼、黒っぽい下半身を標準的に備えている。自我が希薄なため人間の指示には簡単に従う。ここから気質が定まっていき上位悪魔へと進化する。
- 上位悪魔(グレーターデーモン)
七色の悪魔の系統のいずれかに染まり明確な自我を有した中級悪魔。通常人間が使役できるのはこの段階までである。
ベレッタがこの階級に該当する。
- 上位魔将(アークデーモン)
悪魔が通常進化できる最上位級。原初の悪魔達も現世に召喚された当初はこの段階であった。
- 悪魔公(デーモンロード)
上位魔将が更なる進化を経て魔王種へと到達した存在。魔素量の限界値にまで達して力を蓄えが十分になった上で二千年以上それを維持する事で進化可能となる。しかし戦闘種族である彼らの性質は敗北した場合の魔素量が低下してしまう危険と隣り合わせであり、上位魔将に進化してからは二千年以上一度の敗北も許されないのを潜り抜けるという過酷な条件でようやく到達できる領域となっている。
- 悪魔王(デヴィルロード)
悪魔公が覚醒魔王から数多の魂を与えられて覚醒魔王へと進化した存在。当初はギィのみがこの領域にいた。書籍最新刊時点で原初の七柱全員がこの段階に進化している。
- 悪魔神(デヴィルロード)
悪魔王と同様覚醒魔王へと進化しているが悪魔王より更に上の領域。
天使族
始原の七天使を筆頭とする。
元々は星王竜ヴェルダナーヴァの部下だった種族。邪悪な魔の力を浴びた影響で変質したり何らかの経緯で堕天したりと純粋な天使は現存していない。
思考制限がかけられており、始原の様な上位者以外は自我が薄くなっている。
長鼻族(てんぐぞく)
天使が大狼族に受肉した結果生まれた個体群。白い羽と犬耳が特徴(混血はそれらの特徴がない)。実態は長鼻ではなく天狗であり、鼻が長いとかではなく長距離まで感知できる嗅覚が由来である。
半精神生命体であり状態異常などに強い。温厚だが本質は戦闘種族であり敵対すると厄介である。
精霊族
精霊女王を筆頭としていた。
自然界のエネルギーが具象化したような存在。精霊が術者に興味を持ってくれれば契約を結べる。
意思すらない欠片のような者から明確な自我を持った上位精霊までピンキリ。肉体を持って魔物の祖となったり堕落して妖精やドライアドとなった者もいる。
火、水、土、風、空の5属性、そして勇者の素質がある者に憑く光や闇の精霊がいる。
聖霊(大聖霊)
恐らく精霊の上位存在。
聖騎士は聖霊と契約していたりする。登場はしてないので詳細が不明。
4属性より上の闇、光、時3属性がいる。
光の大聖霊は天使の起源、闇の大聖霊は悪魔の起源である。